発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、電極の活性評価方法に関する。 続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】 【0002】 近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池に関する研究開発が行われている。二次電池は、従来の化石燃料に代わるエネルギー源としての期待が大きく、特に車載向け電池の開発が近年益々熱を帯びている。車載電池に要求される特性には様々なものがあるが、中でも性能やコストに直結する電池内部各部材の抵抗低減は重要であり様々な材料開発が進められている。またこれら材料開発と並行し、各部材で電池を構成した際の電池性能の評価方法も検討されている。例えば、燃料電池用の電極の活性表面積を、電気化学的手法を用いて評価する方法が検討されている(特許文献1、2)。リチウムイオン二次電池の正極用のニッケルリッチのリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)の粒子亀裂の指標として、電気化学インピーダンス法による電気化学容量をモニタリングする方法が検討されている(非特許文献1)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 特開2011-228131号公報 特開2004-220786号公報 【非特許文献】 【0004】 Stefan Oswald, Daniel Pritzl, Morten Wetjen, Hubert A. Gasteiger、「Novel Method for Monitoring the Electrochemical Capacitance by In Situ Impedance Spectroscopy as Indicator for Particle Cracking of Nickel-Rich NCMs: Part I. Theory and Validation」、Journal of The Electrochemical Society、 167、 100511 (2020) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 二次電池では、出力特性などの電気特性の向上が課題の一つである。二次電池の電気特性の向上のため、電極の活性を評価できる方法の開発が望まれている。しかしながら、リチウムイオン二次電池で用いられる電極は、電極活物質、バインダ、導電助剤を含む混合物である。さらに非水溶媒電池の場合は、電極は液体電解質を含侵させた状態で電池に組み込まれる。また、全固体電池の場合には、電極に固体電解質が添加されることがある。このように、電極内の活物質と電解質との接触界面は、電極全面に渡り複雑かつ空間的な広がりを持っている。このため、電極内の活物質と電解質との界面を抽出することは容易ではなく、電極の活性を評価することは難しい。 【0006】 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン電池用活物質などの電荷移動媒体を吸蔵放出する活物質を含む電極の活性を精度よく評価することができる方法を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギー効率の改善に寄与するものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者は、評価対象の電極に用いられている活物質の単体からなる活物質膜の比静電容量及び比表面積を測定し、この活物質膜のデータと、評価対象電極の比静電容量とを用いることによって、評価対象電極の活性を精度よく評価することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、次の方法を提供する。 【0008】 (1)活物質を含む電極の活性を評価する方法であって、前記活物質単体からなる活物質膜の比静電容量及び比表面積と、前記電極の比静電容量とに基づいて前記電極の活性を評価する、電極の活性評価方法。 【0009】 (1)の電極の活性評価方法によれば、活物質単体からなる活物質膜の比静電容量及び比表面積と、前記電極の比静電容量とに基づいて電極の活性を評価するので、評価対象電極の活性を精度よく評価することができる。 【0010】 (2)前記電極の活性の評価を、下記の式(I)より算出された電極活性比表面積(m 2 /g)により行う、(1)に記載の電極の活性評価方法。 電極活性比表面積(m 2 /g)=a×x+b ・・・(I) 式(I)において、aは、前記活物質膜の比静電容量と比表面積の検量線の傾きであり、bは、前記電極の表面ラフネスRaをゼロとしたときの前記電極の比表面積であり、xは、前記電極の比静電容量である。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する