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公開番号2025115206
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009615
出願日2024-01-25
発明の名称重金属類不溶化材及び固化不溶化処理方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B09B 3/20 20220101AFI20250730BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】重金属類が長時間かけて溶出するような廃棄物等を固化不溶化処理の対象物とした場合であっても、固化不溶化処理後、長時間経過した際の重金属類の溶出量を基準値以下にすることができ、固化不溶化処理後の上記対象物を再生資材等として利用することができる重金属類不溶化材を提供する。
【解決手段】半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末を含み、半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末の合計量(100質量%)中、半水石膏粉末の割合が30~65質量%、高炉スラグ微粉末の割合が8~50質量%、酸性粉末の割合が2~38質量%である重金属類不溶化材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末を含み、
上記半水石膏粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記酸性粉末の合計量(100質量%)中、上記半水石膏粉末の割合が30~65質量%、上記高炉スラグ微粉末の割合が8~50質量%、上記酸性粉末の割合が2~38質量%であることを特徴とする重金属類不溶化材。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
さらに、還元性粉末を含み、かつ、上記半水石膏粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記酸性粉末の合計量100質量部に対して、上記還元性粉末の量が2~30質量部である請求項1に記載の重金属類不溶化材。
【請求項3】
さらに、アルカリ性粉末を含み、かつ、上記半水石膏粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記酸性粉末の合計量100質量部に対して、上記アルカリ性粉末の量が2~25質量部である請求項1又は2に記載の重金属類不溶化材。
【請求項4】
上記重金属類不溶化材のハンターLab色空間におけるa値が-0.5以下である請求項1又は2に記載の重金属類不溶化材。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の重金属類不溶化材と、固化不溶化処理対象物を混合して、上記固化不溶化処理対象物に含まれている重金属類を不溶化してなる固化不溶化処理物を得る固化不溶化処理方法。
【請求項6】
上記固化不溶化処理物のコーン指数が200kN/m

以上である請求項5に記載の固化不溶化処理方法。
【請求項7】
上記不溶化処理対象物に含まれている重金属類がふっ素及びその化合物である請求項5に記載の固化不溶化処理方法。
【請求項8】
上記不溶化処理対象物に含まれている重金属類が六価クロム化合物である請求項5に記載の固化不溶化処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、重金属類不溶化材及び該重金属類不溶化材を用いた固化不溶化処理方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
工場等から発生する飛灰及びスラグ等の副産物には、土壌環境基準値を超過する重金属類が含まれている場合があり、上記副産物を資源として再利用する際の問題となっている。また、工場等の跡地の土壌が重金属類で汚染されている場合があり、このような跡地を再利用する際の問題となっている。
これらの重金属類汚染の対策として、重金属類を不溶化するための不溶化材及び固化不溶化処理方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、泥土中に含まれる重金属等を固化不溶化する方法として、(A)焼石膏と(B)アルミニウム化合物と(C)カルシウム成分及び/又はマグネシウム成分を含む化合物を用いて泥土中の重金属を不溶化する方法であって、(A)焼石膏100質量部に対し、(B)アルミニウム化合物を0.8~20質量部の範囲内で用い、(C)水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、及び、酸化カルシウムの原料となる炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のカルシウム成分及び/又はマグネシウム成分0.08~15質量部の存在下、泥土中で反応させて、泥土を固化するとともに、層状複水酸物様鉱物化、モノサルフェート様鉱物化、エトリンガイト様鉱物化した構造中に、泥土中の、カドミニウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその化合物(アルキル水銀を含む)、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の重金属を取り込んで不溶化させることを特徴とする重金属の不溶化方法が記載されている。
また、特許文献2には、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム及びリン酸カリウムを含有し、カルシウムアルミネート我、CaOとAl



