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公開番号2025134529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-17
出願番号2024032501
出願日2024-03-04
発明の名称アルカリフォスファターゼ供給用組成物、アルカリフォスファターゼ供給用組成物の製造方法、及びアルカリフォスファターゼ供給用組成物の設計方法
出願人森永乳業株式会社
代理人弁理士法人みなとみらい特許事務所
主分類A23L 33/135 20160101AFI20250909BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明は、乳酸菌由来の有効成分を含む、APを効率的に摂取できる組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
以下の(a)~(c)からなる群から選択される1つ以上を有効成分として含む、アルカリフォスファターゼ供給用組成物を提供することにより解決する。
(a)以下の条件で培養して回収後、8時間以内の菌体が、菌体の乾燥重量1mgあたり0.8U以上のアルカリフォスファターゼ活性を示す乳酸菌の菌体
[条件]0.5mg/mLのシステインを添加したMRS培地3mLに対し、OD600の値が0.8~1.0である前培養菌液を3体積%添加し、37℃で20時間静置培養
(b)(a)の培養物
(c)(b)の処理物
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
以下の(a)~(c)からなる群から選択される1つ以上を有効成分として含む、アルカリフォスファターゼ供給用組成物。
(a)以下の条件で培養して回収後、8時間以内の菌体が、菌体の乾燥重量1mgあたり、0.8U以上のアルカリフォスファターゼ活性を示す乳酸菌の菌体
[条件]0.5mg/mLのシステインを添加したMRS培地3mLに対し、OD600の値が0.8~1.0である前培養菌液を3体積%添加し、37℃で20時間静置培養
(b)(a)の培養物
(c)(b)の処理物
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
組成物の乾燥重量1mgあたりのアルカリフォスファターゼ活性が0.2U以上である、請求項1に記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項3】
以下の(a)~(c)からなる群から選択される1つ以上を有効成分として含み、
組成物の乾燥重量1mgあたりのアルカリフォスファターゼ活性が0.2U以上である、アルカリフォスファターゼ供給用組成物。
(a)アルカリフォスファターゼ活性を示す乳酸菌の菌体
(b)(a)の培養物
(c)(b)の処理物
【請求項4】
前記乳酸菌が、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)、ラクトバチルス・デルブルッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)、及びラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)からなる群から選ばれる1つ以上である、請求項1~3の何れかに記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項5】
前記乳酸菌が、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)MCC1375(受託番号:FERM BP-11313)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)ATCC25302、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)MCC1849(受託番号:NITE BP―01633)、ラクトバチルス・デルブルッキ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)ATCC11842、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)MCC1847(受託番号:NITE BP―01695)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)MCC1844(受託番号:NITE BP―02185)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)MCC1848(受託番号:NITE BP―01671)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)ATCC19258、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)JCM1126、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)ATCC4356、ラクトバチルス・ガリナルム(Lactobacillus gallinarum)JCM2011、及びラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)JCM1185からなる群から選ばれる1つ以上である、請求項4に記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項6】
LPS毒性低減用組成物である、請求項1~3の何れかに記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項7】
腸管炎症抑制用組成物、慢性炎症改善用組成物、炎症による虚弱改善用の組成物、からなる群から選ばれる1つ以上である、請求項6に記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項8】
寿命延長用組成物である、請求項7に記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項9】
腸内のATPの脱リン酸化用組成物である、請求項1~3の何れかに記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
