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公開番号2025101164
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023217807
出願日2023-12-25
発明の名称ひずみセンサ用積層体およびひずみセンサ用積層体の製造方法
出願人artience株式会社
代理人
主分類G01B 7/16 20060101AFI20250630BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明により温度と湿度が変化する環境において安定したひずみの計測が可能なひずみセンサを提供すること。
【解決手段】基材上に、少なくとも導電配線層と、保護層とを有するひずみセンサ用積層体であって、導電配線層が黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、および酸化グラフェンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、導電配線層の90%RH環境下における抵抗温度係数が、2.0×10-3未満であることを特徴とするひずみセンサ用積層体により、上記課題は解決される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材上に、少なくとも導電配線層と、保護層とを有するひずみセンサ用積層体であって、
導電配線層が黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、および酸化グラフェンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、
前記導電配線層の下記式(1)で示される抵抗温度係数が、2.0×10
-3
以下であることを特徴とするひずみセンサ用積層体。
式(1) 抵抗温度係数=|[(R
60
-R
10
)/R
10
]/50|
(式(1)中、

60
は、湿度90%RH、温度60℃における導電配線層の抵抗値を表し、

10
は、湿度90%RH、温度10℃における導電配線層の抵抗値を表す。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
導電配線層が、黒鉛とカーボンブラックとを含有することを特徴とする請求項1記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項3】
導電配線層中の黒鉛とカーボンブラックとの質量比(黒鉛:カーボンブラック)が、20:80~90:10であることを特徴とする請求項2記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項4】
保護層の水蒸気透過度が、10.0g/(m
2
・day)以下であることを特徴とする請求項1記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項5】
保護層が、無機物の蒸着フィルムであることを特徴とする請求項1記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項6】
保護層が、アルミナおよび/またはシリカを含むことを特徴とする請求項1記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項7】
導電配線層が、ガラス転移温度が70℃以上のフェノキシ系熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項8】
導電配線層の体積抵抗率が、5.0×10
-1
Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1記載のひずみセンサ用積層体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のひずみセンサ用積層体を用いたひずみセンサ。
【請求項10】
基材上に、導電配線層と、保護層とを有するひずみセンサ用積層体の製造方法であって、前記基材上に、導電配線層形成用の導電性インキを印刷して、前記導電配線層を得る工程と、前記導電配線層上に、保護層形成用塗布液を塗工、または保護層形成用フィルムをラミネートにより、保護層を形成する工程とを有し、前記導電性インキが黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、および酸化グラフェンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、
前記導電配線層の下記式(1)で示される抵抗温度係数が、2.0×10
-3
以下であることを特徴とするひずみセンサ用積層体の製造方法。
式(1) 抵抗温度係数=|[(R
60
-R
10
)/R
10
]/50|
(式(1)中、

60
は、湿度90%RH、温度60℃における導電配線層の抵抗値を表し、

10
は、湿度90%RH、温度10℃における導電配線層の抵抗値を表す。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外の温湿度が刻々と変化する環境でのひずみ測定が可能なひずみセンサ用積層体、及びひずみセンサ用積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、日本国内のインフラ設備の老朽化に伴い、コンクリートの老朽化を計測するためのメンテナンス方法の構築が急がれており、熟練労働者の不足や計測を自動化するニーズに伴い、計測を無人化することも求められてきている。コンクリートの老朽化を評価、診断する上でコンクリート表面のひずみ量を計測することは非常に重要であり、従来金属箔やワイヤーを用いたひずみゲージで行われてきた。しかし、既存のひずみゲージは温度変化に対して影響を受けやすく、耐水性、耐湿性が弱く、センサ自体を封止するためにゴム状のテープを貼ったり、樹脂で封止したりする防水・防湿及び環境対策が必要である。また、封止したことにより、ひずみ計測の信頼性が損なわれ、しかも数年間という長期の計測には耐えられないのが現状である。
また、コンクリートの劣化の計測が望まれているのは道路、橋、トンネル、鉄道の線路、ビルなどの建造物、鉄塔、港湾等があるが、屋外では直射日光があるだけでなく、港湾や海岸近くのトンネルなどでは海水がコンクリート内に浸潤し、コンクリート内の鉄筋を腐食させたり、コンクリート表面から海水が漏洩したりすることもあり、コンクリート表面にひずみセンサを貼りつけても塩水、光、温度、湿度等に対し非常に高い耐久性を付与する必要がある。さらに、ひずみ量を計測する環境も一定温度、一定湿度のところはあり得ず、時々刻々と温度、湿度が変化する環境でコンクリートのひずみ量を計測しなければならず、温湿度によるひずみ量の補正が容易なひずみセンサが望まれている。
【0003】
ひずみセンサとしてはひずみゲージと呼ばれる金属箔を抵抗体素子として利用したものが一般的であり、その他に、半導体を用いたセンサ、光ファイバを用いたセンサがよく知られている。しかしこれらのセンサは計測の精度は高いものの、金属箔を利用したものは高湿、あるいは雨が降るような環境では腐食するため推奨されず、数か月、数年という長期間の使用には耐えられない。また、半導体や光ファイバを用いたものはコストが高く、計測できるひずみ量の範囲も狭いので用途が限定される。
特許文献1には、銀粒子と樹脂によりひずみセンサをフィルム上に形成し、柔軟性及び加工性に富むひずみセンサ材料及びそれを用いたひずみセンサを提供しているが、センサの封止に関する記述がなく、湿度が刻々と変化する屋外での使用は想定されていない。
特許文献2には、導電フィラーとして耐湿性の高いカーボンパウダーと樹脂とを配合した導電ペーストを提案しているが、導電フィラーの種類が限定されるため、温度が刻々と変化する屋外での使用には向いていない。
特許文献3には、水分が浸入するのを防止し、他方では力が迂回するのを避けるか又は少なくとも著しく低減させる保護コーティングが提案されているが、温湿度が刻々と変化する屋外での使用は想定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特願2015-110155
特開平11-162254
特願2005-12552
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、温度や湿度が変化する環境下で安定したひずみ測定が可能なひずみセンサ、およびそれに用いるひずみセンサ用積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなひずみセンサ積層体とその製造方法を提供するものである。
【0007】
すなわち本発明は、基材上に、少なくとも導電配線層と、保護層とを有するひずみセンサ用積層体であって、導電配線層が黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、および酸化グラフェンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、前記導電配線層の下記式(1)で示される抵抗温度係数が、2.0×10
-3
以下であることを特徴とするひずみセンサ用積層体に関する。
式(1) 抵抗温度係数=|[(R
60
-R
10
)/R
10
]/50|
(式(1)中、

60
は、湿度90%RH、温度60℃における導電配線層の抵抗値を表し、

10
は、湿度90%RH、温度10℃における導電配線層の抵抗値を表す。)
【0008】
導電配線層が、黒鉛とカーボンブラックとを含有することを特徴とする前記のひずみセンサ用積層体に関する。
【0009】
導電配線層中の黒鉛とカーボンブラックとの質量比(黒鉛:カーボンブラック)が、20:80~90:10であることを特徴とする前記のひずみセンサ用積層体に関する。
【0010】
保護層の水蒸気透過度が、10g/(m
2
・day)以下であることを特徴とする前記のひずみセンサ用積層体に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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