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公開番号2025118870
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025081436,2022523983
出願日2025-05-14,2020-10-22
発明の名称キメラポリペプチド及びその使用
出願人ジェネトン,ユニヴェルシテ・デヴリ・ヴァル・デソンヌ,アンスティチュート、ナシオナル、ドゥ、ラ、サンテ、エ、ドゥ、ラ、ルシェルシュ、メディカル,INSTITUT NATIONAL DELA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE,ソルボンヌ・ユニヴェルシテ,SORBONNE UNIVERSITE
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/62 20060101AFI20250805BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明が解決しようとする課題は、血漿コンパートメントにおける安定性が向上した、又はその治療活性を発揮することが意図される標的組織による取り込みが促進された治療用ポリペプチドを提供することである。
【解決手段】本発明は、1つ又は複数の異種部分に融合された目的のペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、異種部分のうちの少なくとも1つが、ソーティリン受容体のリガンドである、核酸分子に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1つ又は複数の異種部分に融合された目的のペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、前記異種部分のうちの少なくとも1つが、
- 配列番号14のヌクレオチド配列によって、若しくは配列番号14のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる、スパジンペプチド、
- 配列番号15のヌクレオチド配列によって、若しくは配列番号15のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる、ニューロテンシンペプチド、又は
- 配列番号16のヌクレオチド配列によって、若しくは配列番号16のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる、ニューロテンシンペプチドのフラグメント、
から選択されるソーティリン受容体のリガンドである、核酸分子。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記目的のペプチドが、配列番号1~3からなる群において選択されるヌクレオチド配列によって、又は配列番号1~3からなる群において選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる機能性GAAポリペプチドである、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
前記目的のペプチドが、GAAの短縮型形態に対応する機能性GAAポリペプチドであり、前記GAAの短縮型形態が、GAAと比較して、好ましくは42個の連続するアミノ酸がそのN末端において短縮されており、前記GAAの短縮型形態が、より好ましくは、配列番号10のヌクレオチド配列によって、又は配列番号10のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる、請求項1又は2に記載の核酸分子。
【請求項4】
前記異種部分が、前記目的のペプチドのN末端に融合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項5】
配列番号18~22からなる群において選択されるアミノ酸配列、好ましくは、配列番号21を有するシグナルペプチドを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項6】
プロモーターに作動可能に連結された請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸分子を含む、核酸コンストラクトであって、任意選択で、イントロンを更に含む、核酸コンストラクト。
【請求項7】
プロモーター、イントロン、請求項1から5に記載の核酸分子、及びポリアデニル化シグナルを、好ましくはこの順序で含む、請求項6に記載の核酸コンストラクト。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸分子又は核酸コンストラクトを含む、ベクター、例えば、ウイルスベクター、好ましくは、レトロウイルスベクター、例えば、レンチウイルスベクター、又はAAVベクター。
【請求項9】
一本鎖又は二本鎖自己相補性AAVベクター、好ましくは、AAV由来のキャプシド、例えば、AAV1キャプシド、AAV2キャプシド、バリアントAAV2キャプシド、AAV3キャプシド、バリアントAAV3キャプシド、AAV3Bキャプシド、バリアントAAV3Bキャプシド、AAV4キャプシド、AAV5キャプシド、AAV6キャプシド、バリアントAAV6キャプシド、AAV7キャプシド、AAV8キャプシド、AAV9キャプシド、AAV10キャプシド、例えば、AAVcy10キャプシド及びAAVrh10キャプシド、AAVrh74キャプシド、AAVdjキャプシド、AAVAnc80キャプシド、AAV-LK03キャプシド、AAV2i8キャプシド、並びにブタAAVキャプシド、例えば、AAVpo4キャプシド及びAAVpo6キャプシド、又はキメラキャプシドを有する、AAVベクターであり、
前記AAVベクターが、より好ましくは、AAV8、AAV9、AAVrh74、又はAAV2i8キャプシド、具体的には、AAV8、AAV9、又はAAVrh74キャプシド、より具体的には、AAV8キャプシドを有する、
