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公開番号2025140436
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024039843
出願日2024-03-14
発明の名称最適制御方法、及び最適制御装置
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類H02J 3/00 20060101AFI20250919BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流制限機能を有するGFMインバータを備えた電力系統における最適制御問題を高速に解くようにすること。
【解決手段】本発明の一態様に係る最適制御装置1は、電流制限機能を有する1以上のGFMインバータA1を含む電力系統Aの動的信頼度を維持する、当該GFMインバータA1の状態を求める最適制御問題を定式化した第1の方程式系を解く演算部112を備える。第1の方程式系は、電力系統Aの動的モデルを示す第2の方程式系を含む。第2の方程式系は、電流制限機能が動作している場合に成立する第1条件分岐、及び、電流制限機能が動作していない場合に成立する第2条件分岐ごとに、1以上のGFMインバータA1の内部状態を表す第1の代数方程式として、相補性変数を用いて当該第1の代数方程式を再定式化した第3の代数方程式を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電流制限機能を有する1以上のGFMインバータを含む電力系統の動的信頼度を維持する、前記GFMインバータの状態を求める最適制御問題を定式化した第1の方程式系を解く第1のステップを備え、
前記第1の方程式系は、
前記電力系統の動的モデルを示す第2の方程式系を含み、
前記第2の方程式系は、
前記電流制限機能が動作している場合に成立する第1条件分岐、及び、前記電流制限機能が動作していない場合に成立する第2条件分岐ごとに、前記1以上のGFMインバータの内部状態を表す第1の代数方程式として、相補性変数を用いて前記第1の代数方程式を再定式化した第3の代数方程式を含む
最適制御方法。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記第2の方程式系は、
前記1以上のGFMインバータを有する電力系統における潮流、及び電圧の関係を表す第2の代数方程式として、当該第2の代数方程式に系統縮約法を適用して求められる第4の代数方程式を含む
請求項1に記載の最適制御方法。
【請求項3】
前記第1のステップにおける演算結果に基づいて、前記1以上のGFMインバータの制御を実行する第2のステップを備える
請求項1に記載の最適制御方法。
【請求項4】
前記第1のステップにおいて、前記第1の方程式系を随伴法によって解く、
請求項1から3のいずれかに記載の最適制御方法。
【請求項5】
電流制限機能を有する1以上のGFMインバータを含む電力系統の動的信頼度を維持する、前記GFMインバータの状態を求める最適制御問題を定式化した第1の方程式系を解く演算部を備え、
前記第1の方程式系は、
前記電力系統の動的モデルを示す第2の方程式系を含み、
前記第2の方程式系は、
前記電流制限機能が動作している場合に成立する第1条件分岐、及び、前記電流制限機能が動作していない場合に成立する第2条件分岐ごとに、前記1以上のGFMインバータの内部状態を表す第1の代数方程式として、相補性変数を用いて前記第1の代数方程式を再定式化した第3の代数方程式を含む
最適制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、最適制御方法、及び最適制御装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力系統のフレキシビリティやレジリエンスの向上が求められている。例えば、異常気象や自然災害などのイベントによって配電用変電所の電圧源が失われた場合、配電用変電所から広がるフィーダの一部又は全てを自立運転によって動作させることが要求される。この対策の1つに、電力系統に、GFMインバータ(Grid-Forming Inverter)を導入する構成が考えられる(例えば、特許文献1参照)。GFMインバータは、PCS(Power Conditioner System)の一種であり、自立して電圧を確立し、かつ安定運転を維持する制御機能を備えた装置である。
【0003】
なお、一般的に電力系統から自立して電圧を確立する分散型のエネルギーシステムは、「マイクログリッド」と呼ばれる。また配電変電所以下のフィーダ全体が上位の電力系統から自立する場合、「地域マイクログリッド」とも呼ばれている。以降では、このような電力系統に対してGFMインバータを含む構成を対象とする。
