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公開番号2025101513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023218418
出願日2023-12-25
発明の名称全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
出願人JX金属株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類H01M 4/525 20100101AFI20250630BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】全固体リチウムイオン電池に用いたときに電池特性が良好となる全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供する。
【解決手段】正極活物質粒子と、正極活物質粒子表面に設けられた被覆層と、を含む全固体リチウムイオン電池用正極活物質であって、正極活物質粒子は、下記式(1)に示す組成で表され、
LiaNibCocMndMeOf(1)
(式中、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)被覆層は、LiとNbとTiとを含み、ICP発光分光分析において、全固体リチウムイオン電池用正極活物質に含まれるTiの含有量が10~30質量ppmであり、全固体リチウムイオン電池用正極活物質におけるTiとNbとの質量比Ti/Nbが0.0020~0.0040である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子表面に設けられた被覆層と、を含む全固体リチウムイオン電池用正極活物質であって、
前記正極活物質粒子は、下記式(1)に示す組成で表され、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d

e

f
(1)
(前記式(1)中、1.0≦a≦1.10、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、0.0035≦e/(b+c+d)≦0.055、1.8≦f≦2.2、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
前記被覆層は、LiとNbとTiとを含み、
ICP発光分光分析において、前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質に含まれるTiの含有量が10~30質量ppmであり、前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質におけるTiとNbとの質量比Ti/Nbが0.0020~0.0040である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質の表面のTOF-SIMS分析において、スパッタレートを0.25nm/秒に設定してイオンスパッタリングを行ったとき、分析開始から50秒間でTiが検出される、請求項1に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
【請求項3】
50%累積体積粒度D50が4~7μmである、請求項1に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質を含む、全固体リチウムイオン電池用正極。
【請求項5】
請求項4に記載の全固体リチウムイオン電池用正極及び負極を含む、全固体リチウムイオン電池。
【請求項6】
下記式(2)に示す組成で表される全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体を準備する工程と、
Ni
b
Co
c
Mn
d
(OH)
2
(2)
(前記式(2)中、0.58≦b≦0.62、0.19≦c≦0.21、及び、b+c+d=1である。)
50%累積体積粒度D50が1μm以下である、Zrの酸化物、Taの酸化物及びWの酸化物から選ばれる少なくとも1種を前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体に湿式で混合して混合物を得る工程と、
前記混合物をリチウム源と乾式で混合し、800℃以上で10時間以上焼成して正極活物質粒子を得る工程と、
LiとNbとTiとを含む被覆液を用いて前記正極活物質粒子の表面を被覆し、300℃以下で熱処理を行うことで、前記正極活物質粒子の表面にLiとNbとTiとを含む被覆層を形成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【請求項7】
前記LiとNbとTiとを含む被覆液が、Li含有量及びNb含有量がそれぞれ0.1~0.2mol/LであるLi及びNbのペルオキソ錯体水溶液に、Ti含有量が0.002~0.01mol/LであるTiのペルオキソ錯体水溶液を、質量比がLi及びNbのペルオキソ錯体水溶液:Tiのペルオキソ錯体水溶液=30:1~30:5となるように混合した水溶液である、請求項6に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
現在使用されているリチウムイオン二次電池は、電解質に有機電解液を用いている。しかしながら、この電解液は可燃性であり、充電の際の火災の危険性はいかに努力しても完全に解決するのは難しい等の理由から、電解質を固体とする全固体リチウムイオン二次電池の開発がさかんに行われている。
【0003】
従来の固体電解質はリチウムイオン伝導性が悪く、電池設計が難しかったが、近年伝導性の良い固体電解質が見つかり、これを全固体リチウムイオン二次電池に適用する発明も多くみられるようになった。
【0004】
しかしながら、全固体リチウムイオン二次電池には、正極と固体電解質との界面反応により高抵抗層が形成され、出力が低下する問題がある。この高抵抗層の形成を抑制する手段としては、正極活物質の表面をLi複合酸化物で被覆する方法が知られている。正極活物質の表面を被覆するためのLi複合酸化物として代表的なものは、高いイオン伝導率を示すLiNbO
3
である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6293338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LiNbO
3
は非晶質状態で10
-6
S/cm程度の高いイオン伝導率を有するLi複合酸化物となるが、硫化物系固体電解質材料のイオン伝導率10
-4
~10
-3
S/cmに比べて1/100~1/1000程度であり、電池全体として被覆層のLiイオン拡散が律速過程となっている。このため、全固体リチウムイオン電池に用いたときに電池特性が良好となる全固体リチウムイオン電池用正極活物質について未だ開発の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、全固体リチウムイオン電池に用いたときに電池特性が良好となる全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
上記知見を基礎にして完成した本発明は以下のように規定される。
1.正極活物質粒子と、前記正極活物質粒子表面に設けられた被覆層と、を含む全固体リチウムイオン電池用正極活物質であって、
前記正極活物質粒子は、下記式(1)に示す組成で表され、
Li
a
Ni
b
Co
c
Mn
d

