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公開番号
2025121469
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-20
出願番号
2024016874
出願日
2024-02-07
発明の名称
透明ディスプレイシステム
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
G02B
27/28 20060101AFI20250813BHJP(光学)
要約
【課題】 本発明は、映像表示性と見映えを両立した透明ディスプレイシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】 映像投射器と、投影画像表示部材とを備えた透明ディスプレイシステムであって、映像表示面の法線とのなす角が12°となるように前記投影画像表示部材へ光を入射させたときの波長400~700nmにおける平均反射率R(12)と、P波の反射率が最大となる方位である偏光軸とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400~700nmにおける平均反射率Rmax(60)との差が5%以上であり、かつ、前記Rmax(60)と、前記偏光軸と直交する方位とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400~700nmの平均反射率Rmin(60)との差が5%以上である、透明ディスプレイシステム。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光を照射して映像を投影する映像投射器と、前記映像投射器からの光により映像が投影される投影画像表示部材とを備えた透明ディスプレイシステムであって、
映像表示面の法線とのなす角が12°となるように前記投影画像表示部材へ光を入射させたときの波長400nm~700nmにおける平均反射率R(12)と、P波の反射率が最大となる方位である偏光軸とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400nm~700nmにおける平均反射率Rmax(60)との差が5%以上であり、
かつ、前記Rmax(60)と、前記偏光軸と直交する方位とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400nm~700nmの平均反射率Rmin(60)との差が5%以上であることを特徴とする、透明ディスプレイシステム。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記R(12)が30%以下である、請求項1に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項3】
前記Rmax(60)が20%以上である、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項4】
前記偏光軸と前記映像投射器から照射される光のP波が最大となる方位のなす角が0°以上20°以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項5】
前記投影画像表示部材のリタデーションが2000nmよりも大きい、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項6】
前記投影画像表示部材が、少なくとも一部に接着層を介して透明硬質材料と光反射材料を積層した構成を有し、前記光反射材料が前記投影画像表示部材の光入射面に位置する、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項7】
前記投影画像表示部材の全ヘイズが1.0%以下である、請求項1に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項8】
前記投影画像表示部材の最表面に保護層を備える、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項9】
前記投影画像表示部材の光入射面の算術平均粗さが0.90nm以下である、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
【請求項10】
前記投影画像表示部材の光入射面をJISR-3255:1997に準拠したマイクロスクラッチ試験法で測定して得られるクラック発生圧力が100GPa以上600GPa以下である、請求項1または2に記載の透明ディスプレイシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示性と見映えに優れた透明ディスプレイシステム、ヘッドアップディスプレイシステム、有人交通機関、及びスクリーンに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
透明ディスプレイシステムとは、透明な投影部材に影像を表示するシステムであり、そのメカニズムについては、投影部に対して斜め方向から影像のもととなる光(以下、映像の光ということがある。)を投射してこれを反射させ、該反射像を使用者の視野に入れる方式が最も簡単なものである。透明ディスプレイシステムの例としては、搭乗者の前方の風景に合わせた進路情報、注意喚起情報、建造物情報などを、有人交通機関の風防に表示するヘッドアップディスプレイシステム等がある。
【0003】
投影部材の構成としては風防の一部に反射層を設けた構成が知られており、反射層の例として誘電体層と金属層を含むナノ膜が特許文献1に示されている。このようなナノ膜は、影像の光の反射性に優れるものの反射性に面内等方性があることから、どの方位角から映像の光を入射しても一定の反射性がある。そのため、助手席や車外から風防を見たときにナノ膜が存在する箇所が色づいて目立つことがある。
【0004】
この問題点を解消するため、反射性に面内異方性がある反射層として、例えば偏光反射フィルムを用いる例が特許文献2に示されている。偏光反射フィルムには、面内方向のうちP波の反射率が最大となる向きと最小となる向きが存在し、P波の反射率が最大となる向きを影像の光のP波の向きと一致させることで映像表示性を高めることができる一方、P波の反射率が最小となる向きがあるため、全体として特許文献1が開示するようなナノ膜よりも色づきを抑えることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2017-538141号公報
