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公開番号2025123768
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019430
出願日2024-02-13
発明の名称二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 83/07 20060101AFI20250818BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】クラックを生じさせず、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる、二液硬化型組成物セット等を提供すること。
【解決手段】ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記反応遅延剤Cの総質量に対する前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総質量の比が、500~2000であり、前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記反応遅延剤Cの総質量に対する前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総質量の比が、500~2000である、二液硬化型組成物セット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、
ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記反応遅延剤Cの総質量に対する前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総質量の比が、500~2000であり、
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記反応遅延剤Cの総質量に対する前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総質量の比が、500~2000である、
二液硬化型組成物セット。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含む場合、
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量が、前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C及び前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対して、0%超70%以下である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項3】
前記第一剤及び前記第二剤が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含まない、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項4】
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量を100重量部とした際の前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量が、50~200重量部である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項5】
前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAは、重量平均分子量が1000~100000であり、二重結合基当量が0.1~1.0mol/kgである、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項6】
前記反応遅延剤Cは、分子量が20~800g/molであり、二重結合基当量が1.0~20mol/kgである、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項7】
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記反応遅延剤Cの総質量に対する前記付加反応触媒Dの総質量の比が、10~45である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項8】
前記第一剤及び/又は前記第二剤が、熱伝導性フィラーEを含む、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項9】
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ビニル変性オルガノポリシロキサンA及び前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の前記熱伝導性フィラーEの総重量が、400~3000重量部である、
請求項8に記載の二液硬化型組成物セット。
【請求項10】
前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物の熱抵抗値が、1.0mm厚で3.0cm
2
・℃/W以下である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
パソコンのCPU(中央処理装置)等の発熱性電子部品の小型化、高出力化に伴い、それらの電子部品から発生する単位面積当たりの熱量は非常に大きくなってきている。それらの熱量は、アイロンの約20倍の熱量にも達する。この発熱性の電子部品を長期にわたり故障しないようにするためには、発熱する電子部品の冷却が必要とされる。冷却には、金属製のヒートシンクや筐体が使用されるが、発熱性電子部品とヒートシンク等とをそのまま接触させた場合、その界面において、微視的には空気が存在し、熱伝導の障害となることがある。したがって、効率よく熱を伝えるために、発熱性電子部品とヒートシンク等は、その間に熱伝導性材料を介して配置されることがある。
【0003】
熱伝導性材料としては、熱硬化性樹脂に熱伝導性充填材を充填し、シート状に成形した熱伝導性パッドや熱伝導性シート、流動性のある樹脂に熱伝導性充填材を充填し塗布や薄膜化が可能な熱伝導性グリース、発熱性電子部品の作動温度で軟化又は流動化する相変化型熱伝導性材料などがある。
【0004】
熱伝導性グリースとしては、例えばシリコーンに熱伝導性粉末を添加したものが使用されている。このような放熱グリースは、用いるシリコーンの種類に応じて、主に一液タイプと二液タイプに分類される。また、二液タイプはさらに縮合反応型と付加反応型に分けられる。二液タイプのシリコーンを含む熱伝導性グリースは、組成の異なる二種の組成物を含む二液硬化型組成物セットとして使用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-064230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
二液硬化型組成物セットは、例えば、第一剤と第二剤を混合した後、所定の部分に塗布等して使用される。以下、第一剤と第二剤を混合したものを、単に「混合物」ともいう。混合物は、混合時から硬化反応が進行する。例えば、第一剤と第二剤との反応が、ビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンの付加反応であれば、混合時から付加反応が進行し、理想的には、反応基質がすべて反応したところで、混合物の硬度や動的粘弾性などの物理特性は一定の値となる。ビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンの付加反応が完了した状態のことを「硬化物」という。
【0007】
このとき、混合物中に未反応成分が生じると不要な副反応が進行したり、揮発やオイルブリードの原因となったりするため、通常、二液硬化型組成物セットの第一剤と第二剤とは、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように設計される。具体的には、用法として第一剤と第二剤を等量混合して使用することが規定される二液硬化型組成物セットは、用法に従って第一剤と第二剤を等量混合した場合に、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように設計される。
【0008】
なお、特に断りがない限り、本実施形態において「混合物」とは、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように混合されたものを意味するものとする。なお、第一剤がビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンとを含み、第二剤がビニル変性オルガノポリシロキサンを含むような場合においても、混合物は、混合の結果として、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように混合されていればよい。
【0009】
さて、上記のようにして得られる混合物は、上記発熱性電子部品等に接触させて用いられるため、高温と低温のサイクル(以下、単に「ヒートサイクル」ともいう)に晒される。長時間ヒートサイクルに晒されると、混合物にクラック等が生じ、クラック部分で熱抵抗値が上昇する場合がある。そのため、ヒートサイクルを経てもクラックの生じにくい二液硬化型組成物セットの開発が求められる。
【0010】
しかしながら、本発明者がさらに検討を進めたところ、外観上はクラック等が生じていないにも関わらず、ヒートサイクルによって熱抵抗値が低下するという新たな現象が生じることが分かってきた。
(【0011】以降は省略されています)

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