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公開番号2025100516
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2024225596
出願日2024-12-20
発明の名称腐食評価方法、センサ電流値導出モデル、及び制御装置
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類G01N 17/00 20060101AFI20250626BHJP(測定;試験)
要約【課題】環境において金属への海塩等の付着物量を実測することなく、金属の腐食速度に相関のあるセンサ電流値を精度良く推定する。
【解決手段】環境において所定の測定タイミングで金属に付着する海塩量に相関のある仮想海塩変数を導出する仮想海塩変数導出工程と、その時点の測定タイミングで導出される仮想海塩変数を足し合わせた値を、その時点での積算仮想海塩変数として、センサ電流値導出モデル生成工程の環境因子に含み、センサ電流値の非測定点における説明変数としての環境因子と、センサ電流値導出モデル生成工程にて導出されたセンサ電流値導出モデルとに基づいて、非測定点におけるセンサ電流値を推定するセンサ電流値推定工程と、を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
環境における金属の腐食性を評価する腐食評価方法であって、
前記環境においてACMセンサにより測定されるセンサ電流値を目的変数とし、前記環境において前記センサ電流値に影響を与える環境因子を説明変数として機械学習することにより、前記センサ電流値を導出するセンサ電流値導出モデルを生成するセンサ電流値導出モデル生成工程を実行するものであり、
前記環境における風向及び風速に基づいて導出される海から前記環境への風の風速成分である海風速と、前記環境における風向及び風速に基づいて導出される前記金属の受風方向での風の風速成分であるセンサ風速とから導出され、前記環境において所定の測定タイミングで前記金属に付着する海塩量に相関のある仮想海塩変数を導出する仮想海塩変数導出工程と、
現時点までの前記測定タイミングで導出される前記仮想海塩変数を足し合わせた値を、前記現時点での積算仮想海塩変数として、前記センサ電流値導出モデル生成工程の前記環境因子に含み、
前記センサ電流値の非測定点における説明変数としての前記環境因子と、前記センサ電流値導出モデル生成工程にて導出された前記センサ電流値導出モデルとに基づいて、前記非測定点における前記センサ電流値を推定するセンサ電流値推定工程と、を実行する腐食評価方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記環境因子としての前記仮想海塩変数は、前記海風速と前記センサ風速との一次の積である請求項1に記載の腐食評価方法。
【請求項3】
前記環境において所定の前記測定タイミングで前記ACMセンサにて連続して測定された2点の前記センサ電流値と前記連続する前記測定タイミング間の時間とから当該時間の電気量を求め、当該電気量を所定の測定期間で足し合わせた累積センサ電気量と、
前記環境において前記測定期間に測定されるRCMセンサの測定値から導出される腐食減肉量との相関分析により、
前記累積センサ電気量から前記腐食減肉量への換算モデルを生成する換算モデル生成工程を実行し、
前記センサ電流値推定工程にて推定される前記非測定点における前記センサ電流値を、所定の腐食推定期間で逐次推定し電気量に変換して足し合わせた前記累積センサ電気量と、前記換算モデルとから、前記腐食減肉量を推定する腐食減肉量推定工程を実行する請求項1又は2に記載の腐食評価方法。
【請求項4】
前記換算モデル生成工程において、前記腐食減肉量は、前記環境において前記測定期間の前記測定タイミングで測定される前記RCMセンサによる測定値のうち、前記測定期間に亘って測定される値の最低の値である移動最低値を用いて推定される請求項3に記載の腐食評価方法。
【請求項5】
前記センサ電流値導出モデルは、前記機械学習として重回帰分析を実行して得られる重回帰式、又は前記機械学習として回帰モデルによる分析を実行して得られる回帰木である請求項1又は2に記載の腐食評価方法。
【請求項6】
前記センサ電流値導出モデル生成工程は、前記環境因子に加え、前記センサ電流値の時系列変化を表現する時間因子を説明変数として機械学習する請求項1又は2に記載の腐食評価方法。
【請求項7】
環境においてACMセンサにより測定されるセンサ電流値を目的変数とし、前記環境において前記センサ電流値に影響を与える環境因子を説明変数として機械学習することにより、前記センサ電流値を導出するセンサ電流値導出モデルであって、
前記環境における風向及び風速に基づいて導出される海から前記環境への風の風速成分である海風速と、前記環境における風向及び風速に基づいて導出される金属の受風方向での風の風速成分であるセンサ風速とから導出され、前記環境において所定の測定タイミングで前記金属に付着する海塩量に相関のある仮想海塩変数を導出し、
現時点までの前記測定タイミングで導出される前記仮想海塩変数を足し合わせた値を、前記現時点での積算仮想海塩変数として、前記環境因子に含むセンサ電流値導出モデル。
【請求項8】
前記環境因子に加え、前記センサ電流値の時系列変化を表現する時間因子を説明変数として機械学習することにより、前記センサ電流値を導出する請求項7に記載のセンサ電流値導出モデル。
【請求項9】
