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公開番号2025146545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024062407
出願日2024-03-21
発明の名称静電印刷用積層体
出願人株式会社電気印刷研究所
代理人
主分類G03G 7/00 20060101AFI20250926BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】静電印刷方法で連続生産(ロールツウロール方式)を行う場合、現像を行わず巻き取ると受像シートの電極と静電気パターンが接し静電気パターン失われてしまうため、静電気パターン形成と現像を連続して行う必要がある。連続生産の速度は時間がかかる方の工程に制約されるため生産効率が良いとは言えなかった。静電気パターン形成と現像を互いに独立した工程として実施することによる連続生産の効率改善が求められている。
【解決手段】導電層を挟むように片面に絶縁層(および離型層)、反対面に裏打層が積層され、かつ幅方向(Transverse Direction)の片端または両端において、絶縁層面側、裏打層面側のどちらか一方の面側に電気的接続可能な導電層露出部を有する静電印刷用積層体を開発した。この静電印刷用積層体は、静電気パターンを形成後、そのままロール状に巻き取っても静電印刷用積層体上の静電気パターンは変化することなく維持される。その結果、静電気パターン形成と現像を互いに独立した工程として実施することが可能になり、連続生産の生産効率が改善する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
導電層を挟むように片面に絶縁層、反対面に裏打層が積層され、かつ幅方向(Transverse Direction)の片端または両端において、絶縁層面側、裏打層面側のどちらか一方の面側に電気的接続可能な導電層露出部を有する積層体であって、前記絶縁層上に静電気パターンが形成可能であることを特徴とする静電印刷用積層体。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
導電層を挟むように片面に順次絶縁層と離型層、反対面に裏打層が積層され、かつ幅方向(Transverse Direction)の片端または両端において、絶縁層面側、裏打層面側のどちらか一方の面側に電気的接続可能な導電層露出部を有する積層体であって、前記離型層上に静電気パターンが形成可能であることを特徴とする静電印刷用積層体。
【請求項3】
前記導電層露出部が1~100mm幅であることを特徴とする請求項1または請求項2の静電印刷用積層体。
【請求項4】
前記絶縁層およびまたは前記裏打層が、ポリイミド、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、フッ素系樹脂等の成形物からなることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3の静電印刷用積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は絶縁層上に静電印刷する際に用いる静電印刷用積層体に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
静電気を利用して画像を作る実用的な技術を世界で初めて発明したのは米国のチェスター・カールソンである。この発明に関する技術は通称カールソン法あるいはゼログラフィー法と呼ばれたが、画像形成技術として学術的に研究が進み、学術名としてはElectrophotographyと称され、日本では電子写真法と名付けられている。その技術を利用して作られた複写機、プリンターは事務作業に無くてはならないものとなっている。
【0003】
その技術は「写真」と名付けられたように光学像を静電気と感光体(光半導体)によって静電気潜像として形成し、トナーと称する帯電した微粒子で現像するものである。ページ毎に変化する画像を即座に紙に印刷して出力するという複写機としてはうってつけの技術として発展した。その発展の中で最も進化を遂げているのは現像剤であるトナーと現像技術といえるだろう。粉体トナーは6μm程度まで微粒子化すると共に均一粒径・均一帯電を実現化して解像力と転写の安定性を向上させてきている。さらに微粒子化した液体トナーはサブミクロンサイズで、現像液の安定性も確保できてきており、解像性では印刷インクを凌ぐものにさえなっている。さらにはカラートナーとしてだけではなく金属を含んだトナー、金属そのもので現像する手法、特許文献2のようなめっきが可能なトナー等々粉体・液体に関わらず機能性トナーや現像法が次々と開発されてきている。
【0004】
しかしこれらの機能性トナーの特徴を十分に発揮させるには電子写真法では限界がある。それは感光体上に静電気パターンを作るという基本的な要素のためである。つまり、感光体上の静電気パターンを現像し、その現像トナーを目的材に転写しなければならない。もちろんその手法によってこそ無版で高精細・高速の印刷が実現しているのであるが、転写すれば必ず解像性は下がるし、導電性トナーは粘着以外では転写出来ない。さらにいうと現状の感光体はアナログ特性であり、高速で10μmのドットや線と100μm以上のドットや線を同時に正確に印刷することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-19272号公報
特開2007-134422号公報
【非特許文献】
【0006】
情野、田中、井上、田嶋:電子写真学会誌 第17巻第3号、p2.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
