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公開番号
2025146402
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024047152
出願日
2024-03-22
発明の名称
ゼオライト膜複合体、その製造方法およびそれを用いたメタノールの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B01D
71/02 20060101AFI20250926BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】メタノールガス/水素ガスのパーミエンス比の高いゼオライト膜複合体、該ゼオライト膜複合体の製造方法、該ゼオライト膜複合体を用いたメタノールの製造方法を提供すること。
【解決手段】多孔質支持体上にゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体であって、フーリエ変換赤外分光法における1865±10cm
-1
の吸収強度に対する3590±10cm
-1
の吸収強度比が1.7以上であることを特徴とする、ゼオライト膜複合体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質支持体上にゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体であって、フーリエ変換赤外分光法における1865±10cm
-1
の吸収強度に対する3590±10cm
-1
の吸収強度比が1.7以上であることを特徴とする、ゼオライト膜複合体。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記吸収強度比が2.0以上である、請求項1に記載のゼオライト膜複合体。
【請求項3】
前記ゼオライトが、CHA型、FAU型、MFI型、LTA型又はRHO型のいずれかである、請求項1又は2に記載のゼオライト膜複合体。
【請求項4】
多孔質支持体上に、ゼオライト膜を形成するゼオライト膜複合体の製造方法であって、前記ゼオライトが、CHA型、FAU型、MFI型、LTA型又はRHO型のいずれかであり、種結晶を多孔質支持体の表面に0.011g/cm
2
以上担持することを特徴とする、ゼオライト膜複合体の製造方法。
【請求項5】
前記種結晶がゼオライトであり、該ゼオライトのSi/Alモル比が50以上である、請求項4に記載のゼオライト膜複合体の製造方法。
【請求項6】
前記種結晶がゼオライトであり、該ゼオライトのアルカリ金属/Alモル比が0.5以下である、請求項4又は5に記載のゼオライト膜複合体の製造方法。
【請求項7】
少なくとも水素と、一酸化炭素及び/または二酸化炭素と、を含む原料ガスを、反応器内において触媒の存在下、反応させてメタノールを得る、メタノールの製造方法であって、
反応により生じたメタノールが請求項3に記載のゼオライト膜複合体を透過して取り出される、メタノールの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト膜複合体とその製造方法およびそれをメタノール分離に用いたメタノールの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
水素と一酸化炭素を含むガス(以下、「合成ガス」と記載することがある。)からメタノールを製造する方法は古くから知られており、例えば銅系触媒(銅-亜鉛系触媒、銅-クロム系触媒)を用いる方法が挙げられる。
合成ガスからメタノールを製造する反応は平衡反応であり、低温・高圧ほど有利である。しかしながら、低温にすると反応速度が低下するため、一般的なメタノール製造プロセスは200~300℃、5~10MPaG(もしくはそれ以上の圧力)という過酷な条件で実施されるため、メタノール製造時に多大なエネルギーを消費する上に、設備上の制約が多いプロセスである。
【0003】
メタノールを効率的に製造する方法として、反応系内からメタノールを取り除くことにより、反応器内のガス組成を平衡組成からずらし、平衡転化率を超える転化率で反応を実施する方法が複数提案されている。
【0004】
また、特許文献1~4にはメタノール合成反応器に分離膜を設置し、反応系内から分離膜を用いてメタノールや水を除去することで、平衡転化率以上に転化率を上げる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表平9-511509号公報
特開2016-117726号公報
特開2016-174996号公報
