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公開番号2025114619
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2025072218,2023096841
出願日2025-04-24,2022-02-03
発明の名称負極バインダー組成物、負極、及び二次電池
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/62 20060101AFI20250729BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】LIB二次電池の負極活物質においてセルロース等増粘剤なしでもスラリー安定性が良好で且つ耐溶剤膨潤性が抑制される負極バインダー組成物、及びそれを用いた負極及び二次電池を提供する。
【解決手段】水酸基含有モノマー(a)及び酸基含有モノマー(b)を必須成分とする共重合体を含む負極バインダー組成物であって、水系GPC測定装置を用いて測定したときの前記共重合体の重量平均分子量が700,000以上であり、且つ前記負極バインダー組成物の乾燥ポリマーフィルムをカーボネート系混合溶剤に45℃で72時間浸漬させた後の膨潤率が0~10重量%である負極バインダー組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水酸基含有モノマー(a)及び酸基含有モノマー(b)を必須成分とする共重合体を含む負極バインダー組成物であって、水系GPC測定装置を用いて測定したときの前記共重合体の重量平均分子量が700,000以上であり、且つ前記負極バインダー組成物の乾燥ポリマーフィルムをカーボネート系混合溶剤(EC(エチレンカーボネート)/DEC(ジエチレンカーボネート)=50/50(wt))に45℃で72時間浸漬させた後の膨潤率が0~10重量%である負極バインダー組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、負極バインダー組成物、それを用いた負極及び二次電池に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池の負極におけるバインダーとしては、水溶性高分子のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)と水性ラテックス樹脂のスチレン‐ブタジエン共重合体(SBR)の併用が一般的である。バインダーの主な機能としては、電極作製プロセス時に、1)活物質や導電助剤等の成分を均一に分散させる機能、2)電極合剤スラリーのレオロジーを調整する機能、3)スラリー塗布乾燥時に合剤層を平坦化させるレベリング機能、及び4)合剤成分及び集電体を結着させる機能などが挙げられる。更に電池性能に関与する機能として、5)充放電サイクルで発生する活物質の体積変化による電極膨張抑制を抑制する機能及び6)活物質及び集電体間の結着を維持し、電子伝導性を確保する機能、7)電解液を含んで適度に膨潤することにより、イオン伝導性を確保する機能等が挙げられる。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、ノートパソコンや携帯電話などの充電可能な電源として広く普及しているが、近年、電動工具等のパワーツールや、自動車及び定置型蓄電設備等の中大型機器での利用が急速に拡大している。適用範囲の急速な拡大に伴い、より広い温度範囲で電池に要求される性能も様々ではあるが、容量、出力及び寿命の3点が主に重要視される性能であり、これらの改善が特に望まれている。
【0004】
このような状況の中、電池高性能化の要求を満たすために、様々な取り組みがなされている。例えば負極材においては、高容量化の取り組みとして、従来から広く用いられている炭素系活物質(例えば黒鉛)に代わる新規負極活物質が検討されている。新規負極活物質としては、錫合金、シリコン合金、シリコン酸化物等が挙げられる。これらの新規負極活物質は、炭素系活物質よりも容量が数倍程度と非常に大きく、少量添加するだけでも負極容量を高めることが可能である。
【0005】
しかしながら、これらの新規負極活物質は、充放電サイクルにおける容量維持率が炭素系活物質よりも劣っていることが問題となっている。その理由として新規負極活物質は、炭素系活物質に比べて充放電に伴う体積膨張収縮が大きいため、電極の活物質層が大きく膨張し、電極構造の破壊による活物質の欠落や電子伝導性の低下が起こることが挙げられる。
【0006】
また、活物質表面に形成されているSEI被膜が体積変化に追従できずに破壊されると、SEI被膜に覆われていない活物質表面が露出し、新たなSEI被膜形成反応による電解液の分解が進行することも挙げられる。SEI被膜は、初回充電時に活物質表面に形成され、主に、電解液の分解物から成る被膜であるが、活物質表面に接しているバインダー樹脂も被膜形成に関与していると考えられる。このSEI被膜はリチウムイオンの挿入脱離反応を仲介する役割を果たすと同時に、さらなる電解液の分解反応を抑制するなど、電池の性能向上に寄与していると考えられている。SEI被膜が薄すぎると電解液の分解反応が止まらず、逆に厚くなりすぎると電気抵抗が高くなり、電池の寿命や効率に悪影響を及ぼす結果となる。
【0007】
上記新規負極活物質の体積変化による問題点を解決する取り組みとしては、例えば下記特許文献1では、高強度な芳香族ポリイミドをバインダーに用いることで、負極活物質の体積変化による電極層の膨れを抑制する手法が提案されている。また、特許文献2では、一部架橋したポリアクリル酸をバインダーに用いることで、負極活物質の体積変化を抑制する手法が提案されている。更に特許文献3では、アクリル酸とポリビニルアルコールの共重合体をバインダーに用いることで、負極活物質の体積変化を抑制する手法が提案されている。しかしながら、文献1のバインダーでは、初回充放電効率が悪く活物質の容量を十分に発揮することが出来なかった。また、文献2及び3のバインダーでは高温及び低温のサイクル特性が必ずしも十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許06648854号公報
特許06457043号公報
特許06888139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように従来のリチウムイオン二次電池の負極におけるバインダーでは、新規活物質の体積膨張等によって生じる電池性能の低下を抑制する能力が不足していた。よって、本発明の課題は、新規活物質の使用時においても良好な電池性能が得られる負極及び二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの課題を解決するため本発明者らが鋭意検討した結果、水酸基と酸基を含む重合バインダーを従来にない高い分子量で調整することで、セルロース等の増粘剤なしでもスラリー安定性が非常に良好で、かつ塗膜としたときの耐溶剤膨潤性が抑制されることを発見した。そして、このバインダーを用いて作製した負極は、ピール強度が強く、充電に対する電極膨張率も低いため、その結果、電池評価を実施した場合に高サイクル回数でも良好な充放電特性を発現することを見出し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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