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公開番号
2025139028
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-26
出願番号
2024037733
出願日
2024-03-12
発明の名称
樹皮率の予測方法
出願人
日本製紙株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
G16B
40/00 20190101AFI20250918BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】本発明は、植物の樹皮の厚さ、すなわち樹皮率(又は幹率)を予測する方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、(A):木本植物である被検植物の遺伝的変異情報を得ること;及び (B):被検植物の遺伝的変異情報から、被検植物の少なくとも2つの近縁植物の遺伝的変異情報と、各近縁植物の樹皮率との相関関係を統計解析により整理して得られる解析モデル式に基づき、被検植物の樹皮率予測値を得ることを含む、被検植物の樹皮率を予測する方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(A):木本植物である被検植物の遺伝的変異情報を得ること;及び
(B):被検植物の遺伝的変異情報から、被検植物の少なくとも2つの近縁植物の遺伝的変異情報と、各近縁植物の樹皮率との相関関係を統計解析により整理して得られる解析モデル式に基づき、被検植物の樹皮率予測値を得ること
を含む、
被検植物の樹皮率を予測する方法。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
近縁植物は、胸高直径が10cm以上の植物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
統計解析が、rrBLUP法、GBLUP法、GAUSS法、Random Forest法、RKHS法、Ridge Regression法、Lasso法、Elastic Net法、Bayesian Ridge Regression法、Bayesian Lasso法、BayesA法、BayesB法、及びBayesC法からなる群より選ばれる手法による解析である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
近縁植物が被検植物と同属の植物であって異なる品種又は系統の植物から選ばれる植物を含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
遺伝的変異情報が一塩基多型に関する情報である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
一塩基多型の数が、500以上である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一塩基多型の数が、1,000~47,000である請求項5に記載の方法。
【請求項8】
被検植物がユーカリ属植物である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の方法により少なくとも2つの被検植物の樹皮率予測値を得ること、樹皮率の予測値が低い被検植物を選抜することを含む、木材チップ用植物の選抜方法。
【請求項10】
木材チップが製紙用又は燃料用である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹皮率の予測方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
植林事業は、植栽から伐採、収穫するまでに長い年月を要し、用途に応じて、成長性、木材品質に優れた植林木を効率的に選定し、植栽することが重要である。
【0003】
木材は、樹皮と木部に大別され、樹皮も含めて建材等に用いられることもあるが、主に木部が用いられることが多い。例えば、製紙用途においては、木材の木部が用いられ、樹皮は、パルプ製造工程に先立ち剥皮により除去される。仮に、木材チップに樹皮が混入した場合、パルプ収率の低下や、必要な薬品の使用量が増えるなどの不具合が生じるためである。
【0004】
一方、木材の用途としての木材チップは、最近では、木質バイオマス資源の燃料用途における利用が増加しつつある。木材チップは、製紙用途と比較して、低コストでの製造が求められるため、一般的に剥皮工程は実施されないことが多い。樹皮には灰分や、塩類(Na、K、Cl)がボイラーに悪影響を及ぼすため、樹皮の混入は少ない方が好ましいとされている。
【0005】
このように、製紙用途、木材用途においては、樹皮の薄い木材が求められている。しかし、樹皮の厚さの評価は、木が十分に成長してから行われており、樹皮割合の少ない植林木の選抜を早期に行う方法が望まれている。
【0006】
非特許文献1には、ユーカリのQTL解析を実施した結果、樹皮の厚さに関する量的形質遺伝子座(QTL)(RAPDマーカー)が第5染色体に存在することが明らかになったことが記載されている。非特許文献2には、ポプラにおいてQTL解析を実施し、樹皮の厚さに関するQTL(RAPDマーカー)として11個のSNPマーカーが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
D.Grattapaglia et al.(1996)Genetics 144:1205-1214 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8913761/
R.Bdeir et al.BMC Plant Biology (2017)17:224 https://bmcplantbiol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12870-017-1166-4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1および2は、予測を目的とした研究ではなく、それぞれに記載される樹皮の厚さに関するQTLは、数が少ない。また、仮に予測方法として利用しようとすると、個体の生育地によって表現型との対応に差があるなどの問題があり、信頼できる予測方法とは言えない。
本発明は、植物の樹皮の厚さ、すなわち樹皮率(又は幹率)を予測する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下を提供する。
〔1〕(A):木本植物である被検植物の遺伝的変異情報を得ること;及び
(B):被検植物の遺伝的変異情報から、被検植物の少なくとも2つの近縁植物の遺伝的変異情報と、各近縁植物の樹皮率との相関関係を統計解析により整理して得られる解析モデル式に基づき、被検植物の樹皮率予測値を得ること
を含む、
被検植物の樹皮率を予測する方法。
〔2〕近縁植物は、胸高直径が10cm以上の植物である、〔1〕に記載の方法。
〔3〕統計解析が、rrBLUP法、GBLUP法、GAUSS法、Random Forest法、RKHS法、Ridge Regression法、Lasso法、Elastic Net法、Bayesian Ridge Regression法、Bayesian Lasso法、BayesA法、BayesB法、及びBayesC法からなる群より選ばれる手法による解析である〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕近縁植物が被検植物と同属の植物であって異なる品種又は系統の植物から選ばれる植物を含む〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕遺伝的変異情報が一塩基多型に関する情報である請求項1又は2に記載の方法。
〔6〕一塩基多型の数が、500以上である〔5〕に記載の方法。
〔7〕一塩基多型の数が、1,000~47,000である〔5〕に記載の方法。
〔8〕被検植物がユーカリ属植物である〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の方法により少なくとも2つの被検植物の樹皮率予測値を得ること、樹皮率の予測値が低い被検植物を選抜することを含む、木材チップ用植物の選抜方法。
〔10〕木材チップが製紙用又は燃料用である、〔9〕に記載の方法。
〔11〕〔9〕に記載の選抜方法により選抜された植物の苗を生産することを含む、苗の生産方法。
〔12〕〔11〕に記載の生産方法により生産した苗から樹木を育成すること、樹木を収穫して得られる木材を木材チップに加工することを含む、木材チップの製造方法。
〔13〕木材チップが燃料用である、〔12〕に記載の方法。
〔14〕木材又は木材チップを剥皮することをさらに含む、〔12〕に記載の方法。
〔15〕木材チップが製紙用である、〔14〕に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゲノム情報をもとに、植物の樹皮率、幹率を事前に把握・予測することができ、用途に応じて樹皮率、幹率の個体を早期に選抜することができる。例えば、樹皮率が低いと予測される個体を選抜し、育種することで樹皮率の低い木材を収穫でき、これを製紙用、燃料用木材チップの原料として用いることにより、生産効率を高めることができる。すなわち、製紙用途では、単位面積当たりのチップ生産性の増加や、剥皮工程のコスト削減が可能となる。燃料用途では、樹皮に多く含まれる灰分や、塩類(例えば、Na、K、Cl)の量を削減でき、ボイラーへの悪影響を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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