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公開番号2025118905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025082414,2023556705
出願日2025-05-16,2022-10-31
発明の名称ペリクルフレーム及びペリクル
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人
主分類G03F 1/64 20120101AFI20250805BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】フレームを作成する加工時のフレームに残存するゴミ、異物の排出、生成を防止すると共に、移動時、保管時、使用時などで新たに生じるゴミ、異物の発生も抑制可能であり、また、仮にゴミ、異物がフレームに付着した場合でも、容易に洗い落とすことなどが可能なペリクルフレーム、及びそれを用いたペリクルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、Ti又はTi合金からなるフレーム母材と、前記フレーム母材の表面に積層された金属層とを有するペリクルフレームであって、前記金属層が1又は複数の層を含み、前記ペリクルフレームの表面が、前記金属層の最表面層を有し、前記最表面層の表面をJIS B0601に準拠してレーザー顕微鏡を用いて1200倍の倍率で測定したとき、少なくとも内側面に算術平均表面粗さRaが、0.10μm以下の領域を有するペリクルフレーム、及び該ペリクルフレームを有するペリクルを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Ti又はTi合金からなるフレーム母材と、
前記フレーム母材の表面に積層された金属層とを有するペリクルフレームであって、
前記金属層が1又は複数の層を含み、
前記ペリクルフレームの表面が、前記金属層の最表面層を有し、
前記最表面層の表面をJIS B0601に準拠してレーザー顕微鏡を用いて1200倍の倍率で測定したとき、少なくとも内側面に算術平均表面粗さRaが、0.10μm以下の領域を有し、
前記最表面層の表面の反射率が、波長550nmで測定したとき、20.0%以上であるペリクルフレーム。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記最表面層の厚みが、0.10μm以上である請求項1に記載のペリクルフレーム。
【請求項3】
前記最表面層の厚みが、0.10μm以上50μm以下である請求項2に記載のペリクルフレーム。
【請求項4】
前記最表面層が、ビッカース硬度で160以上である請求項1~3のいずれか1項に記載のペリクルフレーム。
【請求項5】
前記最表面層を構成する主成分が、Ni及びCrのうち少なくとも1種である請求項1~4のいずれか1項に記載のペリクルフレーム。
【請求項6】
前記最表面層を構成する主成分が、Niである請求項5に記載のペリクルフレーム。
【請求項7】
前記最表面層を構成する主成分が、Crである請求項5に記載のペリクルフレーム。
【請求項8】
前記フレーム母材の表面をJIS B0601に準拠してレーザー顕微鏡を用いて1200倍の倍率で測定したとき、少なくとも内側面に算術平均表面粗さRaが0.30μm以下の領域を有する請求項1~7のいずれか1項に記載のペリクルフレーム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のペリクルフレームを有するペリクル。
【請求項10】
前記ペリクルが、EUV用ペリクルである請求項9に記載のペリクル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体や液晶などの製造に用いられるリソグラフィ用フォトマスクのゴミ除けとして装着されるペリクルフレーム及びペリクルに関し、特にはEUV用ペリクルフレーム及びペリクルに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、LSIのデザインルールはサブミクロンからサブクオーターミクロンへと微細化が進んでおり、それと共にリソグラフィの短波長化が進展している。すなわち、露光光源は水銀ランプのg線(436nm)、i線(365nm)から、KrF(248nm)、ArF(193nm)のエキシマレーザー、更にはEUV(Extreme Ultra Violet;13.5nm)に移って来て、現在、最先端デバイスでは一部実用化も始まっている。
【0003】
上記の半導体、例えば、LSI、超LSI等の半導体の製造は、一般的には半導体ウエハーにレジストを塗布後、所望の回路パターンが描画されているリソグラフィ用フォトマスク共々、露光機に設置し、フォトマスクに光を照射し、回路パターンを半導体ウエハーに転写して行う。通常、これらの操作はゴミを極力低減したクリーンルーム内で行われるが、それでもマスク作成後の移動や設置等で人体や機器、あるいは環境由来のゴミがマスク上に付着することが多い。これらのゴミは回路パターンと共に転写されるため、異常な回路が発生し、得られた半導体は不良品となり、製造歩留まりの低下をもたらす。
【0004】
そこで、この防止策として、非特許文献1の如く、マスク作成後、直ちにゴミ除けのペリクルをマスク上に貼り付けることが一般的に行われている。これはペリクルを一括、マスクに貼り付けると仮にゴミがあって飛来しても、ペリクルにより遮られ、マスクの回路パターン上にゴミは到達できず、ペリクル膜に載ってもそこはマスク面から距離があるため、露光の焦点を回路パターン上に合わせることにより、ペリクル上のゴミは「焦点ボケ」で転写されないことによる。
【0005】
ペリクルは、一般的には、金属製のフレームと、その上端面に接着剤を介して張設された、露光波長に対し高透明で耐光性を有するペリクル膜と、同下端面に形成された、比較的耐光性のあるアクリルやシリコーン等の粘着剤を用いた気密用シールとからなり、更にマスクに装着後のペリクルの内外気圧差を低減するためにフレームに穿たれた通気孔とこれを塞ぐフィルターが設けられている。
【0006】
ペリクル膜は、露光波長に対し高透過率があり、高耐光性を有していることが求められ、例えば、g線(436nm)にはニトロセルロース、i線(365nm)にはプロピオン酸セルロース、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレザー(193nm)には非晶質フッ素ポリマーが用いられている。EUV(極端紫外線;13.5nm)露光には、EUV光に対し透過率性が高く、且つ、耐光性が高い材料が選ばれ、通常、有機物でなく無機物が好適とされている。中でも低価格で再現性良く均一な成膜が可能な単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、又はこれらの窒化物、酸窒化物、炭化物、あるいはモリブデンシリサイド等の金属シリサイド又はCNF等が選ばれ、これらの膜材を更に保護する目的で、SiC、SiO

