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公開番号2025136846
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035737
出願日2024-03-08
発明の名称有価金属含有廃棄物からの金の回収方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類B09B 3/35 20220101AFI20250911BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】有価金属含有廃棄物から金を効率よく回収する方法を提供すること。
【解決手段】有価金属含有廃棄物とセメント原料とを混合して混合物を調製する第1の工程と、第1の工程で調製された混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する第2の工程と、第2の工程で分離されたミル排石と、第1の工程で調製された混合物とを粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離した後、非金属と第1の工程で調製された混合物とを粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離する処理を所定時間繰り返し行う第3の工程、第3の工程で所定時間後に排出されたミル排石を風力選別して重産物と軽産物とに分離する第4の工程と、第4の工程で分離された軽産物を回収する第5の工程を含む金の回収方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有価金属含有廃棄物と、石灰石、珪石、粘土類及び鉱さいから選択される1以上を含むセメント原料とを混合して混合物を調製する第1の工程と、
第1の工程で調製された混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する第2の工程と、
第2の工程で分離されたミル排石と、第1の工程で調製された混合物とをローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離した後、非金属と第1の工程で調製された混合物とをローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離する処理を所定時間繰り返し行う第3の工程であって、前記ミル排石の使用量が前記混合物100質量部に対して10~100質量部である第3の工程と、
第3の工程で所定時間後に排出されたミル排石を風力選別して重産物と軽産物とに分離する第4の工程と、
第4の工程で分離された軽産物を回収する第5の工程
を含む、有価金属含有廃棄物からの金の回収方法。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
第3の工程後、第4の工程前に、第3の工程で所定時間後に排出されたミル排石をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離した後、該ミル排石をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する処理を所定時間繰り返し行う循環工程を含み、当該工程において所定時間後に排出されたミル排石を第4の工程に供給する、請求項1に記載の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有価金属含有廃棄物からの金の回収方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、焼却灰、廃プラスチック、シュレッダーダスト等の廃棄物からセメント原料や有価金属を回収する技術として、例えば、金属含有廃棄物を含む原料を竪型ローラーミルで粉砕し、セメント原料を含む第1粉砕物と、第1粉砕物よりも大きいサイズを有する第2粉砕物とに分離し、第2粉砕物から渦電流選別によって第2粉砕物よりも金属含有量が低い選別原料を得、当該選別原料を前記原料の一部として竪型ローラーミルで粉砕することで、竪型ローラーミル及びその下流側の製造設備の負荷を十分に低減しつつ、金属含有量の少ないセメント原料中間体を回収できることが報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-80509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した廃棄物には、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉄、アルミニウム等の有価金属が含まれており、中でも、金は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、通信機器等の表面に金メッキ等の形態で用いられているが、少量しか産出しない極めて貴重な金属であるため、回収して再利用することが望ましい。
本発明の課題は、有価金属含有廃棄物から金を効率よく回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、先ず、(1)有価金属含有廃棄物とセメント原料を含む混合物を調製し、(2)この混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、(3)このミル排石を原料の一部として前記混合物とともにローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、このミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離し、(4)この非金属を原料の一部として前記混合物とともにローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離するという処理を所定時間繰り返し行い、所定時間後にローラーミルから排出されたミル排石について詳細に検討したところ、次の知見を得た。即ち、金は比重の高い金属類であるが、ミル排石中に比較的粒子の小さい状態で存在しているため、風力選別で重産物側に分離することが困難である。しかし、ミル排石中の大半(約60%程度)は比重の大きな鉄やステンレス鋼であり、比較的大きな粒子で存在しているため、鉄やステンレス鋼を重産物側に、金等を軽産物側に分離できる可能性がある。本来、風力選別では、被選別物の粒度を揃えてから比重差を利用して選別を行うが、高比重の金属同志であっても、粒度の違いを利用できれば、両者を選別できる可能性があると本発明者らは考えた。そして、本発明者らは、最大能力の風量条件にて風力選別をすることで、粒径の大きい鉄やステンレス鋼を重産物側に、粒径の小さい金等を軽産物側に分離できることを見出した。なお、粒度差を利用する場合、篩選別することが通常考えられるが、ミル排石自体が高比重なため、篩の目の摩耗が早くランニングコストが上昇し、またミル排石中には棒状のステンレス鋼や鉄も含まれているため、小さな篩目を通過してしまうという問題が生ずることを確認した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の〔1〕、〔2〕を提供するものである。
〔1〕 有価金属含有廃棄物と、石灰石、珪石、粘土類及び鉱さいから選択される1以上を含むセメント原料とを混合して混合物を調製する第1の工程と、
第1の工程で調製された混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する第2の工程と、
第2の工程で分離されたミル排石と、第1の工程で調製された混合物とをローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離した後、非金属と第1の工程で調製された混合物とをローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離する処理を所定時間繰り返し行う第3の工程であって、前記ミル排石の使用量が前記混合物100質量部に対して10~100質量部である第3の工程と、
第3の工程で所定時間後に排出されたミル排石を風力選別して重産物と軽産物とに分離する第4の工程と、
第4の工程で分離された軽産物を回収する第5の工程
を含む、有価金属含有廃棄物からの金の回収方法。
〔2〕 第3の工程後、第4の工程前に、第3の工程で所定時間後に排出されたミル排石をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離した後、該ミル排石をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する処理を所定時間繰り返し行う循環工程を含み、当該工程において所定時間後に排出されたミル排石を第4の工程に供給する、前記〔1〕記載の回収方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、有価金属含有廃棄物から金を効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の有価金属含有廃棄物からの金の回収方法の一実施形態に係るフローチャートである。
本発明の有価金属含有廃棄物からの金の回収方法の他の実施形態に係るフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
以下、本実施形態に係る有価金属含有廃棄物からの金の回収方法(以下、単に「回収方法」とも称する)について詳細に説明する。図1に、本実施形態に係る回収方法の好適な一実施形態のフローチャートを示す。
【0010】
本実施形態に係る回収方法は、図1に示されるように、第1の工程から第5の工程まで含むものである。以下、各工程について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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