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公開番号
2025079626
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-22
出願番号
2023192421
出願日
2023-11-10
発明の名称
圧電薄膜、及び圧電薄膜素子
出願人
TDK株式会社
,
国立大学法人東京科学大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H10N
30/853 20230101AFI20250515BHJP()
要約
【課題】圧電特性に優れた圧電薄膜を提供する。
【解決手段】圧電薄膜3は、金属酸化物を含む。圧電薄膜3は、第一主面s1と、第一主面s1の裏側に位置する第二主面s2を有する。金属酸化物は、ハフニウムを含む。金属酸化物は、蛍石型結晶構造を有する結晶相を含む。結晶相は、直方晶及び正方晶のうち一つ又は両方を含む。結晶相の第一格子面LP1は、(111)面、(100)面、又は(110)面である。結晶相の第二格子面LP2は、(111)面、(100)面、又は(110)面であり、第二格子面LP2は第一格子面LP1とは異なる格子面である。第一格子面LP1の一部は、第一主面s1の法線方向dn1において配向している。第二格子面LP2の一部は、第二主面s2の法線方向dn2において配向している。第一格子面LP1及び第二格子面LP2それぞれが配向する方向は、結晶相内で変化する。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
金属酸化物を含む圧電薄膜であって、
前記圧電薄膜は、第一主面と、前記第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
前記金属酸化物は、ハフニウムを含み、
前記金属酸化物は、蛍石型結晶構造を有する結晶相を含み、
前記結晶相は、直方晶及び正方晶のうち少なくとも一種の結晶を含み、
前記結晶相の第一格子面は、(111)面、(100)面、及び(110)面からなる群より選ばれる一つの格子面であり、
前記結晶相の第二格子面は、(111)面、(100)面、及び(110)面からなる群より選ばれる一つの格子面であり、且つ前記第二格子面は前記第一格子面とは異なる格子面であり、
前記第一格子面の一部は、前記第一主面の法線方向において配向しており、
前記第二格子面の一部は、前記第二主面の法線方向において配向しており、
前記第一格子面が配向する方向は、前記結晶相内で変化し、
前記第二格子面が配向する方向は、前記結晶相内で変化する、
圧電薄膜。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記第一主面の前記法線方向において配向する前記第一格子面は、前記第二主面の前記法線方向において配向する前記第二格子面よりも、前記第一主面に近い、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項3】
前記金属酸化物は、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの添加元素Xを更に含む、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項4】
前記金属酸化物中の前記ハフニウムの含有量は、[Hf]原子%と表され、
前記金属酸化物中の前記添加元素Xの含有量は、[X]原子%と表され、
[X]/([Hf]+[X])は、0.05以上0.70以下である、
請求項3に記載の圧電薄膜。
【請求項5】
前記結晶相の一部は、前記第一主面の前記法線方向において配向する前記第一格子面を含む前記正方晶であり、
前記結晶相の別の一部は、前記第二主面の前記法線方向において配向する前記第二格子面を含む前記直方晶である、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項6】
前記結晶相の一部は、前記第一主面の前記法線方向において配向する前記第一格子面を含む前記直方晶であり、
前記結晶相の別の一部は、前記第二主面の前記法線方向において配向する前記第二格子面を含む別の直方晶である、
請求項1に記載の圧電薄膜。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の圧電薄膜を製造する方法であって、
前記ハフニウムを含む酸化物の単斜晶を含む前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜の加熱により、前記前駆体膜から前記圧電薄膜を形成する工程と、
を備える、
圧電薄膜の製造方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記圧電薄膜と、
