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公開番号2025112288
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2025006948
出願日2025-01-17
発明の名称フッ素系樹脂フィルムおよびその製造方法、ならびに圧電フィルムの製造方法
出願人株式会社クレハ
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08J 7/00 20060101AFI20250724BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】異物が少なく、かつ表面の凹凸も少ないフッ素系樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】測定温度260℃、測定時のせん断速度50s-1で測定された溶融粘度ηが600Pa・s以上4000Pa・s以下であるフッ素系樹脂フィルム。前記フッ素系樹脂フィルムは、JIS B 0601:2001に準じて測定された表面高さ粗さRzが0.50μm以下であり、かつ前記フィルムを平面視したときの最大幅および最小幅の算術平均値である大きさが100μm以上である異物の数が7個/0.25m2以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
測定温度260℃、測定時のせん断速度50s
-1
で測定された溶融粘度ηが600Pa・s以上4000Pa・s以下であるフッ素系樹脂フィルムであって、
JIS B 0601:2001に準じて測定された表面高さ粗さRzが小さい側の表面のRzで、0.50μm以下であり、かつ前記フィルムを平面視したときの最大幅および最小幅の算術平均値である大きさが100μm以上である異物の数が7個/0.25m

以下である、
フッ素系樹脂フィルム。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
フッ化ビニリデンに由来する構成単位を主成分として含む、
請求項1に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項3】
圧電フィルム用のフィルムであり、厚さが80μm以上1000μm以下である、
請求項1に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項4】
ISO 19622:2018に準じて測定される圧電定数d
33
が5.0pC/N以上40.0pC/N以下である、
請求項1に記載のフッ素系樹脂フィルム。
【請求項5】
測定温度260℃、測定時のせん断速度50s
-1
で測定された溶融粘度ηが600Pa・s以上4000Pa・s以下であるフッ素系樹脂を、前記フッ素系樹脂の融点より75℃以上高く、105℃高い温度以下の温度で加熱溶融する工程と、
前記温度で溶融しているフッ素系樹脂を、ろ過精度10μm以上40μm以下のフィルターでろ過する工程と、
前記ろ過されたフッ素系樹脂をフィルム状に成膜する工程と、
を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のフッ素系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のフッ素系樹脂フィルムを、2.5倍以上6.0倍以下の延伸倍率で延伸する工程と、
前記延伸されたフィルムを、7.0kV以上50.0kV以下の直流電圧の印加により分極させる工程と、
を有する、請求項4に記載のフッ素系樹脂フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素系樹脂フィルムおよびその製造方法、ならびに圧電フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
フッ素系樹脂フィルムは、耐候性、耐熱性、耐汚染性、耐薬品性、耐溶剤性、機械的特性、二次加工性等の特性が高いことから、建築物の内外装用部材、成形品の表面材、太陽電池モジュールの表面保護材または裏面保護材、および燃料電池部材等の各種用途に使用されている。中でも、耐候性、耐汚染性及び耐薬品性が高いことから保護フィルムや光学部材への応用が期待されており、異物が少なく透明性の高いフッ素系樹脂フィルムの要望が高い。
【0003】
また、フッ素系樹脂フィルムには、分極処理により圧電性を示すものがあることも知られている。フッ素系樹脂フィルムからなる圧電体は、高い透明性が期待されること、および可撓性を有することから、透明タッチパネル等への使用が検討されている。なお、本明細書において、フッ素系樹脂圧電フィルムまたは圧電フィルムとは、後述の方法により測定された圧電定数d
33
が1.0pC/N以上であるフッ素系樹脂フィルムを意味する。
【0004】
フッ素系樹脂の製造時には、重合塊等の異物が生じることがある。このような異物は、フッ素系樹脂フィルムの透明性を低下させたり、分極を不均一にさせたりすることがある。そのため、フィルムの製造前に、フッ素系樹脂から異物を取り除くことがある。たとえば特許文献1では、メチルエチルケトンにフッ素系樹脂を溶媒に溶解した溶液をフィルターによりろ過して、異物を除去している。また、特許文献2では、含フッ素脂肪族溶媒にフッ素系樹脂を溶媒に溶解した溶液をフィルターによりろ過して、異物を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/064324号
特開2020-164781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載のように、フッ素系樹脂を溶媒に溶解させてろ過する方法が知られている。これらの方法でろ過を行うと、その後のフィルム化の際に溶媒が揮発して、フィルム表面に凹凸が発生しやすい。さらに、フッ素系樹脂の溶解に多量の極性有機溶媒を用いるため、作業環境や自然環境への配慮も必要になり、溶媒の回収など製造コストが割高になる。
【0007】
また、溶液キャスト法では、フッ素系樹脂の溶解に多量の極性有機溶媒を用いるため、溶媒の回収が必要であり製造コストが割高になるだけでなく、有機溶媒による作業環境や自然環境への影響について配慮も必要になる。さらには、フッ素系樹脂の溶解に極性有機溶媒が使用されるため、フッ素系樹脂フィルムに前記溶媒が残留すると圧電フィルムの製造工程における分極化が妨げられる虞がある。そのため、有機溶媒を用いず、熱溶融させたフッ素系樹脂を押出成形して成膜することが好ましい。
【0008】
一方、フッ素系樹脂を熱溶融させて押出成形する方法では、高温まで加熱すると前記樹脂が変性して、分解物(異物)が発生したりするなどの不具合が生じる虞がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、異物が少なく、かつ表面の凹凸も少ないフッ素系樹脂フィルムおよびその製造方法、ならびに圧電フィルムの製造方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態は、下記[1]~[4]のフッ素系樹脂フィルムに関する。
[1]測定温度260℃、測定時のせん断速度50s
-1
で測定された溶融粘度ηが600Pa・s以上4000Pa・s以下であるフッ素系樹脂フィルムであって、
JIS B 0601:2001に準じて測定された表面高さ粗さRzが小さい側の表面のRzで、0.50μm以下であり、かつ前記フィルムを平面視したときの最大幅および最小幅の算術平均値である大きさが100μm以上である異物の数が7個/0.25m

以下である、
フッ素系樹脂フィルム。
[2]フッ化ビニリデンに由来する構成単位を主成分として含む、[1]に記載のフッ素系樹脂フィルム。
[3]圧電フィルム用のフィルムであり、厚さが80μm以上1000μm以下である、[1]または[2]に記載のフッ素系樹脂フィルム。
[4]ISO 19622:2018に準じて測定される圧電定数d
33
が5.0pC/N以上40.0pC/N以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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