TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025137342
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024134058
出願日2024-08-09
発明の名称焼却灰の処理方法
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類B09B 3/70 20220101AFI20250911BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】焼却灰からの鉛、六価クロム、フッ素を溶出を抑制する処理方法を提供する。
【解決手段】焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、
及び/又は
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のマレイン酸系共重合体又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩[以下、化合物(b)という]、
及び水を混合して、焼却灰を処理する。また、焼却灰と、上記化合物(a)及び/又は化合物(b)を含有する焼却灰処理用造粒物を製造し、焼却灰を処理する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、
及び/又は
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のマレイン酸系共重合体又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩[以下、化合物(b)という]、
と、水を混合する、焼却灰の処理方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物、
と、水を混合する、焼却灰の処理方法。
【請求項3】
焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のマレイン酸系共重合体又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩、
と、水を混合する、焼却灰の処理方法。
【請求項4】
焼却灰が、ペーパースラッジ焼却灰である、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項5】
さらに、水硬性粉体を混合する、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項6】
さらに、硫酸アルミニウムを混合する、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項7】
さらに、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、及びピロ亜硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(d)という]を混合する、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
【請求項8】
焼却灰又は焼却灰を含む混合物に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、
及び/又は
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のマレイン酸系共重合体又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩[以下、化合物(b)という]
を含有する焼却灰処理用造粒物。
【請求項9】
焼却灰又は焼却灰を含む混合物に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]
を含有する焼却灰処理用造粒物。
【請求項10】
焼却灰又は焼却灰を含む混合物に、
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のマレイン酸系共重合体又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩[以下、化合物(b)という]
を含有する焼却灰処理用造粒物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛、フッ素、六価クロム等の有害物質を含有する焼却灰の処理方法に関する。ならびにこのような有害物質の溶出が抑制され、路盤材や地盤材等の土木建築用資材として好適に再利用される造粒物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境保全の観点から、産業廃棄物の削減が強く求められている。産業廃棄物の削減は、発電や廃棄物焼却等を行っている全ての企業及び自治体に対する要請であり、紙・パルプ業界もその例外ではない。
【0003】
このような状況の中、焼却灰の取り扱いが大きな社会問題となっている。現在、焼却灰は、その一部が、セメント原料や製鉄用酸化防止剤、混和剤等の再生材料として有効利用されているが、残りは産業廃棄物として埋め立てられることが多い。再利用があまり進んでいない原因として、焼却灰は土壌汚染対策法施行規則(平成十四年環境省令第二十九号)第五条第三項第四号の規定に基づき定められた土壌環境基準(環境省告示第十八号、改正環境省告示第四十八号)に挙げられている有害成分の溶出量が基準値を超過することが多いことがある。上記有害成分のうち、有機物有害成分は焼却時に分解されるため、焼却灰中にほとんど残存せず、問題とはならないが、鉛、フッ素、六価クロムをはじめとする無機物有害成分の溶出量は基準を超過することが多い。有害成分溶出量が土壌環境基準値を超過している場合、その燃焼灰は土壌に施用することができず、再利用を図る上で大きな障壁となっている。
【0004】
また、ほとんどの場合、焼却灰は細かい固体状の粉末であり、取り扱う上で粉塵としての注意も要する。排出や輸送を行う際に、粉塵飛散防止を図るため焼却灰に水分を添加することが一般に行われている。しかし、水分を添加した焼却灰を大気中に放置しておくと、添加された水分が焼却灰中のカルシウム分と反応して水酸化カルシウムが形成され、この水酸化カルシウムがさらに大気中の二酸化炭素と反応することにより炭酸カルシウムとなる。その結果、焼却灰の溶出pHが低下し、六価クロムの溶出量が増大する。また、多量の水分添加により焼却灰の吸水性が低下してしまうため、焼却灰の優れた吸水性を生かした吸水性製品として再利用する際に再利用製品の性能が低下するという問題もある。
【0005】
