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公開番号2025135064
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024032637
出願日2024-03-05
発明の名称超音波診断装置
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類A61B 8/08 20060101AFI20250910BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】振動子アレイにより組織を励振してせん断波を発生させ、そのせん断波を振動子アレイにより追跡する超音波診断装置において、整相加算により生成する受信ビームの本数を多くする。
【解決手段】
チャート群504に示す従来処理では、多数回のトラックパルスに対する受信信号のデータをCH(チャンネル)メモリに書き込む期間と同等の長さの期間で、多数の受信パラレルビームを生成するための整相処理を行っていた。これに対して、チャート群506に示す処理では、CHメモリへの書き込み期間だけでなく、プッシュパルス送信に必要な充電のための空き期間NopA、及び探触子の冷却のための空き期間NopBを利用することで、整相処理の期間を長くした。これにより、整相処理の期間に生成可能な受信ビームの本数を従来より多くできる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の振動子を有する振動子アレイと、
せん断波生成用の超音波を送受信する第1送受信期間と、せん断波観測用の超音波を複数回送受信する第2送受信期間と、超音波の送信を行わない空き期間と、を含む送受信シーケンスに従って前記複数の振動子に送受信を行わせる送受信回路と、
前記振動子ごとに設けられた第1記憶部であって、前記第2送受信期間における前記せん断波観測用の超音波の個々の送信ごとに、当該送信に対する当該振動子による受信信号を記憶する第1記憶部と、
前記振動子ごとに設けられ、それぞれ少なくとも2つのラインメモリを有する第2記憶部であって、前記少なくとも2つのラインメモリの各々は、前記第1記憶部から読み出された、前記せん断波観測用の超音波の異なる前記送信に対応する前記受信信号を記憶するのに用いられる、第2記憶部と、
前記振動子ごとに設けられた前記第2記憶部の前記ラインメモリから読み出される、同一の前記送信に対応する前記複数の振動子についての前記受信信号の組に対して、異なる複数の遅延パターンごとに当該遅延パターンに従って整相加算を行うことにより、複数の受信ビーム信号を生成する整相加算部と、
を含み、
前記整相加算部は、一回の前記送信に対応する前記複数の受信ビーム信号を生成する処理を、前記第2送受信期間に対応する長さの時間に加えて、前記空き期間に対応する長さの時間の少なくとも一部を用いて実行する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記空き期間には、前記第2送受信期間が終わってから次の前記送受信シーケンスにおける前記第1送受信期間が始まるまでの、前記せん断波生成用の超音波の送信に必要な充電の期間が含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記空き期間には、前記第2送受信期間の後に前記振動子アレイを冷却するための冷却期間が含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第2送受信期間における前記個々の送信の各々が始まる前に、当該送信に対応する前記受信信号に対する前記整相加算のためのパラメータを生成する生成部、を更に含み、
前記第2記憶部は、前記整相加算部と同じ集積回路内の内部メモリ内に構成されているのに対し、前記第1記憶部は、前記集積回路に対して外付けされる外部メモリ内に構成されており、
前記生成部が生成した前記パラメータは、いったん前記外部メモリに記憶され、前記整相加算に用いられる際に、前記外部メモリから前記内部メモリに読み込まれる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、超音波の受信信号処理に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
超音波の受信信号処理として、受信パラレルビーム処理やパルスインバージョン(フェイズインバージョン)などが知られている。受信パラレルビーム処理では、一度の送信(すなわち1本の送信ビーム)により複数の受信ビームが並列的に形成される。パルスインバージョンでは、互いに位相を反転させた2つの送信信号により超音波が送波され、一方の送信信号で得られた受信信号と他方の送信信号で得られた受信信号が加算処理または差分処理される。