、Si



、SiON、Y



、YN、Mo、Ru及びRhなどの保護膜を備えた物も提供されている。膜厚は高透過率を得るため、上記膜のサブミクロン以下が検討され、一部は既に実用に供されている。
【0007】
これらのうち、大気圧下で使われるg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレザー等、露光に透過光を用いる従来型ペリクルは、一般的に、軽さと、加工性、コスト等を重視して、比較的低硬度のAl又はAl合金(ジュラルミン)のフレームが使われている。通常、その表面の硬度アップとフレームからの反射による迷光対策に黒色アルマイト処理がなされている。この黒色アルマイト処理は、陽極酸化でアルマイト化処理を施し、発生した孔に黒色顔料や染料を入れ、封孔処理を行う。しかしながら、封孔処理は必ずしも完璧でなく、表面に多くのボイドやクレータ状の凹凸が存在する。これらの凹凸及びアルマイト処理で生じた孔などから、加工時やアルマイト処理時の残存するゴミ、異物、あるいは封入された顔料や染料の一部が何かの拍子に排出されることが多く、クリーン化上、問題となっている。そこで、一般的には長波長露光のラフなデバイスの場合には、アルマイト処理されたフレームをそのまま使うこともままあるが、短波長露光の微細なデバイスの場合は、これらのボイドやクレータから加工時の残存ゴミ、異物、あるいは黒色アルマイト処理時の顔料や染料などの排出防止を図った物が使われる(詳細は非特許文献1参照)。なお、ペリクルとしては、このフレームに前記のペリクル膜を張設し、その通気口用フィルターは、例えばPET、PTFE等の数十ミクロンから数百ミクロンのファイバー径からなる不織布などが使われている。
【0008】
一方、最近、実用化が始まった、真空又は減圧下で反射光を露光に用いるEUV(極端紫外線;13.5nm)用のペリクルでは、そのフレームは従来のAl又はAl合金(ジュラルミン)のフレームの代わりに比較的軽く、AlやAl合金よりも高強度、高硬度で、変形し難く、耐食性も有し、且つ、前記のクリーン化上問題となる、黒色アルマイト処理も必要無い、Ti又はTi合金を用いることが検討されている(特許文献1、2)。特許文献1は、線膨張係数が10×10
-6
(1/K)以下であり、且つ、密度が4.6g/cm
3
以下のTi又はTi合金からなるペリクルフレーム、特許文献2は、上端面の外側面から内側面に向かって少なくとも1個の切り欠き部が設けられており、厚み2.5mm未満のTiからなるペリクルフレームを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
「電子材料」1997年7月号 P.103
特開2019-70745号公報
特開2020-126095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
EUV露光は透過光を用いる従来の露光法と異なり、反射光を使うため、その長い反射光経路のスペース確保などの影響を受け、マスクの設置場所が極めて狭く、その結果、EUV用ペリクルも極めて限定されたスペースとなっている。このようなスペースの制限やその使用目的から、ペリクルフレームにおいても従前に比べ、より精密な加工精度とサブミクロン以下の徹底したゴミ、異物の排出防止とクリーン度管理が要求されている。
(【0011】以降は省略されています)

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