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公開番号
2025151747
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024053313
出願日
2024-03-28
発明の名称
くるみアレルゲンの検査用の抗体、キットおよび検査方法
出願人
日本ハム株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
16/16 20060101AFI20251002BHJP(有機化学)
要約
【課題】免疫学的測定法に基づき食品中のくるみアレルゲンを検出するための、交差反応性について改良された手段を提供する。
【解決手段】特定の配列からなる重鎖CDR1、CDR2、CDR3および軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3を有する、抗くるみレグミンB様タンパク質抗体またはその抗原結合性断片、食品中又は食品加工装置に残留しているくるみアレルゲンを免疫学的測定法により、定量的または定性的に検出するための該抗体等を含む検査用キット、ならびに食品中のくるみアレルゲンの検査方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、および
配列番号3で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、ならびに
配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、および
配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
を有する、抗くるみレグミンB様タンパク質(legmin B like protein)抗体またはその抗原結合性断片(以下「第1抗体等」と呼ぶ。)、または
配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、および
配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、ならびに
配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、および
配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
を有する、抗くるみレグミンB様タンパク質抗体またはその抗原結合性断片(以下「第2抗体等」と呼ぶ。)。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
くるみレグミンB様タンパク質との結合において、前記第1抗体等と同一または重複するエピトープをめぐって競合する抗くるみレグミンB様タンパク質抗体またはその抗原結合性断片(以下「第1競合抗体等」と呼ぶ。)、または前記第2抗体等と同一または重複するエピトープをめぐって競合する抗くるみレグミンB様タンパク質抗体またはその抗原結合性断片(以下「第2競合抗体等」と呼ぶ。)。
【請求項3】
食品中又は食品加工装置に残留しているくるみアレルゲンを免疫学的測定法により定量的または定性的に検出するための検査用キットであって、
請求項1に記載の前記第1抗体等および第2抗体等ならびに請求項2に記載の前記第1競合抗体等および第2競合抗体等からなる群より選ばれる少なくとも1つの抗体等を含む、検査用キット。
【請求項4】
前記免疫学的測定法がELISAまたはイムノクロマトグラフィーであり、ELISAにおける酵素標識用またはイムノクロマトグラフィーにおける発色標識用の、前記第1抗体等もしくは前記第1競合抗体等または前記第2抗体等もしくは前記第2競合抗体等を含む、請求項3に記載の検査用キット。
【請求項5】
前記免疫学的測定法がELISAまたはイムノクロマトグラフィーであり、ELISAにおける固相化用またはイムノクロマトグラフィーにおける固定化用の、前記第1抗体等もしくは前記第1競合抗体等または前記第2抗体等もしくは前記第2競合抗体等を含む、請求項3に記載の検査用キット。
【請求項6】
前記免疫学的測定法がELISAまたはイムノクロマトグラフィーであり、
(1)ELISAにおける酵素標識用またはイムノクロマトグラフィーにおける発色標識用の、前記第1抗体等もしくは前記第1競合抗体等と、ELISAにおける固相化用またはイムノクロマトグラフィーにおける固定化用の、前記第2抗体等もしくは前記第2競合抗体等を含む、
(2)ELISAにおける酵素標識用またはイムノクロマトグラフィーにおける発色標識用の、前記第2抗体等もしくは前記第2競合抗体等と、ELISAにおける固相化用またはイムノクロマトグラフィーにおける固定化用の、前記第1抗体等もしくは前記第1競合抗体等を含む、または
(3)ELISAにおける酵素標識用またはイムノクロマトグラフィーにおける発色標識用の、前記第2抗体等もしくは前記第2競合抗体等と、ELISAにおける固相化用またはイムノクロマトグラフィーにおける固定化用の、前記第1抗体等、前記第2抗体等、前記第1競合抗体等および前記第2競合抗体等以外の抗くるみレグミンB様タンパク質抗体またはその抗原結合性断片を含む、
請求項3に記載の検査用キット。
【請求項7】
さらに抽出用試薬を含む、請求項3に記載の検査用キット。
【請求項8】
前記抽出用試薬が、界面活性剤としてアルキル硫酸塩を含む、請求項3に記載の検査用キット。
【請求項9】
前記抽出用試薬が、還元剤としてメルカプトアルカノールおよび/または亜硫酸塩を含む、請求項3に記載の検査用キット。
【請求項10】
前記抽出用試薬が、振盪法または高速剪断・撹拌処理法による抽出用試薬である、請求項3に記載の検査用キット。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品中に含まれている、または食品加工装置に残留している、くるみアレルゲン、特にくるみレグミンB様タンパク質(legmin B like protein)を検出するための技術に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
