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公開番号2025101930
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219036
出願日2023-12-26
発明の名称水素ガスタービンに適した燃焼器及びその燃焼ノズル
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F23R 3/12 20060101AFI20250701BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】 水素を燃料として利用可能な小型クラスのガスタービンに適した、小さい空間内で燃焼前に十分に均一に空気と水素とを混合することが可能な構造を有する燃焼器1又はそのための燃焼ノズル2を提供する。
【解決手段】 ガスタービンの燃焼させるべき圧縮空気と燃料とを噴出される燃焼室を有する燃焼器は、燃焼室へ圧縮空気の第一の空気流を噴出する第一の空気噴出孔と、第一の空気流の流路の外周の略全域から第一の空気流の略中心へ向かって該第一の空気流と交差する方向に圧縮空気の第二の空気流を噴出する第二の空気噴出孔と、第一の空気流と第二の空気流との交差領域へ燃料の燃料流を噴出する燃料噴出孔とを有する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
ガスタービンの燃焼させるべき圧縮空気と燃料とが噴出される燃焼室を有する燃焼器であって、
前記燃焼室へ前記圧縮空気の第一の空気流を噴出する第一の空気噴出孔と、
前記第一の空気流の流路の外周の略全域から前記第一の空気流の略中心へ向かって該第一の空気流と交差する方向に前記圧縮空気の第二の空気流を噴出する第二の空気噴出孔と、
前記第一の空気流と前記第二の空気流との交差領域へ前記燃料の燃料流を噴出する燃料噴出孔と
を有する燃焼器。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
請求項1の燃焼器であって、前記第一の空気流に対して前記第二の空気流が略垂直に交差するように前記第二の空気噴出孔が配置されている燃焼器。
【請求項3】
請求項1の燃焼器であって、前記第一の空気流と前記第二の空気流との少なくとも一方が旋回流となるように前記第一の空気噴出孔と前記第二の空気噴出孔とが形成されている燃焼器。
【請求項4】
請求項1の燃焼器であって、前記第一の空気流と前記第二の空気流との流量が略等しい燃焼器。
【請求項5】
ガスタービンの燃焼器の燃焼室内へ燃焼させるべき圧縮空気と燃料とを噴出する燃焼ノズルであって、
前記燃焼室へ前記圧縮空気の第一の空気流を噴出する第一の空気噴出孔と、
前記第一の空気流の流路の外周の略全域から前記第一の空気流の略中心へ向かって該第一の空気流と交差する方向に前記圧縮空気の第二の空気流を噴出する第二の空気噴出孔と、
前記第一の空気流と前記第二の空気流との交差領域へ前記燃料の燃料流を噴出する燃料噴出孔と
を有する燃焼ノズル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジン(以下、「ガスタービン」と称する。)の燃焼器と、その燃焼器に於ける圧縮空気と燃料を燃焼室内へ噴出して燃焼させるノズル(燃焼ノズル)に係り、より詳細には、水素を燃料として利用可能なガスタービン(水素ガスタービン)に適した燃焼器及びその燃焼ノズルに係る。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止と脱炭素化の観点から水素を燃料としたガスタービンなどの熱機関の開発研究が進められている。例えば、特許文献1に於いては、水素とメタンとを燃料とするガスタービンの燃焼器であって、燃焼室を形成する燃焼筒の上流側に配置された予混合燃焼方式のメインバーナから主燃料であるメタンを噴射し、燃焼場を形成し、その燃焼場に、周壁から燃焼室へ燃料を噴射する複数の拡散燃焼方式の追い炊きバーナを設け、その一部から水素を投入する構成の燃焼器が提案されている。かかる構成によれば、メインバーナが予混合燃焼方式であるため、燃焼室上流側の1次燃焼領域で生成される高温の燃焼ガス中のNOx量が抑制され、また、水素の投入量も追焚きバーナを分散配置することで、各追焚きバーナの燃焼領域における燃料濃度が薄くなり、各追焚きバーナの燃焼温度が全体的に低く抑えられ、NOxの発生が抑制できるとされている。更に、この構成に於いては、拡散燃焼方式の追焚きバーナを採用することで、逆火リスクが低い構成となっている。特許文献2に於いては、水素のような高反応性のガスを燃料として利用するガスタービンに於いて、低NOx燃焼と逆火防止を実現し、燃焼振動を抑制する燃焼器の構造として、燃焼室を形成する燃焼筒の上流端面に同心状に複数の環状燃料噴射ユニットが配置され、各燃料噴射ユニットが、外周面および/または内周面に開口する複数の燃料噴射孔を有する環状燃料噴射部材と、環状燃料噴射部材の各燃料噴射孔から噴射される燃料ガスに対して空気を案内する環状空気ガイド部材とを有し、環状燃料噴射ユニットのガス通路を周方向に等間隔に隔離する、径方向に延びる複数の周方向隔離壁および2つの隣り合う環状燃料噴射ユニット間を径方向に隔離する、周方向に延びる径方向隔離壁の少なくとも一方の隔離壁を設けた構成が提案されている。更に、特許文献3では、ガスタービン設備において、NOxの低減を図るとともに、燃料と空気の混合を促進して、燃焼室での火炎の安定性を向上するために、燃焼室へ、燃料空気を複数の同軸噴流として供給するよう構成し、予混合流路内で燃料流れを中心として、その外周側に空気流れを形成する構成が提案されている。