特表2006-512622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2が開示するような偏光反射フィルムは、映像のもととなる光を正面から照射した場合と斜めから照射した場合で反射率が一定であるため、影像表示性の担保のためには、ある程度の反射率を有する設計にする必要があるが、その結果、運転者から見た際に色づきが目立ち見映えが悪くなる。そこで本発明は、映像表示性と見映えを両立した透明ディスプレイシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、以下の構成からなる。すなわち、光を照射して映像を投影する映像投射器と、前記映像投射器からの光により映像が投影される投影画像表示部材とを備えた透明ディスプレイシステムであって、映像表示面の法線とのなす角が12°となるように前記投影画像表示部材へ光を入射させたときの波長400nm~700nmにおける平均反射率R(12)と、P波の反射率が最大となる方位である偏光軸とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400nm~700nmにおける平均反射率Rmax(60)との差が5%以上であり、かつ、前記Rmax(60)と、前記偏光軸と直交する方位とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400nm~700nmの平均反射率Rmin(60)との差が5%以上であることを特徴とする、透明ディスプレイシステムである。
【0008】
また、本発明の透明ディスプレイシステムは以下の態様とすることもでき、また、以下の通りヘッドアップディスプレイシステム、有人交通機関、スクリーンに用いることもできる。
(1) 光を照射して映像を投影する映像投射器と、前記映像投射器からの光により映像が投影される投影画像表示部材とを備えた透明ディスプレイシステムであって、映像表示面の法線とのなす角が12°となるように前記投影画像表示部材へ光を入射させたときの波長400nm~700nmにおける平均反射率R(12)と、P波の反射率が最大となる方位である偏光軸とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400nm~700nmにおける平均反射率Rmax(60)との差が5%以上であり、かつ、前記Rmax(60)と、前記偏光軸と直交する方位とのなす角が60°となるように前記投影画像表示部材へP波を入射させたときの波長400nm~700nmの平均反射率Rmin(60)との差が5%以上であることを特徴とする、透明ディスプレイシステム。
(2) 前記R(12)が30%以下である、(1)に記載の透明ディスプレイシステム。
(3) 前記Rmax(60)が20%以上である、(1)または(2)に記載の透明ディスプレイシステム。
(4) 前記偏光軸と前記映像投射器から照射される光のP波が最大となる方位のなす角が0°以上20°以下であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(5) 前記投影画像表示部材のリタデーションが2000nmよりも大きい、(1)~(4)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(6) 前記投影画像表示部材が、少なくとも一部に接着層を介して透明硬質材料と光反射材料を積層した構成を有し、前記光反射材料が前記投影画像表示部材の光入射面に位置する、(1)~(5)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(7) 前記投影画像表示部材の全ヘイズが1.0%以下である、(1)~(6)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(8) 前記投影画像表示部材の最表面に保護層を備える、(1)~(7)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(9) 前記投影画像表示部材の光入射面の算術平均粗さが0.90nm以下である、(1)~(8)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(10) 前記投影画像表示部材の光入射面をJISR-3255:1997に準拠したマイクロスクラッチ試験法で測定して得られるクラック発生圧力が100GPa以上600GPa以下である、(1)~(9)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(11) 前記投影画像表示部材の光入射面側に屈折率1.50以下である低屈折率層が少なくとも1つ存在する、(1)~(10)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(12) 前記低屈折率層の屈折率nと層厚みdの積n×dが150nm以上250nm以下である、(11)に記載の透明ディスプレイシステム。
(13) 前記投影画像表示部材の中心点をC点、前記C点と上方向の末端の中間点をX1点、前記C点と下方向の末端の中間点をX2点、前記C点と左方向の末端の中間点をY1点、前記C点と右方向の末端の中間点をY2点としたときに、前記C点、前記X1点、前記X2点、前記Y1点、及び前記Y2点におけるリタデーションの最大値と最小値の差が1000nm以下である、(1)~(12)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(14) 前記投影画像表示部材の中心点をC点、前記C点と上方向の末端の中間点をX1点、前記C点と下方向の末端の中間点をX2点、前記C点と左方向の末端の中間点をY1点、前記C点と右方向の末端の中間点をY2点としたときに、前記C点、前記X1点、前記X2点、前記Y1点、及び前記Y2点において、各偏光軸と映像投射器から照射される光のP波が最大となる方位のなす角が0°以上20°以下である、(1)~(13)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(15) 前記光反射材料が、少なくとも2種類以上の熱可塑性樹脂層を51層以上積層した積層フィルムである、(6)~(14)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム。
(16) (1)~(15)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステムを用いてなる、ヘッドアップディスプレイ。
(17) (1)~(15)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステム、あるいは請求項17に記載のヘッドアップディスプレイを搭載してなる、有人交通機関。
(18) (1)~(15)のいずれかに記載の透明ディスプレイシステムを用いてなる、スクリーン。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、上記課題を解決し、映像表示性と見映えを両立した透明ディスプレイシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の透明ディスプレイシステムの一実施態様を説明する概略図である。
本発明の透明ディスプレイシステムに用いることができる投影画像表示部材の一実施態様を説明する概略図である。
本発明の透明ディスプレイシステムを構成する投影画像表示部材のC点を説明する概略図である。
本発明の透明ディスプレイシステムを構成する投影画像表示部材のX1点、X2点、Y1点、Y2点を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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