e

f
(1)
(前記式(1)中、1.0≦a≦1.10、0.58≦b≦0.62、b+c+d+e=1、0.0035≦e/(b+c+d)≦0.055、1.8≦f≦2.2、MはZr、Ta及びWから選ばれる少なくとも1種である。)
前記被覆層は、LiとNbとTiとを含み、
ICP発光分光分析において、前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質に含まれるTiの含有量が10~30質量ppmであり、前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質におけるTiとNbとの質量比Ti/Nbが0.0020~0.0040である、全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
2.前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質の表面のTOF-SIMS分析において、スパッタレートを0.25nm/秒に設定してイオンスパッタリングを行ったとき、分析開始から50秒間までTiが検出される、前記1に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
3.50%累積体積粒度D50が4~7μmである、前記1または2に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質。
4.前記1~3のいずれかに記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質を含む、全固体リチウムイオン電池用正極。
5.前記4に記載の全固体リチウムイオン電池用正極及び負極を含む、全固体リチウムイオン電池。
6.下記式(2)に示す組成で表される全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体を準備する工程と、
Ni
b
Co
c
Mn
d
(OH)
2
(2)
(前記式(2)中、0.58≦b≦0.62、0.19≦c≦0.21、及び、b+c+d=1である。)
50%累積体積粒度D50が1μm以下である、Zrの酸化物、Taの酸化物及びWの酸化物から選ばれる少なくとも1種を前記全固体リチウムイオン電池用正極活物質の前駆体に湿式で混合して混合物を得る工程と、
前記混合物をリチウム源と乾式で混合し、800℃以上で10時間以上焼成して正極活物質粒子を得る工程と、
LiとNbとTiとを含む被覆液を用いて前記正極活物質粒子の表面を被覆し、300℃以下で熱処理を行うことで、前記正極活物質粒子の表面にLiとNbとTiとを含む被覆層を形成する工程と、
を含む、全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
7.前記LiとNbとTiとを含む被覆液が、Li含有量及びNb含有量がそれぞれ0.1~0.2mol/LであるLi及びNbのペルオキソ錯体水溶液に、Ti含有量が0.002~0.01mol/LであるTiのペルオキソ錯体水溶液を、質量比がLi及びNbのペルオキソ錯体水溶液:Tiのペルオキソ錯体水溶液=30:1~30:5となるように混合した水溶液である、前記6に記載の全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、全固体リチウムイオン電池に用いたときに電池特性が良好となる全固体リチウムイオン電池用正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池及び全固体リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池の模式図である。
実施例1のTOF-SIMS分析で得られたスペクトル分布のグラフである。
実施例2のTOF-SIMS分析で得られたスペクトル分布のグラフである。
実施例3のTOF-SIMS分析で得られたスペクトル分布のグラフである。
比較例1のTOF-SIMS分析で得られたスペクトル分布のグラフである。
比較例2のTOF-SIMS分析で得られたスペクトル分布のグラフである。
比較例3のTOF-SIMS分析で得られたスペクトル分布のグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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