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公開番号
2025130669
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-08
出願番号
2024172756,2024558339
出願日
2024-10-01,2023-12-27
発明の名称
共重合体、その製造方法及び共重合体を含む硬化体
出願人
デンカ株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C08F
299/00 20060101AFI20250901BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】未硬化の状態で優れた低誘電特性と室温で高い弾性率を示す新規な共重合体の提供。
【解決手段】未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.4未満、誘電正接が0.0008未満であり、25℃で測定した貯蔵弾性率が1000MPa以上である、αオレフィン-環状オレフィン-芳香族ポリエン共重合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.4未満、誘電正接が0.0008未満であり、25℃で測定した貯蔵弾性率が1000MPa以上である、αオレフィン-環状オレフィン-芳香族ポリエン共重合体。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.4未満、誘電正接が0.0008未満であり、25℃で測定した貯蔵弾性率が1000MPa以上である、αオレフィン-環状オレフィン-芳香族ビニル化合物-芳香族ポリエン共重合体。
【請求項3】
未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.3未満、誘電正接が0.0004未満である、請求項1又は2に記載の共重合体。
【請求項4】
前記共重合体に含まれる、触媒および助触媒由来の金属含量の合計が1000ppm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項5】
単独で硬化した場合、その硬化体の測定周波数40GHzにおける誘電率が3.5未満、かつ誘電正接が0.001未満を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項6】
単独で硬化した場合、その硬化体の測定周波数40GHzにおける誘電率が2.3未満、かつ誘電正接が0.0004未満である、請求項5に記載の共重合体。
【請求項7】
単独で硬化した場合、その硬化体の280℃で測定した貯蔵弾性率が1MPa以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項8】
単独で硬化した場合、その硬化体の280℃で測定した貯蔵弾性率が5MPa以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項9】
以下の(1)~(2)、(4)~(6)をすべて満足する、請求項1に記載の共重合体。
(1)共重合体の数平均分子量が500以上10万以下である。
(2)αオレフィン単位が、炭素数2~20のαオレフィンである。
(4)環状オレフィン単位が、炭素数10以上30以下の環状オレフィン単量体単位であり、その含量が30質量%以上99質量%以下である。
(5)芳香族ポリエン単位が、分子内にビニル基及び/又はビニレン基を複数有する炭素数5以上20以下のポリエンから選ばれる一種以上であり、かつ芳香族ポリエン単量体単位に由来するビニル基及び/又はビニレン基の含有量が数平均分子量あたり2個以上30個以下である。
(6)αオレフィン単位、環状オレフィン単位、芳香族ポリエン単位の合計が100質量%である。
【請求項10】
以下の(1)~(6)をすべて満足する、請求項2に記載の共重合体。
(1)共重合体の数平均分子量が500以上10万以下である。
(2)αオレフィン単位が、炭素数2~20のαオレフィンである。
(3)芳香族ビニル化合物単位が、炭素数8以上20以下の芳香族ビニル化合物である。
(4)環状オレフィン単位が、炭素数10以上30以下の環状オレフィン単量体単位であり、その含量が30質量%以上99質量%以下である。
(5)芳香族ポリエン単位が、分子内にビニル基及び/又はビニレン基を複数有する炭素数5以上20以下のポリエンから選ばれる一種以上であり、かつ芳香族ポリエン単量体単位に由来するビニル基及び/又はビニレン基の含有量が数平均分子量あたり2個以上30個以下である。
(6)αオレフィン単位、環状オレフィン単位、芳香族ビニル化合物単位、芳香族ポリエン単位の合計が100質量%である。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合体、及びその製造方法、並びにその共重合体を含む硬化体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
通信周波数がギガヘルツ帯及びそれ以上の高周波帯に移行することにともない、低誘電特性を有する絶縁材料を含むCCLやFCCLからなる多層基板に対するニーズが高まっている。パーフルオロエチレン等のフッ素系樹脂は優れた低誘電率、低誘電損失と耐熱性に優れた特徴を有するが成形加工性、膜成形性に難があり、また、配線の銅箔との接着性にも課題があるため、多層基板への適用が難しい。一方、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の後硬化樹脂を用いた基板、絶縁材料はその耐熱性、易取り扱い性から広く用いられてきているが、誘電率、誘電損失が比較的高く、高周波用の絶縁材料としては改善が望まれている(特許文献1)。
