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公開番号2025114082
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2024008523
出願日2024-01-24
発明の名称蛍光体粉末、及び発光装置
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09K 11/64 20060101AFI20250729BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】粒子径が小さくても粒子の凝集を抑制することが可能であり、高い光吸収率を有する蛍光体粉末を提供すること。
【解決手段】
一般式(Ca1-x-ySrxEuy)AlSiN3で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体粒子を含む蛍光体粉末であって、蛍光体粉末の分散液の超音波ホモジナイズ処理を行った後に測定されるレーザー回折・散乱法による体積基準の粒子径の累積分布(1)において、小粒径からの積算値が全体の50%及び97%に達したときの粒子径をそれぞれDy50及びDy97とし、超音波ホモジナイズ処理を行わずに測定されるレーザー回折・散乱法による体積基準の粒子径の累積分布(2)において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をDx97としたとき、Dx97/Dy97が5.0以下であり、Dy50が1.7μm未満である、蛍光体粉末を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体粒子を含む蛍光体粉末であって、
前記蛍光体粉末の分散液の超音波ホモジナイズ処理を行った後に測定されるレーザー回折・散乱法による体積基準の粒子径の累積分布(1)において、小粒径からの積算値が全体の50%及び97%に達したときの粒子径をそれぞれDy50及びDy97とし、
前記超音波ホモジナイズ処理を行わずに測定されるレーザー回折・散乱法による体積基準の粒子径の累積分布(2)において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をDx97としたとき、
Dx97/Dy97が5.0以下であり、
Dy50が1.7μm未満である、蛍光体粉末。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
X線回析を測定したときに、2θが32°における回折強度をI

、2θが33°における回折強度をI

、及び2θが32~33°の範囲で検知されるピーク強度の最大値をI

としたときに、


/[(I

-I

)/2]が2.0以下である、請求項1に記載の蛍光体粉末。
【請求項3】
前記累積分布(2)において、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をDx90とし、
前記累積分布(1)において、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をDy90としたとき、
Dx90/Dy90が2.0以下である、請求項1又は2に記載の蛍光体粉末。
【請求項4】
前記累積分布(1)において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をDy10としたとき、
Dy10が0.4μm以上である、請求項1又は2に記載の蛍光体粉末。
【請求項5】
波長455nmの光吸収率が80.5%以上である、請求項1又は2に記載の蛍光体粉末。
【請求項6】
酸素含有率が6.10質量%以下である、請求項1又は2に記載の蛍光体粉末。
【請求項7】
前記蛍光体粉末の酸素含有率をAとし、
当該蛍光体粉末を温度85℃、湿度85%の環境下で250時間保管した後の酸素含有率をBとしたとき、
B/Aが3.00以下である、請求項1又は2に記載の蛍光体粉末。
【請求項8】
一次光を発する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して、前記一次光の波長よりも長い波長を有する二次光を発する波長変換体と、を備える発光装置であって、
前記波長変換体が、請求項1又は2に記載の蛍光体粉末を含む、発光装置。
【請求項9】
前記発光素子が、ミニLED及びマイクロLEDからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項8に記載の発光装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蛍光体粉末、及び発光装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
粒子径を小さくした蛍光体粒子は、高輝度・高精細な発光を実現するマイクロLEDディスプレイ等に用いられる色変換材料として利用されている。特許文献1には、蛍光体粉末を適切な条件で粉砕及びデカンテーションを行い、粒子径を小さくしつつ、粒子の凝集を抑制した蛍光体粒子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/118600号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粒子径の小さい蛍光体粉末が凝集すると、蛍光体粉末の分散性が低下して、蛍光体粉末を塗布した塗布面の均一性が低下することが懸念される。一方、蛍光体粉末の凝集を抑制できれば、蛍光体粉末の分散性が向上し、高い均一性での塗布が可能となる。
【0005】
粉体の凝集のしやすさ、すなわち粉体同士の付着のしやすさは、粉体におけるファンデルワールス力等の凝集力と、重力等の分離力の相対比(≒ファンデルワールス力/重力)で算出される相対付着力の大きさで表される。ここで、ファンデルワールス力は粒子径に比例し、重力は粒子径の3乗に比例することから、相対付着力は、粒子径の2乗に反比例する。したがって、一般的には、粒子径が小さくなるほど、相対付着力は大きくなり、粒子は凝集しやすくなる。また、粒子径を小さくしすぎると、粉体中に超微粉が増え、光吸収率が低下する懸念がある。本開示は、粒子径が小さくても粒子の凝集を抑制することが可能であり、高い光吸収率を有する蛍光体粉末を提供する。また、粒子径が小さくても粒子の凝集を抑制することが可能であり、高い光吸収率を有する蛍光体粉末を備えた発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面は、以下の蛍光体粉末を提供する。
【0007】
[1]一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体粒子を含む蛍光体粉末であって、前記蛍光体粉末の分散液の超音波ホモジナイズ処理を行った後に測定されるレーザー回折・散乱法による体積基準の粒子径の累積分布(1)において、小粒径からの積算値が全体の50%及び97%に達したときの粒子径をそれぞれDy50及びDy97とし、前記超音波ホモジナイズ処理を行わずに測定されるレーザー回折・散乱法による体積基準の粒子径の累積分布(2)において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をDx97としたとき、Dx97/Dy97が5.0以下であり、Dy50が1.7μm未満である、蛍光体粉末。
【0008】
上記[1]の蛍光体粉末は、上記Dx97/Dy97が5.0以下であり、且つDy50が1.7μm未満である。Dyは所定条件での超音波ホモジナイズ処理を行った後の粒子径の累積分布(1)から求められる粒子径を表し、Dxは超音波ホモジナイズ処理を行う前の粒子径の累積分布(2)から求められる粒子径を表す。超音波ホモジナイズ処理を行うことで、凝集した粒子の物理的な結合による凝集をほどいた状態での粒子径を測定することができる。したがって、Dx97/Dy97の値が小さいほど、凝集した粒子と凝集をほどいた粒子との粒子径の差が小さく、凝集が抑制された蛍光体粉末であるといえる。よって、上記[1]の蛍光体粉末は、小さい粒子径を有しつつ、凝集が抑制されている。このような蛍光体粉末は、凝集の原因となる超微粉が少ない。これにより、蛍光体粉末の表面積が高くなりすぎることによる光の散乱を抑制することができる。したがって、このような蛍光体粉末は高い光吸収率を有する。
【0009】
上記[1]の蛍光体粉末は、以下の[2]~[7]であってもよい。
【0010】
[2]X線回析を測定したときに、2θが32°における回折強度をI

、2θが33°における回折強度をI

、及び2θが32~33°の範囲で検知されるピーク強度の最大値をI

としたときに、I

/[(I

-I

)/2]が2.0以下である、[1]に記載の蛍光体粉末。
(【0011】以降は省略されています)

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