TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025134465
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-17
出願番号
2024032393
出願日
2024-03-04
発明の名称
セルスタックモジュール、セルスタックの故障検知システム、及び、セルスタックの故障検知方法
出願人
日本特殊陶業株式会社
代理人
弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類
C25B
9/00 20210101AFI20250909BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】 セルスタックの故障を適切に検知する。
【解決手段】 セルスタックモジュールは、電解単セル10を複数含むセルスタック1と冷却器43と水分検出器44を備える。セルスタック内に供給される供給ガスは、燃料室に供給され、燃料ガスと特定ガスを含む第1供給ガスと空気室に供給される第2供給ガスを含む。燃料ガスの電気分解により水素が生成されるという条件及び特定ガスが水素を含むという条件の少なくとも一方と、燃料ガスの電気分解により酸素が生成されるという条件及び第2供給ガスが酸素を含むという条件の少なくとも一方が成立しているという条件である水蒸気生成条件と、燃料ガスが水蒸気を含むという水蒸気含有条件の少なくとも一方が成立している。冷却器は燃料室と空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない対象室の下流側に配置されており、水分検出器は冷却器の内部又は下流側に配置されている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
固体電解質層と、前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極と、前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極と、を含む固体酸化物形の電解単セルを複数含むセルスタックと、
自身を通過するガスを冷却する冷却器と、
水分を検出する水分検出器と、
を備え、
前記セルスタック内に供給される供給ガスは、燃料極側の空間である燃料室に供給される第1供給ガスと、空気極側の空間である空気室に供給される第2供給ガスと、を含み、
前記第1供給ガスは、電気分解の対象である燃料ガスと、電気分解の対象ではない特定ガスと、を含む混合ガスであり、
前記燃料ガスの電気分解により水素が生成されるという第1条件及び前記特定ガスが水素を含むという第2条件の少なくとも一方と、前記燃料ガスの電気分解により酸素が生成されるという第3条件及び前記第2供給ガスが酸素を含むという第4条件の少なくとも一方と、が成立しているという条件を水蒸気生成条件と規定すると、
前記燃料ガスが水蒸気を含むという水蒸気含有条件、及び、前記水蒸気生成条件の少なくとも一方が成立しており、
前記冷却器は、前記燃料室と前記空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない室である対象室の下流側に配置されており、
前記水分検出器は、前記冷却器の内部又は下流側に配置されている、
セルスタックモジュール。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
固体電解質層と、前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極と、前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極と、を含む固体酸化物形の電解単セルを複数含むセルスタックと、
自身を通過するガスを冷却する冷却器と、
水分を検出する水分検出器と、
前記セルスタックの故障を検知する故障検知部と、
を備え、
前記セルスタック内に供給される供給ガスは、燃料極側の空間である燃料室に供給される第1供給ガスと、空気極側の空間である空気室に供給される第2供給ガスと、を含み、
前記第1供給ガスは、電気分解の対象である燃料ガスと、電気分解の対象ではない特定ガスと、を含む混合ガスであり、
前記燃料ガスの電気分解により水素が生成されるという第1条件及び前記特定ガスが水素を含むという第2条件の少なくとも一方と、前記燃料ガスの電気分解により酸素が生成されるという第3条件及び前記第2供給ガスが酸素を含むという第4条件の少なくとも一方と、が成立しているという条件を水蒸気生成条件と規定すると、
前記燃料ガスが水蒸気を含むという水蒸気含有条件、及び、前記水蒸気生成条件の少なくとも一方が成立しており、
前記冷却器は、前記燃料室と前記空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない室である対象室の下流側に配置されており、
