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公開番号2025143646
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-02
出願番号2024042978
出願日2024-03-19
発明の名称mRNA発現量の免疫学的評価方法
出願人株式会社リコー
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G01N 33/53 20060101AFI20250925BHJP(測定;試験)
要約【課題】配列の異なる2以上のmRNAの機能及び効果をそれがコードするタンパク質の発現量として比較、及び評価するため、各タンパク質を免疫学的に簡便に、かつ正確に定量分析するできる方法を開発する。
【解決手段】各mRNAの末端に、同一の標識ペプチドをコードする標識ヌクレオチドを連結させた標識化mRNAを調製し、それぞれの標識化mRNAから発現した標識化ポリペプチドの発現量を、前記標識ペプチドに対する同一の抗体を用いて定量する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
mRNA発現量の免疫学的評価方法であって、
異なる2以上の対象mRNAの末端に、同一の標識ペプチドをコードする標識ヌクレオチドを連結した標識化mRNAを発現させる発現工程、及び
前記発現工程で各標識化mRNAより発現した標識化ポリペプチドを前記標識ペプチドに対する同一の抗体を用いて定量する定量工程
を含む前記方法。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記定量工程で得られた各標識化ポリペプチドの定量値を比較し、その結果から各対象mRNAの発現量を分析する分析工程
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標識化mRNAはインビトロで人工合成されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記標識ペプチドがエピトープタグである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
mRNA発現量の免疫学的評価方法であって、
対象mRNAの末端に標識ペプチドをコードする標識ヌクレオチドを連結した標識化mRNAを発現させる発現工程、
前記発現工程で標識化mRNAより発現した標識化ポリペプチドを前記標識ペプチドに対する抗体を用いて定量する定量工程、及び
前記定量工程で得られた標識化ポリペプチドの定量値を基準値と比較し、その結果から対象mRNAの発現量を分析する分析工程
を含み、
前記基準値は、前記対象mRNAとは異なる塩基配列からなる基準mRNAに、同一の前記標識ヌクレオチドを連結した標識化基準mRNAより発現した標識化基準ポリペプチドを、前記抗体を用いて定量した値である
前記方法。
【請求項6】
前記標識化mRNA及び標識化基準mRNAはインビトロで人工合成されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記標識ペプチドがエピトープタグである、請求項6に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、mRNA発現量の免疫学的評価方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
mRNAワクチンは、注射等によって生体内に導入され、そのmRNAにコードされたタンパク質が発現することによって機能する。また、その効果は、生体内に発現したタンパク質によって評価される。
【0003】
しかし、mRNAワクチンの本来の機能及び効果は、それを構成する塩基配列及び塩基長等に依存する。例えば、縮重コドンにより同一タンパク質をコードする二つのmRNAワクチンは、同一のアミノ酸配列からなるタンパク質を発現する。しかし、塩基配列は互いに異なるため、生体内導入後に同一の挙動を示すとは限らない。具体的には、それぞれのmRNAワクチンから発現するタンパク質量が異なる場合が挙げられる。そのためmRNAワクチンの機能及び効果は、mRNAワクチンから発現した対象タンパク質の発現量として相対的に評価される。タンパク質の発現量は、従来、図1に示すように、それぞれのタンパク質に特異的に結合する抗体を用いた免疫学的測定方法によって測定されていた。しかし、このような測定方法には、いくつかの問題があった。
【0004】
第1には、特異性の高い抗体を入手しなければ測定自体ができない点である。対象タンパク質によっては市販の抗体があるものの、特異性や結合能が不十分なものが多く、測定に足る抗体の選定には多大な時間とコストを要するという問題があった。また、市販品がない等の理由で抗体の入手が困難な場合には、自ら抗体を作製する必要があり、さらに膨大な時間と労力を要するという問題もあった。
【0005】
第2には、測定対象のタンパク質が細胞内に内因的に存在する場合、検出精度が低下するという点である。特異性の高い抗体を用いた場合であっても、導入したmRNAに由来する対象タンパク質と内因性の対象タンパク質が同一であれば、抗体は両タンパク質を区別できない。そのため、導入したmRNAに由来する対象タンパク質の発現量を正確に測定できないという問題があった。
【0006】
第3には、測定方法の汎用性が低いという点である。複数の対象タンパク質の発現量を測定し、それらを比較する場合、対象タンパク質毎に特異性の高い抗体を用意しなければならない。しかし、特異性の高い抗体の入手が容易な対象タンパク質以外は、第1の問題により測定が困難になるという問題があった。また、抗体とタンパク質の結合能は、各抗体間で必ずしも同一ではないために、各対象タンパク質の発現量を単純に比較することはできないという問題もあった。
【0007】
特許文献1は、複数のタンパク質を定量分析するために、一意識別子を含むオリゴヌクレオチドと結合したタンパク質結合試薬を包含する複数の組成物を開示している。このタンパク質結合試薬は、タンパク質標的に特異的に結合することができ、それによってサンプル中の複数のタンパク質標的の定量分析が可能となる。さらに、特許文献1は、サンプル中のタンパク質及び核酸標的の同時の定量分析のための方法やキット、並びに標識生体分子試薬を調製するためのシステム等も開示している。この方法であれば、上記第1及び第2の課題を解決し得る。しかし、各タンパク質結合試薬とそれが特異的に結合するタンパク質間の結合能が同一ではないため、測定された発現量を単純に比較する事はできないという第3の課題は依然として解決できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、塩基配列の異なる複数の対象mRNAの機能及び効果を、各対象mRNAより発現した対象タンパク質の発現量として評価するため、対象タンパク質を免疫学的に簡便に、かつ正確に定量分析することのできる汎用性の高い方法を開発し、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を行った結果、図2で示すように塩基配列の異なる複数の対象mRNAの末端に、共通する同一の標識ペプチドをコードする標識ヌクレオチドを連結した融合mRNAを用いる方法を開発するに至った。この方法であれば、その融合mRNAを発現させた後、前記標識ペプチドに結合する1種類の共通抗体で全ての対象タンパク質を簡便に、かつ正確に定量分析することが可能となり、汎用性も極めて高い。本発明は、当該開発結果に基づく方法であって、以下の(1)及び(2)を提供する。
【0010】
(1)塩基配列の異なる2以上の対象mRNAの末端に、同一の標識ペプチドをコードする標識ヌクレオチドを連結した標識化mRNAを発現させる発現工程、及び前記発現工程で各標識化mRNAより発現した標識化ポリペプチドを前記標識ペプチドに対する同一の抗体を用いて定量する定量工程を含む、mRNA発現量の免疫学的評価方法、及び
(2)対象mRNAの末端に標識ペプチドをコードする標識ヌクレオチドを連結した標識化mRNAを発現させる発現工程、前記発現工程で標識化mRNAより発現した標識化ポリペプチドを前記標識ペプチドに対する抗体を用いて定量する定量工程、及び前記定量工程で得られた標識化ポリペプチドの定量値を基準値と比較し、その結果から対象mRNAの発現量を分析する分析工程を含み、ここで前記基準値は、前記対象mRNAとは異なる塩基配列からなる基準mRNAに、同一の前記標識ヌクレオチドを連結した標識化基準mRNAより発現した標識化基準ポリペプチドを、前記抗体を用いて定量した値である、mRNA発現量の免疫学的評価方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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