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公開番号2025118969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025084524,2023179223
出願日2025-05-21,2019-05-08
発明の名称コンピュータ実装されるシステムおよび方法
出願人エヌチェーン ライセンシング アーゲー
代理人弁理士法人ITOH
主分類H04L 9/32 20060101AFI20250805BHJP(電気通信技術)
要約【課題】ブロックチェーン実装ネットワークを通じて実施される交換に関するセキュリティを向上させる暗号学的に実施される資源交換方法を提供する。
【解決手段】交換方法において、Alice(A))からBob(B)にAの秘密(A0)をハッシュした秘密値(H(A0))を、BからAにBの秘密(B0)をハッシュした秘密値(H(B0))を通信する。AとBは、それぞれH(A0)及びH(B0)を含む第1のブロックチェーン・トランザクション(tx1)及び第2のブロックチェーン・トランザクション(tx2)を構築する。それらのトランザクションは、A0及びB0の両方がそれぞれのブロックチェーン・トランザクションに提供されると、それぞれの第1または第2の資源の制御を移転するためにロック解除可能となるように構成される。tx1のロック解除によってA0がBに明かされ、tx2のロック解除によってB0がAに明かされる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンピュータ実装される交換方法であって、当該方法は:
(i)第1のユーザーに関連する装置によって、前記第1のユーザーから第2のユーザーに第1のベールに包まれた秘密値を通信する段階と;
(ii)前記第1のユーザーに関連する装置によって、前記第2のユーザーから第2のベールに包まれた秘密値を受信する段階と;
(iii)前記第1のベールに包まれた秘密値および前記第2のベールに包まれた秘密値を含む第1のブロックチェーン・トランザクションを構築する段階であって、該第1のブロックチェーン・トランザクションは、前記第1のユーザーに知られている第1の秘密値および前記第2のユーザーに知られている第2の秘密値の両方が前記第1のブロックチェーン・トランザクションに提供されると、第1の資源の制御を移転するためにロック解除可能となるように構成される、段階とを含み、
前記第2のユーザーによる前記第1のユーザーへの前記第2の秘密値の通信の結果としての、前記第1の秘密値および前記第2の秘密値の前記第1のブロックチェーン・トランザクションへの提供による前記第1のブロックチェーン・トランザクションのロック解除によって、前記第1の秘密値が前記第2のユーザーに明かされ、前記第1のユーザーによる前記第2のユーザーへの前記第1の秘密値の通信の結果としての、前記第1の秘密値および前記第2の秘密値の第2のブロックチェーン・トランザクションへの提供による該第2のブロックチェーン・トランザクションのロック解除によって、前記第2の秘密値が前記第1のユーザーに明かされ、前記第2のブロックチェーン・トランザクションは、前記第1のベールに包まれた秘密値および前記第2のベールに包まれた秘密値を含み、前記第1の秘密値および前記第2の秘密値の両方が前記第2のブロックチェーン・トランザクションに提供されると、第2の資源の制御を移転するためにロック解除可能となるように構成される、
方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第1のブロックチェーン・トランザクションおよび前記第2のブロックチェーン・トランザクションの少なくとも一方は、それぞれの第1の秘密鍵および第2の秘密鍵の適用の際にのみ、償還可能であるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)少なくとも部分的には前記第1のユーザーの第1の公開鍵に基づく第1の派生公開鍵および(b)少なくとも部分的には前記第2のユーザーの第2の公開鍵に基づく第2の派生公開鍵のうちの少なくとも一方を計算する段階をさらに含み、前記第1の派生公開鍵は、前記第1の秘密鍵を含む暗号鍵ペアの一部であり、前記第2の派生公開鍵は、前記第2の秘密鍵を含む暗号鍵ペアの一部である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)少なくとも部分的には前記第1のユーザーの第1の公開鍵に基づく第1の派生公開鍵および(b)少なくとも部分的には前記第2のユーザーの第2の公開鍵に基づく第2の派生公開鍵のうちの少なくとも一方を計算する段階はさらに、前記第1および第2のベールに包まれた秘密値の組み合わせを