第一電極層と、
第二電極層と、
を備え、
前記圧電薄膜の前記第一主面は、前記第一電極層に直接又は間接的に重なり、
前記第二電極層は、前記圧電薄膜の前記第二主面に直接又は間接的に重なる、
圧電薄膜素子。
【請求項9】
前記圧電薄膜の前記第一主面は、前記第一電極層に直接重なり、
前記第一電極層は、白金又は酸化インジウムスズを含む、
請求項8に記載の圧電薄膜素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電薄膜、及び圧電薄膜素子に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の通り、酸化ハフニウム(HfO
2
)は誘電体として広く知られている。また下記特許文献2に記載の通り、HfO
2
の固溶体を含む薄膜が強誘電性を有することも知られている。強誘電性とは、誘電体の外部に電界がない状態において電気双極子が誘電体内に整列しており、かつ電気双極子の方向が、誘電体に印加された電界に沿って可逆的に変化する物性である。強誘電性を有するHfO
2
は、直方晶の結晶構造を有する、と考えられている。HfO
2
の直方晶は、常圧において不安定な相である。したがって、HfO
2
の直方晶相を含む強誘電性薄膜を形成することは容易ではない。強誘電性薄膜が厚いほど、圧電薄膜中の直方晶相が維持され難い。例えば、下記特許文献2に記載の通り、エピタキシャル成長によって強誘電性薄膜を結晶質基板の表面に形成する場合、直方晶が安定的に維持される圧電薄膜の厚さは、最大で100nm程度である。下記特許文献3は、HfO
2
を含み、且つ厚さが100nmより大きい強誘電性薄膜を開示している。下記特許文献3に記載の強誘電性薄膜は、イットリウム等の添加元素を含有するので、強誘電性薄膜中の直方晶が安定化される。さらに、下記特許文献3に記載の強誘電性薄膜内では、強誘電性薄膜の表面の法線方向において配向する2種類の格子面が結晶相中に混在する。その結果、強誘電性薄膜における応力が緩和され、強誘電性薄膜の亀裂が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008‐306036号公報
国際公開第2016/031986号パンフレット
特許第7061752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧電薄膜の表面の法線方向において配向する2種類の格子面が結晶相中に混在することに因り、圧電応答における結晶の変形の連続性が失われる。この理由により、HfO
2
を含む従来の薄膜は十分な圧電特性を有し難い。
【0005】
本発明の一側面の目的は、圧電特性に優れた圧電薄膜、当該圧電薄膜を含む圧電薄膜素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本発明の一側面の具体例は、下記[1]~[6]のいずれか一項に記載の圧電薄膜素子、下記「7」に記載の圧電薄膜素子の製造方法、及び下記[8]又は[9]に記載の圧電薄膜素子に関する。
【0007】
[1] 金属酸化物を含む圧電薄膜であって、
圧電薄膜は、第一主面と、第一主面の裏側に位置する第二主面と、を有し、
金属酸化物は、ハフニウムを含み、
金属酸化物は、蛍石型結晶構造を有する結晶相を含み、
結晶相は、直方晶及び正方晶のうち少なくとも一種の結晶を含み、
結晶相の第一格子面は、(111)面、(100)面、及び(110)面からなる群より選ばれる一つの格子面であり、
結晶相の第二格子面は、(111)面、(100)面、及び(110)面からなる群より選ばれる一つの格子面であり、且つ第二格子面は第一格子面とは異なる格子面であり、
第一格子面の一部は、第一主面の法線方向において配向しており、
第二格子面の一部は、第二主面の法線方向において配向しており、
第一格子面が配向する方向は、結晶相内で変化し、
第二格子面が配向する方向は、結晶相内で変化する、
圧電薄膜。
【0008】
[2] 第一主面の法線方向において配向する第一格子面は、第二主面の法線方向において配向する第二格子面よりも、第一主面に近い、
[1]に記載の圧電薄膜。
【0009】
[3] 金属酸化物は、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの添加元素Xを更に含む、
[1]又は[2]に記載の圧電薄膜。
【0010】
[4] 金属酸化物中のハフニウムの含有量は、[Hf]原子%と表され、
金属酸化物中の添加元素Xの含有量は、[X]原子%と表され、
[X]/([Hf]+[X])は、0.05以上0.70以下である、
[3]に記載の圧電薄膜。
(【0011】以降は省略されています)
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