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公開番号2025161445
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024064625
出願日2024-04-12
発明の名称デマンド制御装置、デマンド制御方法、およびコンピュータプログラム
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類G05B 19/418 20060101AFI20251017BHJP(制御;調整)
要約【課題】使用電力の上限値以下となる範囲のオンデマンド制御を行った上で、生産性を向上させた生産スケジュールを立案する。
【解決手段】デマンド制御装置は、設備が使用予定の電力需要の変動に関連する電力需要情報と、生産予定の製品数および製品の納期に関連する製品情報と、製品の生産に必要なジョブの各工程を行う設備に関連する設備情報とを取得する取得部と、製品情報と設備情報を用いて、全てのジョブの終了時間を最小化する目的関数を設定する目的関数設定部と、電力需要情報と、製品情報と、設備情報とを用いて、目的関数を解くために必要な制約条件を設定する条件設定部と、制約条件を満たした上で、目的関数を解くことにより、製品の生産スケジュールを立案する立案部と、電力需要情報を用いて、立案部により立案された生産スケジュールにおける時系列に沿った使用電力を算出する電力算出部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
デマンド制御装置であって、
設備が使用予定の電力需要の変動に関連する電力需要情報であって、設備の使用可能な電力の上限値を含む電力需要情報と、生産予定の製品数および製品の納期に関連する製品情報と、製品の生産に必要なジョブの各工程を行う設備に関連する設備情報とを取得する取得部と、
前記製品情報と前記設備情報を用いて、全てのジョブの終了時間を最小化する目的関数を設定する目的関数設定部と、
前記電力需要情報と、前記製品情報と、前記設備情報とを用いて、目的関数を解くために必要な制約条件を設定する条件設定部と、
制約条件を満たした上で、目的関数を解くことにより、製品の生産スケジュールを立案する立案部と、
前記電力需要情報を用いて、前記立案部により立案された生産スケジュールにおける時系列に沿った使用電力を算出する電力算出部と、
を備える、デマンド制御装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載のデマンド制御装置であって、
前記設備情報は、各製品の生産時に使用される電力と、同じ工程で異なるジョブを処理する場合に発生する段替えに要する段替え時間および使用電力とを含み、
前記目的関数設定部は、任意の時刻における設備の稼働時の使用電力と、段替え時の使用電力とを指標として含む目的関数を設定する、デマンド制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデマンド制御装置であって、
前記目的関数設定部は、全てのジョブの終了時間に第1重み係数を乗じた値と、生産スケジュールにおける使用電力の最大値に第2重み係数を乗じた値との和を最小化する目的関数を設定する、デマンド制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載のデマンド制御装置であって、さらに、
生産スケジュールにおける各製品の生産完了時刻が納期以内であるか否かを判定する第1判定部と、
第1調整部と、
を備え、
前記立案部は、ロット単位で生産される製品の生産スケジュールを立案し、
前記第1調整部は、前記第1判定部により生産スケジュールにおいて生産完了時刻が納期を超えている製品があると判定された場合には、ロット単位に含まれる製品数を少なくしてロット数を増加させ、
前記立案部は、ロット数が増加した後に、目的関数を解くことにより生産スケジュールを立案する、デマンド制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載のデマンド制御装置であって、さらに、
前記立案部に立案された生産スケジュールにおける使用電力の最大値が前記上限値以下であるか否かを判定する第2判定部と、
前記最大値が前記上限値を超えると前記第2判定部に判定された場合に、前記立案部により立案された生産スケジュールに対して、前記最大値が前記上限値を超える時刻に生産を予定している製品の工程の開始時刻を遅らせた調整後の生産スケジュールを立案する第2調整部と、
を備える、デマンド制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載のデマンド制御装置であって、さらに、
前記立案部に立案された生産スケジュールにおける使用電力の最大値が前記上限値以下であるか否かを判定する第2判定部と、
前記最大値が前記上限値を超えると前記第2判定部に判定された場合に、生産スケジュールに対して、前記最大値が前記上限値を超える時刻に生産を予定している製品の生産を分割した調整後の生産スケジュールを立案する第3調整部と、
を備える、デマンド制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載のデマンド制御装置であって、
前記電力需要情報は、時系列に沿って変化する非生産設備の使用電力を含み、
前記条件設定部は、任意時刻における前記上限値が契約電力量から非生産設備の使用電力を差し引いた電力値とする制約条件を設定する、デマンド制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のデマンド制御装置であって、
前記取得部は、さらに、工程を行う複数の生産ライン間で仕掛品の搬送に要する搬送時間に関連する搬送情報を取得し、
前記条件設定部は、前記電力需要情報と、前記製品情報と、前記設備情報とに加えて、前記搬送情報を用いて制約条件を設定する、デマンド制御装置。
【請求項9】
デマンド制御方法であって、コンピュータが、
設備が使用予定の電力需要の変動に関連する電力需要情報であって、設備の使用可能な電力の上限値を含む電力需要情報と、生産予定の製品数および製品の納期に関連する製品情報と、製品の生産に必要なジョブの各工程を行う設備に関連する設備情報とを取得する取得工程と、
前記製品情報と前記設備情報を用いて、全てのジョブの終了時間を最小化する目的関数を設定する目的関数設定工程と、
前記電力需要情報と、前記製品情報と、前記設備情報とを用いて、目的関数を解くために必要な制約条件を設定する条件設定工程と、
制約条件を満たした上で、目的関数を解くことにより、製品の生産スケジュールを立案する立案工程と、
