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公開番号2025149608
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024050358
出願日2024-03-26
発明の名称多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 71/02 20060101AFI20251001BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】支持体の種類によらず、高い分離性能が得られるゼオライト膜複合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】多孔質支持体上にゼオライト膜を有する多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法であって、
(a)前記多孔質支持体上に種結晶を担持する工程と、
(b)前記ゼオライト膜の原料溶液に前記多孔質支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記多孔質支持体上にゼオライト膜を形成する工程を有し、
前記多孔質支持体が粒子の集合体からなり、該多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合をxとし、担持する種結晶の粒子径の平均値をa(μm)としたときに、以下の式で表される複合パラメータ1が-2.5以上となるように製造することを特徴とする、多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法である。
複合パラメータ1=-0.19{(x-0.24)/0.01}2-1.20{(a-1.78)/0.56}2
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質支持体上にゼオライト膜を有する多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法であって、
(a)前記多孔質支持体上に種結晶を担持する工程と、
(b)前記ゼオライト膜の原料溶液に前記多孔質支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記多孔質支持体上にゼオライト膜を形成する工程を有し、
前記多孔質支持体が粒子の集合体からなり、該多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合をxとし、担持する種結晶の粒子径の平均値をa(μm)としたときに、以下の式で表される複合パラメータ1が-2.5以上となるように製造することを特徴とする、多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
複合パラメータ1=-0.19{(x-0.24)/0.01}

-1.20{(a-1.78)/0.56}

続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記多孔質支持体の表層第一層における粒子の平均粒子径をy(μm)とし、担持する種結晶の粒子のモード径及び算術標準偏差をそれぞれb(μm)及びc(μm)としたときに、以下の式で表される複合パラメータ2が7以上10以下となるように製造することを特徴とする、請求項1に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
複合パラメータ2=
-3.08{(x―0.24)/0.01}

+5.32{(x―0.24)/0.01}
-11.59{(y-0.93)/0.04}

-3.28{(y―0.93)/0.04}
-5.42{(x-0.24)/0.01}{(y-0.93)/0.04}
+3.08{(b-2.64)/1.28}
-2.07{(c-1.00)/0.41}
-0.46{(y-0.93)/0.04}{(a-1.78)/0.56}
+3.98{(y-0.93)/0.04}{(b-2.64)/1.28}-2.00{(y-0.93)/0.04}{(c-1.00)/0.41}
【請求項3】
前記種結晶の粒子径の平均値aが2.0μm~2.5μmであり、モード径bが1.3μm~2.3μmであり、算術標準偏差cが0.5μm~1.0μmであり、前記多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合が0.24~0.26であり、粒子径の平均値が0.91μm~1μmである、請求項2に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
【請求項4】
前記多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合が0.15~0.25、平均粒子径が0.1μm~1.5μmの範囲である、請求項1又は2に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
【請求項5】
前記種結晶は粒子径の平均値aが0.1μm~2.6μmの範囲にあるゼオライト粉末である、請求項1又は2に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
【請求項6】
200℃及び250℃における、MeOHのパーミエンスが4.0×10
-7
(mol/m