かかる構成に於いては、予混合を実施することで、リーン化でき、低NOxが有利に実現できるが、良い混合状態を作るために大きな空間が必要となり、その背反として燃料が逆流する逆火リスクが高くなり得るので、ノズルを複数で構成することにより、狭い空間で短時間に燃焼させ、逆火の抑制が図られている。同文献の構成は、燃料が水素に限定されていないが、これ以降の水素燃焼関連の構造の基本的な構成となっている。特許文献4に於いては、ガスタービン燃焼器に於いて、安定な燃焼と低NOx燃焼性能の維持を企図すべく、燃焼室の上流側に複数の空気孔を同心円の列状に形成し、各空気孔の上流側から燃料を供給する複数の燃料ノズルが配置されている多孔同軸噴流バーナを複数個備えると共に、燃焼室の上流側側壁にも、燃焼室の中心軸に向く噴出方向を持つ複数の燃焼室側壁空気孔を配置し、かかる空気孔の各々に同軸に燃料を供給する燃料ノズルが配置されている燃焼室側壁同軸噴流バーナが燃焼室側壁の円周方向に所定間隔をもって複数個配置された構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-109309
特開2020-106258
特開2003-148734
特開2013-139975
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水素は、今まで一般的に使用されてきた炭化水素系の燃料に比して燃焼温度が高いことからNOxが発生し易い。従って、水素を燃料として用いるガスタービン(水素ガスタービン)の燃焼器の構成に於いては、燃料と空気とを燃焼前までに如何に適切に混合し、局所的に燃料濃度が濃い領域ができないようにして(燃料濃度が濃いと、燃焼温度が高くなる。)低NOx化を図るかが課題となっている。この点に関し、上記に例示されている如き従前の水素ガスタービン用の燃焼器に於ける低NOx化のための構成は、発電量が1MWを超えるような中大型の発電用ガスタービンが対象であり、その構造がやや複雑で部品点数が多くなり、大きな空間を必要となるので、発電量が数十kWのような小型のガスタービンのための燃焼器に適用することは困難である。従って、小型のガスタービンのための燃焼器に於いても適用可能な、燃焼前に十分に均一に空気と水素とを混合することのできる新規な構造の燃焼器或いは燃焼ノズルがあると有利である。
【0005】
かくして、本発明の主な課題は、水素を燃料として利用可能な小型クラスのガスタービンのための燃焼器又は燃焼ノズルを提供することである。
【0006】
また、本発明の一つの課題は、上記の如き小型クラスのガスタービンに利用可能な燃焼器又は燃焼ノズルであって、小さい空間内で燃焼前に十分に均一に空気と水素とを混合することが可能な新規な構造を有する燃焼器又は燃焼ノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、上記の課題は、ガスタービンの燃焼させるべき圧縮空気と燃料とが噴出される燃焼室を有する燃焼器であって、
前記燃焼室へ前記圧縮空気の第一の空気流を噴出する第一の空気噴出孔と、
前記第一の空気流の流路の外周の略全域から前記第一の空気流の略中心へ向かって該第一の空気流と交差する方向に前記圧縮空気の第二の空気流を噴出する第二の空気噴出孔と、
前記第一の空気流と前記第二の空気流との交差領域へ前記燃料の燃料流を噴出する燃料噴出孔と
を有する燃焼器によって達成される。
【0008】
また、本発明のもう一つの態様によれば、上記の課題は、ガスタービンの燃焼器の燃焼室内へ燃焼させるべき圧縮空気と燃料とを噴出する燃焼ノズルであって、
前記燃焼室へ前記圧縮空気の第一の空気流を噴出する第一の空気噴出孔と、
前記第一の空気流の流路の外周の略全域から前記第一の空気流の略中心へ向かって該第一の空気流と交差する方向に前記圧縮空気の第二の空気流を噴出する第二の空気噴出孔と、
前記第一の空気流と前記第二の空気流との交差領域へ前記燃料の燃料流を噴出する燃料噴出孔と
を有する燃焼ノズルによって達成される。
【0009】
上記の構成に於いて、「燃焼器」は、ガスタービンに於いて、圧縮空気と燃料とが噴出されて混合され燃焼されて、圧縮機のタービンを回転させる燃焼ガスが生成される燃焼室を画定している燃焼器であり、「燃焼ノズル」とは、上記の如く、燃焼器に於ける燃焼室内へ、燃焼させるべき圧縮空気と燃料を噴出するノズルである。なお、典型的には、「第一の空気噴出孔」、「第二の空気噴出孔」、「燃料噴出孔」は、燃焼ノズルに形成されるところ、第一の空気流の流路の外周に沿って設けられる第二の空気噴出孔は、燃焼室を画定する燃焼器のライナに形成されていてもよい。
【0010】
本発明の燃焼器又は燃焼ノズルの特徴とするところは、上記の如く、第一の空気噴出孔から噴出される第一の空気流の流路の外周に沿って、第二の空気噴出孔が配置され、第二の空気噴出孔から噴出される第二の空気流は、第一の空気流の外周の略全域から第一の空気流の略中心へ向かって、即ち、第一の空気流の外周から第一の空気流の流路の径方向内方へ該第一の空気流と交差するように形成される。そして、燃料噴射孔から、第一の空気流と第二の空気流とが交差する領域へ向けて燃料流が噴射される。かかる構成によれば、圧縮空気と燃料が燃焼室内へ噴出される際に、燃料流が第一の空気流と第二の空気流との交差領域へ突入することで、燃料がいずれの空気流からもいずれかの方向へ吹き飛ばされることなく、且つ、第一の空気流と第二の空気流とが衝突することにより生ずる乱流の作用により、燃料流が空気流中へ分散され、大きな空間を要せずに、空気と燃料とが速やかに十分に混合し、これにより、燃焼温度が局所的に高温となる領域の発生が抑制され、小型のガスタービン用の燃焼器に於いても、低NOx化が図られることとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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