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公開番号2025132063
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029384
出願日2024-02-29
発明の名称人工皮革およびその製造方法ならびに衣料、雑貨
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06N 3/14 20060101AFI20250903BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】 優れたストレッチ性伸縮性を有する人工皮革を提供すること
【解決手段】 繊維絡合体と、水分散型ポリウレタンと、を含む人工皮革であって、前記繊維絡合体は、平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維で構成されてなる不織布と、撚り数が2500T/m以上5000T/m以下のマルチフィラメントで構成されてなる織編物と、が絡合一体化されてなり、前記人工皮革中の前記水分散型ポリウレタンの含有割合が、21質量%以上40質量%以下であり、前記マルチフィラメントの断面空隙率が30%以上70%以下である、人工皮革。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
繊維絡合体と、水分散型ポリウレタンと、を含む人工皮革であって、
前記繊維絡合体は、
平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維で構成されてなる不織布と、
撚り数が2500T/m以上5000T/m以下のマルチフィラメントで構成されてなる織編物と、
が絡合一体化されてなり、
前記人工皮革中の前記水分散型ポリウレタンの含有割合が、21質量%以上40質量%以下であり、
前記マルチフィラメントの断面空隙率が30%以上70%以下である、
人工皮革。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記人工皮革の少なくとも一方の表面が立毛を有する立毛面である、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
前記マルチフィラメントを構成する単糸の平均単繊維直径が10.0μm以上50.0μm以下であり、かつ、前記マルチフィラメント中の前記単糸の本数が20本以上500本以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項4】
極細繊維発現型繊維からなる不織布と、熱可塑性樹脂Aからなる単糸F

と、熱可塑性樹脂Bからなる単糸F

とを含み、撚り数が2500T/m以上5000T/m以下のマルチフィラメントで構成されてなる織編物と、を絡合させ、絡合シートを得る工程と、
前記絡合シートに水分散型ポリウレタンを付与し、水分散型ポリウレタン付シートを得る工程と、
前記水分散型ポリウレタン付シートをアルカリ溶剤に浸漬させ、前記極細繊維発現型繊維から平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維を発現させる工程と、
を含む、人工皮革の製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂Aはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、あるいはポリフェニレンスルフィド樹脂であり、
前記熱可塑性樹脂Bは共重合ポリエステル、およびポリ乳酸、共重合ポリビニルアルコールであり、
前記水分散型ポリウレタン付シート中の前記水分散型ポリウレタンの含有割合が、15質量%以上35質量%以下であり、
前記人工皮革のマルチフィラメントの断面空隙率が30%以上70%以下である、
人工皮革の製造方法。
【請求項5】
少なくとも一部が請求項1または2に記載の人工皮革である、衣料。
【請求項6】
少なくとも一部が請求項1または2に記載の人工皮革である、雑貨。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は人工皮革に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
主として極細繊維からなる繊維絡合体と高分子弾性体とからなる天然皮革調の人工皮革は、天然皮革にない優れた特徴を有しており、乗物用内装材用途、家具、雑貨、衣料用途等にその使用が年々広がってきている。中でも、人工皮革が衣料用途等に使用される際は、優れた表面品位に加え、関節部分の曲げ伸ばしや複数回の着脱に対して高い耐久性や優れたストレッチ性を有すること(伸長率と伸長回復率とに優れること)が求められる。
【0003】
これまでに人工皮革の耐久性とストレッチ性の両立を目的として、人工皮革にストレッチ性を有する織編物を挿入する方法が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、特定の複合繊維からなる糸条を含む織編物と、極細繊維発生型繊維とで絡合シートを作製し、シートを溶剤で処理し極細繊維を発現せしめた後、高分子弾性体の溶剤液を含浸、固化して、高分子弾性体を付与、または、高分子弾性体を付与した後、極細繊維を発現せしめ、一定の温度以上で前記織編物を揉んで収縮させる、伸縮性シートの製造方法が提案されている。そして、これによれば、外観、風合い、さらには伸長率および伸長回復率に優れたシート状物を得ることができる旨が記載されている。
【0005】
また、特許文献2では、スクリムを有する人工皮革であって、スクリムを構成するマルチフィラメント糸の総繊度、スクリムの織密度、破断伸度、さらに500g/cm定荷重伸度が特定の範囲である人工皮革が提案されている。そして、これによれば、広幅で且つ複雑な形状への追従性が良い人工皮革が得られる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008-261082号公報
特開2017-137588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されるような方法で得られる人工皮革の製造方法によれば、織編物を構成する繊維の近傍に空隙を発現させることで、人工皮革の伸縮性を向上できる旨が記載されている。しかしながら、ニードルパンチなどにより密に加工されたシートを用いた場合においては、ストレッチ性についてまだ改善の余地がある。
【0008】
また、特許文献2に開示されるような方法で得られる人工皮革は、織編物を構成する繊維の一部を溶解させ、織編物の近傍に空隙を発現させることで、伸びやすい人工皮革としている旨が記載されている。一方で、織物には形状を復元させる力がなく、縮みにくいため、ストレッチ性について劣った人工皮革である。
【0009】
そこで、本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、優れたストレッチ性を有する人工皮革を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、人工皮革の製造段階において、織編物に、溶剤への溶解性の低い樹脂からなる単糸F

と溶剤への溶解性の高い樹脂からなる単糸F

を混繊して特定の撚り数としたマルチフィラメントを用い、さらに、水分散型ポリウレタンが特定の割合で含有されるよう含浸させた後に、単糸F

を除去して得られた人工皮革が、織編物のマルチフィラメントの断面空隙率が特定の範囲となり、織編物繊維の撚り構造を保持されるため、人工皮革のストレッチ性を向上できるという知見を得た。さらに、織編物内部に微細な空隙が形成されるため、結果として、後加工により付与される機能の持続性をも向上できることが判明し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

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