【0003】
特許文献1には、パルスインバージョンなどの合成処理と受信パラレルビーム処理を伴う受信信号処理に好適な回路構成が開示されている。この回路構成では、各受信信号メモリに、各受信処理部により処理された1ビーム分の受信信号セットが記憶される。各合成処理部は、各ビーム番号に対応した受信信号セットを読み出して合成処理することにより、そのビーム番号に対応した合成受信信号を生成する。各合成信号メモリには、各振動素子の合成受信信号が記憶される。各合成信号メモリは、2ビーム分に対応した2つの記憶領域を備えている。整相加算部は、各ビーム番号に対応した遅延パターンに従って、そのビーム番号に対応した記憶領域から、複数の振動素子に対応した複数の合成受信信号を読み出す。整相加算部は複数の合成受信信号に対する遅延処理と加算処理により受信ビーム信号を生成する。
【0004】
また、超音波を用いて生体組織の弾性に関する物理量を計測し、画像化する超音波エラストグラフィーという技術がある。超音波エラストグラフィーの一種であるせん断波エラストグラフィーでは、組織を励振してせん断波を発生させ、せん断波の伝搬を超音波振動子のアレイで追跡することにより、せん断波の伝搬速度を求める。組織の励振は、例えば、振動子のアレイからの強力な超音波パルスにより行われる。この励振用の超音波パルスは、プッシュパルスと呼ばれる。すなわち、プッシュパルスは、せん断波生成用のパルスである。
【0005】
また、せん断波の追跡に用いられる超音波パルスは、トラックパルスと呼ばれる。トラックパルスは、せん断波観測用のパルスということができる。せん断波の伝搬を高い解像度で捉えるために、1回のせん断波に対して、トラックパルスは多数回(例えば数百回)繰り返し送受信される。
【0006】
例えば特許文献2には、超音波探触子から被検体の生体組織の計測領域に照射されたプッシュパルスにより計測領域に生じた横波の伝播速度を計測して計測領域の弾性値を求める弾性値演算部と、弾性値演算部で求められた弾性値に基づいて弾性画像を生成する弾性画像生成部と、弾性画像生成部で生成された弾性画像を表示する表示部とを備える超音波診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-077311号公報
特開2012-010099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
受信パラレルビーム処理にはある程度の処理負荷がかかるので、1回の送信に対して生成する受信ビーム信号の数を多くしようとすると、高性能なハードウエアを導入するか、処理時間を掛けるかのどちらかとなる。
【0009】
本発明は、振動子アレイにより組織を励振してせん断波を発生させ、そのせん断波を振動子アレイにより追跡する超音波診断装置において、整相加算により生成する受信ビーム信号の数を多くするための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書で開示する超音波診断装置は、複数の振動子を有する振動子アレイと、せん断波生成用の超音波を送受信する第1送受信期間と、せん断波観測用の超音波を複数回送受信する第2送受信期間と、超音波の送信を行わない空き期間と、を含む送受信シーケンスに従って前記複数の振動子に送受信を行わせる送受信回路と、前記振動子ごとに設けられた第1記憶部であって、前記第2送受信期間における前記せん断波観測用の超音波の個々の送信ごとに、当該送信に対する当該振動子による受信信号を記憶する第1記憶部と、前記振動子ごとに設けられ、それぞれ少なくとも2つのラインメモリを有する第2記憶部であって、前記少なくとも2つのラインメモリの各々は、前記第1記憶部から読み出された、前記せん断波観測用の超音波の異なる前記送信に対応する前記受信信号を記憶するのに用いられる、第2記憶部と、前記振動子ごとに設けられた前記第2記憶部の前記ラインメモリから読み出される、同一の前記送信に対応する前記複数の振動子についての前記受信信号の組に対して、異なる複数の遅延パターンごとに当該遅延パターンに従って整相加算を行うことにより、複数の受信ビーム信号を生成する整相加算部と、を含み、前記整相加算部は、一回の前記送信に対応する前記複数の受信ビーム信号を生成する処理を、前記第2送受信期間に対応する長さの時間に加えて、前記空き期間に対応する長さの時間の少なくとも一部を用いて実行する、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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