【0004】
地域マイクログリッドのような電力系統の運用においては、特に電圧や周波数の過渡的な変動が顕在化すると予想されることから、GFMインバータを含む電力系統の動的信頼度の維持が重要となる。ここで動的信頼度の基準は、潮流、周波数、電圧及び安定度などが運用限界値内に収まっているかどうかであり、これら状態の判定は動的モデルの評価によって行われる。したがって、GFMインバータを含む電力系統の動的モデルの構築、並びにリアルタイムでの動的モデルを活用した信頼度制御が必要となると考えられる。
【0005】
従来の電力系統の信頼度制御においては、電力系統における事故波及の可能性を極力小さくするために、仮に一次的事故が発生しても、その一時的事故が二次的事故や三次的事故に進展しないよう、予防制御や緊急制御が行われることが多い。予防制御は、電力系統の常時の運用状態に対して予め予防措置を講じる制御であり、また、緊急制御は、いったん事故波及が始まりかけた場合に何らかの方法で急いで事故波及を抑制する制御である(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
予防制御は、一般に、電力系統に重大な障害が発生した際においても電力系統の信頼度を維持可能にするために、発電機出力の再配分を事前に実施する制御を含むことが多い。
一方、緊急制御は、事故発生後に高速に発電機解列、及び負荷遮断を行う制御を含む。この緊急制御は、事故発生後から数百ミリ秒が経過するまでの間の応答が求められる。このため、需給状態に基づき解列すべき発電機と、当該受給状態に基づき遮断すべき負荷との組合せを示すルックアップテーブルが事前に求められる。そして、このルックアップテーブルに基づき発電機解列、及び負荷遮断を行う制御動作を、保護リレー等の制御機器が実行することで、高速な緊急制御が実現される(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
予防制御、及び緊急制御のいずれにおいても、電力系統における最適化問題を事前に解く等の手法を用いることにより、電力系統の動的信頼度を維持可能な発電機の最適な状態(以下、「最適状態」という)を求めることが必要となる。発電機の最適状態を求める問題は、動的信頼度を考慮した最適潮流問題(DSCOPF:Dynamic Security Constrained Optimal Power Flow problems)と呼ばれ、広く研究されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0008】
一般に、電力系統の動的信頼度の解析は、発電機や負荷の動特性を考慮した電力系統全体の微分代数方程式を用いて行われる。したがって、電力系統における最適潮流問題(TSCOPF)は、微分代数方程式の求解を要する最適制御問題(以下、「最適制御問題」と称する)として定式化される。最適制御問題の解法には、直接法を用いる手法と間接法を用いる手法とがある。直接法は、微分代数方程式を離散化し、最適制御問題における等式制約条件を満たす解を求める手法である。間接法は、微分代数方程式の求解と最適化計算とを交互に実行する手法である。
【0009】
最適制御問題の解法に直接法が用いられる場合、離散化された微分代数方程式におけるすべての時間ステップでの状態量が最適制御問題の変数に用いられるため、問題の変数サイズが大きくなり計算量が非常に膨大になる。
一方、最適制御問題の解法に間接法が用いられる場合、微分代数方程式と最適化問題とのそれぞれの求解のための計算が独立に行われるために、問題の変数サイズが比較的小さくなり、解が比較的高速に求められる。例えば、非特許文献4には、最適制御問題の解法に間接法の1種である随伴法を用いることにより、数千ノード規模の電力系統に対し、1回の制御を10秒ほどで実行できるこが開示されている。
【0010】
なお、GFMインバータは、内部要素の保護のために、過電流を検出したときに電流を制限する電流制限機能を備えており、この電流制限機能によって、GFMインバータの特性は不連続かつ複雑なものとなる。このため、GFMインバータを含む電力系統における最適制御問題に対し、非特許文献4に示される従来の解法を用いることは困難である。
一方、非特許文献5には、系統故障の発生等に伴って過大となる電流を制限する電流制限機能を有したGFMインバータを対象にした解析手法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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