請求項8に記載のベクター。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸分子、請求項6から7に記載の核酸コンストラクト、又は請求項8から9のいずれか一項に記載のベクターで形質転換された、単離された細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ又は複数の異種部分に融合された目的のペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、異種部分のうちの少なくとも1つが、ソーティリン受容体のリガンドである、核酸分子に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)【背景技術】
【0002】
一部の治療法は、治療用ポリペプチドの投与、又は治療用ポリペプチドを発現する遺伝子療法ベクターの投与に基づく。前記ポリペプチドは、標的組織に到達するために、血流中を循環することが意図され得る。この場合、治療用ペプチドの活性を増強させるために、その特性を向上させることが望ましい。例えば、血漿コンパートメントにおける治療用ポリペプチドの安定性を向上させること、又は治療用ポリペプチドがその治療活性を発揮することが意図される標的組織による循環ポリペプチドの取り込みを促進することが、有益であり得る。
【0003】
そのような循環ポリペプチドには、リソソーム酵素である酸性アルファ-グルコシダーゼ(GAA)ポリペプチドが含まれる。具体的には、ポンペ病の状況において、治療目的で投与されるGAAポリペプチドの活性を向上させることが、望ましい。グリコーゲン貯蔵疾患(GSD)II型及び酸性マルターゼ欠損症としても公知のポンペ病は、リソソーム酵素酸性アルファ-グルコシダーゼの欠損によって引き起こされる、常染色体劣性代謝性筋疾患である。GAAは、リソソームにおいてグリコーゲンをグルコースに加水分解するエキソ-1,4及び1,6-α-グルコシダーゼである。GAAの欠損は、リソソームにおけるグリコーゲン蓄積をもたらし、呼吸器、心臓、及び骨格筋への進行性損傷を引き起こす。この疾患は、通常1~2歳までに致命的となる急速に進行する乳児型の経過から、小児及び成人において重大な病状及び早期死亡を引き起こすより緩徐に進行する異種型の経過に及ぶ。Hirschhorn RR、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease、3: 3389-3420 (2001、McGraw-Hill); Van der Ploeg及びReuser、Lancet 372: 1342-1351 (2008)。
【0004】
ポンペ病を処置するための現在のヒト治療法は、別名酵素補充療法(ERT)と称される、組換えヒトGAAの投与を含む。ERTは、重症乳児型GSD IIに対する有効性が実証されている。しかしながら、酵素療法の利点は、末梢静脈送達後のタンパク質の生体分布不良、いくつかの組織による取り込みの欠如、及び頻繁な注入の必要性によって、制限される。
【0005】
ERTの代替法又は補助として、GSD-IIを処置するための遺伝子療法アプローチの実現可能性が、調査されている(Amalfitano, A.ら、(1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:8861-8866、Ding, E.ら、(2002) Mol. Ther. 5:436-446、Fraites, T. J.ら、(2002) Mol. Ther. 5:571-578、Tsujino, S.ら、(1998) Hum. Gene Ther. 9:1609-1616)。
【0006】
改変されたGAAタンパク質もまた、リソソーム貯蔵疾患の処置を改善するために、過去に提案されている。具体的には、国際公開第2004064750号の出願及びSun et al. 2006は、タンパク質の分泌経路への標的化を増強させるための手段として、GAAに作動可能に連結されたシグナルペプチドを含むキメラGAAポリペプチドを開示している。国際公開第2018/046772号、同第2018/046775号、及び同第WO2018/046774号の特許出願では、ポンペ病の現在の遺伝子置き換え療法を改善するためのGAAバリアントが提供されている。前記特許出願では、野生型対応物よりも分泌性が高く、免疫原性が低いことが示されたGAAバリアントが開示されている。
【0007】
GAAの更なる改善が、本明細書において記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2004064750号
国際公開第2018/046772号
国際公開第2018/046775号
国際公開第2018/046774号
国際特許出願第PCT/EP2019/053061号
欧州特許第EP19 305455.8号
国際公開第2015/162302号
国際公開第2015013313号
国際公開第2015196179号
国際公開第2005/118792号
【非特許文献】
【0009】
Hirschhorn RR、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease、3: 3389-3420 (2001、McGraw-Hill)
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、1つ又は複数の異種部分に融合された目的のペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする核酸分子であって、異種部分のうちの少なくとも1つが、ソーティリン受容体のリガンドである、核酸分子に関する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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