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公開番号
2025124843
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-26
出願番号
2025093826,2023185506
出願日
2025-06-05,2017-03-31
発明の名称
早期膵がん又は膵がん前駆病変の検出キット又はデバイス及び検出方法
出願人
東レ株式会社
,
国立研究開発法人国立がん研究センター
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6886 20180101AFI20250819BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】早期膵がん又は膵がん前駆病変を検出する方法を提供する。
【解決手段】被験体の検体中のmiRNAと特異的に結合可能な核酸を含む、早期膵がん
又は膵がん前駆病変検出用キット又はデバイス、並びに、該miRNAの発現量をin
vitroで測定することを含む早期膵がん又は膵がん前駆病変を検出する方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
早期膵がん又は膵がん前駆病変マーカーである、miR-6803-5pのポリヌクレオチドと特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するプライマーを含む、早期膵がん又は膵がん前駆病変の検出用キット。
続きを表示(約 7,900 文字)
【請求項2】
前記核酸プローブ及び/又はプライマーが、下記の(a)~(e)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(a)配列番号66で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(b)配列番号66で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(c)配列番号66で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(d)配列番号66で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(e)前記(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記キットが、別の早期膵がん又は膵がん前駆病変マーカーである、miR-6784-5p、miR-1181、miR-671-5p、miR-6857-5p、miR-4276、miR-1914-3p、miR-149-3p、miR-937-5p、miR-4675、miR-6795-5p、miR-4731-5p、miR-5090、miR-3620-5p、miR-6717-5p、miR-6825-5p、miR-6738-5p、miR-6769a-5p、miR-4728-5p、miR-652-5p、miR-4257、miR-7110-5p、miR-6887-5p、miR-887-3p、miR-1228-5p、miR-5572、miR-6782-5p、miR-4298、miR-6786-5p、miR-5010-5p、miR-6087、miR-6765-5p、miR-6732-5p、miR-6787-5p、miR-6737-5p、miR-128-2-5p、miR-4270、miR-6861-5p、miR-6756-5p、miR-1229-5p、miR-6891-5p、miR-6848-5p、miR-1237-5p、miR-30c-1-3p、miR-1233-5p、miR-211-3p、miR-4758-5p、miR-614、miR-6746-5p、miR-1915-5p、miR-4688、miR-3917、miR-5787、miR-6126、miR-135a-3p、miR-8063、miR-5698、miR-6089、miR-498、miR-296-3p、miR-4419b、miR-6802-5p、miR-6829-5p、miR-1199-5p、miR-6840-3p、miR-6752-5p、miR-6798-5p、miR-6131、miR-4667-5p、miR-6510-5p、miR-4690-5p、miR-920、miR-23b-3p、miR-4448、miR-2110、miR-4706、miR-7845-5p、miR-6808-5p、miR-4447、miR-6869-5p、miR-1908-5p、miR-6729-5p、miR-5195-3p、miR-638、miR-6125、miR-3178、miR-3196、miR-8069、miR-4723-5p、miR-4746-3p、miR-4689、miR-6816-5p、miR-6757-5p、miR-7109-5p、miR-6724-5p、miR-1225-3p、miR-6875-5p、miR-7108-5p、miR-4508、miR-6085、miR-6779-5p、miR-642a-3p、miR-4695-5p、miR-7847-3p、miR-3197、miR-6769b-5p、miR-7641、miR-187-5p、miR-3185、miR-2861、miR-3940-5p、miR-1203、miR-615-5p、miR-4787-5p、miR-1343-3p、miR-6813-5p、miR-1225-5p、miR-602、miR-4488、miR-125a-3p、miR-5100、miR-4294、miR-1231、miR-6765-3p、miR-4442、miR-718、miR-6780b-5p、miR-6090、miR-6845-5p、miR-4741、miR-4467、miR-4707-5p、miR-4271、miR-4673、miR-3184-5p、miR-1469、miR-4640-5p、miR-663a、miR-6791-5p、miR-6826-5p、miR-4433b-3p、miR-1915-3p、miR-4417、miR-4449、miR-4707-3p、miR-3180-3p、miR-5585-3p、miR-1268a、miR-8072、miR-296-5p、miR-204-3p、miR-4454、miR-6722-3p、miR-1290、miR-3622a-5p、miR-939-5p、miR-675-5p、miR-3131、miR-4648、miR-1268b、miR-6741-5p、miR-6893-5p、miR-3162-5p、miR-642b-3p、miR-4734、miR-150-3p、miR-8089、miR-6805-3p、miR-7113-3p、miR-6850-5p、miR-6799-5p、miR-6768-5p、miR-92b-5p、miR-3679-5p、miR-4792、miR-3656、miR-92a-2-5p、miR-4466、miR-4513、miR-6781-5p、miR-4649-5p、miR-6775-5p、miR-4651、miR-3195、miR-6726-5p、miR-6872-3p、miR-371a-5p、miR-6777-5p、miR-6789-5p、miR-7975、miR-6821-5p、miR-4534、miR-619-5p、miR-7107-5p、miR-1228-3p、miR-6774-5p、miR-6805-5p、miR-23a-3p、miR-4665-5p、miR-4505、miR-4638-5p、miR-24-3p、miR-3135b、miR-4745-5p、miR-128-1-5p、miR-4476、miR-4687-3p、miR-3665、miR-6806-5p、miR-3937、miR-711、miR-3141、miR-3188、miR-4281、miR-5196-5p、miR-6880-5p、miR-3960、miR-3648、miR-6721-5p、miR-4492、miR-744-5p、miR-7704、miR-4749-5p、miR-6794-5p、miR-6824-5p、miR-762、miR-6836-3p、miR-6727-5p、miR-7977、miR-4484、miR-6515-3p、miR-373-5p、miR-4258、miR-4674、miR-3180、miR-6076、miR-1238-5p、miR-4463、miR-4486、及びmiR-4730、からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチドと特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するプライマーをさらに含む、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記核酸プローブ及び/又はプライマーが、下記の(f)~(j)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(f)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(g)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(h)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(i)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(j)前記(f)~(i)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
早期膵がん又は膵がん前駆病変マーカーである、miR-6803-5pのポリヌクレオチドと特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するプライマーを含む、早期膵がん又は膵がん前駆病変の検出用デバイス。
【請求項6】
前記核酸プローブ及び/又はプライマーが、下記の(a)~(e)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(a)配列番号66で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(b)配列番号66で表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(c)配列番号66で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(d)配列番号66で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(e)前記(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスが、別の早期膵がん又は膵がん前駆病変マーカーである、miR-6784-5p、miR-1181、miR-671-5p、miR-6857-5p、miR-4276、miR-1914-3p、miR-149-3p、miR-937-5p、miR-4675、miR-6795-5p、miR-4731-5p、miR-5090、miR-3620-5p、miR-6717-5p、miR-6825-5p、miR-6738-5p、miR-6769a-5p、miR-4728-5p、miR-652-5p、miR-4257、miR-7110-5p、miR-6887-5p、miR-887-3p、miR-1228-5p、miR-5572、miR-6782-5p、miR-4298、miR-6786-5p、miR-5010-5p、miR-6087、miR-6765-5p、miR-6732-5p、miR-6787-5p、miR-6737-5p、miR-128-2-5p、miR-4270、miR-6861-5p、miR-6756-5p、miR-1229-5p