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公開番号
2025113722
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024008016
出願日
2024-01-23
発明の名称
無電解鉄-ニッケルめっき液、被めっき材の製造方法、および異方導電性シート
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
C23C
18/34 20060101AFI20250728BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】安定して鉄の共析率が高い鉄-ニッケル合金皮膜を形成可能な無電解鉄-ニッケルめっき液を提供する。
【解決手段】上記無電解鉄-ニッケルめっき液は、鉄イオン源と、ニッケルイオン源と、還元剤と、錯化剤と、を含む。前記錯化剤は、1つのカルボキシ基および2つ以上のヒドロキシ基を有し、かつ炭素数が2以上であるモノカルボン酸またはその塩を含むモノカルボン酸系錯化剤と、2つ以上のカルボキシ基および1つ以上のヒドロキシ基を有し、かつ炭素数が2以上である多価カルボン酸またはその塩を含む多価カルボン酸系錯化剤と、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄イオン源と、ニッケルイオン源と、還元剤と、錯化剤と、を含む無電解鉄-ニッケルめっき液であり、
前記錯化剤が、
1つのカルボキシ基および2つ以上のヒドロキシ基を有し、かつ炭素数が2以上であるモノカルボン酸またはその塩を含むモノカルボン酸系錯化剤と、
2つ以上のカルボキシ基および1つ以上のヒドロキシ基を有し、かつ炭素数が2以上である多価カルボン酸またはその塩を含む多価カルボン酸系錯化剤と、
を含む、
無電解鉄-ニッケルめっき液。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記無電解鉄-ニッケルめっき液中における、鉄元素の含有量と、ニッケル元素の含有量とのモル比が、2:3~1:1である、
請求項1に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項3】
前記モノカルボン酸系錯化剤および前記多価カルボン酸系錯化剤のうち、少なくとも一方が、ナトリウム塩またはカリウム塩である、
請求項1に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項4】
前記無電解鉄-ニッケルめっき液中における、鉄元素の含有量およびニッケル元素の含有量の合計に対する、前記モノカルボン酸系錯化剤の含有量および前記多価カルボン酸系錯化剤の含有量の合計が、200モル%以上である、
請求項1に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項5】
前記モノカルボン酸系錯化剤の含有量と、前記多価カルボン酸系錯化剤の含有量とのモル比が、4:6~8:2である、
請求項4に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項6】
前記無電解鉄-ニッケルめっき液中における、鉄元素の含有量に対する、前記モノカルボン酸系錯化剤の含有量が、200モル%以上である、
請求項1に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項7】
前記モノカルボン酸系錯化剤が、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、およびグルコン酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含み、
前記多価カルボン酸系錯化剤が、クエン酸、酒石酸、ならびにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、およびカリウムナトリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、
請求項1に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項8】
数平均分子量が1000超50000未満である変性ポリエチレンイミンをさらに含み、
前記変性ポリエチレンイミンは、
エチレンイミン構成単位と、
前記エチレンイミン構成単位の窒素原子に付加した、炭素原子が2以上12以下である、1つ以上のアルキレンオキサイド構造、および/または前記エチレンイミン構成単位の窒素原子に付加したオクタデシルイソシアネート由来の構造と、を含む、
請求項1に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【請求項9】
前記変性ポリエチレンイミンが、下記一般式(1a)で表される構造を含む、
請求項8に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
TIFF
2025113722000010.tif
26
133
(一般式(1a)において、
R
1
は炭素数が2以上12以下であるアルキレン基を表し、
R
2
は水素原子または炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、
mおよびnは、1000<100m+50n<50000を満たす)
【請求項10】
前記変性ポリエチレンイミンが、エチレンオキサイド構造および/またはプロピレンオキサイド構造を含む、
請求項8に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無電解鉄-ニッケルめっき液、被めっき材の製造方法、および異方導電性シートに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
鉄-ニッケル合金皮膜は、その組成(特に鉄の含有率)によって、膜の性能が大きく変化することが知られている。特に、鉄を50質量%以上含む鉄-ニッケル合金皮膜(いわゆるインバー合金)は、高い磁性率を有するだけでなく、ニッケル単体や鉄単体からなる膜と比較して、非常に低い熱膨張率を有することが知られている。そのため、鉄の含烏有率が高い鉄-ニッケル合金皮膜を、各種電磁波シールドや、有機ELの蒸着用メタルマスク、半導体用基板、異方導電性シート等、多種多様な用途に展開することが期待されている。
【0003】