特開2007-55970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、メタノールの分離膜として、リチウムイオンをドープさせた過フッ化ポリスルホン酸膜が記載されている。また特許文献2には、多孔質グラファイト膜が記載され、特許文献3には、MFI型ゼオライトであって、Si/Alが50以上であるゼオライト分離膜が記載されている。また特許文献4では、水を選択的に除去することにより触媒劣化を防ぐことが記載されている。
しかしながらこれらの方法では、二酸化炭素とメタノールの分離には十分でも、水素とメタノールの分離は困難であり、メタノールガス/水素ガスのパーミエンス比は低く、さらなる改善が課題になっていた。
本発明者らは緻密で隙間のない膜を形成することにより、かかる課題を解決することを検討したが、十分緻密な膜を作成しても、パーミエンス比は不十分であることがわかった。
そこで、本発明は、メタノールガス/水素ガスのパーミエンス比の高いゼオライト膜複合体、該ゼオライト膜複合体の製造方法、該ゼオライト膜複合体を用いたメタノールの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
分子径の小さな水素ガスを透過させることなく、メタノールガスを選択的に透過させるにはゼオライト膜の固体酸点における吸着を利用し、分離する必要がある。本発明者らはメタノールガスとゼオライト膜の相互作用を高め吸着を強固とするため、膜表面近傍のカチオン種に着目した。膜の極表面近傍におけるカチオン種がナトリウムであるよりもプロトンであるときに、極性分子であるメタノールの吸着が強まり、メタノールガス以外のガス透過を阻害することを見出した。
【0008】
ゼオライト膜の固体酸点における吸着を利用する場合、吸着点が多くなるSi/Alモル比が低いことが望ましい。一方で、Si/Alモル比が低いほどナトリウムやカリウムといったアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムといったアルカリ土類金属がカチオン種として取り込まれるため、プロトンが減少する傾向にある。
そこで、ナトリウム等の含有量が低く、高Si/Alモル比である種結晶を多孔質支持体上に一定量担持し、この種結晶を核として結晶成長させることでプロトン含有量の高いゼオライト膜を形成できることを見出した。これにより、メタノールガスの吸着性を高め、メタノールガス/水素ガスのパーミエンス比を向上させることができること、及びこのようなゼオライト膜を得る製造方法を見出し、本発明に到達した。
【0009】
本発明は、以下に存する。
[1]多孔質支持体上にゼオライト膜を有するゼオライト膜複合体であって、フーリエ変換赤外分光法における1865±10cm
-1
の吸収強度に対する3590±10cm
-1
の吸収強度比が1.7以上であることを特徴とする、ゼオライト膜複合体。
[2]前記吸収強度比が1.8以上である、上記[1]に記載のゼオライト膜複合体。
[3]前記吸収強度比が1.9以上である、上記[1]に記載のゼオライト膜複合体。
[4]前記吸収強度比が2.0以上である、上記[1]に記載のゼオライト膜複合体。
[5]前記ゼオライトが、CHA型、FAU型、MFI型、LTA型又はRHO型のいずれかである、上記[1]~[4]のいずれかに記載のゼオライト膜複合体。
[6]多孔質支持体上に、ゼオライト膜を形成するゼオライト膜複合体の製造方法であって、前記ゼオライトが、CHA型、FAU型、MFI型、LTA型又はRHO型のいずれかであり、種結晶を多孔質支持体の表面に0.011g/cm
2
以上担持することを特徴する、ゼオライト膜複合体の製造方法。
[7]前記種結晶がゼオライトであり、該ゼオライトのSi/Alモル比が50以上である、上記[6]に記載のゼオライト膜複合体の製造方法。
[8]前記種結晶がゼオライトであり、該ゼオライトのアルカリ金属/Alモル比が0.5以下である、上記[6]又は[7]に記載のゼオライト膜複合体の製造方法。
[9]少なくとも水素と、一酸化炭素及び/または二酸化炭素と、を含む原料ガスを、反応器内において触媒の存在下、反応させてメタノールを得る、メタノールの製造方法であって、反応により生じたメタノールが上記[1]~[5]のいずれかに記載のゼオライト膜複合体を透過して取り出される、メタノールの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メタノールガス/水素ガスのパーミエンス比の高いゼオライト膜複合体、該ゼオライト膜複合体の製造方法、該ゼオライト膜複合体を用いたメタノールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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