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公開番号2025152218
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024054009
出願日2024-03-28
発明の名称ベールの製造方法
出願人王子ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類B09B 3/32 20220101AFI20251002BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】成形されたベールの形状保持性に優れ、さらに該ベールに含まれる古紙片の離解性にも優れる、ベールの製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも樹脂層および紙基材層を有する古紙片を、圧縮成形してベールを得る成形工程を有し、前記古紙片の坪量が、100g/m2以上であり、前記古紙片の24時間の吸水度が、15%以上85%以下である、ベールの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも樹脂層および紙基材層を有する古紙片を、圧縮成形してベールを得る成形工程を有し、
前記古紙片の坪量が、100g/m

以上であり、
前記古紙片の24時間の吸水度が、15%以上85%以下である、
ベールの製造方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記古紙片の折曲強度が、20gf以上350gf以下である、請求項1に記載のベールの製造方法。
【請求項3】
前記古紙片の面積の中央値が、20cm

以上200cm

以下である、請求項1または2に記載のベールの製造方法。
【請求項4】
ベールの密度が、0.3t/m

以上1.0t/m

以下である、請求項1または2に記載のベールの製造方法。
【請求項5】
前記古紙片における、紙基材層中のサイズ剤の含有量が、0.2質量%以上2.1質量%以下である、請求項1または2に記載のベールの製造方法。
【請求項6】
前記古紙片が、さらに金属層を有する、請求項1または2に記載のベールの製造方法。
【請求項7】
ベール成形圧力が、500kN/m

以上2500kN/m

以下である、請求項1または2に記載のベールの製造方法。
【請求項8】
ベール成形前に、古紙を破砕する破砕工程を有する、請求項1または2に記載のベールの製造方法。
【請求項9】
ベール成形前に、古紙または古紙片を洗浄する洗浄工程を有する、請求項1または2に記載のベールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベールの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物の削減や環境問題に対する関心の高まりから、世界的に脱プラスチックへの取り組みが加速している。そのため、さまざまな製品において、プラスチックの使用量を低減するために、プラスチックのみであった原料を、紙とプラスチックとを組み合わせた紙原料に変更する取り組みがされている。
従来、樹脂層がラミネートされた古紙は禁忌品として古紙利用されていなかったが、廃棄物の削減や環境問題に対する関心の高まりから、ラミネートされた古紙の利用が求められるようになっている。
一般に、古紙は、リサイクルするために、一時的にベールの状態にして保管がされる。
【0003】
特許文献1には、古紙、廃カートンなどといった廃物である圧縮可能な被圧縮物からベールを形成するための装置として、実質的に直方体状の形状を有すると共に、少なくとも1つの圧縮室と前記圧縮室内部を駆動手段によってプレス方向に往復動可能なプレス板とを有するプレスハウジングを備えた装置が開示されている。
また、特許文献2には、紙、段ボールなどを圧縮するベール・プレスとして、チャンバー内で往復動するピストン機構により圧縮してベール化する材料を受け入れるロード・チャンバーと、ロード・チャンバーの出口部分に形成され、圧縮された材料を摩擦力によって保持し、保持された材料に新たな材料をピストン機構によって押し付けるチョーク・チャンバーとを有する形式のベール・プレスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2010-521312号公報
国際公開第1998/33643号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、特許文献1および2に開示されているようなベールを成形する装置によって、古紙がベールに形成され、その後リサイクルに供されることとなる。しかしながら、紙基材層の他に、さらに樹脂層などを有するような古紙は、ベール形状を維持できず崩れてしまう場合があった。また、成形されたベールの状態によっては、離解性が不十分となり、リサイクル性が低下する場合があった。
本発明の目的は、成形されたベールの形状保持性に優れ、さらに該ベールに含まれる古紙の離解性にも優れる、ベールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、少なくとも樹脂層および紙基材層を有する古紙片を、圧縮成形してベールを得る成形工程を有するベールの製造方法において、古紙片の坪量が特定の値以上であり、かつ、吸水度が一定の範囲であることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、以下の[1]~[9]に関する。
[1] 少なくとも樹脂層および紙基材層を有する古紙片を、圧縮成形してベールを得る成形工程を有し、前記古紙片の坪量が、100g/m

