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公開番号2025137187
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024036244
出願日2024-03-08
発明の名称クロロプレン系重合体ラテックス組成物及び接着剤組成物
出願人デンカ株式会社
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C08L 11/02 20060101AFI20250911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】被着体を接着した直後の初期接着強度に優れる接着剤組成物を得ることができるクロロプレン系重合体ラテックス組成物、及びこれを含む接着剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明によれば、クロロプレン系重合体を含むクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、23℃、湿度50%において、下記タック性評価試験に基づき測定される、被着体の移動距離が80mm未満である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
クロロプレン系重合体を含むクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、
23℃、湿度50%において、下記タック性評価試験に基づき測定される、被着体の移動距離が80mm未満である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
<タック性評価試験>
1 前記クロロプレン系重合体ラテックス組成物の固形分濃度を55質量%に調整することによって、タック性評価用組成物を準備する。
2 水平に対して35度の傾斜角を有する傾斜板を備える台を準備する。前記タック性評価用組成物を、帆布の全面に200g/m

で塗布し、塗布面を上にして前記帆布を、前記傾斜板を覆うように固定する。
3 前記傾斜板の上の前記帆布の上に、長辺100mm、短辺30mm、厚み3mmのSUSで構成される被着体を、前記被着体の前記長辺が前記傾斜板の傾斜方向となり、前記被着体の1つの前記短辺が前記帆布の上端と一致するように、前記被着体に対して前記傾斜板に対して押圧する方向に圧力をかけないよう設置する。
4 前記被着体の設置から1分後に、傾斜方向における前記被着体を設置した位置からの前記被着体の移動距離を測定する。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、
前記クロロプレン系重合体のトルエン不溶分が30質量%以下である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、
前記クロロプレン系重合体100質量部に対して、共役樹脂酸を0.5~3.5質量部含む、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、
前記クロロプレン系重合体100質量部に対するノニオン系乳化剤の含有量が0.40質量部以下である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
【請求項5】
請求項4に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、
前記ノニオン系乳化剤は、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル系乳化剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系乳化剤、ソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン系乳化剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系乳化剤、及びアルキルアルカノールアミド系乳化剤から選ばれる少なくとも1つを含む、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、
前記クロロプレン系重合体は、平均粒子径が160nm以下である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物を含む、接着剤組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の接着剤組成物であって、pH調節剤を含む、接着剤組成物。
【請求項9】
請求項7に記載の接着剤組成物であって、
23℃、湿度50%において、前記タック性評価試験に基づき測定される、被着体の移動距離が80mm未満である、接着剤組成物。
【請求項10】
請求項7に記載の接着剤組成物であって、ポリウレタンフォーム用の、接着剤組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロプレン系重合体ラテックス組成物及び接着剤組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
クロロプレン系重合体を含む接着剤は、種々の被着体に対して低圧着で高い接着力が得られるため、溶剤系コンタクト接着剤やグラフト接着剤などに使用されている。しかし、溶剤系接着剤は引火性や毒性を有するため、規制が年々厳しくなっている。そこで、クロロプレン系重合体ラテックスを使用した水性接着剤の開発がされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、クロロプレン系重合体ラテックス100重量部中に、カルボン酸のアルカリ金属塩の乳化剤、及び特定の式で表されるポリオキシアルキレン誘導体を0.1~0.5重量部含むことを特徴とするクロロプレン系重合体ラテックス、並びに、該クロロプレン系重合体ラテックスを含む接着剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-160295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のクロロプレン系重合体ラテックス組成物を含む接着剤組成物は、被着体を接着した直後の初期接着強度が不十分であり、被着体同士のズレが生じる場合があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被着体を接着した直後の初期接着強度に優れる接着剤組成物を得ることができるクロロプレン系重合体ラテックス組成物、及びこれを含む接着剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、クロロプレン系重合体を含むクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、23℃、湿度50%において、下記タック性評価試験に基づき測定される、被着体の移動距離が80mm未満である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物が提供される。
<タック性評価試験>
1 前記クロロプレン系重合体ラテックス組成物の固形分濃度を55質量%に調整することによって、タック性評価用組成物を準備する
2 水平に対して35度の傾斜角を有する傾斜板を備える台を準備する。前記タック性評価用組成物を、帆布の全面に200g/m