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2のベールに包まれた秘密値の組み合わせは、前記第1のベールに包まれた秘密値と前記第2のベールに包まれた秘密値との連結、および少なくとも1つのベールに包まれた秘密値の、ランダムまたは擬似ランダム値との連結の少なくとも一方を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のブロックチェーン・トランザクションが償還されない第1の時間期間の経過に応答して、前記第1の資源の制御を前記第1のユーザーに返すように構成された第3のブロックチェーン・トランザクション;および前記第2のブロックチェーン・トランザクションが償還されない第2の時間期間の経過に応答して、前記第2の資源の制御を前記第2のユーザーに返すように構成された第4のブロックチェーン・トランザクション、のうちの少なくとも一方を構築する段階をさらに含む、請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のベールに包まれた秘密値および前記第2のベールに包まれた秘密値の少なくとも一方は、前記第1の秘密値および前記第2の秘密値のうち少なくとも一方と、前記第1のユーザーおよび前記第2のユーザーの両方によってアクセス可能な共有秘密値との組み合わせを含む、請求項1ないし6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記共有秘密値は、段階(i)の前に、共通の秘密(CS)として確立される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(iv)前記第1の秘密値および前記第2の秘密値のうち少なくとも一方から始まるベールに包まれた秘密値の少なくとも1つのシーケンスを生成する段階と;
(v)前記第1の秘密値および前記第2の秘密値のうち少なくとも一方を使用して、請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載の方法を実行する段階と;
(vi)少なくとも1つのブロックチェーン・トランザクションを償還して、前記第1の秘密値および前記第2の秘密値のうち少なくとも一方を明かし、それにより、前記シーケンスの少なくとも1つのベールに包まれた秘密値を明かす段階とをさらに含む、
請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載の方法の少なくとも段階(iii)を、段階(vi)で明かされた少なくとも1つのベールに包まれた秘密値を使って実行する段階をさらに含む、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、コンピュータで実装されるセキュリティ方法および暗号技法に関する。より詳細には、本発明は、資源の制御を原子的に交換するための方法に関する。本発明は、限定されるものではないが、一つまたは複数のブロックチェーン、たとえばビットコイン・キャッシュ(BCH)ブロックチェーンに適している。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
本稿では、「ブロックチェーン」という用語を、電子的、コンピュータベース、分散型のあらゆる形態の台帳を含むものとして使う。これらは、コンセンサスに基づくブロックチェーンおよびトランザクションチェーン技術、許可式および非許可式の台帳、共有される台帳、およびそれらの変形を含む。ブロックチェーン技術の最も広く知られている応用はビットコイン台帳であるが、他のブロックチェーン実装が提案され、開発されている。本明細書では、便宜上、説明のためにビットコインに言及することがあるが、本発明は、ビットコイン・ブロックチェーンと一緒に使用することに限定されず、代替的なブロックチェーン実装およびプロトコルが、本発明の範囲内にはいることに注意しておくべきである。用語「ユーザー」は、本明細書中では、人間またはプロセッサ・ベースの資源を指しうる。
【0003】
ブロックチェーンは、ピアツーピアの電子台帳であり、これは、ブロックから構成される、コンピュータベースの脱中心化された分散型のシステムとして実装され、ブロックはトランザクションから構成される。各トランザクションは、ブロックチェーン・システムにおける参加者間のデジタル資産の制御〔コントロール〕の移転をエンコードするデータ構造であり、少なくとも1つの入力および少なくとも1つの出力を含む。各ブロックは、前のブロックのハッシュを含み、それにより諸ブロックがチェーン化されて、ブロックチェーンの端緒以来、そのブロックチェーンに書き込まれたすべてのトランザクションの永続的で変更不可能なレコードを作成する。トランザクションは、その入力および出力に埋め込まれた、スクリプトとして知られる小さなプログラムを含んでおり、それが、トランザクションの出力に誰がどのようにアクセスできるかを指定する。ビットコイン・プラットフォームでは、これらのスクリプトはスタック・ベースのスクリプト言語を使用して書かれる。