・sec・Pa)以上であり、MeOH/H

のパーミエンス比が80以上である、請求項1又は2に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
多孔質支持体上にゼオライト膜を形成した多孔質支持体-ゼオライト膜複合体(以下、「ゼオライト膜複合体」と称す場合がある。)は、気体又は液体の混合物の分離・濃縮手段として様々な分野で用いられている。例えば、ゼオライト膜の水の選択的透過性を利用して、有機物と水との混合物をゼオライト膜複合体に通じさせ、水を選択的に透過させることにより、有機物を分離・濃縮することが行われている。
【0003】
ゼオライト膜複合体は、多孔質支持体上にゼオライト膜を形成することにより製造される。ゼオライト膜複合体の製造方法として、多孔質支持体上にゼオライト種結晶を付着させた後、水熱合成法などによりゼオライト膜を形成する方法がある(特許文献1~3参照)。
上述の製造方法において、多孔質支持体上にゼオライト種結晶を付着させる方法として、種結晶の分散液中に多孔質支持体を浸漬する浸漬法がある(特許文献1~3参照)。また、一端を封止した管状の多孔質支持体を種結晶の分散液中に浸漬し、管状多孔質支持体内を他端側から吸引して多孔質支持体に種結晶を付着させる浸漬吸引法も行われている(特許文献2の0148段落、特許文献3の0063段落参照)。
【0004】
一方、非特許文献1には、多孔質支持体の表面粗さと気孔率がゼオライト膜複合体の品質に影響を与えると記載されている。
以上の観点から、特許文献1について検討すると、多孔質支持体に関して、特許文献1には、表面近傍における支持体の平均細孔径が、他の部位の平均細孔径よりも小さい多層構造を有することが好ましいと記載されている。具体的には、支持体の細孔径の分布について、D5は例えば0.1μm~50μmであり、D50は例えば0.5μm~70μmであり、D95は例えば10μm~2000μmである。なお、ここでD5、D50及びD95とは、水銀圧入法により求めた細孔分布において、累積細孔容積が全細孔容積の5%、50%、95%となる細孔径を意味する。
【0005】
また、多孔質支持体の表面性状がゼオライト膜複合体の分離性能に及ぼす影響に関して、非特許文献2には、多孔質支持体表面の粗さが重要であり、事前の研磨により表面の凹凸を取り除くことが好ましいと記載されている。
多孔質支持体の表面性状及び種結晶の粒子径はいずれも一方のみでは分離膜性能を規定できず、本来であれば二つの因子の組み合わせについて議論をすることが好ましい。
しかしながら、多孔質支持体の表面性状と付着させるゼオライト種結晶の性状の好ましい組み合わせについては明確に議論した報告例はない。したがって、例えばある支持体で製膜条件を最適化しても、支持体が変化すると性能を再現できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-150823号公報
特開2018-130719号公報
特開2020-99901号公報
【非特許文献】
【0007】
Yichuan Li et al., “Preparation, mechanism and applications of oriented MFI zeolite membranes: A review”. Microporous and Mesoporous Materials, 2021, 312, 110790.
Ming Zhou et al.," Influence of support surface roughness on zeolite membrane quality".Microporous and Mesoporous Materials, 2020, 308, 110546.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、ある支持体で製膜条件を最適化しても、支持体が変化すると性能を再現できないという問題に対して、本願発明では、支持体の種類によらず、高い分離性能が得られるゼオライト膜複合体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、粒子の集合体で構成される多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合と担持する種結晶の粒子径によってゼオライト膜複合体の性能を制御できることを見出し、本発明を完成させるに至った。なお、ここで表層第一層とは、レーザー顕微鏡で多孔質支持体を観察したときの極表面のことをいう。
【0010】
本発明の要旨は下記の通りである。
[1]多孔質支持体上にゼオライト膜を有する多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法であって、(a)前記多孔質支持体上に種結晶を担持する工程と、(b)前記ゼオライト膜の原料溶液に前記多孔質支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記多孔質支持体上にゼオライト膜を形成する工程を有し、前記多孔質支持体が粒子の集合体からなり、該多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合をxとし、担持する種結晶の粒子径の平均値をa(μm)としたときに、以下の式で表される複合パラメータ1が-2.5以上となるように製造することを特徴とする、多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
複合パラメータ1=-0.19{(x-0.24)/0.01}

-1.20{(a-1.78)/0.56}

[2]前記多孔質支持体の表層第一層における粒子の平均粒子径をy(μm)とし、担持する種結晶の粒子のモード径及び算術標準偏差をそれぞれb(μm)及びc(μm)としたときに、以下の式で表される複合パラメータ2が7以上10以下となるように製造することを特徴とする、上記[1]に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
複合パラメータ2=-3.08{(x―0.24)/0.01}

+5.32{(x-0.24)/0.01}-11.59{(y-0.93)/0.04}

-3.28{(y-0.93)/0.04}-5.42{(x-0.24)/0.01}{(y-0.93)/0.04}+3.08{(b-2.64)/1.28}-2.07{(c-1.00)/0.41}-0.46{(y-0.93)/0.04}{(a-1.78)/0.56}+3.98{(y-0.93)/0.04}{(b-2.64)/1.28}-2.00{(y-0.93)/0.04}{(c-1.00)/0.41}
[3]前記種結晶の粒子径の平均値aが2.0μm~2.5μmであり、モード径bが1.3μm~2.3μmであり、算術標準偏差cが0.5μm~1.0μmであり、前記多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合が0.24~0.26であり、粒子径の平均値が0.91μm~1μmである、上記[2]に記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
[4]前記多孔質支持体の表層第一層における粒子の割合が0.15~0.25、平均粒子径が0.1μm~1.5μmの範囲である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
[5]前記種結晶は粒子径の平均値aが0.1μm~2.6μmの範囲にあるゼオライト粉末である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
[6]200℃及び250℃における、MeOHのパーミエンスが4.0×10
-7
(mol/m

・sec・Pa)以上であり、MeOH/H

のパーミエンス比が80以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の多孔質支持体-ゼオライト膜複合体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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