の含有モル比がCaO/Al



=0.5~2.9であり、添加量が、廃棄物100質量部に対して0.5~10質量部であることを特徴とする、石灰成分を含む廃棄物からのふっ素、ほう素、砒素及びセレンの溶出防止剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5315096号公報
特許第6157947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不溶化材として、比較的短時間でエトリンガイト等のカルシウム系水和物を生成させ、その構造中に重金属類を取り込むことによって、固化不溶化処理の対象物に含まれている重金属類を不溶化させるものが知られている。
一方、固化不溶化処理の対象物の種類によっては、該対象物に含まれている重金属類が、比較的長時間かけて溶出する場合がある。このような場合、固化不溶化処理後、長時間経過した際に、固化不溶化処理後の対象物(以下、「固化不溶化処理物」ともいう。)からの重金属類の溶出量が基準値を超過することがある。
また、固化不溶化処理後の対象物の色味が、固化不溶化処理前の対象物と比較して変化してしまい、固化不溶化処理後の対象物の再生資材として利用が難しくなる場合がある。
本発明の目的は、重金属類が長時間かけて溶出するような廃棄物等を固化不溶化処理の対象物とした場合であっても、固化不溶化処理後、長時間経過した際(例えば、90日以上経過した後)の固化不溶化処理物からの重金属類の溶出量を基準値以下にすることができ、固化不溶化処理物を再生資材等として利用することができる重金属類不溶化材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末を含み、半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末の合計量(100質量%)中、半水石膏粉末の割合が30~65質量%、高炉スラグ微粉末の割合が8~50質量%、酸性粉末の割合が2~38質量%である重金属類不溶化材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]を提供するものである。
[1] 半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末を含み、上記半水石膏粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記酸性粉末の合計量(100質量%)中、上記半水石膏粉末の割合が30~65質量%、上記高炉スラグ微粉末の割合が8~50質量%、上記酸性粉末の割合が2~38質量%であることを特徴とする重金属類不溶化材。
【0007】
[2] さらに、還元性粉末を含み、かつ、上記半水石膏粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記酸性粉末の合計量100質量部に対して、上記還元性粉末の量が2~30質量部である前記[1]に記載の重金属類不溶化材。
[3] さらに、アルカリ性粉末を含み、かつ、上記半水石膏粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記酸性粉末の合計量100質量部に対して、上記アルカリ性粉末の量が2~25質量部である前記[1]又は[2]に記載の重金属類不溶化材。
[4] 上記重金属類不溶化材のハンターLab色空間におけるa値が-0.5以下である前記[1]~[3]のいずれかに記載の重金属類不溶化材。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の重金属類不溶化材と、固化不溶化処理対象物を混合して、上記固化不溶化処理対象物に含まれている重金属類を不溶化してなる固化不溶化処理物を得る固化不溶化処理方法。
[6] 上記固化不溶化処理物のコーン指数が200kN/m

以上である前記[5]に記載の固化不溶化処理方法。
[7] 上記不溶化処理対象物に含まれている重金属類がふっ素及びその化合物である前記[5]又は[6]に記載の固化不溶化処理方法。
[8] 上記不溶化処理対象物に含まれている重金属類が六価クロム化合物である前記[5]又は[6]に記載の固化不溶化処理方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の重金属類不溶化材によれば、重金属類が長時間かけて溶出するような廃棄物等を固化不溶化処理の対象物とした場合であっても、固化不溶化処理後、長時間経過した際の固化不溶化処理物からの重金属類の溶出量を基準値以下にすることができ、固化不溶化処理物(固化不溶化処理後の対象物)を再生資材等として利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の重金属類不溶化材は、半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末を含み、半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末の合計量(100質量%)中、半水石膏粉末の割合が30~65質量%、高炉スラグ微粉末の割合が8~50質量%、酸性粉末の割合が2~38質量%であるものである。
半水石膏粉末、高炉スラグ微粉末、及び酸性粉末の合計量(100質量%)中、半水石膏粉末の割合は、30~65質量%、好ましくは38~60質量%、より好ましくは40~58質量%、特に好ましくは48~56質量%である。上記割合が30質量%未満であると、固化不溶化処理物からの重金属類の溶出量が大きくなる。上記割合が65質量%を超えると、固化不溶化処理後、長時間経過した際の固化不溶化処理物からの重金属類の溶出量が大きくなる。
【0010】
半水石膏のブレーン比表面積は、好ましくは1,000~5,000cm

/g、より好ましくは1,500~4,500cm

/g、特に好ましくは2,000~4,200cm

/gである。上記ブレーン比表面積が1,000cm

/g以上であれば、固化不溶化処理物からの重金属類の溶出量をより小さくすることができる。上記ブレーン比表面積が5,000cm

/g以下であれば、材料の入手に要する労力が小さくなり、コストが過大にならない。
(【0011】以降は省略されています)

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