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公開番号2025137017
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035984
出願日2024-03-08
発明の名称焼却灰の処理方法
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類B09B 3/70 20220101AFI20250911BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】鉛、フッ素、六価クロム等の有害物質を含有する焼却灰の処理方法を提供する。
【解決手段】焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、及び
(b)モノアルカノールアミン又はその塩及びジアルカノールアミン又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]
と水を混合して、焼却灰を処理する。また、焼却灰と、上記化合物(a)及び上記化合物(b)を含有する焼却灰処理用造粒物を製造し、焼却灰を処理する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、及び、
(b)モノアルカノールアミン又はその塩及びジアルカノールアミン又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]
と、水を混合する、焼却灰の処理方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
焼却灰が、ペーパースラッジ焼却灰である、請求項1に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項3】
さらに、水硬性粉体を混合する、請求項1または2に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項4】
さらに、硫酸アルミニウムを混合する、請求項1または2に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項5】
モノアルカノールアミンが、モノエタノールアミンである、請求項1または2に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項6】
ジアルカノールアミンが、ジエタノールアミン又はメチルジエタノールアミンである、1または2に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項7】
焼却灰または焼却灰を含む混合物に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、及び、
(b)モノアルカノールアミン又はその塩及びジアルカノールアミン又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]
を含有する焼却灰処理用造粒物。
【請求項8】
焼却灰が、ペーパースラッジ焼却灰である、請求項7に記載の造粒物。
【請求項9】
焼却灰を含む混合物が、水硬性粉体及び/または硫酸アルミニウムを含有する混合物である、請求項7または8に記載の焼却灰処理用造粒物。
【請求項10】
焼却灰または焼却灰を含む混合物に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物、及び、
(b)モノアルカノールアミン又はその塩及びジアルカノールアミン又はその塩から選ばれる1種以上の化合物
を含む水溶液を滴下、または噴霧する工程を含む、焼却灰処理用造粒物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛、フッ素、六価クロム等の有害物質を含有する焼却灰の処理方法に関する。ならびにこのような有害物質の溶出が抑制され、路盤材や地盤材等の土木建築用資材として好適に再利用される造粒物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境保全の観点から、産業廃棄物の削減が強く求められている。産業廃棄物の削減は、発電や廃棄物焼却等を行っている全ての企業及び自治体に対する要請であり、紙・パルプ業界もその例外ではない。
【0003】
このような状況の中、焼却灰の取り扱いが大きな社会問題となっている。現在、焼却灰は、その一部が、セメント原料や製鉄用酸化防止剤、混和剤などの再生材料として有効利用されているが、残りは産業廃棄物として埋め立てられることが多い。再利用があまり進んでいない原因として、焼却灰は土壌汚染対策法施行規則(平成十四年環境省令第二十九号)第五条第三項第四号の規定に基づき定められた土壌環境基準(環境省告示第十八号、改正環境省告示第四十八号)に挙げられている有害成分の溶出量が基準値を超過することが多いことがある。上記有害成分のうち、有機物有害成分は焼却時に分解されるため、焼却灰中にほとんど残存せず、問題とはならないが、鉛、フッ素、六価クロムをはじめとする無機物有害成分の溶出量は基準を超過することが多い。有害成分溶出量が土壌環境基準値を超過している場合、その燃焼灰は土壌に施用することができず、再利用を図る上で大きな障壁となっている。
【0004】
また、ほとんどの場合、焼却灰は細かい固体状の粉末であり、取り扱う上で粉塵としての注意も要する。排出や輸送を行う際に、粉塵飛散防止を図るため焼却灰に水分を添加することが一般に行われている。しかし、水分を添加した焼却灰を大気中に放置しておくと、添加された水分が焼却灰中のカルシウム分と反応して水酸化カルシウムが形成され、この水酸化カルシウムがさらに大気中の二酸化炭素と反応することにより炭酸カルシウムとなる。その結果、焼却灰の溶出pHが低下し、六価クロムの溶出量が増大する。また、多量の水分添加により焼却灰の吸水性が低下してしまうため、焼却灰の優れた吸水性を生かした吸水性製品として再利用する際に再利用製品の性能が低下するという問題もある。
【0005】
土壌汚染対策法に規定される土壌環境基準を満足すべく、被汚染物に何らかの不溶化剤を添加して無機物有害成分溶出量の低下を図る技術は、これまでに数多く検討され、特許出願もなされている。
特許文献1には、フッ素を含有する焼却灰に、
(A)成分:水
(B)成分:酸又は酸の供給源(但し、(B)成分の酸の供給源には、アルカノールアミンの塩は含まない。)
(C)成分:アルカノールアミン又はその塩
を混合して混合物を得る工程を有する、焼却灰の処理方法が開示されている。
特許文献2には、都市ゴミ、下水汚泥等の焼却炉等から排出され、有害物質を含有するアルカリ性の飛灰を水硬性材料で固化処理する方法において、飛灰を鉱酸又はその酸性塩で処理した後、水硬性材料と固化助剤を併用して固化処理することを特徴とする飛灰の固化処理方法において、固化助剤として、高級脂肪酸金属塩及びエタノールアミン等の有機アミノ化合物を含んでなる固化処理方法が開示されている。
特許文献3には、6価クロムを含有する被処理物と、配位結合を有する化合物とを接触させて、6価クロムを還元させることを特徴とする6価クロム含有物質の処理方法において、配位結合を有する化合物としてトリエタノールアミン、o-フェナントロリンなどの窒素を含む還元性の化合物を用いる処理方法が開示されている。
特許文献4には、 焼却炉から排出される飛灰中に含まれる有害物質を処理する方法において、該飛灰にリン酸塩系重金属固定化剤及び、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルカノールアミン;ジエチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン等の低級アルキル置換アミン;アニリン等の環式アミン等のアミン化合物等のダイオキシン類分解剤と水とを添加して混練し、得られた混練物を該焼却炉に返送することを特徴とする飛灰中の有害物質の処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-000968号公報
特開平10-113634号公報
特開2004-121949号公報
特開2003-340394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、焼却灰からの鉛、六価クロム、フッ素を溶出を抑制する処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討した結果、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、及び、
(b)モノアルカノールアミン又はその塩及びジアルカノールアミン又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]
と、水を混合する、焼却灰の処理方法を用いることにより、容易かつ簡便な操作で、鉛、六価クロム、フッ素等の溶出抑制に有効であることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、
焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、及び、
(b)モノアルカノールアミン又はその塩及びジアルカノールアミン又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(b)という]
と、水を混合する、焼却灰の処理方法に関する。
また本発明は、焼却灰または焼却灰を含む混合物に、上記化合物(a)及び上記化合物(b)を含有する焼却灰処理用造粒物に関する。
また本発明は、焼却灰または焼却灰を含む混合物に、上記化合物(a)及び上記化合物(b)を含む水溶液を滴下、または噴霧する工程を含む、焼却灰処理用造粒物の製造方法に関する。
さらに本発明は、焼却灰に、上記化合物(a)及び上記化合物(b)を含有する、焼却灰処理用組成物に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、焼却灰からの鉛、六価クロム、フッ素を溶出を抑制する処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
はじめに本発明の処理方法で用いる焼却灰について説明する。
本発明の処理方法では、一般的な焼却灰を用いることができる。都市ごみ焼却工場や産業廃棄物焼却工場から発生する焼却灰あるいは飛灰、石炭火力発電所から出てくる焼却灰などが含まれる。特に、表面が多孔質であるため、脱臭剤、保水材、脱水材、調湿材、堆肥促進材等、多岐な用途があるペーパースラッジ焼却灰を用いることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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