前記電力需要情報を用いて、立案された生産スケジュールにおける時系列に沿った使用電力を算出する電力算出工程と、
を実行する、デマンド制御方法。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、
設備が使用予定の電力需要の変動に関連する電力需要情報であって、設備の使用可能な電力の上限値を含む電力需要情報と、生産予定の製品数および製品の納期に関連する製品情報と、製品の生産に必要なジョブの各工程を行う設備に関連する設備情報とを取得する取得機能と、
前記製品情報と前記設備情報を用いて、全てのジョブの終了時間を最小化する目的関数を設定する目的関数設定機能と、
前記電力需要情報と、前記製品情報と、前記設備情報とを用いて、目的関数を解くために必要な制約条件を設定する条件設定機能と、
制約条件を満たした上で、目的関数を解くことにより、製品の生産スケジュールを立案する立案機能と、
前記電力需要情報を用いて、前記立案機能により立案された生産スケジュールにおける時系列に沿った使用電力を算出する電力算出機能と、
をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、デマンド制御装置、デマンド制御方法、およびコンピュータプログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
工場などの生産現場では、外気温の変動によって工場などで使用される空調等の非生産設備の使用電力が生産設備の使用電力よりも高くなる場合がある。特に夏季、冬季において空調等の電力使用比率が増え、生産設備の電力比率が低下するため、生産設備の稼働状況によっては、契約電力量を超えるおそれがある。一時的であっても契約電力量を超えてしまうと電気料金が高くなる。そのため、契約電力量を超えないように、生産設備を停止するデマンド制御が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1には、気象変化の情報を利用して使用電力を制御する技術が記載されている。特許文献2には、設備の稼働状態の合計時間と非稼働状態の合計時間との比率を用いて、使用電力を制御する設備を判定する技術が記載されている。
【0003】
デマンド制御により設備の使用電力が制御されると、生産の遅延や労働者の残業等が発生するため、生産効率が低下するおそれがある。昨今、工場などの生産現場では、多品種少量生産に対応するために、同一の生産ラインで複数の製品を生産する混流生産が行われている。混流生産では、異なる製品に対する熱処理工程などの各種工程が異なるため、製品の種類やロットサイズにより設備に使用電力が変化する。また、異なる製品を同一の生産ラインで生産する際には、製品ごとに金型や治具などを変更する段取りが必要となる。そのため、段取り替えを考慮した多品種少量生産に対応した生産スケジューリングが必要となる(例えば、非特許文献1)。非特許文献1には、遺伝的アルゴリズムとシミュレーティッドアニーリングとを組み合わせて、生産完了時間とエネルギー消費量とを同時に最小化する生産スケジューリングが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-228922号公報
特開2015-171192号公報
【非特許文献】
【0005】
Min Dai et al., "Energy-efficient scheduling for a flexible flow shop using an improved genetic-simulated annealing algorithm", Robotics and Computer-Integrated Manufacturing, Volume 29, Issue 5, October 2013, Pages 418-429
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載された技術では、契約電力量などの電力の上限値を超えないデマンド制御が行われるが、生産設備を用いた製品の製造時間の最小化については言及されていない。特に、多品種少量生産の製品を同一生産ラインで生産する生産スケジューリングについては向上の余地がある。一方で、特許文献3で記載された生産スケジューリングでは、生産能力とエネルギー消費量とが比例関係にある設備を用いて、製品としてのジョブを実行するための設備の使用順序が決定されている。そのため、設備の能力や生産する製品ごとに用いられる消費エネルギーが異なる場合についての生産スケジューリングの立案が十分ではない。
【0007】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、使用電力の上限値以下となる範囲のオンデマンド制御を行った上で、生産性を向上させた生産スケジュールを立案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0009】
(1)本発明の一形態によれば、デマンド制御装置が提供される。このデマンド制御装置は、設備が使用予定の電力需要の変動に関連する電力需要情報であって、設備の使用可能な電力の上限値を含む電力需要情報と、生産予定の製品数および製品の納期に関連する製品情報と、製品の生産に必要なジョブの各工程を行う設備に関連する設備情報とを取得する取得部と、前記製品情報と前記設備情報を用いて、全てのジョブの終了時間を最小化する目的関数を設定する目的関数設定部と、前記電力需要情報と、前記製品情報と、前記設備情報とを用いて、目的関数を解くために必要な制約条件を設定する条件設定部と、制約条件を満たした上で、目的関数を解くことにより、製品の生産スケジュールを立案する立案部と、前記電力需要情報を用いて、前記立案部により立案された生産スケジュールにおける時系列に沿った使用電力を算出する電力算出部と、を備える。
【0010】
この構成によれば、製品情報と設備情報とを用いて設定された目的関数が、制約条件を満たすように解かれることにより、製品の生産スケジュールが立案される。そのため、本構成では、多品種少量生産の製品を製造する場合や生産能力が異なる設備を用いる場合に対応可能な生産スケジュールが立案される。さらに、電力需要情報が用いられることにより、立案された生産スケジュールにおける時系列に沿った使用電力が算出される。算出された使用電力が設備の使用可能な電力の上限値以下に収まるように、立案された生産スケジュールにおける設備の稼働状況が制御されることで、使用電力の上限値以下となる範囲のオンデマンド制御が実現される。よって、本構成によれば、オンデマンド制御を行った上で、生産性を向上させた生産スケジュールが立案される。
(【0011】以降は省略されています)

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