TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025138207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037158
出願日2024-03-11
発明の名称酸化チタン粒子を主成分とする粉体及びその製造方法並びにそれを含有する化粧料組成物
出願人チタン工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01G 23/053 20060101AFI20250917BHJP(無機化学)
要約【課題】ナノ粒子の含有量が制御された酸化チタン(IV)粒子を主成分とする粉体を提供する。
【解決手段】アスペクト比1.50以上2.00以下、粒子の短軸長のD50値が105nm以上150nm未満、かつ短軸長平均値bave(nm)と短軸長の標準偏差σb(nm)が(bave-100)/σb≧1.3を満たす、酸化チタン(IV)粒子を主成分とする粉体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アスペクト比が1.50以上2.00以下であり、粒子の短軸長のD
50
値が105nm以上150nm未満であり、かつ短軸長平均値b
ave
(nm)と短軸長の標準偏差σ
b
(nm)が以下の式:
(b
ave
-100)/σ
b
≧1.3
を満たす、酸化チタン(IV)粒子を主成分とする粉体。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
粒子の短軸長平均値b
ave
(nm)と短軸長の標準偏差σ
b
(nm)が更に以下の式:
(150-b
ave
)/σ
b
≧1.3
を満たす、請求項1に記載の粉体。
【請求項3】
粒子が、棒状粒子が繊維状に集結した形態を有する、請求項1又は2に記載の粉体。
【請求項4】
粒子の投影図が略だ円形状である、請求項3に記載の粒子。
【請求項5】
酸化チタン(IV)粒子の結晶層がルチル型である、請求項1又は2に記載の粉体。
【請求項6】
酸可溶性チタン化合物に脂肪族ヒドロキシ酸化合物を添加すること、
次いで、塩酸をX(h)掛けて添加して塩酸濃度をY(g/L)とすること、及び
塩酸の添加後にZ(℃)で酸可溶性チタン化合物を溶解すること
を含み、X、Y、Zが以下の式(1)及び(2):
(1)2.60≦Y/Z≦3.45
(2)Y
1/2
×Z/X≦475
を満たす、請求項1又は2に記載の粉体の製造方法。
【請求項7】
Xが2.0以上である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
酸可溶性チタン化合物がチタン酸ナトリウムである、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の粉体を含有する化粧料組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化チタン(IV)粒子を主成分とする粉体とその製造方法に関する。また、本発明は前記粉体を含有する化粧料組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、サンケア化粧料には、紫外線を別のエネルギーに変換する紫外線吸収剤や紫外線を反射又は散乱する紫外線散乱剤が有効成分として含まれている。酸化チタンは紫外線散乱剤として使用されている。
【0003】
サンケア化粧料においては、紫外線防御性の大きい化粧料を得ることが、開発における目標の一つであった。紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を多く配合すれば紫外線防御性を大きくすることは可能であるが、環境負荷や経皮吸収に対する懸念から、紫外線吸収剤を多く含有する化粧料は敬遠される傾向があり、販売する国や地域によっては紫外線吸収剤の配合量が規制される場合もある。一方で微粒子酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤を化粧料中に多く配合すると肌でのざらつき感が生じる、設計の自由度が小さくなる、白い色味が強すぎるために仕上がりが不自然になるいわゆる白浮きが生じるといった様々な問題が生じる。
【0004】
紫外線防御性に優れた酸化チタンの一形態として、平均径が10nmから80nm程度の粒子(非特許文献1)や、粒子中の一辺がその程度の大きさである粒子が挙げられる。本出願人は特開2010-173863号公報(特許文献1)において、棒状粒子の長軸面が短軸方向に配向凝集して球形状ないしだ円体形状をした、配向凝集した粒子の見掛け平均長軸長が80~300nm、見掛け平均短軸長が30~150nm、配向凝集した粒子の見掛け平均軸比(見掛け平均長軸長/見掛け平均短軸長)が1.1~4の藁束状ルチル型酸化チタンを提案し、この凝集粒子を含有する化粧料を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-173863号公報
【非特許文献】
【0006】
清野学、酸化チタン研究会著、「第2版 酸化チタン-物性と応用技術-」、技報堂出版、2017年1月、p.267-271
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、欧州では健康意識の高まりから、ナノオーダーの物質を化粧料に添加することについて、一部で否定的な動きがある。Christopher S.J.Campbellらによって皮膚に塗布した際、ナノオーダーの粒子が健康な経皮には吸収されなかったという実験結果(Christopher S. J. Campbell et al, Journal of Controlled Release, Volume 162, Issue 1, 20 August 2012, pages 201-207)が公表されたものの、消費者の不安は払拭されておらず、欧州の規制当局は既にナノオーダーの物質の配合量や処理方法について規制を設けている。これまでの紫外線散乱剤用途の酸化チタン粉体の中には、ナノオーダーであるものや、ナノオーダーである粒子を含有し、その含有量が多いものも存在した。これらの粉体はナノオーダーの物質に関する規制の影響を受け、自由に配合することが難しくなっている。また、ナノオーダーの物質というだけで敬遠される場合があることも事実である。酸化チタン粉体中のナノオーダーである粒子の含有量を厳密に制御することで、非ナノマテリアルの材料として販売することができる紫外線散乱剤を開発することが望ましいと言える。このような紫外線散乱剤を用いた化粧料は、設計の自由度が大きいという利点もある。