ここで、鉄-ニッケル合金皮膜の製造方法としては、圧延、スパッタ、電解めっき、無電解めっき等が一般的である。これらの中でも、無電解めっきによれば、導電性を有さない基材の表面にも、均一な厚さの皮膜を形成できるという利点がある。例えば特許文献1には、鉄-ニッケル合金皮膜形成用の無電解めっき液が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-117751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来公知の無電解めっき液では、鉄-ニッケル合金皮膜中の鉄の含有割合を多くすることが困難であった。例えば、上記特許文献1の無電解めっき液においても、得られる鉄-ニッケル合金皮膜中の鉄の含有率は最大で35質量%である。したがって、鉄の含有率が50質量%以上である鉄-ニッケル合金皮膜を形成可能な、無電解鉄-ニッケルめっき液の提供が望まれていた。
【0006】
本発明は、無電解めっき法により、鉄の含有率が高い鉄-ニッケル合金皮膜を形成可能であり、かつ安定な無電解鉄-ニッケルめっき液、ならびに当該無電解鉄-ニッケルめっき液を用いた被めっき材の製造方法、およびこれから得られる異方導電性シートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の無電解鉄-ニッケルめっき液を提供する。
[1]鉄イオン源と、ニッケルイオン源と、還元剤と、錯化剤と、を含む無電解鉄-ニッケルめっき液であり、前記錯化剤が、1つのカルボキシ基および2つ以上のヒドロキシ基を有し、かつ炭素数が2以上であるモノカルボン酸またはその塩を含むモノカルボン酸系錯化剤と、2つ以上のカルボキシ基および1つ以上のヒドロキシ基を有し、かつ炭素数が2以上である多価カルボン酸またはその塩を含む多価カルボン酸系錯化剤と、を含む、無電解-鉄ニッケルめっき液。
[2]前記無電解鉄-ニッケルめっき液中における、鉄元素の含有量と、ニッケル元素の含有量とのモル比が、2:3~1:1である、[1]に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[3]前記モノカルボン酸系錯化剤および前記多価カルボン酸系錯化剤のうち、少なくとも一方が、ナトリウム塩またはカリウム塩である、[1]または[2]に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[4]前記無電解鉄-ニッケルめっき液中における、鉄元素の含有量およびニッケル元素の含有量の合計に対する、前記モノカルボン酸系錯化剤の含有量および前記多価カルボン酸系錯化剤の含有量の合計が、200モル%以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[5]前記モノカルボン酸系錯化剤の含有量と、前記多価カルボン酸系錯化剤の含有量とのモル比が、4:6~8:2である、[4]に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[6]前記無電解鉄-ニッケルめっき液中における、鉄元素の含有量に対する、前記モノカルボン酸系錯化剤の含有量が、200モル%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[7]前記モノカルボン酸系錯化剤が、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、およびグルコン酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含み、前記多価カルボン酸系錯化剤が、クエン酸、酒石酸、ならびにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、およびカリウムナトリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[8]数平均分子量が1000超50000未満である変性ポリエチレンイミンをさらに含み、前記変性ポリエチレンイミンは、エチレンイミン構成単位と、前記エチレンイミン構成単位の窒素原子に付加した、炭素原子が2以上12以下である、1つ以上のアルキレンオキサイド構造、および/または前記エチレンイミン構成単位の窒素原子に付加したオクタデシルイソシアネート由来の構造と、を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
[9]前記変性ポリエチレンイミンが、下記一般式(1a)で表される構造を含む、[8]に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
TIFF
2025113722000002.tif
29
129
(一般式(1a)において、R
1
は炭素数が2以上12以下であるアルキレン基を表し、R
2
は水素原子または炭素数1以上12以下のアルキル基を表し、mおよびnは、1000<100m+50n<50000を満たす)
[10]前記変性ポリエチレンイミンが、エチレンオキサイド構造および/またはプロピレンオキサイド構造を含む、[8]に記載の無電解鉄-ニッケルめっき液。
【0008】
本発明は、以下の被めっき材の製造方法を提供する。
[11]基材を準備する工程と、前記基材上に[1]~[10]のいずれかに記載の無電解鉄-ニッケルめっき液を用いて無電解めっき層を形成する工程と、を含む、被めっき材の製造方法。
【0009】
本発明は、以下の異方導電性シートを提供する。
[12]厚み方向の一方に位置する第1面、厚み方向の他方に位置する第2面、および前記第1面と前記第2面とを連通する複数の貫通孔を有する絶縁層と、少なくとも前記複数の貫通孔の内壁面に配置された複数の導電層と、を有する異方導電性シートであり、前記導電層が、鉄およびニッケルを含む無電解めっき層であり、前記無電解めっき層中の鉄の含有率が50質量%以上である、異方導電性シート。
[13]
前記絶縁層が、耐熱性樹脂を含む耐熱性樹脂部と、前記耐熱性樹脂部より弾性率が低い弾性部と、を有する複合材である、[12]に記載の異方導電性シート。
【発明の効果】
【0010】
本発明の無電解めっき液によれば、鉄の含有率が高い鉄-ニッケル合金皮膜を無電解めっき法によって形成可能である。また当該無電解めっき液は非常に安定であり、安定して均質な鉄-ニッケル合金皮膜を形成できる。さらに、本発明の被めっき材の製造方法によれば、磁性率が高く、かつ熱膨張率が低い無電解めっき層を有する被めっき材を製造することができる。また、本発明によれば、磁性率が高く、かつ熱膨張率が低い無電解めっき層を有する異方導電性シートも提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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