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公開番号
2025102145
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2023219405
出願日
2023-12-26
発明の名称
GSRセンサ
出願人
マグネデザイン株式会社
代理人
主分類
H10N
50/00 20230101AFI20250701BHJP()
要約
【課題】負磁歪アモルファスワイヤを用いて磁気ノイズを大幅に低減したGSRセンサを提供する。
【解決手段】負磁歪のCo-Si系アモルファスワイヤと前記ワイヤにコイルを巻きつけた磁界検出素子と、前記磁界検出素子が生む出す磁界信号に対応した電圧を処理する信号処理回路からなるGSRセンサであって、GSRセンサを構成する磁性ワイヤ1について、Fe/Co比が0.65以下である負磁歪のCo-Fe-B-Siの軟磁性合金からなり、かつ、酸素含有量は10ppm以下であり、直径が10μm以下で、磁区構造が表面磁区とコア磁区の2層構造からなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
負磁歪のCo-Si系アモルファスワイヤ(以下、磁性ワイヤという。)と前記磁性ワイヤにコイルを巻きつけた磁界検出素子と前記磁界検出素子が生み出す磁界信号に対応した電圧を処理する信号処理回路からなるGSRセンサにおいて、
前記磁性ワイヤは、Fe/Co比を0.065以下としたCo-Fe-B-Si系の負磁歪軟磁性合金で10ppm以下の酸素含有量からなり、
前記磁性ワイヤは、直径は10μm以下にて、磁区構造は表面磁区とコア磁区の2層構造からなることを特徴するGSRセンサ。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
請求項1において、
前記磁性ワイヤの直径は、2μm以下にて、
前記磁区構造は、表層部で各スピンが一定の円周方向に連続的に配列しているとともに、その表層部の内周側である内側部ではスピンが前記磁性ワイヤの中心に近づくに従って徐々に円周方向から軸方向に回転していき前記磁性ワイヤ中心では軸方向に向く、連続的なスピン配列となるボルテックススピン構造を有していることを特徴とするGSRセンサ。
【請求項3】
請求項1または2において、
パルス電流は、0.5GHz~4GHzの換算パルス周波数を有し、前記磁性ワイヤの異方性磁界の1.5倍以上の表面円周磁界を生み出すパルス電流の強さを有することを特徴とするGSRセンサ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、負磁歪アモルファスワイヤを用いて磁気ノイズを低減したGSRセンサに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ゼロ磁歪または弱負磁歪のCoFeBSi系合金のアモルファスワイヤに高周波のパルス電流を流すとワイヤ内部のスピンが高速に回転するGSR効果が知られている。GSRセンサは、この変化をアモルファスワイヤに巻回した検出コイルによって検出するGSR素子を利用した高感度磁気センサである。
【0003】
従来のGSRセンサは、特許文献1に開示されているように異方性磁界が小さく透磁率が高い、つまり磁壁が移動しやすいゼロ磁歪または弱負磁歪の感磁ワイヤを使用している。
上記アモルファスワイヤ内部の軸構造を模式的に示した斜視図を図4に示す。感磁ワイヤ4は、磁区構造の違いにより表面磁区(円周方向向きのスピン配列)41とコア磁区(磁区方向向きのスピン配列)42の2層に分かれる。表面磁区41では、スピンが一定の円周方向に右回転と左回転に向いた磁区に分かれてバンブー構造となっており、表面磁区41に180磁壁が存在している。一方、表面磁区41の内周側にあるコア磁区42では、多磁区構造を有し、多くの磁壁が存在する。
また、表面磁区41とコア磁区42の界面では、90度磁壁が存在する。このように従来の磁性ワイヤ4は、表面磁区41ではスピンが一定の円周方向を向いた左回転と右回転のスピン構造(配列)をもち、両者の間には180度磁壁を有する。コア磁区42では多磁区構造を有し、表面磁区とコア磁区との間には90度磁壁を有し、全体として磁気的複合構造となっていた。
【0004】
特許文献2には、「零磁歪」とは、磁歪の絶対値が10
-6
未満を意味する。例えば、コロナ社出版の「磁気センサ理工学」の13頁には、「(CoFe)
80
(SiB)
20
において、Fe/Coが0.07のとき、磁歪の絶対値が10
-6
未満となり、そのレベルの磁歪を零磁歪とする」旨の記述がされている。そこで特許文献1の発明は、これまでのMIセンサで使用されていたアモルファスワイヤを使用したものであったことを踏まえると、零磁歪または弱負磁歪の定義は、特許文献2の磁歪の絶対値が10
-6
未満をゼロ磁歪の定義と一致したものである。
【0005】
従来のGSRセンサは、GHzパルス電流で励起するため磁壁の移動は抑制され、スピン回転による磁化の変化を検知するものであるが、実際のパルス電流は、それが高速変化に至る過程で、パルス変化の初期と終期において穏やかに変化する過程を伴うことは工業的に避けられない。このタイミングで、スピン回転に伴って表面磁区の180度磁壁が消滅または発生することが起こり得る。表面磁区とコア磁区との間に存在する90度磁壁がワイヤ内部に移動したり、表面方向に移動したりし得る。
【0006】
磁壁が移動した場合、バルクハウゼンノイズを生じて大きな磁気ノイズを伴うという問題がある。この問題は、感磁ワイヤであるアモルファスワイヤの磁区構造と磁壁の移動に起因する。つまりコア部42の多磁区構造部分に存在する磁壁および表層部41とコア部42の界面に存在する磁壁が、感磁ワイヤまたはそれを用いたGSRセンサの磁気ノイズの発生源となり問題であった。
【0007】
特許文献2には、零磁歪となる軟磁性合金からなるボルテックススピン構造を有する感磁ワイヤが開示されている。その記述によれば、ボルテックススピン構造によってヒステリシスは消失することが報告されているが、磁気センサ感度や磁気ノイズについては何の開示もされていない。磁壁を含まないボルテックススピン構造によって、バルクハウゼンノイズらよって生じる大きな磁気ノイズが抑制されることは考えられるが、磁気異方性が大きくなり感度が低下すると予想されるので、ボルテックススピン構造による検出力改善は今後の研究課題であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5839527号公報
特許第4650591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、現行のGSRセンサに使用されているアモルファスワイヤの磁壁の移動を抑制する手段を見出して磁気ノイズの少ないGSR素子およびGSRセンサを提供することである。磁壁の移動抑制は、GSR効果の本質であるスピンの回転をも同時に抑制するので、センサ感度が低下する。つまり磁気ノイズとセンサ感度は背反現象であり、同時に改善することはむつかしい課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究した結果、Fe/Co比を0.065以下とした異方性磁界が大きなCo-Si系の負磁歪のアモルファスワイヤを用いることで、磁壁の移動を抑制し磁気ノイズを大幅に低減すると同時に、スピン回転の抑制に対しては換算パルス周波数を高めると同時に表面磁区層の厚みを増加して、感度へ悪影響を相殺して、全体として磁気センサ感度の低下を防ぐことができることを見出した。
また、酸素などの不純物を極小化すると、局所的な磁壁移動のダンピング現象を無くして低ノイズ化を実現し、センサ感度の向上が図れることを見出した。
さらに、ワイヤ径を2μm以下にした場合、ワイヤ内部の磁区構造が消滅し、特許文献2に記載されているボルテックス磁区構造が発生する。ボルテックス磁区構造では、パルス電流に起因した円周方向のスピン回転は少し抑制されセンサ感度は低下するものの、磁壁の移動に伴う磁気ノイズがほぼ消滅するために、全体としては磁界検出力が大幅に向上することを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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