過去静電気パターンを直接現像するための試みが種々行われてきた。製品化まで到った一つに、非特許文献1に示すように感光体から静電気パターンそのものを転写して直接現像する静電転写システムがある。しかし転写紙が特殊であることと剥離放電作用で静電気パターンが作られるという原理のため感光体上のパターンより解像性は落ちることで現在では製造されていない。直接静電気パターンを描くデバイスとしてマルチスタイラスやイオンビームを偏向させる方式などが製品化されたが電極の加工精度の限界や放電イオンの広がりによる解像性の低さからインクジェット方式に取って代わられている。
また、静電アクチュエータのための静電気パターン形成法ではあるが、特許文献1では電極の周囲に隔壁を設け、放電範囲を限定することで静電気パターンの電極に対する忠実性を得る提案がなされている。しかし特許文献1の手法では印刷や電子写真のような画像パターンを作ることは出来ない。
高精細な静電気パターンと進化を続けるトナーとを組み合わせれば従来にない効果と性能を持った印刷の可能性があり、感光体以外の絶縁体に直接高精細な静電気パターンを作る手法が望まれている。
【0008】
そこで本発明者らは感光体を使わず従来の印刷に匹敵、さらにはそれを凌駕するような静電気を利用して画像を作る実用的な高精細静電印刷方法を提案した(特願2018‐188998号明細書参照)。
上記発明の第一の態様によれば、全面均一な導電性を持った第1電極と、前記第1電極上に密着一体となり適正な均一厚みを持つ材料からなる版層とから構成され、前記版層に凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンが形成されている原版に、裏面が第2電極である導電層と一体となっている受像シートを密着させ、前記原版の第1電極と前記受像シートの第2電極との間に前記凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンの空隙を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記受像シート上に前記凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする高精細静電印刷方法が提供される。
また上記発明の第二の態様によれば、全面均一な導電性を持った第1電極と、前記第1電極上に密着一体となり適正な均一厚みを持つ材料からなる版層とから構成され、前記版層に凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンが形成されている原版に、受像シートを裏面から導電性を持った第2電極で圧着し、前記原版の第1電極と前記第2電極との間に前記凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンの空隙を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記受像シート上に前記凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする高精細静電印刷方法が提供される。
【0009】
更に本発明者らは、上記発明において連続生産(ロールツウロール方式)の手法を提案した。この手法は、ロール状から引きだされ帯状に展開した受像シートに順次、予備帯電、電圧印加による静電気パターン形成、静電気パターンの現像を行うものである。電圧印加による静電気パターン形成後、連続して静電気パターンの現像を行うのは、現像を行わず巻き取ると受像シートの第2電極と静電気パターンが接し静電気パターン失われてしまうためである。しかし、電圧印加による静電気パターン形成にかかる時間は短く、静電気パターンの現像にかかる時間は長いため、上記発明の連続生産の速度は時間がかかる方の工程に制約され上記発明の連続生産の効率が良いとは言えなかった。電圧印加による静電気パターン形成と静電気パターンの現像を互いに独立した工程として実施できれば生産効率を向上させることができる。両者を互いに独立した工程として実施することによる連続生産の効率改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは電圧印加による静電気パターン形成と静電気パターンの現像を互いに独立した工程として実施するための新たな静電印刷用積層体を開発した。すなわち、本発明により上記課題を解決するための静電印刷用積層体が提供される。
(I)導電層を挟むように片面に絶縁層、反対面に裏打層が積層され、かつ幅方向(Transverse Direction)の片端または両端において、絶縁層面側、裏打層面側のどちらか一方の面側に電気的接続可能な導電層露出部を有する積層体であって、前記絶縁層上に静電気パターンが形成可能であることを特徴とする静電印刷用積層体。
(II)導電層を挟むように片面に順次絶縁層と離型層、反対面に裏打層が積層され、かつ幅方向(Transverse Direction)の片端または両端において、絶縁層面側、裏打層面側のどちらか一方の面側に電気的接続可能な導電層露出部を有する積層体であって、前記離型層上に静電気パターンが形成可能であることを特徴とする静電印刷用積層体。
(III)前記導電層露出部が1~100mm幅であることを特徴とする前記1項または前記2項の静電印刷用積層体。
(IV)前記絶縁層およびまたは前記裏打層が、ポリイミド、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、フッ素系樹脂等の成形物からなることを特徴とする前記1項、前記2項または前記3項の静電印刷用積層体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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