【0003】
そこで本質的に低誘電特性を有する炭化水素系樹脂に注目が集まっている。特に高いガラス転移温度(Tg)を有する環状オレフィン系の(共)重合体が、熱可塑性樹脂としての本絶縁材料として提案されている(特許文献2、3)。しかし、そのガラス転移温度はハンダリフロー温度と近接しているため、プロセス適合性、プロセスウインドウを考慮すると架橋性(硬化性)樹脂であることが好ましい。本来は熱可塑性樹脂である炭化水素系樹脂を硬化性樹脂とするためには架橋性の官能基を導入する必要があるが、一般的にラジカル、又は熱に反応する官能基は極性を有し、そのため低誘電特性が悪化してしまう。炭化水素のみから構成される官能基、例えば芳香族ビニル基を導入しようとすると、高価な炭化水素系原料間の分子間反応を利用する場合が多く(特許文献4)、経済的ではない場合が多い。特許文献5には、特定の配位重合触媒から得られ、特定の組成と配合を有するエチレン-オレフィン(芳香族ビニル化合物)-芳香族ポリエン共重合体、非極性ビニル化合物共重合体からなる硬化体が示されている。本技術の場合、芳香族ポリエン(ジビニルベンゼン)の2つのビニル基のうち一つのみが選択的に共重合され残りのビニル基が保存されるため、容易に芳香族ビニル基の官能基を有する、架橋性の炭化水素系共重合体マクロモノマーを得ることができる。同様なオレフィン-芳香族ビニル化合物-芳香族ポリエン共重合体、及び副原料等との組成物から得られる硬化体は低誘電率、低誘電正接という特徴を有し、組成や適当な副原料の選択により、軟質~硬質までの幅広い物性を与えることが可能となる(特許文献6、7)が、具体的に記載されているオレフィン-芳香族ビニル化合物-芳香族ポリエン共重合体は比較的軟質であり、硬質化するためには他の架橋性硬質樹脂や無機フィラーを多く配合する必要がある。ここで公知の架橋性硬質樹脂はその低誘電特性が十分ではなく、多く配合すると硬化体の低誘電特性が低下するという課題がある。無機フィラーを比較的多く配合すると、一般的に無機フィラーは誘電率が高いために得られる硬化体の特に誘電率が高くなってしまう。硬化体においては硬質であることに加え同時に高いガラス転移温度(Tg)を示すことが重要であり、それによりハンダリフロー工程を含む電子回路部材の製造工程の処理温度範囲において低い線膨張率(CTE)を示すことができるため、よりガラス転移温度が高い硬質樹脂が求められている。さらに基板等に用いられる絶縁材料は、様々な樹脂やフィラー、難燃剤等の原料と混合し硬化させて作られるが、これら原料との高い相溶性も求められている。特に樹脂や難燃剤は高温での安定性や難燃性を獲得するために芳香族基が多く含まれるため、これらと相溶性が高い架橋性硬質材料が求められている。以上から、架橋性を有し、その硬化物が低誘電性に優れ、高いガラス転移温度を有し、室温及び高温で高い弾性率を有する材料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-192392号公報
国際公開第1998/56011号
特開2016-037045号公報
特開2004-087639号公報
特開2007-217706号公報
国際公開第2021/112087号
国際公開第2021/112088号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、αオレフィン-環状オレフィン-芳香族ビニル化合物-芳香族ポリエン共重合体の未硬化状態における低誘電特性、ガラス転移温度の高さ、及び弾性率の高さを十分な水準で兼ね備えることについて、上述した従来技術には記載がない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題に鑑み、本発明ではαオレフィン-環状オレフィン-芳香族ビニル化合物-芳香族ポリエン共重合体が未硬化状態においても低誘電で、高いガラス転移温度を有し、室温及び高温で高い弾性率を有するような、新規な架橋性共重合体(高分子化合物)、及びその硬化体を提供することを目的とする。
【0007】
すなわち、本発明では以下の態様を提供できる。
【0008】
態様1.
未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.4未満、誘電正接が0.0008未満であり、25℃で測定した貯蔵弾性率が1000MPa以上である、αオレフィン-環状オレフィン-芳香族ポリエン共重合体。
態様2.
未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.4未満、誘電正接が0.0008未満であり、25℃で測定した貯蔵弾性率が1000MPa以上である、αオレフィン-環状オレフィン-芳香族ビニル化合物-芳香族ポリエン共重合体。
【0009】
態様3.
未硬化の状態の共重合体の、測定周波数40GHzにおける誘電率が2.3未満、誘電正接が0.0004未満である、態様1又は2に記載の共重合体。
【0010】
態様4.
前記共重合体に含まれる、触媒および助触媒由来の金属含量の合計が1000ppm以下である、態様1~3のいずれかに記載の共重合体。
(【0011】以降は省略されています)
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