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公開番号2025142066
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025120054,2019129481
出願日2025-07-16,2019-07-11
発明の名称強化複合材料から強化材を再生回収する方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 11/16 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、母材の種類によらず強化複合材料から連続繊維の状態で強化材を再生することできる、強化複合材料からの強化材の再生回収方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の強化複合材料から強化材を再生回収する方法は、母材と強化材とを含む強化複合材料から、強化材を再生回収する方法であって、a)前記強化複合材料を、処理溶液により、母材と強化材とに分解する工程、c)強化材を芯材に巻き取る工程、を含み、前記処理溶液が、ケトン系、アルコール系、アミド系、エーテル系、炭化水素系の溶媒を含まないことを特徴としている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
母材と強化材とを含む強化複合材料から、強化材を再生回収する方法であって、
a)前記強化複合材料を、処理溶液により、母材と強化材とに分解する工程、
c)強化材を芯材に巻き取る工程、
を含み、
前記処理溶液が、ケトン系、アルコール系、アミド系、エーテル系、炭化水素系の溶媒を含まないことを特徴とする、強化複合材料から強化材を再生回収する方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記a)工程が、
a1)硫酸溶液を電気分解することにより酸化性活性種を含む処理溶液を得る工程、
a2)前記処理溶液に、前記強化複合材料を浸漬して、母材と強化材とに分解する工程、を含む、請求項1記載の強化複合材料から強化材を再生回収する方法。
【請求項3】
前記a)工程と前記c)工程との間に
b)前記強化材を洗浄、乾燥する工程、
を含む、請求項1又は2記載の強化複合材料から強化材を再生回収する方法。
【請求項4】
前記強化材が、炭素繊維、ガラス繊維、及び金属繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種から構成される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の強化複合材料から強化材を再生回収する方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法で再生回収した強化材と、母材とを複合化することを特徴とする、強化複合材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、強化複合材料から強化材を再生回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
強化複合材料とは、母材である樹脂に、炭素繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、有機系高強度繊維等の強化材を複合化して成形される材料である。その特徴は強度が高く、鉄等の金属に比べて軽いことである。その特徴を活かして、エネルギー効率の向上に大きく貢献する素材として、一部の自動車や航空機等に加え、風車のブレード等にも利用され始めている。強化材の1つである炭素繊維の生産量は、2015年の6万トンから2020年の14万トンへ、5年間で2倍以上の増大が予想されている。炭素繊維はまず、石油からアクリロニトリルという化学物質を合成し、それを糸にしたアクリル繊維を製造する。そして、数千度という高温で炭化処理することによって炭素繊維が製造される。炭素繊維はそのまま使われる事もあるが、多くは連続繊維や不織布、チョップド等様々な形態に加工され、更に様々な種類の樹脂と複合することにより、強化複合材料の1つである炭素繊維強化プラスチック(CFRP)として使用されている。
【0003】
炭素繊維強化プラスチックは、強い、硬い、錆びない、腐らない等優れた材料特性を持っているが、それ故に廃棄方法が課題である。一般的なプラスチックは容易に燃焼させることができるが、炭素繊維は高度にグラファイト化された構造であるため燃えにくい。したがって、国内では炭素繊維強化プラスチックの端材や廃材は産業廃棄物として粉砕後、埋め立て処分されている。粉砕されて、埋め立て処分された炭素繊維は、生分解されずに海洋プラスチック汚染の原因物質となってしまう。
【0004】
そこで、使用後の強化複合材料から強化材を分離回収し、再利用する方法が提案されている。
例えば、低酸素状態で500~700℃の高温で炭素繊維強化プラスチックを処理することで、母材である樹脂成分を熱分解させて炭素繊維のみを回収する方法である。また、二段階熱分解法という技術も開発された。その技術は、一段階目である程度まで樹脂成分を熱分解し、そこから可燃性ガスを回収する。そのガスを加熱用の燃焼ガスとして活用することで、燃料の消費を低減する。その後、二段階目で再び熱分解し、繊維表面に残った樹脂成分を熱分解して除去する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、過熱水蒸気を利用する方法も提案されている。過熱水蒸気とは飽和蒸気を更に過熱することにより、ある圧力において飽和温度以上の蒸気温度を持つ水蒸気のことである。この過熱水蒸気を用いて、母材である樹脂成分を効率よく熱分解させて炭素繊維のみを回収する方法である(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、特定の有機溶剤に樹脂成分を溶解させる手法も提案されている。処理温度が100~150℃という低温であることと、ウェットプロセスなので樹脂の残存がないために、回収した炭素繊維の強度が低下しないことが特徴である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
更に、メタノールを8MPa以上の高圧装置に入れることで、超臨界状態にして樹脂を溶解する方法も提案されている。この方法も処理温度が240℃程度と比較的低温のため、回収した炭素繊維の強度は低下しないことが特徴である(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5347056号公報
特許第5876968号号公報
特開2013-203826号公報
【非特許文献】
【0009】
日立化成テクニカルレポートNo.42(2004.1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
炭素繊維強化プラスチックの現実における活用方法は、連続繊維から中間基材であるプリプレグや織物として加工され、それと母材である熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と組み合わせて製造される強化複合材料がほとんどである。しかし、特許文献1~3に記載の方法では、再生強化材は繊維長数cmの長繊維、又は繊維長数mmの短繊維として回収されることが多く、活用方法に制限があった。非特許文献1に提案されている常圧溶解法は、溶解できる樹脂がPET等のポリエステル系に限られるため、処理できる炭素繊維強化プラスチックに制限がある。熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維強化プラスチックは、使用される樹脂の種類が豊富で、PET(ポリエステル)、PP(ポリプロピレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PA(ポリアミド)等多岐にわたっている。しかし、それらを一目で見分けることは難しい。専用の機器を用いて分析することは可能だが、回収した炭素繊維強化プラスチックの部品を一つずつ分析して選別することは現実的ではない。そこで、全ての繊維強化プラスチックに適応可能であり、かつ強化材が連続繊維として再生できることができれば、その活用方法は大きく広がり、再生強化材が余ることなく循環型社会の実現につながる。
強化材を連続繊維として再生する部材としては、例えば、水素タンクやCNG圧力タンク等が挙げられる。これら圧力タンクは、耐衝撃性や耐擦傷性を向上し、更に外部との電気絶縁性を付与するために、炭素繊維強化プラスチックで成形されたタンクの外周部にガラス繊維強化プラスチックで覆っている。また、バルブやタンク内部にアルミニウムが使用されていることが多い。
このような部材にも適応でき、かつ強化材を連続繊維状態で再生できる技術が求められている。
(【0011】以降は省略されています)

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