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公開番号2025064157
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023173689
出願日2023-10-05
発明の名称付加反応硬化型シリコーン組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 83/07 20060101AFI20250410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
本発明は、温和な条件においても短時間で硬化が可能であり、かつ室温保管における粘度増加を抑制可能な付加反応硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
下記(A)~(E)成分を含む付加反応硬化型シリコーン組成物
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、
(D)無水マレイン酸を含む、炭素数1~5の一価アルコール溶液、及び
(E)トリアリルイソシアヌレート。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(E)成分を含む付加反応硬化型シリコーン組成物
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、
(D)無水マレイン酸を含む、炭素数1~5の一価アルコール溶液、及び
(E)トリアリルイソシアヌレート。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記(A)成分中のアルケニル基1個に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)の個数比が0.1~5となる量である、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項3】
前記(D)成分の量が、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対する無水マレイン酸の質量換算で0.1~500ppmとなる量である、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項4】
前記(E)成分の量が、(A)成分100質量部に対して0.01~3質量部である、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項5】
前記アルコールが、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選ばれる、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項6】
前記アルコール溶液中の無水マレイン酸の濃度は15~60質量%である、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項7】
さらに、(F)接着性付与剤を(A)成分100質量部に対して0.05~10質量部で含む、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項8】
さらに、(G)シリカを(A)成分100質量部に対して1~100質量部で含む、請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項記載の付加反応硬化型シリコーン組成物の硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、付加反応硬化型シリコーン組成物及びその硬化物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
付加反応硬化型シリコーン組成物は、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金触媒下でヒドロシリル反応させることによって硬化する。白金触媒は非常に活性が高いため、組成物の保存安定性および使用可能時間を確保する目的で、一般的にアセチレンアルコール等の付加反応制御剤が使用されており、その硬化には加熱を必要とする。
付加反応制御剤を用いる場合の付加反応硬化型シリコーン組成物の安定性(使用可能時間)と硬化性とは相反する関係にあり、温和な条件での硬化を行うには長い硬化時間を要し、硬化性を向上させた組成物は室温での保管において粘度が増加するなど安定性に劣るという問題があった。
安定性を保ちつつ硬化性を高める手段として、アセチレンアルコール化合物と(メタ)アクリル酸誘導体とを併用した付加反応硬化型シリコーンゴム組成物が開示されている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-265067号公報
特開2022-096904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、100℃のような比較的温和な条件においても短時間で硬化が可能であり、かつ室温保管における粘度増加を抑制可能な付加反応硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、付加反応硬化型シリコーン組成物の添加剤として無水マレイン酸のアルコール溶液及びトリアリルイソシアヌレートを用いることにより、該組成物の硬化性を保ちながら、室温保管の際に生じる粘度増加を抑制できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
下記(A)~(E)成分を含む付加反応硬化型シリコーン組成物
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、
(D)無水マレイン酸を含む、炭素数1~5の一価アルコール溶液、及び
(E)トリアリルイソシアヌレートを提供する。
【0007】
さらに本発明は、下記[2]~[8]の構成要件の少なくとも1をさらに有する付加反応硬化型シリコーン組成物を提供する。
[2]前記(A)成分中のアルケニル基1個に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)の個数比が0.1~5となる量である、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
[3]前記(D)成分の量が、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対する無水マレイン酸の質量換算で0.1~500ppmとなる量である、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
[4]前記(E)成分の量が、(A)成分100質量部に対して0.01~3質量部である、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
[5]前記アルコールが、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選ばれる、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
[6]前記アルコール溶液中の無水マレイン酸の濃度は15~60質量%である、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
[7]さらに、(F)接着性付与剤を(A)成分100質量部に対して0.05~10質量部で含む、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
[8]さらに、(G)シリカを(A)成分100質量部に対して1~100質量部で含む、上記付加反応硬化型シリコーン組成物。
さらに本発明は上記付加反応硬化型シリコーン組成物の硬化物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の付加反応硬化型シリコーン組成物は、実用上十分な安定性を有し、温和な条件においても硬化性に優れ、電子部品のシール材、接着剤、ポッティング等の用途に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<(A)成分>
(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。該アルケニル基としては炭素数2~8を有するアルケニル基であればよく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、及びヘプテニル基が挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。該(A)成分のアルケニル基の結合位置は、特に制限されず、分子鎖末端および分子鎖側鎖のいずれであってもよい。好ましくは、分子鎖末端にあるのがよい。
【0010】
(A)オルガノポリシロキサンが有する、ケイ素原子に結合するアルケニル基以外の有機基としては、炭素数1~18の、好ましくは炭素数1~12、より好ましくは炭素原子数1~10、特には炭素数1~7の、置換又は非置換の、一価炭化水素基が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、ブロピル基、プチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、及び、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。中でも特に、メチル基、及びフェニル基が好ましい。(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、及び分岐鎖状が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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