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公開番号2025102132
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219388
出願日2023-12-26
発明の名称トナー用結着樹脂組成物
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/087 20060101AFI20250701BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】帯電性に優れたトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関すること。
【解決手段】アルコール成分、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレートの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Aと結晶性ポリエステル樹脂Cを含有する、トナー用結着樹脂組成物であって、前記のアルコール成分及び/又はカルボン酸成分がスルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を有するモノマーを含有する、トナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
アルコール成分、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレートの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Ａと結晶性ポリエステル樹脂Ｃを含有する、トナー用結着樹脂組成物であって、前記のアルコール成分及び／又はカルボン酸成分がスルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するモノマーを含有する、トナー用結着樹脂組成物。
続きを表示（約 850 文字）【請求項２】
ポリエチレンテレフタレートの含有量が、テレフタル酸－エチレングリコールのユニットを１モルとして、アルコール成分とカルボン酸成分の合計１００モルに対して、１５モル以上１００モル以下である、請求項１記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項３】
スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するモノマーが、スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するカルボン酸系化合物である、請求項１又は２記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項４】
スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するカルボン酸系化合物の含有量が、アルコール成分、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレートの合計量中、０．５モル％以上１５モル％以下である、請求項３記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項５】
スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するカルボン酸系化合物が、スルホイソフタル酸ナトリウム及び／又はスルホイソフタル酸ジメチルナトリウムである、請求項３又は４記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項６】
結晶性ポリエステル樹脂Ｃが、炭素数が２以上６以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、炭素数が１０以上１４以下の脂肪族ジカルボン酸を含有するカルボン酸成分の重縮合物である、請求項１～５いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項７】
非晶性ポリエステル樹脂Ａのアルコール成分が、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを３０モル％以上８０モル％以下含有する、請求項１～６いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項８】
非晶性ポリエステル樹脂Ａのカルボン酸成分が、イソフタル酸を４０モル％以上９０モル％以下含有する、請求項１～７いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項９】
請求項１～８いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
帯電性等の観点から、極性の高い結着樹脂として、スルホン酸基やスルホン酸塩基を導入した樹脂が検討されている（特許文献１～３参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１１－１７８０７号公報
特開平６－１１８７０５号公報
特開２０１６－１６４６１２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
トナーの低温定着性の向上には、非晶性ポリエステル樹脂を結晶性ポリエステル樹脂と併用することが有効であるが、結晶性ポリエステル樹脂は、抵抗が低いため、帯電性が低い。
そこで、非晶性ポリエステル樹脂にスルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を導入することで、結着樹脂全体の帯電性を高める試みがなされているが、スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するモノマーは極性が高いうえに、反応性が低い。そのため、スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を効果的にポリエステル鎖中に導入することが難しく、従来の技術では、結晶性ポリエステル樹脂を用いる際の帯電性向上効果が不十分である。
【０００５】
本発明は、帯電性に優れたトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、
〔１〕アルコール成分、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレートの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Ａと結晶性ポリエステル樹脂Ｃを含有する、トナー用結着樹脂組成物であって、前記のアルコール成分及び／又はカルボン酸成分がスルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基を有するモノマーを含有する、トナー用結着樹脂組成物、並びに
〔２〕前記〔１〕記載のトナー用結着樹脂組成物を含有する、静電荷像現像用トナー
に関する。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、帯電性において優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、非晶性ポリエステル樹脂Ａと結晶性ポリエステル樹脂Ｃを含有し、該非晶性ポリエステル樹脂Ａが、アルコール成分、カルボン酸成分、及びポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の重縮合物であり、またアルコール成分及び／又はカルボン酸成分がスルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基（以下、スルホン酸（塩）基ともいう）を有するモノマーを含有する点に大きな特徴を有する。本発明のトナー用結着樹脂組成物を含有する静電荷像現像用トナーが、帯電性及び発色性に優れる理由は定かではないが、以下のように推察される。なお、下記メカニズムは推定であり、これに限定されるものではない。
【０００９】
一般的にスルホン酸（塩）基を有するモノマーは反応性が低く、ポリエステルの重縮合の反応速度が低下するため、結果として、スルホン酸基及び／又はスルホン酸塩基がポリエステル鎖中に均一に導入されにくい。これに対し本発明では、非晶性ポリエステル樹脂Ａの原料にＰＥＴを用いることで、ＰＥＴを解重合させながら重縮合を行う。モノマーのエステル化よりも反応速度的に有利なエステル交換を重縮合初期から優位に進めることにより、スルホン酸（塩）基を有するモノマーであっても、ポリエステル鎖へ取り込まれ易くなるため、スルホン酸（塩）基が偏在することなく、均等に導入された非晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。スルホン酸基（塩）基が着実に導入された帯電性の高い非晶性ポリエステル樹脂が結晶性ポリエステル樹脂による帯電性の低下を補うことで、トナーの帯電性を向上させることができる。
さらに、スルホン酸（塩）基が導入されたポリエステル樹脂は通常のポリエステル樹脂よりも極性が高くなることで、着色剤との親和性が高まり、着色剤を非晶性ポリエステル樹脂中に高分散化させることが可能となる。そのため、トナーの発色性も向上すると考えられる。
【００１０】
非晶性ポリエステル樹脂Ａは、アルコール成分、カルボン酸成分、及びＰＥＴの重縮合物であり、アルコール成分及び／又はカルボン酸成分がスルホン酸基（－ＳＯ
３
Ｈ）及び／又はスルホン酸塩基を有するモノマーを含有する。
（【００１１】以降は省略されています）

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