前記水分検出器は、前記冷却器の内部又は下流側に配置されており、
前記故障検知部は、前記水分検出器により水分が検出された場合に前記セルスタックが故障していると判定するように構成された、
セルスタックの故障検知システム。
【請求項3】
請求項2に記載のセルスタックの故障検知システムであって、
前記複数の電解単セルのそれぞれは、水素を生成する電解単セル、水素及び一酸化炭素を含む合成ガスを生成する電解単セル、又は、一酸化炭素を生成する電解単セルの何れかとして使用される、
セルスタックの故障検知システム。
【請求項4】
固体電解質層と、前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極と、前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極と、を含む固体酸化物形の電解単セルを複数含むセルスタックの故障を検知するセルスタックの故障検知方法であって、
前記セルスタック内に供給される供給ガスは、燃料極側の空間である燃料室に供給される第1供給ガスと、空気極側の空間である空気室に供給される第2供給ガスと、を含み、
前記第1供給ガスは、電気分解の対象である燃料ガスと、電気分解の対象ではない特定ガスと、を含む混合ガスであり、
前記燃料ガスの電気分解により水素が生成されるという第1条件及び前記特定ガスが水素を含むという第2条件の少なくとも一方と、前記燃料ガスの電気分解により酸素が生成されるという第3条件及び前記第2供給ガスが酸素を含むという第4条件の少なくとも一方と、が成立しているという条件を水蒸気生成条件と規定すると、
前記燃料ガスが水蒸気を含むという水蒸気含有条件、及び、前記水蒸気生成条件の少なくとも一方が成立しており、
前記燃料室と前記空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない室である対象室から排出される排出ガスを冷却することと、
前記排出ガスの冷却時に水分が検出された場合、又は、冷却後の前記排出ガス中に水分が検出された場合に前記セルスタックが故障していると判定することと、
を含む、
セルスタックの故障検知方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形の電解セルを備えるセルスタックモジュール、セルスタックの故障検知システム、及び、セルスタックの故障検知方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固体酸化物形の燃料電池を備えるセルスタックの故障検知方法が記載されている。具体的には、セルスタックの開回路電圧をモニタし、電圧値の低下が検出された場合にセルスタックのガスシール性が低下していると判定することにより故障を検知している。このような故障検知方法は、固体酸化物形の電解セルを備えるセルスタックにも適用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許05791070号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、特許文献1の故障検知方法では、セルスタックの故障を適切に検知できない可能性がある。即ち、セルスタックの開回路電圧は、セルスタックの「温度」、「圧力」、「製造時のばらつき」及び「劣化度」によってセルスタック毎に異なっているため、通常、セルスタック毎に開回路電圧を一定の評価環境で事前に測定し、正確な開回路電圧を取得している。但し、セルスタックを含むシステムを構築すると、セルスタック単独の場合と比較して評価環境が変化するため、上記開回路電圧とは値が変化してしまい、システム内で開回路電圧を基に制御する場合、改めて測定が必要になる。ここで、一般に、セルスタックが備える電解セルは複数の電解単セルにより構成されており、電解単セル毎にガスシール性が担保されている。このため、或る1つの電解単セルの周囲が故障した場合には、故障による開回路電圧の低下を検知するために、電解単セル毎に開回路電圧を測定して電圧値の低下を検出する方法が考えられるが、これを実現するためにはセルスタックに含まれる全ての電解単セルに電圧線を結線しなければならず、工数が大幅に増加するという問題がある。一方で、複数の電解単セルの開回路電圧をまとめて(一括して)測定する方法では、上記故障による開回路電圧の低下量(低下率)は比較的に小さいため、上述したセルスタックの「温度」、「圧力」、「製造時のばらつき」及び「劣化度」に起因した開回路電圧の変動と区別することが極めて難しい。従って、特許文献1の故障検知方法では、開回路電圧の低下量が比較的に大きいタイプの故障(例えば、過半数の電解単セルの周囲でガスシール性が低下するような故障)は検知することができるが、開回路電圧の低下量が比較的に小さいタイプの故障(例えば、1又は数個の電解単セルの周囲でガスシール性が低下するような故障)は適切に検知できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した問題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、セルスタックの故障を適切に検知することが可能な技術を提供することにある。
