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公開番号2025097474
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2023213687
出願日2023-12-19
発明の名称重合体の製造方法、重合体、組成物、レジスト組成物およびレジストパターン
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 8/26 20060101AFI20250624BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】原子移動ラジカル重合で得られる重合体の塩素量を低減できる重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】重合性モノマーを有機塩素化合物であるラジカル重合開始剤を用いて原子移動ラジカル重合して重合体を製造する工程、前記ラジカル重合開始剤および前記重合体を含む反応系にスチレンモノマーを添加して原子移動ラジカル重合をし、少なくとも一方の末端に前記スチレンモノマー由来の構造を有する重合体を製造する工程、および前記末端にスチレンモノマー由来の構造を有する重合体を含む反応系に塩基性触媒およびアルコール化合物を添加して脱塩素する工程、を含む重合体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重合性モノマーを有機塩素化合物であるラジカル重合開始剤を用いて原子移動ラジカル重合して重合体を製造する工程、
前記ラジカル重合開始剤および前記重合体を含む反応系にスチレンモノマーを添加して原子移動ラジカル重合をし、少なくとも一方の末端に前記スチレンモノマー由来の構造を有する重合体を製造する工程、および
前記末端にスチレンモノマー由来の構造を有する重合体を含む反応系に塩基性触媒およびアルコール化合物を添加して脱塩素する工程、を含む重合体の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記スチレンモノマーの添加量が、前記重合性モノマー合計100質量部に対して0.1~10質量部の範囲である請求項1に記載の重合体の製造方法。
【請求項3】
前記ラジカル重合開始剤が、シアン化アルキルクロライド(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)、ビニルアルキルクロライド(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)、フェニルアルキルクロライド(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)、炭素原子数1~6のクロロカルボン酸および前記クロロカルボン酸のアルキルエステル(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)から選択される1種以上の有機塩素化合物である請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
【請求項4】
前記塩基性触媒が、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムブトキシドから選択される1種以上である請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
【請求項5】
前記アルコール化合物が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、から選択される1種以上である請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
【請求項6】
前記原子移動ラジカル重合をハロゲン化銅(II)並びに3級アミン構造および/又はピリジン環を有する化合物の存在下で行う請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
【請求項7】
前記3級アミン構造および/又はピリジン環を有する化合物が、2,2’-ビピリジル、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリスピリジルメチルアミンおよびトリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミンからなる群から選択される1種以上である請求項6に記載の重合体の製造方法。
【請求項8】
前記原子移動ラジカル重合をハロゲン化銅(II)、3級アミン構造および/又はピリジン環を有する化合物、並びにスズ化合物の存在下で行う請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
【請求項9】
少なくとも一方の末端にスチレンモノマー由来の構造を有する重合体であって、塩素含有量が1質量%未満である重合体。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の製造方法で得た重合体を含有する組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体の製造方法、重合体、組成物、レジスト組成物およびレジストパターンに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
リビングラジカル重合は開始反応および成長反応からなり、連鎖移動反応、停止反応等の成長末端を失活させる副反応を伴わない重合である。当該リビングラジカル重合を用いることで、特定の構造をブロック化した重合体、分子量の揃った重合体など特徴ある重合体が製造可能になることから、用途を問わず広く採用されている。
【0003】
リビングラジカル重合のなかでも原子移動ラジカル重合(ATRP)はモノマーの汎用性が高く、多様な構造を有する重合体の合成が可能であるため、近年注目を集めている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-202169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
原子移動ラジカル重合は、炭素-ハロゲン(例えば塩素、臭素)結合の可逆的な開裂を利用し、ラジカル末端を失活させることなく重合する手法である。ラジカル重合開始剤として有機塩素化合物を使用した場合には高収率で重合体を得ることができるが、(ラジカル重合開始剤として有機臭素化合物を使用した場合に比べて)得られる重合体に含まれる塩素を除去することが困難となる。
重合体中に塩素が残存している場合、残存した塩素が外的エネルギー(例えば光)によって脱離し、強酸性の塩化水素となってしまうことで、重合体の保存安定性の低下や、工業プロセスにおける装置へのダメージとなったり、重合体を用いた製品の腐食の原因となるなどの問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、原子移動ラジカル重合で得られる重合体の塩素量を低減できる重合体の製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、塩素量が低減した重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、スチレンモノマーを使用することで原子移動ラジカル重合で得られる重合体の塩素量が低減できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、下記重合体の製造方法等に関するものである。
1.重合性モノマーを有機塩素化合物であるラジカル重合開始剤を用いて原子移動ラジカル重合して重合体を製造する工程、
前記ラジカル重合開始剤および前記重合体を含む反応系にスチレンモノマーを添加して原子移動ラジカル重合をし、少なくとも一方の末端に前記スチレンモノマー由来の構造を有する重合体を製造する工程、および
前記末端にスチレンモノマー由来の構造を有する重合体を含む反応系に塩基性触媒およびアルコール化合物を添加して脱塩素する工程、を含む重合体の製造方法。
2.前記スチレンモノマーの添加量が、前記重合性モノマー合計100質量部に対して0.1~10質量部の範囲である1に記載の重合体の製造方法。
3.前記ラジカル重合開始剤が、シアン化アルキルクロライド(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)、ビニルアルキルクロライド(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)、フェニルアルキルクロライド(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)、炭素原子数1~6のクロロカルボン酸および前記クロロカルボン酸のアルキルエステル(アルキル基は炭素原子数1~6のアルキル基)から選択される1種以上の有機塩素化合物である1又は2に記載の重合体の製造方法。
4.前記塩基性触媒が、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムブトキシドから選択される1種以上である1~3のいずれかに記載の重合体の製造方法。
5.前記アルコール化合物が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、から選択される1種以上である1~4のいずれかに記載の重合体の製造方法。
6.前記原子移動ラジカル重合をハロゲン化銅(II)並びに3級アミン構造および/又はピリジン環を有する化合物の存在下で行う1~5のいずれかに記載の重合体の製造方法。
7.前記3級アミン構造および/又はピリジン環を有する化合物が、2,2’-ビピリジル、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリスピリジルメチルアミンおよびトリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミンからなる群から選択される1種以上である6に記載の重合体の製造方法。
8.前記原子移動ラジカル重合をハロゲン化銅(II)、3級アミン構造および/又はピリジン環を有する化合物、並びにスズ化合物の存在下で行う1~7のいずれかに記載の重合体の製造方法。
9.少なくとも一方の末端にスチレンモノマー由来の構造を有する重合体であって、塩素含有量が1質量%未満である重合体。
10.1~7のいずれかに記載の製造方法で得た重合体を含有する組成物。
11.レジスト組成物である10に記載の組成物。
12.11に記載のレジスト組成物を用いたレジストパターン。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、原子移動ラジカル重合で得られる重合体の塩素量を低減できる重合体の製造方法が提供できる。
本発明により、塩素量が低減した重合体の製造方法が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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