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公開番号2025130980
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028413
出願日2024-02-28
発明の名称酸素富化装置
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類B01D 53/047 20060101AFI20250902BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 空気中の水分の影響をより一層良好に抑制するとともに、コスト増を抑制しつつ酸素富化空気を生成することができる酸素富化装置を提供する。
【解決手段】 酸素富化装置1Aは、空気圧縮機5により供給された圧縮空気から、吸着剤により少なくとも窒素および水分を吸着することにより乾燥酸素富化空気を生成する、1つ以上の吸着部、例えば吸着筒2A,2Bと、乾燥酸素富化空気の一部を当該吸着部に導入する酸素富化空気回路6と、を備える。酸素富化空気回路6は、稼働状態の吸着部で生成した乾燥酸素富化空気の一部を、再生状態の吸着部に供給して、吸着剤の再生を促進する。吸着剤として、少なくとも窒素を吸着する無機材料製の窒素吸着剤4と、少なくとも水分を吸着する有機高分子材料製の水分吸着剤3と、が用いられる。水分吸着剤3は、窒素吸着剤4から見て圧縮空気の流れの上流側に位置する。
【選択図】 図1

特許請求の範囲【請求項1】
供給された圧縮空気から吸着剤により少なくとも窒素および水分を吸着することにより乾燥酸素富化空気を生成する、1つ以上の吸着部と、
当該吸着部に圧縮空気を供給する空気圧縮機と、
前記吸着部で生成された前記乾燥酸素富化空気の一部を当該吸着部に導入する酸素富化空気回路と、
を備え、
前記吸着部が、前記圧縮空気が供給されて前記乾燥酸素富化空気を生成している状態を稼働状態とし、少なくとも内部を減圧することにより前記吸着剤から窒素および水分を脱着して当該吸着剤を再生している状態を再生状態としたときに、
前記酸素富化空気回路は、前記稼働状態の前記吸着部で生成した前記乾燥酸素富化空気の一部を、前記再生状態の前記吸着部に供給して、前記吸着剤の再生を促進し、
前記吸着剤として、少なくとも窒素を吸着する無機材料製の窒素吸着剤と、少なくとも水分を吸着する有機高分子材料製の水分吸着剤と、が用いられ、
前記吸着部では、前記水分吸着剤は、前記窒素吸着剤から見て前記圧縮空気の流れの上流側に位置することを特徴とする、
酸素富化装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記吸着部は、前記水分吸着剤が、前記窒素吸着剤から見て前記圧縮空気の流れの上流側に位置するように、少なくとも前記窒素吸着剤および前記水分吸着剤を充填することにより構成される吸着筒である、
請求項1に記載の酸素富化装置。
【請求項3】
前記吸着部は、前記窒素吸着剤を充填し前記水分吸着剤が充填されない窒素吸着筒、および、前記水分吸着剤を充填し前記窒素吸着剤が充填されない水分吸着筒を備え、
前記水分吸着筒は、前記窒素吸着筒に対して、前記圧縮空気の流れの上流側に直列に接続されている、
請求項1に記載の酸素富化装置。
【請求項4】
前記吸着部を複数備えるとともに、
これら複数の前記吸着部に接続される流路切換え弁をさらに備え、
前記空気圧縮機は、前記流路切換え弁を介して、複数の前記吸着部の少なくとも1つに対して、前記圧縮空気を供給する、
請求項2または3に記載の酸素富化装置。
【請求項5】
前記吸着部を複数備えるとともに、
これら複数の前記吸着部に対して、前記水分吸着筒側に接続される流路切換え弁と、
複数の前記窒素吸着筒と複数の前記水分吸着筒との間に配置される、第二流路切換え弁と、をさらに備え、
前記空気圧縮機は、前記流路切換え弁を切り換えることにより、複数の前記吸着部の少なくとも1つに対して、前記水分吸着筒側から前記圧縮空気を供給し、
前記第二流路切換え弁を切り換えることにより、複数の前記水分吸着筒における水分の吸着または脱着のサイクル時間と、複数の前記窒素吸着筒における窒素の吸着または脱着のサイクル時間とを変更する、
請求項3に記載の酸素富化装置。
【請求項6】
前記吸着部を1つのみ備えるとともに、
前記酸素富化空気回路は、前記稼働状態にある前記吸着部で生成された前記乾燥酸素富化空気を貯留するタンクを有し、
前記吸着筒内の前記圧縮空気を排出する開閉弁をさらに備え、
前記開閉弁を開放することにより、内部が減圧されて前記吸着部が前記再生状態になるとともに、
当該再生状態の前記吸着部に対して、前記タンクに貯留した前記乾燥酸素富化空気を供給することにより、前記吸着剤の再生を促進する、
請求項2または3に記載の酸素富化装置。
【請求項7】
前記有機高分子材料製の前記水分吸着剤を第一水分吸着剤としたときに、前記吸着筒には、さらに無機材料製の第二水分吸着剤が充填されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素富化装置。
【請求項8】