【0006】
本発明に係るセルスタックモジュールは、
固体電解質層(12)と、前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極(14)と、前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極(16)と、を含む固体酸化物形の電解単セル(10)を複数含むセルスタック(1)と、
自身を通過するガスを冷却する冷却器(133、43)と、
水分を検出する水分検出器(134、44)と、
を備える。
前記セルスタック内に供給される供給ガスは、燃料極側の空間である燃料室(Sf)に供給される第1供給ガスと、空気極側の空間である空気室(Sa)に供給される第2供給ガスと、を含み、
前記第1供給ガスは、電気分解の対象である燃料ガスと、電気分解の対象ではない特定ガスと、を含む混合ガスであり、
前記燃料ガスの電気分解により水素が生成されるという第1条件及び前記特定ガスが水素を含むという第2条件の少なくとも一方と、前記燃料ガスの電気分解により酸素が生成されるという第3条件及び前記第2供給ガスが酸素を含むという第4条件の少なくとも一方と、が成立しているという条件を水蒸気生成条件と規定すると、
前記燃料ガスが水蒸気を含むという水蒸気含有条件、及び、前記水蒸気生成条件の少なくとも一方が成立しており、
前記冷却器は、前記燃料室と前記空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない室である対象室の下流側に配置されており、
前記水分検出器は、前記冷却器の内部又は下流側に配置されている。
【0007】
このセルスタックモジュールは、水蒸気含有条件及び水蒸気生成条件の少なくとも一方が成立している場合におけるセルスタックの故障を検知可能に構成されている。具体的には、このセルスタックモジュールでは、対象室(セルスタックの燃料室と空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない室)の下流側に冷却器が配置されており、当該冷却器の内部又は下流側に水分検出器が配置されている。セルスタックが故障していない場合、対象室からは水蒸気が排出されない(別言すれば、対象室から排出される排出ガスに水蒸気が含まれない)ため、水分検出器は水分を検出しない。一方、セルスタックが故障している場合、燃料室と空気室との間でガスがリークする。ガスのリーク方向によっては、対象室に水蒸気が流入したり、対象室に流入したガスが対象室内の既存のガスと反応して新たに水蒸気が生成されたりする場合がある。これらの場合、対象室から排出される排出ガスには水蒸気が含まれる。このため、排出ガスが冷却器により冷却されると、冷却器の内部で一部の水蒸気が凝縮して水になる。水分検出器が冷却器の内部に配置されている場合、水分検出器は、この凝縮した水を検出する。また、冷却器を通過後の排出ガスには、冷却器にて凝縮しなかった水蒸気が残存する。水分検出器が冷却器の下流側に配置されている場合、水分検出器は、この残存水蒸気を検出する。この構成によれば、水分検出器が水分を検出したか否かに基づいてセルスタックの故障の有無を判定できるため、1又は数個の電解単セルの周囲でガスシール性が低下するような故障であっても適切に検知することができる。別言すれば、セルスタックの温度、圧力、製造時のばらつき及び劣化度を考慮することなく、簡易な構成で故障の有無を判定することが可能になる。加えて、全ての電解単セルに電圧線を結線する必要がなくなるため、工数の大幅な増加を防止できる。結果として、セルスタックの故障を適切に検知することが可能となる。
【0008】
本発明に係るセルスタックの故障検知システムは、
固体電解質層(12)と、前記固体電解質層の表面側に積層配置された空気極(14)と、前記固体電解質層の裏面側に積層配置された燃料極(16)と、を含む固体酸化物形の電解単セル(10)を複数含むセルスタック(1)と、
自身を通過するガスを冷却する冷却器(133、43)と、
水分を検出する水分検出器(134、44)と、
前記セルスタックの故障を検知する故障検知部(50、150)と、
を備える。
前記セルスタック内に供給される供給ガスは、燃料極側の空間である燃料室(Sf)に供給される第1供給ガスと、空気極側の空間である空気室(Sa)に供給される第2供給ガスと、を含み、
前記第1供給ガスは、電気分解の対象である燃料ガスと、電気分解の対象ではない特定ガスと、を含む混合ガスであり、
前記燃料ガスの電気分解により水素が生成されるという第1条件及び前記特定ガスが水素を含むという第2条件の少なくとも一方と、前記燃料ガスの電気分解により酸素が生成されるという第3条件及び前記第2供給ガスが酸素を含むという第4条件の少なくとも一方と、が成立しているという条件を水蒸気生成条件と規定すると、