【0008】
本発明の目的は、ナノ粒子の含有量が制御された酸化チタン粒子を主成分とする粉体及び本粉体を配合した化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に対し、本発明者らは、特許文献1の藁束状ルチル型酸化チタンの製造条件をより詳細に検討した結果、塩酸濃度、塩酸添加時間、及び液温を制御することで、アスペクト比が1.50以上2.00以下であり、短軸長のD
50
値が105nm以上150nm未満であり、かつ短軸長平均値b
ave
(nm)と短軸長の標準偏差σ
b
(nm)が(b
ave
-100)/σ
b
≧1.3を満たす、酸化チタン(IV)粒子を主成分とする粉体が得られることを見いだした。そして、この粉体を化粧料組成物に用いることで、ナノ粒子の含有量が制御された化粧料を実現することができることを見いだした。本発明は、これらに限定されないが、以下を含む。
【0010】
[態様1]
アスペクト比が1.50以上2.00以下であり、粒子の短軸長のD
50
値が105nm以上150nm未満であり、かつ短軸長平均値b
ave
(nm)と短軸長の標準偏差σ
b
(nm)が以下の式:
(b
ave
-100)/σ
b
≧1.3
を満たす、酸化チタン(IV)粒子を主成分とする粉体。
[態様2]
粒子の短軸長平均値b
ave
(nm)と短軸長の標準偏差σ
b
(nm)が更に以下の式:
(150-b
ave
)/σ
b
≧1.3
を満たす、態様1に記載の粉体。
[態様3]
粒子が、棒状粒子が繊維状に集結した形態を有する、態様1又は2に記載の粉体。
[態様4]
粒子の投影図が略だ円形状である、態様3に記載の粒子。
[態様5]
酸化チタン(IV)粒子の結晶層がルチル型である、態様1から4のいずれか1つに記載の粉体。
[態様6]
酸可溶性チタン化合物に脂肪族ヒドロキシ酸化合物を添加すること、
次いで、塩酸をX(h)掛けて添加して塩酸濃度をY(g/L)とすること、及び
塩酸の添加後にZ(℃)で酸可溶性チタン化合物を溶解すること
を含み、X、Y、Zが以下の式(1)及び(2):
(1)2.60≦Y/Z≦3.45
(2)Y
1/2
×Z/X≦475
を満たす、態様1から5のいずれか1つに記載の粉体の製造方法。
[態様7]
Xが2.0以上である、態様6に記載の製造方法。
[態様8]
酸可溶性チタン化合物がチタン酸ナトリウムである、態様6又は7に記載の製造方法。
[態様9]
態様1から5のいずれか1つに記載の粉体を含有する化粧料組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

チタン工業株式会社
酸化チタン粒子を主成分とする粉体及びその製造方法並びにそれを含有する化粧料組成物
7日前
個人
発酵槽装置
14日前
公立大学法人大阪
硫化物
22日前
株式会社小糸製作所
水分解装置
3日前
株式会社小糸製作所
水素発生装置
3日前
太陽化学株式会社
多孔質シリカ、及びその製造方法
14日前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
22日前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
21日前
株式会社ジェイテクト
水素生成装置
13日前
トヨタ自動車株式会社
二酸化炭素の利用方法、及び利用システム
13日前
トヨタ自動車株式会社
ガス生成システム
22日前
南海化学株式会社
塩基性塩化アルミニウム含有組成物
3日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
13日前
デゾン・ジャパン株式会社
酸素濃度調整システム
7日前
日本化学工業株式会社
コアシェル型負熱膨張材およびその製造方法
7日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
13日前
南海化学株式会社
塩基性塩化アルミニウム含有組成物
3日前
国立大学法人長岡技術科学大学
ハイブリッド粒子分散体及びその製造方法
21日前
トヨタ自動車株式会社
シリコンクラスレートIIの製造方法
7日前
株式会社東芝
水素吸排出デバイス、および水素吸排出モジュール
3日前
日揮触媒化成株式会社
研磨用シリカ系粒子分散液およびその製造方法
7日前
日本化学工業株式会社
リン酸コバルトリチウムの製造方法
15日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水素生成装置
22日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水素生成装置
22日前
セトラスホールディングス株式会社
水酸化マグネシウムの製造方法
1日前
株式会社MARUWA
高分子成形体
13日前
日本国土開発株式会社
層状複水酸化物の製造装置
3日前
宇部マテリアルズ株式会社
低鉛酸化マグネシウムの製造方法
13日前
株式会社MARUWA
ガラス被覆窒化アルミニウム粉末及びその製造方法並びに高分子成形体
13日前
日揮触媒化成株式会社
チタン酸バリウム粒子の分散液、およびその製造方法
3日前
株式会社スーパーナノデザイン
被覆粒子、紫外線遮蔽剤、化粧料、塗料、及び被覆粒子の製造方法
3日前
三菱ケミカル株式会社
窒化ホウ素凝集粉末、複合材組成物、放熱部材、半導体デバイス
1日前
三菱ケミカル株式会社
窒化ホウ素凝集粉末、複合材組成物、放熱部材、半導体デバイス
1日前
白石工業株式会社
炭酸カルシウムの製造方法および炭酸カルシウム
21日前
出光興産株式会社
単分散球状非晶質炭酸カルシウム複合体粒子及びその製造方法
3日前
三井金属鉱業株式会社
金属酸化合物含有液
15日前
続きを見る