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公開番号2025109138
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-24
出願番号2024002873
出願日2024-01-11
発明の名称タモキシフェン前駆体及びタモキシフェンの製造方法
出願人関東電化工業株式会社,学校法人近畿大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 213/08 20060101AFI20250716BHJP(有機化学)
要約【課題】 出発原料として安価で入手可能な化学品を用いることで、Z-タモキシフェンの製造に応用可能な新しい製造技術を提供することである。また、本発明の目的は、もう一方の異性体であるE-タモキシフェンの立体選択的製造技術も併せて確立することである。
【解決手段】 タモキシフェン前駆体の製造方法であって、
(A)ジハロゲン化ジフェニルエチレンを、4-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル基を有するホウ素化合物と反応させて、下記式:
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025109138000046.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">40</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">105</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中、Rは2-ジメチルアミノエトキシ基であり、Xはハロゲン原子である)
で表されるタモキシフェン前駆体を生成する工程を含む、方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
タモキシフェン前駆体の製造方法であって、
(A)下記式(1):
JPEG
2025109138000035.jpg
17
72
(式中、Xは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す)
で表されるジハロゲン化ジフェニルエチレンを、下記式(2):
JPEG
2025109138000036.jpg
14
72
(式中、Rは2-ジメチルアミノエトキシ基を表し、Yはボロン酸エステルまたはボロン酸を構成するボロニル基を表す)
で表されるホウ素化合物と反応させて、下記式(3):
JPEG
2025109138000037.jpg
39
72
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
及び/又は下記式(4):
JPEG
2025109138000038.jpg
39
72
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるタモキシフェン前駆体を生成する工程を含む、方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記工程(A)の反応が触媒、配位子及び塩基の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(A)のホウ素化合物が、下記式:
JPEG
2025109138000039.jpg
19
72
(式中、Meはメチル基である)
で表されるピナコールボラートである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
タモキシフェンの製造方法であって、
(B)下記式(3):
JPEG
2025109138000040.jpg
37
60
(式中、Rは2-ジメチルアミノエトキシ基を表し、Xは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す)
及び/又は下記式(4):
JPEG
2025109138000041.jpg
39
60
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるタモキシフェン前駆体と、下記式(5):
Et-Z (5)
(Etはエチル基を表し、Zはハロゲン原子を表す)
で表されるハロゲン化エチルを有機アルカリ金属存在下で反応させて、下記式(6):
JPEG
2025109138000042.jpg
43
80
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す)
で表されるZ-タモキシフェン及び/又は下記式(7):
JPEG
2025109138000043.jpg
43
80
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す)
で表されるE-タモキシフェンを生成する工程
を含む、方法。
【請求項5】
前記工程(B)の有機アルカリ金属化合物が、有機リチウム化合物である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記タモキシフェン前駆体が請求項1に記載の方法により得られる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ジハロゲン化ジフェニルエチレンが、
(C)下記式(8):
JPEG
2025109138000044.jpg
20
68
(式中、Xは前記のとおりである)
で表されるテトラハロゲン化エチレンと、下記式(9):
JPEG
2025109138000045.jpg
15
51
(式中、Yは前記のとおりである)
で表されるホウ素化合物とを反応させる工程
によって得られる、請求項6に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タモキシフェン前駆体及びタモキシフェンの製造方法に関し、より詳細には、Z-タモキシフェンおよびE-タモキシフェンの立体選択的製造方法を可能にしたタモキシフェンの合成ルートに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
トリアリールエチレン誘導体であるZ-タモキシフェンは、乳がんの第一選択薬として、広く使用されている。また、Z-タモキシフェンおよびその関連化合物は、アトピー性皮膚炎等のアレルギー治療、骨粗しょう症治療薬としての利用や、ゲノム編集や遺伝子組換えの誘導剤としても利用されている。
【0003】
Z-タモキシフェンは、これまでに様々な経路で製造がなされている。Grignard試薬を用いる方法(特許文献1、特許文献2)、α,β-不飽和エステルを用いる方法(非特許文献1)、ベンズアルデヒドとシンナミルトリメチルシランを用いる方法(特許文献3)、フェニルプロピルケトンを用いる方法(非特許文献2)フェニルアセチレンを用いる方法(特許文献第4)、1-フェニル-1-ブテンを用いる方法(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)、ジフェニルアセチレンを用いる方法(非特許文献6、非特許文献7)、プロパギルアルコールを用いる方法(非特許文献8)などが提案されているが、これらの製造方法の多くは使用する化学品が複雑な構造で高価である場合や、重金属、酸およびアルカリといった反応剤を利用する工程を含み、産廃物の処理や、コストが高くなるといった課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