生成された前記乾燥酸素富化空気の総流量を1としたときに、前記吸着剤の再生に用いられる、前記乾燥酸素富化空気の一部の流量の比は、0.5以下である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素富化装置。
【請求項9】
前記有機高分子材料製の前記水分吸着剤は、少なくとも三次元架橋構造を有する親水性高分子から成る繊維状であって、
相対湿度80%以上のときに、前記無機材料製の前記窒素吸着剤よりも水分の吸放出速度が速いものであることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素富化装置。
【請求項10】
前記親水性高分子が、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カルシウム、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸誘導体、セルロースおよびその誘導体、ポリエステル、ポリビニルアルコールおよびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項9に記載の酸素富化装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、空気中よりも酸素濃度を高めた空気(酸素富化空気)を生成することができる酸素富化装置に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
酸素富化装置に用いられる圧力スウィング吸着(Pressure Swing Adsorption,PSA)システムは、圧力変動吸着とも呼ばれ、気体混合物中の特定の成分を分離・濃縮する技術として知られている。PSAシステムでは、特定の成分を吸着する吸着材料を用い、気体混合物中から特定の成分を吸着して他の成分を通過させることで、特定の成分の分離を実現するものである。
【0003】
例えば、特許文献1には、空気中の窒素を選択的に吸着する窒素吸着剤として、ゼオライト系の吸着剤を用い、この吸着剤を充填した吸着筒を2筒備える構成の酸素濃縮器(酸素富化装置)が開示されている。この構成では、一方の吸着筒内を加圧することにより、空気中の窒素を吸着剤に吸着させて酸素を分離し、他方の吸着筒内を減圧することにより、吸着剤から窒素が脱着されて吸着筒から排出している。このように、各吸着筒内を交互に加圧、減圧することにより、高濃度の酸素濃縮気体(酸素富化空気)を連続的に製造している。
【0004】
特許文献1に記載の酸素濃縮器では、さらに、窒素吸着剤として用いられる吸着剤の上流側に、空気中の水分を吸着して除去する多孔質の吸湿剤(水分吸着剤)を配置しており、当該吸湿剤としては、その平均細孔径を50~300Åの範囲としたものを用いている。これは、窒素吸着剤として用いられる吸着剤では、窒素を効率よく吸着するものの水分等も吸着できるためである。
【0005】
窒素吸着剤が水分を吸着した場合には、吸着筒内を減圧しても窒素のように良好に脱着されない。特許文献1では、吸着剤からの水分が良好に脱着(放出)されなければ吸着剤の寿命低下を招くことを課題としているため、前記の通り、平均細孔径を所定範囲とした多孔質の吸湿剤を併用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-286008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、吸湿剤(水分吸着剤)として、平均細孔径を所定範囲内とする特別な多孔質材料を用いている。一般に、多孔質材料の細孔径を制御することは容易ではないと考えられるので、特許文献1に記載の構成では、水分吸着剤の高コスト化を招くおそれがある。
【0008】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであって、空気中の水分の影響をより一層良好に抑制するとともに、コスト増を抑制しつつ酸素富化空気を生成することができる酸素富化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る酸素富化装置は、前記の課題を解決するために、供給された圧縮空気から吸着剤により少なくとも窒素および水分を吸着することにより乾燥酸素富化空気を生成する、1つ以上の吸着部と、当該吸着部に圧縮空気を供給する空気圧縮機と、前記吸着部で生成された前記乾燥酸素富化空気の一部を当該吸着部に導入する酸素富化空気回路と、
【0010】
を備え、前記吸着部が、前記圧縮空気が供給されて前記乾燥酸素富化空気を生成している状態を稼働状態とし、少なくとも内部を減圧することにより前記吸着剤から窒素および水分を脱着して当該吸着剤を再生している状態を再生状態としたときに、前記酸素富化空気回路は、前記稼働状態の前記吸着部で生成した前記乾燥酸素富化空気の一部を、前記再生状態の前記吸着部に供給して、前記吸着剤の再生を促進し、前記吸着剤として、少なくとも窒素を吸着する無機材料製の窒素吸着剤と、少なくとも水分を吸着する有機高分子材料製の水分吸着剤と、が用いられ、前記吸着部では、前記水分吸着剤は、前記窒素吸着剤から見て前記圧縮空気の流れの上流側に位置する構成である。
(【0011】以降は省略されています)

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