、miR-6891-5p、miR-6848-5p、miR-1237-5p、miR-30c-1-3p、miR-1233-5p、miR-211-3p、miR-4758-5p、miR-614、miR-6746-5p、miR-1915-5p、miR-4688、miR-3917、miR-5787、miR-6126、miR-135a-3p、miR-8063、miR-5698、miR-6089、miR-498、miR-296-3p、miR-4419b、miR-6802-5p、miR-6829-5p、miR-1199-5p、miR-6840-3p、miR-6752-5p、miR-6798-5p、miR-6131、miR-4667-5p、miR-6510-5p、miR-4690-5p、miR-920、miR-23b-3p、miR-4448、miR-2110、miR-4706、miR-7845-5p、miR-6808-5p、miR-4447、miR-6869-5p、miR-1908-5p、miR-6729-5p、miR-5195-3p、miR-638、miR-6125、miR-3178、miR-3196、miR-8069、miR-4723-5p、miR-4746-3p、miR-4689、miR-6816-5p、miR-6757-5p、miR-7109-5p、miR-6724-5p、miR-1225-3p、miR-6875-5p、miR-7108-5p、miR-4508、miR-6085、miR-6779-5p、miR-642a-3p、miR-4695-5p、miR-7847-3p、miR-3197、miR-6769b-5p、miR-7641、miR-187-5p、miR-3185、miR-2861、miR-3940-5p、miR-1203、miR-615-5p、miR-4787-5p、miR-1343-3p、miR-6813-5p、miR-1225-5p、miR-602、miR-4488、miR-125a-3p、miR-5100、miR-4294、miR-1231、miR-6765-3p、miR-4442、miR-718、miR-6780b-5p、miR-6090、miR-6845-5p、miR-4741、miR-4467、miR-4707-5p、miR-4271、miR-4673、miR-3184-5p、miR-1469、miR-4640-5p、miR-663a、miR-6791-5p、miR-6826-5p、miR-4433b-3p、miR-1915-3p、miR-4417、miR-4449、miR-4707-3p、miR-3180-3p、miR-5585-3p、miR-1268a、miR-8072、miR-296-5p、miR-204-3p、miR-4454、miR-6722-3p、miR-1290、miR-3622a-5p、miR-939-5p、miR-675-5p、miR-3131、miR-4648、miR-1268b、miR-6741-5p、miR-6893-5p、miR-3162-5p、miR-642b-3p、miR-4734、miR-150-3p、miR-8089、miR-6805-3p、miR-7113-3p、miR-6850-5p、miR-6799-5p、miR-6768-5p、miR-92b-5p、miR-3679-5p、miR-4792、miR-3656、miR-92a-2-5p、miR-4466、miR-4513、miR-6781-5p、miR-4649-5p、miR-6775-5p、miR-4651、miR-3195、miR-6726-5p、miR-6872-3p、miR-371a-5p、miR-6777-5p、miR-6789-5p、miR-7975、miR-6821-5p、miR-4534、miR-619-5p、miR-7107-5p、miR-1228-3p、miR-6774-5p、miR-6805-5p、miR-23a-3p、miR-4665-5p、miR-4505、miR-4638-5p、miR-24-3p、miR-3135b、miR-4745-5p、miR-128-1-5p、miR-4476、miR-4687-3p、miR-3665、miR-6806-5p、miR-3937、miR-711、miR-3141、miR-3188、miR-4281、miR-5196-5p、miR-6880-5p、miR-3960、miR-3648、miR-6721-5p、miR-4492、miR-744-5p、miR-7704、miR-4749-5p、miR-6794-5p、miR-6824-5p、miR-762、miR-6836-3p、miR-6727-5p、miR-7977、miR-4484、miR-6515-3p、miR-373-5p、miR-4258、miR-4674、miR-3180、miR-6076、miR-1238-5p、miR-4463、miR-4486、及びmiR-4730、からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチドと特異的に結合可能な核酸プローブ及び/又は該ポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するプライマーをさらに含む、請求項5又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記核酸プローブ及び/又はプライマーが、下記の(f)~(j)のいずれかに示すポリヌクレオチド:
(f)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(g)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(h)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は19以上の連続した塩基を含むその断片、
(i)配列番号1~13、15~21、23~54、56~65、67~83、84~226、227~229、及び230~245のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び