英国特許第1013907号
英国特許第1064629号
日本国特許第4066238号
日本国特許第4940429号
【非特許文献】
【0005】
Chem.Rec.2020,20,1410-1429
Angew.Chem.Int.Ed.2015,54,10587-10591
Chem.Eur.J.2012,18,14841-18144
J.Am.Chem.Soc.2015,137,3189-3192
Angew.Chem.Int.Ed.2014,53,3475-3479
J.Org.Chem.2006,71,9552-9555
Organic&Biomolecular Chemistry,2019,17,2315-2322
Org.Lett.2003,5,2989-2992(Z-タモキシフェン)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記に示す従来の課題を解決し、出発原料として安価で入手可能な化学品を用いることで、Z-タモキシフェンの製造に応用可能な新しい製造技術を提供することである。また、本発明の目的は、もう一方の異性体であるE-タモキシフェンの立体選択的製造技術も併せて確立することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するための手段は下記の通りである。
[1]
タモキシフェン前駆体の製造方法であって、
(A)下記式(1):
JPEG
2025109138000001.jpg
16
76
(式中、Xは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す)
で表されるジハロゲン化ジフェニルエチレンを、下記式(2):
JPEG
2025109138000002.jpg
13
76
(式中、Rは2-ジメチルアミノエトキシ基を表し、Yはボロン酸エステルまたはボロン酸を構成するボロニル基を表す)
で表されるホウ素化合物と反応させて、下記式(3):
JPEG
2025109138000003.jpg
37
76
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
及び/又は下記式(4):
JPEG
2025109138000004.jpg
37
76
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるタモキシフェン前駆体を生成する工程を含む、方法。
[2]
前記工程(A)の反応が触媒、配位子及び塩基の存在下で行われる、[1]に記載の方法。
[3]
前記工程(A)のホウ素化合物が、下記式:
JPEG
2025109138000005.jpg
20
76
(式中、Meはメチル基である)
で表されるピナコールボラートである、[1]に記載の方法。
[4]
タモキシフェンの製造方法であって、
(B)下記式(3):
JPEG
2025109138000006.jpg
36
61
(式中、Rは2-ジメチルアミノエトキシ基を表し、Xは、同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す)
及び/又は下記式(4):
JPEG
2025109138000007.jpg
38
61
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるタモキシフェン前駆体と、下記式(5):
Et-Z (5)
(Etはエチル基を表し、Zはハロゲン原子を表す)
で表されるハロゲン化エチルを有機アルカリ金属存在下で反応させて、下記式(6):
JPEG
2025109138000008.jpg
43
81
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す)
で表されるZ-タモキシフェン及び/又は下記式(7):
JPEG
2025109138000009.jpg
43
81
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す)
で表されるE-タモキシフェンを生成する工程
を含む、方法。
[5]
前記工程(B)の有機アルカリ金属化合物が、有機リチウム化合物である、[4]に記載の方法。
[6]
前記タモキシフェン前駆体が[1]に記載の方法により得られる、[4]に記載の方法。
[7]
前記ジハロゲン化ジフェニルエチレンが、
(C)下記式(8):
JPEG
2025109138000010.jpg
20
65
(式中、Xは前記のとおりである)
で表されるテトラハロゲン化エチレンと、下記式(9):
JPEG
2025109138000011.jpg
13
47
(式中、Yは前記のとおりである)
で表されるホウ素化合物とを反応させる工程
によって得られる、[6]に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既存製造法のように複雑な構造で高価な化学品を使用することなく、安価で入手可能な化学品を用いることで製造コストを抑えることができる。また、高価な化学品を使用する場合でも少量の使用で済むので、製造コストを抑えることができる。また、導入する官能基の種類を制御することにより、同じ製造ルートを用いることで、互いに類似した構造を持つZ-タモキシフェンおよびE-タモキシフェンを立体選択的に製造可能であることが本製法の最大の特徴であり、クロミフェンなど、タモキシフェンと類似構造を持つ医薬品原体への応用が極めて高い製造手法といえる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[作用]
本発明の特徴は、以下に詳しく説明するように、前記式(3)及び/又は(4)で表されるタモシキフェン前駆体を経由する反応経路を開発した点にある。これによりホウ素化合物などの安価で入手可能な化学品を用いることによりタモキシフェンを立体選択的に製造することに成功した。また、本発明の反応経路では出発原料を安価なテトラハロゲン化エチレン、特にテトラクロロエチレンとすることができるので、製造コスト削減に寄与できるなど経済的利点がある。
【0010】
はじめに、出発原料として下記式(8):
JPEG
2025109138000012.jpg
18
47
で表されるテトラハロゲン化エチレン(式中、Xは、同一でも異なってもよく、ハロゲン原子であり、特に、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。)、特に、テトラクロロエチレンを出発原料に用い、下記式(6):
JPEG
2025109138000013.jpg
45
76
で表されるZ-タモキシフェン及び/又は下記式(7):
JPEG
2025109138000014.jpg
42
77
で表されるE-タモキシフェンを製造できるという利点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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