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公開番号
2025119347
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-14
出願番号
2024014200
出願日
2024-02-01
発明の名称
玉軸受
出願人
NTN株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16C
33/374 20060101AFI20250806BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】高速回転域で使用したときにスタベーションを生じにくい玉軸受を提供する。
【解決手段】保持器円環部11のポケット間部位17の軸方向厚さa(mm)が、保持器円環部11の軸方向一方側の側面19から玉5の中心Oまでの軸方向距離c(mm)に対して、a<cを満たし、玉5のピッチ円直径をdm(mm)、玉5の個数をZ(個)、玉5の直径をDa(mm)としたときに、r=(dm×π÷Z)/Daで定義される玉間周長さ比率rが2.6以上11.4以下の大きさに設定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外輪軌道面(7)が内周に形成された外輪(2)と、
内輪軌道面(9)が外周に形成された内輪(3)と、
前記外輪(2)と前記内輪(3)の間に形成される環状の軸受空間(4)に周方向に間隔をおいて組み込まれ、前記外輪軌道面(7)と前記内輪軌道面(9)とに転がり接触する複数の玉(5)と、
前記複数の玉(5)を保持する保持器(6)とを有し、
前記軸受空間(4)が、軸受外部から潤滑油を導入するように軸受外部に連通しており、
前記保持器(6)は、前記複数の玉(5)の軸方向一方側を周方向に延びる保持器円環部(11)と、前記保持器円環部(11)から軸方向他方側に延びる複数対の保持器爪部(12)とを有し、
各対の保持器爪部(12)の間に、前記各玉(5)を収容するポケット(15)が形成されている玉軸受において、
前記保持器円環部(11)の周方向に隣り合う前記ポケット(15)の間の前記保持器爪部(12)同士をつなぐ部分(17)の軸方向厚さa(mm)が、前記保持器円環部(11)の軸方向一方側の側面(19)から前記玉(5)の中心(O)までの軸方向距離c(mm)に対して、a<cを満たし、
前記玉(5)のピッチ円直径をdm(mm)、前記玉(5)の個数をZ(個)、前記玉(5)の直径をDa(mm)としたときに、r=(dm×π÷Z)/Daで定義される玉間周長さ比率rが2.6以上11.4以下の大きさに設定されていることを特徴とする玉軸受。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記保持器円環部(11)の周方向に隣り合う前記ポケット(15)の間の前記保持器爪部(12)同士をつなぐ部分(17)の軸方向厚さa(mm)が、前記保持器円環部(11)の前記ポケット(15)の底に対応する部分の軸方向厚さb(mm)に対して、a>bを満たす請求項1に記載の玉軸受。
【請求項3】
前記内輪(3)の外周に、前記内輪軌道面(9)に軸方向に隣接し、前記保持器円環部(11)の内周と径方向に対向する円筒状の内輪肩面(10)が形成され、
前記保持器円環部(11)の内周と前記内輪肩面(10)との間に、潤滑油を通過させる環状の通油隙間(13)が形成されている請求項1または2の記載の玉軸受。
【請求項4】
前記保持器円環部(11)の周方向に隣り合う前記ポケット(15)の間の前記保持器爪部(12)同士をつなぐ部分(17)の軸方向他方側の側面(18)が、軸方向に垂直な平面とされている請求項1また2に記載の玉軸受。
【請求項5】
前記ポケット(15)の内面に、前記玉(5)の中心(O)に対応する軸方向位置を径方向に延びる通油溝(16)が形成されている請求項1または2に記載の玉軸受。
【請求項6】
前記保持器円環部(11)の前記ポケット(15)の底に対応する部分の軸方向厚さb(mm)が、前記玉(5)のピッチ円直径dm(mm)の1/62以上1/26以下の大きさに設定されている請求項1または2に記載の玉軸受。
【請求項7】
前記保持器円環部(11)の周方向に隣り合う前記ポケット(15)の間の前記保持器爪部(12)同士をつなぐ部分(17)の軸方向厚さa(mm)が、前記玉(5)のピッチ円直径dm(mm)の1/70以上1/30以下の大きさに設定されている請求項1または2に記載の玉軸受。
【請求項8】
前記保持器(6)が、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれかの樹脂材に繊維強化材を添加した樹脂組成物で形成されている請求項1または2に記載の玉軸受。
【請求項9】
前記保持器(6)が、軟鋼で形成されている請求項1または2に記載の玉軸受。
【請求項10】