(j)前記(f)~(i)のいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
からなる群から選択されるポリヌクレオチドである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスが、ハイブリダイゼーション技術による測定のためのデバイスである、請求項5~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ハイブリダイゼーション技術が、核酸アレイ技術である、請求項9に記載のデバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体において早期膵がん又は膵がん前駆病変への罹患の有無の検査のため
に使用される、特定のmiRNAと特異的に結合可能な核酸を含む早期膵がん又は膵がん
前駆病変の検出用キット又はデバイス、及び当該核酸を用いて当該miRNAの発現量を
測定することを含む早期膵がん又は膵がん前駆病変の検出方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
膵臓は、消化液である膵液を分泌し、膵管を経て消化管へ送り込む外分泌腺であるとと
もに、インスリン、グルカゴンなどのホルモンを血液中に分泌する内分泌腺としての機能
も有する。
【0003】
膵臓は胃や十二指腸、小腸、肝臓、胆嚢など多くの臓器に囲まれているためがんの早期
発見が困難なだけでなく、自覚症状を伴わない、進行が非常に早い、他の臓器に転移を起
こすなどの性質を持ち、他のがんに比較してきわめて予後不良ながんである。国立研究開
発法人国立がん研究センターがん対策情報センター(東京、日本国)が開示する2011
年の日本国内における部位別のがん死亡率の統計によると、膵がんの死亡数は28,82
9人にのぼり、2003~2005年の部位別5年相対生存率は膵がんが最も低く、男性
で7.1%、女性で6.9%である。
【0004】
非特許文献1に記載されているように、膵がん治療の基本は進行度によって手術、全身
化学療法、放射線療法あるいはこの組み合わせで行われる。15~20%の膵がん患者が
根治可能ということで手術がなされているが、手術を受けなかった患者の大半は局所で進
行しているかあるいは転移していると考えられる。
【0005】
UICC(Unio Internationalis Contra Cancru
m)による膵がんの進行度はstage 0、IA、IB、IIA、IIB、III、I
Va、IVbに分類される。Stage I―IIIが5年生存例の半数以上を占めてお
り、診断時の進行度はStage IVaとStage IVbで70%以上を占めてい
る。非特許文献1に記載されているように、膵がんの5年生存率はstage IAが4
5.8%、stage IBが36.3%、stage IIAが29.4%、stag
e IIBが10.6%、stage IIIが5.9%、stage IVが4.0%
であり、stage IIIおよびstage IVの予後は極めて不良であるため、早
期に膵がんを検出して治療を行う必要がある。
【0006】
非特許文献2に記載されているように、膵がんの診断において腹部超音波検査は簡便で
低侵襲な検査として外来診療や検診において非常に有用である。しかし、腫瘍径の小さい
膵がんや膵尾側病変は描出することが困難なことも多い。通常の健康診断での腹部超音波
検査による膵画像の有所見率は約1%で、膵がん発見率は約0.06%以下と低い。また
、膵がん検出のための腫瘍マーカーには、例えば、糖鎖抗原としてCA19-9、Spa
n-1、CA50、CA242、Dupan-2、TAG-72、尿中フコースなど、糖
鎖以外の抗原としてCEA、POA、TPSなどが知られている。これらの腫瘍マーカー
の使い方としては、その血中濃度が予め設けておいた基準値より高い又は低い場合にがん
が疑われる。例えば非特許文献3に記載されているように、CEAの基準値は5ng/m
L、CA19-9の基準値は37U/mLと設定されており、それ以上の値を示す場合に
は、膵がんを含むがんが疑われる。しかしながら、腫瘍マーカーの評価は多くが進行膵が
んでの検討であり、早期膵がんでは異常値を示さないことが多い。また、検診で腫瘍マー
カーと腹部超音波検査を行っても膵がん検出率は低く、膵がん発見のためのこれらの検診
の実施は費用対効果の点で問題がある。
【0007】
一方、膵に生ずる嚢胞性疾患は悪性化して浸潤癌へと進行することが知られており、膵
がん前駆病変とみなすことができる。非特許文献4に記載されているように、嚢胞性疾患
の悪性度は嚢胞径、壁肥厚、主膵管径、壁在結節、主膵管狭窄、リンパ節腫大、及び、嚢
胞性病変などによって評価され、嚢胞性疾患の一種である膵管内乳頭粘液性腫瘍の場合は
、悪性が40.4%、浸潤癌が30.8%と予後が悪いため、発見時の悪性度が低い場合
でも経過観察や切除が推奨されている。
【0008】
研究段階ではあるが、特許文献1~5、非特許文献5に示されるように、血液をはじめ
とする生体サンプル中のマイクロRNA(miRNA)の発現量、又はmiRNAの発現
量と他のタンパク質マーカーの発現量とを組み合わせることによって、膵がんを判別する
という報告がある。
【0009】
特許文献1には、血液中のhsa-miR-125a-3p、hsa-miR-204
-3p、hsa-miR-3648を他の数個のmiRNAと組み合わせて膵がんを検出
する方法が示されている。
【0010】
特許文献2には、血液中のhsa-miR-1908-5p、hsa-miR-672
9-5p、hsa-miR-5195-3pなどのmiRNAを組み合わせて膵がんを検
出する方法が示されている。
(【0011】以降は省略されています)
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