【請求項10】
腸内菌叢増加用組成物、腸内細菌のバランス向上用組成物、からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項9に記載のアルカリフォスファターゼ供給用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリフォスファターゼ供給用組成物、アルカリフォスファターゼ供給用組成物の製造方法、及びアルカリフォスファターゼ供給用組成物の設計方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ヒト等の動物は食物を摂取して消化(分解)し、生命を維持する必要がある。動物の生命維持には食物を消化することで栄養を吸収することが最も重要であるところ、疾患等が原因で消化が障害されると短期的又は中期的に身体機能の低下をきたし、長期的には生命の維持が不可能になる。食物を消化するための消化酵素分泌機能の低下を補うために、消化酵素を動物に投与する消化酵素補充療法が従前より知られている。例えば、タカジアスターゼという酵素は、胃の消化能力が低下したヒトの消化能力を補うために消化酵素製剤として広く用いられるようになったことが知られている(非特許文献1)。
【0003】
さらに近年では、加齢によって減少する腸内のアルカリフォスファターゼ(Alkaline Phosphatase、以下「AP」とも記載する。)を経口摂取する事で、その能力(エンドトキシンの解毒)を補い、寿命の延長や、腸機能の改善が観られる事が、動物実験で証明されている。アルカリフォスファターゼはアルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素であり、肝臓、骨芽細胞、胎盤、小腸など広く全身に分布する。解毒作用はエンドトキシンであるリポポリサッカライド(LPS)の構成成分であるリピドAに結合しているリン酸基を、APが脱リン酸化する事で、受容体への結合能力を低下させるという作用機序で発揮されると報告されている(非特許文献2)。
【0004】
例えば、非特許文献2には、加齢によりヒトの小腸型アルカリフォスファターゼ(Intestinal Alkaline Phosphatase:IAP)活性が低下することが記載されている。また、牛の腸由来のアルカリフォスファターゼの経口補充により、有意にマウスの加齢に関連した腸透過性と腸由来の全身性炎症が減少し、虚弱が軽減し、寿命が延長したことが記載されている。
また、非特許文献3には、IAPがリポポリサッカライド(LPS)を構成するリピドAを脱リン酸化し、LPSを無毒化することが記載されている。
また、非特許文献4には、IAPは、腸内のATP濃度を低下させることにより腸内細菌の増殖を促進することが記載されている。さらに、IAPは便の好気性菌や嫌気性菌の増殖を促進し、腸内のATPを不活性化(脱リン酸化)することで、様々な常在菌の増殖促進効果を発揮することが記載されている。
【0005】
ところで、特許文献1には、菌株UCC1(NCIMB40830)およびUCC118(NCIMB40829)から選ばれるラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)の菌株の培養物が記載されている。
特許文献1には、試験したすべての菌株は、酸フォスファターゼ活性(平均5.0)よりも弱いアルカリフォスファターゼ活性を有していたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4743925号公報
【非特許文献】
【0007】
洪 繁,我が国で処方可能な各種消化酵素製剤の特長とそれに応じた製剤の使い分け,膵臓,2017;32:125―139.
Florian Kuhn, et al., Intestinal alkaline phosphatase targets the gut barrier to prevent aging, JCI Insight. 2020;5(6):e134049.
Gloria Komazin, et al., Substrate structure-activity relationship reveals a limited lipopolysaccharide chemotype range for intestinal alkaline phosphatase, J Biol Chem. 2019;Dec 13;294(50):19405-19423.
Madhu S. Malo, et al., Intestinal alkaline phosphatase promotes gut bacterial growth by reducing the concentration of luminal nucleotide triphosphates, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2014;306: G826 -G838.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、アルカリフォスファターゼが種々の効能を有することが知られていた。そのため、アルカリフォスファターゼの摂取はヒトの健康維持に貢献することが期待される。一方、アルカリフォスファターゼを安全で安価に提供する方法については知見がない。
例えば、非特許文献2に記載される牛の腸由来のアルカリフォスファターゼは、工業的に大量生産することが難しかった。
このような理由から、アルカリフォスファターゼを摂取させることを意図した製品の検討はこれまでなされていなかった。
【0009】
そこで、本発明は、アルカリフォスファターゼ供給用組成物を提供することを課題とする。
【0010】
また、本発明は、LPSの毒性低減用、ATP脱リン酸化用、腸管炎症抑制用、慢性炎症改善用、虚弱の改善用、腸内菌叢増加用、腸内細菌のバランス向上用、及び寿命延長用の組成物を提供することを課題とする。
また、アルカリフォスファターゼ供給用組成物の製造方法、及び設計方法を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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