で塗布し、塗布面を上にして前記帆布を、前記傾斜板を覆うように固定する。
3 前記傾斜板の上の前記帆布の上に、長辺100mm、短辺30mm、厚み3mmのSUSで構成される被着体を、前記被着体の前記長辺が前記傾斜板の傾斜方向となり、前記被着体の1つの前記短辺が前記帆布の上端と一致するように、前記被着体に対して前記傾斜板に対して押圧する方向に圧力をかけないよう設置する。
4 前記被着体の設置から1分後に、傾斜方向における前記被着体を設置した位置からの前記被着体の移動距離を測定する。
【0007】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、特定の条件で測定されるタック性評価試験における特定の被着体のズレ量を特定の数値範囲内とすることにより、被着体を接着した直後の初期接着強度に優れる接着剤組成物が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[1]クロロプレン系重合体を含むクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、23℃、湿度50%において、下記タック性評価試験に基づき測定される、被着体の移動距離が80mm未満である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
<タック性評価試験>
1 前記クロロプレン系重合体ラテックス組成物の固形分濃度を55質量%に調整することによって、タック性評価用組成物を準備する
2 水平に対して35度の傾斜角を有する傾斜板を備える台を準備する。前記タック性評価用組成物を、帆布の全面に200g/m

で塗布し、塗布面を上にして前記帆布を、前記傾斜板を覆うように固定する。
3 前記傾斜板の上の前記帆布の上に、長辺100mm、短辺30mm、厚み3mmのSUSで構成される被着体を、前記被着体の前記長辺が前記傾斜板の傾斜方向となり、前記被着体の1つの前記短辺が前記帆布の上端と一致するように、前記被着体に対して前記傾斜板に対して押圧する方向に圧力をかけないよう設置する。
4 前記被着体の設置から1分後に、傾斜方向における前記被着体を設置した位置からの前記被着体の移動距離を測定する。
[2][1]に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、前記クロロプレン系重合体のトルエン不溶分が30質量%以下である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
[3][1]又は[2]に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、前記クロロプレン系重合体100質量部に対して、共役樹脂酸を0.5~3.5質量部含む、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
[4][1]~[3]のいずれかに記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、前記クロロプレン系重合体100質量部に対するノニオン系乳化剤の含有量が0.40質量部以下である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
[5][4]に記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、前記ノニオン系乳化剤は、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル系乳化剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系乳化剤、ソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン系乳化剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系乳化剤、及びアルキルアルカノールアミド系乳化剤から選ばれる少なくとも1つを含む、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
[6][1]~[5]のいずれかに記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物であって、前記クロロプレン系重合体は、平均粒子径が160nm以下である、クロロプレン系重合体ラテックス組成物。
[7][1]~[6]のいずれかに記載のクロロプレン系重合体ラテックス組成物を含む、接着剤組成物。
[8][7]に記載の接着剤組成物であって、pH調節剤を含む、接着剤組成物。
[9][7]又は[8]に記載の接着剤組成物であって、23℃、湿度50%において、前記タック性評価試験に基づき測定される、被着体の移動距離が80mm未満である、接着剤組成物。
[10][7]~[9]のいずれかに記載の接着剤組成物であって、ポリウレタンフォーム用の、接着剤組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るクロロプレン系重合体ラテックス組成物によれば、被着体を接着した直後の初期接着強度に優れる接着剤組成物を得ることができ、被着体同士のズレを低減させることができる。本発明に係るクロロプレン系重合体ラテックス組成物を含む接着剤組成物は、被着体を接着した直後の初期接着強度に優れ、被着体同士のズレが生じにくく、接着工程における不良の発生を低減し、品質を向上させることができる。本発明に係るクロロプレン系重合体ラテックス組成物を含む接着剤組成物は、例えば、ポリオレフィン樹脂や発泡体、特には、ポリウレタンフォームの接着に使用されるスプレータイプの接着剤として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明におけるタック性評価試験の概要を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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