食物アレルギーは、身体が摂取した食物に含まれる特定のタンパク質(食物アレルゲン)を異物として認識し、過敏な免疫学的機序を介して、皮膚のかゆみ、じんましん、せきなど様々な症状が引き起こされる症状であり、重症の場合は、意識の喪失、血圧低下・ショック症状など、生命にかかわる深刻なものとなる。食物アレルギーの患者は、全人口の1~2%(乳児に限定すると約10%)になると推定されている。食物アレルギーの患者が、原因となる食物アレルゲンを含む食品、特に外観的に判別しにくい加工品を摂取しないよう、食物アレルゲンを含む原材料を食品が含む場合は、その旨を表示することが食品衛生法により義務または推奨とされている。現在、「卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、くるみ」(発症件数が多いもの)および「そば」(症状が重くなることが多く、生命に関わるもの)の8品目は、表示義務がある「特定原材料」に指定されており、「あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、アーモンド」(過去に一定の頻度で発症が報告されたもの)の21品目は、表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの」に指定されている。消費者庁(以前は厚生労働省)は、食物アレルギーの全国的な実態把握のために3年毎に調査を行っており、その結果を踏まえて特定原材料等の見直しを行っている。
【0003】
上記のような食物アレルゲンに関する制度の運用のために、食品メーカーや公的な検査機関等において、食物アレルゲンを含む食品が加工品中に原材料として含まれていないかまたは食品加工装置に残留していないか、キット等を使用して検査されている。くるみに対するアレルギー症状は重篤なものとなる傾向にあることから、くるみアレルゲンを検出することのできるキットにとって、より一層の信頼性の向上などが要求されている。
【0004】
加工品中に含まれている、または食品加工装置に残留している特定原材料等の検出技術としては、一般的に、スクリーニング検査として抗原抗体反応を用いたELISA法、および確定検査としてDNAの増幅反応を用いたPCR法が存在している。このうちELISA法は、くるみ特有のタンパク質(アレルゲン)を認識する抗体を用いることで、加工品中にくるみが原材料として含まれているかどうかを検査する。
【0005】
抗原抗体反応に基づく検出の標的とするくるみ特有のタンパク質としては、くるみアレルギーの主な原因である、くるみアレルゲンJug r 1~8が第一候補となる。たとえば、非特許文献1では、抗原抗体反応により食品中の「くるみ」を検出するための手段として、くるみアレルゲンJug r 1(2Sアルブミン)タンパク質を標的とするポリクローナル抗体を用いて、ELISAにより検出する方法およびそのためのキットが提案されている。長い間、抗原抗体反応に基づいて食品中のくるみを検出するための手段としては、上記のようなJug r 1タンパク質を検出対象とする検査方法や検査キットしか実用化されていなかった。
【0006】
しかしながら近年、特許文献1において、従来活用されていなかったくるみに含まれる2種類のタンパク質、legmin B like proteinおよびJug r 6(ビシリン)を標的とする抗体を用いて、食品中のくるみを検出するための検査方法や検査キットが提案されており、Jug r 1タンパク質以外のくるみアレルゲンを検出対象とする検査方法や検査キットの実用化の可能性が示されている。
【0007】
ここで、抗体を用いて標的タンパク質(食物アレルゲン)を検出する際には、交差抗原性、すなわち標的として意図されていないタンパク質に対する抗体の結合性により、標的タンパク質が食品中に含まれるか否かの判定が影響を受けることが問題となる。例えば、非特許文献2では、様々な食物アレルゲン同士の交差抗原性について検討されており、くるみのJug r 1(2Sアルブミン)タンパク質を標的とするポリクローナル抗体を用いたELISA法においてピーカンナッツとの交差反応性が認められたことが記載されている。クルミタンパク質とピーカンナッツタンパク質の交差反応性は、それらに含まれる2Sグロブリン(Jug r 1)、7Sグロブリン(Jug r 2、ビシリン様グロブリン)、11Sグロブリン(Jug r 4)等のタンパク質のアミノ酸配列の相同性が非常に高い(95%以上)ことに起因する。そのため、食品中のくるみアレルゲンを検出するための従来の検査方法や検査キットは、食品がくるみタンパク質を含まずピーカンナッツタンパク質を含むときであっても陽性となったり、食品がくるみタンパク質とピーカンナッツタンパク質の両方を含むときに陰性となったりする(くるみタンパク質のみに反応する抗体と、クルミタンパク質およびピーカンナッツタンパク質の両方に反応する抗体を組み合わせて使用している場合)問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-157032号公報
【非特許文献】
【0009】
Sakai et al., Journal of AOAC international, 93(4), pp.1255-1261, 2010
厚生労働科学研究費補助金 食品の安心・安全確保推進研究事業 「食品中に含まれるアレルギー物質の検査法開発に関する研究」 平成18年度 総括・分担研究報告書(H17-食品-011),2007年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、免疫学的測定法に基づき食品中のくるみアレルゲンを検出するためのキットや方法には、用いる抗体による、くるみタンパク質とピーカンナッツタンパク質の交差抗原性の面から、改善の余地があった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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