請求項7に記載のセンサ電流値導出モデルと、前記センサ電流値の非測定点における説明変数としての前記環境因子とに基づいて、前記非測定点における前記センサ電流値を推定する制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、環境における金属の腐食性を評価する腐食評価方法、センサ電流値導出モデル、及び制御装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
金属の腐食速度を評価する手法として、ACM(Atmospheric Corrosion Monitor)センサ(大気腐食センサ)を設置し、大気環境をモニタリングする手法が知られている。ACMセンサは、結露等によりセンサ表面上に水膜が形成された際のガルバニック電流を記録しており、この電流値は、腐食速度と相関があることから、大気環境における腐食性の評価に用いられている。
【0003】
昨今、種々の環境因子からACMセンサの示す電流値を推定することにより、ACMセンサを設けることなく対象地点の腐食速度を推定し評価する試みがなされている。
例えば、特許文献1に開示の技術では、金属の腐食速度を目的変数とし、その腐食速度に影響を与える環境因子を説明変数として重回帰分析を行う際に、相対湿度に重み付けして足し合わせた仮想ぬれ時間を説明変数として含むことを提案している。
ここで、ACMセンサの示す電流値は、海塩等の付着物量により増加する傾向がある、換言すれば、評価対象の金属の腐食性に関連するセンサ電流値は金属への海塩等の付着物量により増加する傾向がある。この点を鑑みて、特許文献1には、相対湿度の重み付けに、金属への付着物量を考慮に入れることが示されている。
【0004】
特許文献2に開示の技術では、環境での金属の腐食性を評価する腐食評価方法であって、温度と、湿度と、金属への単位面積当たりの海塩の付着量である海塩粒子量と、ACMセンサのセンサ電流量との相関関係を予め求め、当該相関関係と、所定の環境にて測定した温度と、湿度と、海塩粒子量とに基づいて、センサ電流量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-224405号公報
特開2013-134094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術では、ACMセンサの示す電流値に大きな影響を及ぼす海塩などの付着物量については、実際の測定値に基づいた重み付けを行っていることから、腐食速度を評価する地点ごとに付着物量を測定することが必要であった。このため、広範囲において腐食速度を評価することが難しいという課題があった。
【0007】
特許文献2に開示の技術では、海塩粒子量が説明変数に含まれているため、腐食速度の評価地点ごとに海塩粒子量の測定が必要であった。このため、上述の特許文献1に開示の技術と同様に、現実的に広範囲において腐食速度を評価することが難しいという課題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境において金属への海塩等の付着物量を実測することなく、金属の腐食速度に相関のあるセンサ電流値を精度良く推定する腐食評価方法、センサ電流値導出モデル、及び制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための腐食評価方法は、
環境における金属の腐食性を評価する腐食評価方法であって、その特徴構成は、
前記環境においてACMセンサにより測定されるセンサ電流値を目的変数とし、前記環境において前記センサ電流値に影響を与える環境因子を説明変数として機械学習することにより、前記センサ電流値を導出するセンサ電流値導出モデルを生成するセンサ電流値導出モデル生成工程を実行するものであり、
前記環境における風向及び風速に基づいて導出される海から前記環境への風の風速成分である海風速と、前記環境における風向及び風速に基づいて導出される前記金属の受風方向での風の風速成分であるセンサ風速とから導出され、前記環境において所定の測定タイミングで前記金属に付着する海塩量に相関のある仮想海塩変数を導出する仮想海塩変数導出工程と、
現時点までの前記測定タイミングで導出される前記仮想海塩変数を足し合わせた値を、前記現時点での積算仮想海塩変数として、前記センサ電流値導出モデル生成工程の前記環境因子に含み、
前記センサ電流値の非測定点における説明変数としての前記環境因子と、前記センサ電流値導出モデル生成工程にて導出された前記センサ電流値導出モデルとに基づいて、前記非測定点における前記センサ電流値を推定するセンサ電流値推定工程と、を実行する点にある。
【0010】
これまで説明してきたように、従来技術では、海塩等の付着物量を、センサ電流値を推定する地点、或いは腐食速度を評価する地点毎に測定する必要があり、広範囲において腐食速度を評価することが難しかった。
本発明の発明者らは、環境においてACMセンサにより測定されるセンサ電流値を目的変数とし、環境においてセンサ電流値に影響を与える環境因子を説明変数として機械学習することにより、センサ電流値を導出するセンサ電流値導出モデルにおいて、環境において金属に付着する海塩量に相関のある仮想海塩変数なる概念を導入した。そして、当該仮想海塩変数を、環境における風向及び風速に基づいて導出される海から環境への風の風速成分である海風速と、環境における風向及び風速に基づいて導出されるACMセンサの受風方向での風の風速成分であるセンサ風速とから導出されるものと定義し、その時点までの測定タイミングで導出される仮想海塩変数を足し合わせた積算仮想海塩変数なる概念を導入した。
(【0011】以降は省略されています)

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