前記燃料ガスが水蒸気を含むという水蒸気含有条件、及び、前記水蒸気生成条件の少なくとも一方が成立しており、
前記冷却器は、前記燃料室と前記空気室のうち正常運転時には水蒸気が排出されない室である対象室の下流側に配置されており、
前記水分検出器は、前記冷却器の内部又は下流側に配置されており、
前記故障検知部は、前記水分検出器により水分が検出された場合に前記セルスタックが故障していると判定するように構成されている。
【0009】
この故障検知システムは、セルスタックの故障を検知する故障検知部を備える。故障検知部は、水分検出器により水分が検出された場合にセルスタックが故障していると判定するように構成されている。この構成によれば、故障検知部の判定結果に基づいてセルスタックの故障を適切に検知することが可能となる。
【0010】
本発明の一側面では、
前記複数の電解単セル(10)のそれぞれは、水素を生成する電解単セル、水素及び一酸化炭素を含む合成ガスを生成する電解単セル、又は、一酸化炭素を生成する電解単セルの何れかとして使用される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
日本特殊陶業株式会社
保持装置
25日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
1か月前
日本特殊陶業株式会社
保持部材
9日前
日本特殊陶業株式会社
回収装置
1か月前
日本特殊陶業株式会社
配線基板
26日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
25日前
日本特殊陶業株式会社
樹脂成形体
9日前
日本特殊陶業株式会社
抗菌処理装置
9日前
日本特殊陶業株式会社
スパークプラグ
27日前
日本特殊陶業株式会社
スパークプラグ
27日前
日本特殊陶業株式会社
セラミックスサセプタ
26日前
日本特殊陶業株式会社
限界電流式ガスセンサ
11日前
日本特殊陶業株式会社
圧電セラミック積層体
17日前
日本特殊陶業株式会社
圧電セラミック積層体
17日前
日本特殊陶業株式会社
セラミック部材の製造方法
9日前
日本特殊陶業株式会社
非水電解液および電気化学素子
18日前
日本特殊陶業株式会社
電極用組成物、電極および電気化学素子
18日前
日本特殊陶業株式会社
セラミックス部材、および基板保持部材
23日前
日本特殊陶業株式会社
ヒータの製造方法及びガスセンサの製造方法
3日前
日本特殊陶業株式会社
ノネナールの検知センサ、および見守りシステム
1か月前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質、イオン伝導体、シート及び蓄電デバイス
18日前
日本特殊陶業株式会社
モルタル又はコンクリート、及びそれを用いた構造体
9日前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質、イオン伝導体、シート及び蓄電デバイス
18日前
日本特殊陶業株式会社
抵抗発熱体、セラミックヒータ、および、シースヒータ
23日前
日本特殊陶業株式会社
半導体基板処理用基台、基板保持部材、およびその製造方法
20日前
日本特殊陶業株式会社
セラミックス焼結体、ベアリングボール、および、切削工具
9日前
日本特殊陶業株式会社
セラミックス焼結体、ベアリングボール、および、切削工具
9日前
日本特殊陶業株式会社
セラミックス焼結体、ベアリングボール、および、切削工具
9日前
日本特殊陶業株式会社
非水電解液の製造方法、非水電解液を製造する装置および精製器
18日前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質、イオン伝導体、シート、電極、セパレータ及び蓄電デバイス
18日前
日本特殊陶業株式会社
セルスタック、セルスタックシステムの製造方法、ホットモジュール、及び、ガス製造装置
9日前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質の製造方法、セパレータの製造方法、電極の製造方法および蓄電デバイスの製造方法
18日前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質の製造方法、セパレータの製造方法、電極の製造方法および蓄電デバイスの製造方法
18日前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質の製造方法、セパレータの製造方法、電極の製造方法および蓄電デバイスの製造方法
18日前
日本特殊陶業株式会社
固体電解質の製造方法、セパレータの製造方法、電極の製造方法および蓄電デバイスの製造方法
18日前
日本特殊陶業株式会社
セルスタックモジュール、セルスタックの故障検知システム、及び、セルスタックの故障検知方法
11日前
続きを見る
他の特許を見る