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公開番号
2025167519
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-07
出願番号
2024072238
出願日
2024-04-26
発明の名称
液体電解用多孔質輸送層およびその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C25B
13/05 20210101AFI20251030BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】本発明は、面内方向の目付の均一性、表面平滑性、耐剥離性(しみ込み量)の全てを満足する液体電解用多孔質輸送層を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素繊維を含む導電性多孔質基材の少なくとも片面に微多孔層を有し、前記微多孔層の表面の算術平均高さSaが8μm以下である液体電解用多孔質輸送層。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素繊維を含む導電性多孔質基材の少なくとも片面に微多孔層を有し、前記微多孔層の表面の算術平均高さSaが8μm以下である液体電解用多孔質輸送層。
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
厚さが100μm以上である請求項1に記載の液体電解用多孔質輸送層。
【請求項3】
前記微多孔層の厚さが10μm以上200μm以下である請求項1に記載の液体電解用多孔質輸送層。
【請求項4】
前記微多孔層の導電性多孔質基材へのしみ込み部の厚さが10μm以上100μm以下である請求項1に記載の液体電解用多孔質輸送層。
【請求項5】
請求項1に記載の液体電解用多孔質輸送層を用いた膜電極接合体。
【請求項6】
請求項1に記載の液体電解用多孔質輸送層を用いた液体電解装置。
【請求項7】
炭素繊維を含む導電性多孔質基材に微多孔層用組成物を塗布して微多孔層を形成する塗布工程、前記塗布工程後に前記微多孔層に振動を与える振動工程、および前記振動工程後に前記導電性多孔質基材を焼結して液体電解用多孔質輸送層とする焼結工程を有する液体電解用多孔質輸送層の製造方法。
【請求項8】
前記振動工程によって、前記微多孔層の導電性多孔質基材へのしみ込み部の厚さを10μm以上100μm以下とする請求項7に記載の液体電解用多孔質輸送層の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体電解装置の膜電極接合体に用いられる多孔質輸送層およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、温室効果ガスの排出量削減に向けて、再生可能エネルギーを用いて液体を電解することにより長期保存可能な水素を製造する手法が注目を集めている。液体電解は電力と電解対象の液体のみから水素を製造するため、環境負荷がほとんどなく、安定的にエネルギーを貯蓄できる有望な手段の一つとして考えられている。電解対象の液体としては、水、ギ酸、液体アンモニアなどが挙げられ、特に水電解については現在盛んに研究がおこなわれている。水電解装置としては、固体高分子型(PEM型)水電解装置、アルカリ型水電解装置や固体酸化物形水電解装置等が挙げられる。中でもPEM型水電解装置は、固体高分子型燃料電池(PEFC)の技術が活用可能であり、高純度の水素を得られるため、研究開発が広く進められている。
【0003】
PEM型水電解装置のセルは、固体高分子電解質膜の両面にアノード触媒層とカソード触媒層がそれぞれ接合され、さらにその両側を多孔質輸送層(PTL)で挟み込まれてなる膜電極接合体(MEA)をさらにセパレータで挟み込む構成となっている。多孔質輸送層には導電性多孔質基材として、導電性と機械強度の点からカーボンペーパーやカーボンフェルトといった炭素繊維からなる多孔質基材やチタンなどからなる金属多孔質焼結体が用いられている。金属多孔質焼結体は腐食しにくいという利点があるが、高価であるため、比較的腐食が起こりにくいカソード側には炭素繊維からなる多孔質基材が用いられることがある。しかしながら、水電解セルは高圧で締結されるため、炭素繊維からなる多孔質基材を用いたときは、多孔質基材表面の毛羽が高分子電解質膜を貫通し、短絡や貫通した部分を起点とした高分子電解質膜の劣化を起こし、水電解性能が低下する可能性がある。そのため、高分子電解質膜の損傷を防ぎ、耐久性を高めるため、導電性多孔質基材の上に微多孔層を設けて、多孔質輸送層とすることがある。
【0004】
微多孔層の厚さは水電解性能や耐久性、品質やコストに影響を与えるため、指定された厚さおよび目付で均一に多孔質基材上に設ける必要がある。また、微多孔層の表面平滑性は、電解質膜との密着性や耐久性に大きく影響する。さらに、微多孔層の多孔質基材へのしみ込みも、微多孔層と多孔質輸送層の剥離強度に影響があるため制御する必要がある
多孔質基材上に微多孔層を形成する方法としては、微多孔層用組成物を多孔質基材上に塗布する方法がある。しかしながら、多孔質輸送層に使用され得る炭素繊維からなる多孔質基材は、構造や製法上の影響から無加圧状態での厚さバラつきや反りが大きいため、均一な厚さで微多孔層用組成物を塗布することは難しい。また、その場合、塗布後の塗料の表面を平滑にするために、塗料粘度を下げるという手段もあるが、しみ込みが多くなり、多孔質輸送層のガス拡散性が低下する。他にも、レベリング剤を添加するなどの方法もあるが、多孔質輸送層の物性を悪化させ水電解性能や耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
塗布後の微多孔層用組成物を平滑化する方法として、特許文献1では未硬化の塗膜に微振動を与えて塗膜の平滑化を促進する方法が開示されている。特許文献2では、スクリーン印刷にて超音波振動をペーストへ印加することにより、高いアスペクト比の印刷パターンを得る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-154441号公報
特開2010-149301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で開示されている方法は、ガラス、金属、プラスチックなどの空隙のない基板上の未硬化塗膜を平滑化する方法であり、本願の導電性多孔質基材のような多孔質基材への適用については記載も示唆もない。また、多孔質基材への塗膜のしみ込みについての言及もない。
【0008】
特許文献2についても導電性多孔質基材のような多孔質基材への適用については記載も示唆もなく、多孔質基材へのペーストのしみ込みについての言及もない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記の課題を解決し、目付および厚みが均一で平滑性の良く、また耐剥離性の高い微多孔層を形成するために、次のような手段を採用するものである。
(1)炭素繊維を含む導電性多孔質基材の少なくとも片面に微多孔層を有し、前記微多孔層の表面の算術平均高さSaが8μm以下である液体電解用多孔質輸送層。
(2)厚さが100μm以上である(1)に記載の液体電解用多孔質輸送層。
(3)前記微多孔層の厚さが10μm以上200μm以下である(1)または(2)に記載の液体電解用多孔質輸送層。
(4)前記微多孔層の導電性多孔質基材へのしみ込み部の厚さが10μm以上100μm以下である(1)~(3)のいずれかに記載の液体電解用多孔質輸送層。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の液体電解用多孔質輸送層を用いた膜電極接合体。
(6)(1)~(4)のいずれかにに記載の液体電解用多孔質輸送層を用いた液体電解装置。
(7)炭素繊維を含む導電性多孔質基材に微多孔層用組成物を塗布して微多孔層を形成する塗布工程、前記塗布工程後に前記微多孔層に振動を与えて微多孔層表面を平滑にする振動工程、および前記振動工程後に前記導電性多孔質基材を焼結して液体電解用多孔質輸送層とする焼結工程を有する液体電解用多孔質輸送層の製造方法。
(8)前記振動工程によって、前記微多孔層の導電性多孔質基材へのしみ込み部の厚さを10μm以上100μm以下とする(7)に記載の液体電解用多孔質輸送層の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、微多孔層の表面平滑性が高く、厚さおよび目付が均一で、耐剥離性が良好な液体電解用多孔質輸送層を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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