以上であり、前記古紙片の24時間の吸水度が、15%以上85%以下である、ベールの製造方法。
[2] 前記古紙片の折曲強度が、20gf以上350gf以下である、[1]に記載のベールの製造方法。
[3] 前記古紙片の面積の中央値が、20cm

以上200cm

以下である、[1]または[2]に記載のベールの製造方法。
[4] ベールの密度が、0.3t/m

以上1.0t/m

以下である、[1]~[3]のいずれか1つに記載のベールの製造方法。
[5] 前記古紙片における、紙基材層中のサイズ剤の含有量が、0.2質量%以上2.1質量%以下である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のベールの製造方法。
[6] 前記古紙片が、さらに金属層を有する、[1]~[5]のいずれか1つに記載のベールの製造方法。
[7] ベール成形圧力が、500kN/m

以上2500kN/m

以下である、[1]~[6]のいずれか1つに記載のベールの製造方法。
[8] ベール成形前に、古紙を破砕する破砕工程を有する、[1]~[7]のいずれか1つに記載のベールの製造方法。
[9] ベール成形前に、古紙または古紙片を洗浄する洗浄工程を有する、[1]~[8]のいずれか1つに記載のベールの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成形されたベールの形状保持性に優れ、さらに該ベールに含まれる古紙片の離解性にも優れる、ベールの製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[ベールの製造方法]
本実施形態のベールの製造方法は、少なくとも樹脂層および紙基材層を有する古紙片(以下、単に「古紙片」ともいう)を、圧縮成形してベールを得る成形工程を有し、前記古紙片の坪量が、100g/m

以上であり、前記古紙片の24時間の吸水度が、15%以上85%以下である。
本実実施形態のベールの製造方法によれば、成形されたベールの形状保持性に優れ、さらに該ベールに含まれる古紙片の離解性にも優れる。この理由について定かではないが、以下のように考えられる。
一般的に、樹脂層を含む古紙片は、離解処理を行う際に、該樹脂層により水の浸透が妨げられるため、離解性が低下する傾向があった。また、樹脂層を含む古紙片や坪量が100g/m

以上である古紙片は、圧縮した場合でも、元の広がった状態に戻る力が大きいため、該古紙片を含むベールは、形状の維持が困難である傾向があった。
これに対し、本実施形態のベールの製造方法は、古紙片の24時間の吸水度が15%以上であることで、得られるベールをリサイクルに供する際に、古紙片へ水が十分に浸透するため、離解性が向上されると考えられる。また、古紙片の24時間の吸水度が85%以下であることで、古紙片を洗浄した場合や、得られるベールが保管中に雨にさらされた場合など、ベールが水分を含むような状態になった際に、該水分の影響でベールの形状が崩れることが抑制され、得られるベールの形状保持性が向上されると考えられる。
【0009】
古紙片の坪量は、得られるベールの形状保持性向上および離解性向上の観点から、100g/m

以上であり、好ましくは120g/m

以上600g/m

以下、より好ましくは140g/m

以上500g/m

以下、さらに好ましくは160g/m

以上400g/m

以下、よりさらに好ましくは180g/m

以上300g/m

以下である。
古紙片の坪量は、実施例に記載の方法により測定される。
【0010】
古紙片の24時間の吸水度は、得られるベールの形状保持性向上および離解性向上の観点から、15%以上85%以下であり、好ましくは30%以上75%以下、より好ましくは45%以上65%以下である。
古紙片の吸水度は、例えば古紙片の紙基材層中のサイズ剤の含有量等によって調整される。なお、古紙片の24時間の吸水度は、古紙片を水に24時間浸漬させた際の、古紙片の質量の増加量の割合から求められ、具体的には実施例に記載の方法により求められる。
(【0011】以降は省略されています)

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