【0004】
トランザクションがブロックチェーンに書き込まれるためには、トランザクションは「有効確認」される必要がある。ネットワーク・ノード(採鉱者)が、各トランザクションが有効であることを保証するために作業を実行し、無効なトランザクションはネットワークから拒否される。ノードにインストールされているソフトウェア・クライアントが、そのロック・スクリプトおよびアンロック・スクリプトを実行することによって、未使用トランザクション(unspent transaction、UTXO)に対してこの有効確認(validation)作業を実行する。ロックおよびアンロック・スクリプトの実行が真と評価される場合、そのトランザクションは有効であり、そのトランザクションはブロックチェーンに書き込まれる。このように、トランザクションがブロックチェーンに書き込まれるためには、トランザクションは、i)そのトランザクションを受け取る最初のノードによって有効確認されなければならない。もし、トランザクションが有効確認されれば、ノードはそれをネットワーク内の他のノードに中継する。トランザクションは、ii)採鉱者によって構築された新しいブロックに追加され、iii)採掘されなければならない。すなわち、過去のトランザクションの公開台帳に追加される。
【0005】
ブロックチェーン技術は、暗号通貨実装の使用について最も広く知られているが、デジタル起業家は、ビットコインのベースとなる暗号セキュリティ・システムと、ブロックチェーンに格納できるデータの両方を使用して、新しいシステムを実装することを検討し始めている。ブロックチェーンが、暗号通貨の領域に限定されない自動化されたタスクおよびプロセスに使用できれば、非常に有利であろう。そのような解決策は、応用がより多様でありながら、ブロックチェーンの恩恵(たとえば、事象の恒久的な、改竄不能な記録、分散処理など)を利用することができるであろう。
【0006】
原子的スワップ〔アトミック・スワップ〕の概念は、以前から暗号通貨コミュニティで議論されてきた。当事者間の交換は、すべての参加者が所望の資源(たとえば、暗号通貨のトークンまたはコイン)を受け取るか、または誰も受け取らないという意味で「原子的」である。執筆時点で、ウィキペディアは、原子的スワップを「信頼できる第三者を必要とせずに、ある暗号通貨を別の暗号通貨と交換することを可能にする、暗号通貨における提案された機能」と説明している。伝統的な暗号通貨では、当事者が対価として通貨を受け取ることなく通貨を送ってしまうことを防止するためには、暗号通貨のスワップを実行するために暗号通貨交換所のような信頼できる第三者が必要になる。原子的スワップ・システムは、ハッシュ時間ロック・スマート・コントラクトを使用して、当事者はスワップされる通貨を指定された時間内に引き渡さなければならず、さもなければトランザクションはキャンセルされる。これは、スワップが行なわれるか、または通貨が全くスワップされないかのいずれかである」という意味で「原子性」を保存する。
【0007】
このように、原子的スワップは、ブロックチェーンを通じて実施される移転に関して、向上したセキュリティを提供する。信頼される第三者の必要性をなくすことは、悪用や悪意ある介入のリスクをなくすからである。現に、マウントゴックスの一件のように、暗号通貨交換所に関して、いくつかのセキュリティ破りまたは「ハッキング」が行なわれてきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
https://en.wikipedia.org/wiki/Atomic_swap
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、提案された原子的スワップ解決策は、ただ1つの秘密の使用を含み、スワップは非同期的に実行される。これは、あるトランザクションが消費された後になってはじめて、他のトランザクションが消費できるという欠点を生み出す。
【0010】
このように、ブロックチェーン技術によって提供される信頼不要性および不変性を有する資源または資産を原子的に交換し、ブロックチェーン実装ネットワークを通じて実施される交換に関するセキュリティを向上させる、暗号学的に実施される資源交換方法を提供することが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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