土壌汚染対策法に規定される土壌環境基準を満足すべく、被汚染物に何らかの不溶化剤を添加して無機物有害成分溶出量の低下を図る技術は、これまでに数多く検討され、特許出願もなされている。
特許文献1には、フッ素を含有する焼却灰に、
(A)成分:水
(B)成分:酸又は酸の供給源(但し、(B)成分の酸の供給源には、アルカノールアミンの塩は含まない。)
(C)成分:アルカノールアミン又はその塩
下記(A)~(C)成分を混合して混合物を得る工程を有する、焼却灰の処理方法が開示されている。
特許文献2には、銅及び鉛を含有する煤塵に、還元剤と重金属固定化剤とを添加し、混練することを特徴とする重金属含有灰の処理方法において、還元剤として水素化合物、硫黄(III)化合物、鉄粉類、糖類、脂肪族カルボン酸若しくはその誘導体、アルデヒド類、ケイ素系高分子化合物、ヒドラジン若しくはその誘導体、タンニン若しくはその誘導体、モルホリン若しくはその誘導体、ヒンダードフェノール類、没食子若しくはその誘導体及びロジン類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を用い、また、 重金属固定化剤が、窒素-硫黄系キレート化剤である処理方法が開示されている。
特許文献3には、水砕スラグ、二水石膏を主成分とし、これに、消石灰又はセメントから成るアルカリ刺激剤より成る固化主剤と、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、燐酸カルシウム、酸化バリウム、二酸化マンガンから選ばれた5種類以上と、クエン酸、酒石酸、マレイン酸から選ばれた1種類以上から成る固化助剤を配合した土質固化剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-000968号公報
特開2006-095409号公報
特開2005-272510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、焼却灰からの鉛、六価クロム、フッ素を溶出を抑制する処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討した結果、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、
及び/又は
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のアクリル酸/マレイン酸コポリマー又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩[以下、化合物(b)という]
と、水を混合する焼却灰の処理方法により、容易かつ簡便な操作で、鉛、六価クロム、フッ素等の溶出抑制に有効であることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、
焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、
(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[化合物(a)という]、
及び/又は
(b)重量平均分子量が3,000以上100,000以下のマレイン酸系共重合体又はその塩から選ばれる1種以上の共重合体又はその塩[以下、化合物(b)という]
と、水を混合する、焼却灰の処理方法に関する。
また、本発明は、焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、上記化合物(a)と、水を混合する、焼却灰の処理方法に関する。
また、本発明は、焼却灰の処理方法であって、焼却灰に、上記化合物(b)と、水を混合する、焼却灰の処理方法に関する。
また、本発明は、焼却灰に、上記化合物(a)及び/又は上記化合物(b)を含有する焼却灰処理用造粒物に関する。
また、本発明は、焼却灰又は焼却灰を含む混合物に、上記化合物(a)及び/又は上記化合物(b)を含む水溶液を滴下することを含む、焼却灰処理用造粒物の製造方法に関する。
また、本発明は、前記造粒物を製造する工程を含む、焼却灰の処理方法に関する。
さらに、本発明は、(a)ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩から選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(a)という]、
(e)グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる1種以上の化合物[以下、化合物(e)という]、
及び水を含有する、焼却灰処理用添加剤に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、焼却灰からの鉛、六価クロム、フッ素を溶出を抑制する処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
はじめに本発明の処理方法で用いる焼却灰について説明する。
本発明の処理方法では、一般的な焼却灰を用いることができる。都市ごみ焼却工場や産業廃棄物焼却工場から発生する焼却灰あるいは飛灰、石炭火力発電所から出てくる焼却灰等が含まれる。特に、表面が多孔質であるため、脱臭剤、保水材、脱水材、調湿材、堆肥促進材等、多岐な用途があるペーパースラッジ焼却灰を用いることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

花王株式会社
容器
2か月前
花王株式会社
容器
3か月前
花王株式会社
飲料
2か月前
花王株式会社
容器
3か月前
花王株式会社
組立体
9日前
花王株式会社
放散装置
18日前
花王株式会社
注出部材
2か月前
花王株式会社
消臭方法
2か月前
花王株式会社
固形食品
11日前
花王株式会社
製造装置
3か月前
花王株式会社
注出部材
2か月前
花王株式会社
皮膚外用剤
2か月前
花王株式会社
樹脂組成物
2か月前
花王株式会社
吸収性物品
1か月前
花王株式会社
吸収性物品
1か月前
花王株式会社
吸収性物品
1か月前
花王株式会社
皮膚化粧料
2か月前
花王株式会社
固形入浴剤
1か月前
花王株式会社
容器組立体
1か月前
花王株式会社
パウチ容器
1か月前
花王株式会社
吸収性物品
11日前
花王株式会社
空洞充填材
3か月前
花王株式会社
吸収性物品
2か月前
花王株式会社
カプセル剤
2か月前
花王株式会社
化粧料容器
1か月前
花王株式会社
アイマスク
2か月前
花王株式会社
酵素センサー
1か月前
花王株式会社
吸収性パッド
18日前
花王株式会社
洗浄剤組成物
3か月前
花王株式会社
パッドカバー
2か月前
花王株式会社
皮膚洗浄方法
3か月前
花王株式会社
鋳型用組成物
1か月前
花王株式会社
水解性シート
2か月前
花王株式会社
消臭剤組成物
2か月前
花王株式会社
発泡剤組成物
3か月前
花王株式会社
吸収性パッド
25日前
続きを見る