電気自動車の走行用の電動モータ(20)の回転軸(22)を支持する軸受またはその電動モータ(20)の回転を減速する減速機(21)の回転軸(23,28)を支持する軸受として使用される請求項1または2に記載の玉軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、玉軸受に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
電気自動車の電動モータの回転軸を支持する軸受など高速回転域で使用される軸受として、例えば、特許文献1,2の玉軸受が知られている。
【0003】
特許文献1,2の玉軸受は、外輪軌道面が内周に形成された外輪と、内輪軌道面が外周に形成された内輪と、外輪軌道面と内輪軌道面とに転がり接触する複数の玉と、その複数の玉を保持する保持器とを有する。保持器は、玉の軸方向一方側を周方向に延びる保持器円環部と、保持器円環部から軸方向他方側に延びる複数対の保持器爪部とを有する。各対の保持器爪部の間には、各玉を収容するポケットが形成されている。複数の玉は、外輪の内周と内輪の外周との間に形成される環状の軸受空間に、周方向に間隔をおいて配置されている。
【0004】
この特許文献1,2の玉軸受は、油潤滑下で使用される。すなわち、特許文献1,2の玉軸受は、外輪と内輪の間の軸受空間が、シール部材等で密封されておらず、軸受外部に開放している。そして、軸受回転中に軸受外部から供給される潤滑油を軸受空間に導入し、その潤滑油で軸受内部を潤滑しながら回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5703894号公報
特許第4626183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の玉軸受を、dmn値(玉のピッチ円直径dm(mm)×回転数n(min
-1
))が65万以上となるような高速回転域で使用すると、玉と保持器が高速回転することから、外輪と内輪の間の軸受空間の空気が周方向に高速移動し、エアカーテンが発生する。そして、このエアカーテンによって、軸受外部から供給される潤滑油が軸受空間に入り込みにくくなり、スタベーション(軸受内部の潤滑油の枯渇)が生じるおそれがある。
【0007】
ここで、工作機械の主軸などを支持する玉軸受であれば、玉軸受への潤滑油の供給量を増やすことでスタベーションを防ぐことが可能であるが、例えば、電気自動車の走行用の電動モータの回転軸を支持する玉軸受や、電動モータと減速機とが一体となったユニット(e-Axle)の回転軸を支持する玉軸受では、玉軸受への潤滑油の供給量を増やすことが難しい。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、高速回転域で使用したときにスタベーションを生じにくい玉軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の発明者は、高速回転域で玉軸受を使用したときに、特に潤滑油が不足しやすい箇所が、玉と内輪軌道面の接触部である点に着目した。すなわち、玉軸受が高速回転するとき、軸受外部から軸受空間に供給される潤滑油は、遠心力の作用で径方向外側に移動しやすく、一方、玉と内輪軌道面の接触部は、軸受空間の中で最も径方向内側に位置することから、玉と内輪軌道面の接触部は、他の部位に比べて、軸受外部から供給される潤滑油が届きにくい。そのため、高速回転域で玉軸受を使用したときに、特に潤滑油が不足しやすい箇所は、玉と内輪軌道面の接触部であり、この玉と内輪軌道面の接触部を効果的に潤滑することができれば、高速回転域でのスタベーションを効果的に防止することが可能となるという点に本願の発明者は着目した。
【0010】
この着目に基づいて、この発明では、上記の課題を解決するため、以下の構成の玉軸受を提供する。
[構成1]
外輪軌道面が内周に形成された外輪と、
内輪軌道面が外周に形成された内輪と、
前記外輪と前記内輪の間に形成される環状の軸受空間に周方向に間隔をおいて組み込まれ、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面とに転がり接触する複数の玉と、
前記複数の玉を保持する保持器とを有し、
前記軸受空間が、軸受外部から潤滑油を導入するように軸受外部に連通しており、
前記保持器は、前記複数の玉の軸方向一方側を周方向に延びる保持器円環部と、前記保持器円環部から軸方向他方側に延びる複数対の保持器爪部とを有し、
各対の保持器爪部の間に、前記各玉を収容するポケットが形成されている玉軸受において、
前記保持器円環部の周方向に隣り合う前記ポケットの間の前記保持器爪部同士をつなぐ部分の軸方向厚さa(mm)が、前記保持器円環部の軸方向一方側の側面から前記玉の中心までの軸方向距離c(mm)に対して、a<cを満たし、
前記玉のピッチ円直径をdm(mm)、前記玉の個数をZ(個)、前記玉の直径をDa(mm)としたときに、r=(dm×π÷Z)/Daで定義される玉間周長さ比率rが2.6以上11.4以下の大きさに設定されていることを特徴とする玉軸受。
(【0011】以降は省略されています)
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