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公開番号2025108596
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025067238,2024020376
出願日2025-04-16,2010-05-25
発明の名称信号の高周波成分を生成するためのシステム及び方法
出願人ドルビー・インターナショナル・アーベー
代理人弁理士法人ITOH
主分類G10L 21/0388 20130101AFI20250715BHJP(楽器;音響)
要約【課題】異なるトランスポジション次数の種類の増加と付随する演算処理負担を軽減すること。
【解決手段】信号の低周波成分から該信号の高周波成分を生成するシステムは、信号の低周波成分から少なくとも2つの分析サブバンド信号を含む一群の分析サブバンド信号を提供するΔfの周波数分解能を有する分析フィルタバンクと、あるトランスポジション次数Pを用いて一群の分析サブバンド信号から一群の合成サブバンド信号を決定する非線形処理部であって、一群の合成サブバンド信号は、トランスポジション次数Pから導出された量だけ位相がシフトされた一群の分析サブバンド信号の一部分に基づいて決定する非線形処理部と、一群の合成サブバンド信号からの信号の高周波成分を生成する、FΔfの周波数分解能を有する合成フィルタバンクであって、Fは分解能因子であり、トランスポジション次数Pは分解能因子Fとは異なる、合成フィルタバンクとを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
信号の低周波成分から該信号の高周波成分を生成するように構成されたシステムであって、
前記信号の前記低周波成分から一群の分析サブバンド信号を提供するように構成された分析フィルタバンクであって、前記一群の分析サブバンド信号は少なくとも2つの分析サブバンド信号を含む、分析フィルタバンクと、
前記一群の分析サブバンド信号から一群の合成サブバンド信号を決定するように構成された非線形処理部であって、前記一群の分析サブバンド信号のうちのk番目の分析サブバンド信号及び(k+1)番目の分析サブバンド信号から、前記一群の合成サブバンド信号のうちのn番目の合成サブバンド信号を決定するように構成され、前記n番目の合成サブバンド信号の大きさは、前記k番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさ及び前記(k+1)番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさに依存しており、前記k番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさの指数部分と前記(k+1)番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさの指数部分との合計は1に等しく、前記n番目の合成サブバンド信号の位相はトランスポジション次数Tに依存している、非線形処理部と、
前記一群の合成サブバンド信号に基づいて、前記信号の高周波成分を生成するように構成された合成フィルタバンクと、
を有するシステム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記分析フィルタバンクがL

個の分析サブバンドを有し、L

>1であり、分析サブバンドのインデックスkは、k=0,...,L

-1であり、
前記合成フィルタバンクがL

個の合成サブバンドを有し、L

>1であり、合成サブバンドのインデックスnは、n=0,...,L

-1である、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記分析サブバンドの個数L

は前記合成サブバンドの個数L

に等しい、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記分析フィルタバンクはΔfの周波数分解能を有し、
前記合成フィルタバンクはFΔfの周波数分解能を有し、Fは、F≧1である分解能因子である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
エンコードされたビットストリームを前記信号の低周波成分に変換するように構成されたコアデコーダと、
前記高周波成分を複数のQMFサブバンド信号に変換するように構成された分析直交ミラーフィルタバンク(QMFバンク)と、
前記QMFサブバンド信号を修正するように構成された高周波再構築処理モジュールと、
修正されたQMFサブバンド信号から、修正された高周波成分を生成するように構成された合成QMFバンクと、
を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
信号の低周波成分から該信号の高周波成分を生成する方法であって、
前記信号の前記低周波成分から一群の分析サブバンド信号を提供するステップであって、前記一群の分析サブバンド信号は少なくとも2つの分析サブバンド信号を含む、ステップと、
前記一群の分析サブバンド信号から一群の合成サブバンド信号を決定するステップであって、前記一群の合成サブバンド信号のうちのn番目の合成サブバンド信号は、前記一群の分析サブバンド信号のうちのk番目の分析サブバンド信号及び(k+1)番目の分析サブバンド信号から決定され、前記n番目の合成サブバンド信号の大きさは、前記k番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさ及び前記(k+1)番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさに依存しており、前記k番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさの指数部分と前記(k+1)番目の分析サブバンド信号の指数表示における大きさの指数部分との合計は1に等しく、前記n番目の合成サブバンド信号の位相はトランスポジション次数Tに依存している、ステップと、
前記一群の合成サブバンド信号に基づいて、前記信号の高周波成分を生成するステップと、
を有する方法。
【請求項7】
前記一群の分析サブバンド信号は、分析フィルタバンクを利用して前記低周波成分から生成され、
前記高周波成分は、合成フィルタバンクを利用して前記一群の合成サブバンド信号から生成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサで実行されるように構成されたソフトウェアプログラムであって、コンピュータ装置で実行される場合に、請求項6に記載の方法のステップを実行させる、ソフトウェアプログラム。
【請求項9】
プロセッサで実行されるように構成されたソフトウェアプログラムであって、コンピュータ装置で実行される場合に、請求項6に記載の方法のステップを実行させるソフトウェアプログラムを含む記憶媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波再構築(HFR)のためのハーモニックトランスポジションを利用するオーディオコーディングシステムや、高調波歪の生成が処理信号にブライトネス(brightness)を加える所謂エキサイタのようなディジタルエフェクトプロセッサ等に関連する。特に、本願は高周波再構築のための簡易な方法に関連する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1(WO98/57436)において、オーディオ信号の低い周波数バンドから高い周波数バンドを作り直す方法として、トランスポジション(transposition)の概念が確立されている。オーディオコーディングにおいてこの概念を使用することで、ビットレートのかなりの削減効果が得られる。HFRを用いたオーディオコーディングシステムの場合、信号の低周波数成分として言及される低帯域幅信号がコア波形コーダに与えられ、デコーダ側における高周波成分の目標のスペクトル形状を記述する非常にビットレートが低い付加サイド情報及び信号トランスポジションを利用して、信号の高周波成分として言及される高周波が再生成される。低いビットレートの場合、コアの符号化信号の帯域幅(すなわち、低バンド信号又は低周波数成分)は狭いので、知覚的に心地よい特性の高バンド信号(すなわち、高周波成分)を再生成することはますます重要になる。特許文献1(WO98/57436)で規定されているハーモニックトランスポジションは、低いクロスオーバ周波数の状況において、すなわち低バンド信号の上限周波数が低い状況において、複雑な音楽内容について良好に機能する。ハーモニックトランスポジションの原理は、周波数ωの正弦波を周波数Tωの正弦波にマッピング又は対応付けることであり、ここでT>1はトランスポジションの次数(すなわち、トランスポジション次数)を指定する整数である。これに対して、単一の再度バンド変調(SSB)を用いたHFRは、周波数ωの正弦波を周波数ω+Δωの正弦波にマッピングし、ここでΔωは一定の周波数シフト量である。低い帯域幅のコア信号(すなわち、上限周波数が低い低バンド信号)の場合、SSBトランスポジションは、通常、耳障りな共鳴アーチファクト(dissonant ringing artifact)を招くので、この点はハーモニックトランスポジションと比較した場合の欠点である。
【0003】
改善されたオーディオ品質を達成し、かつ高バンド信号に必要な帯域幅を合成するために、ハーモニックHFR法は典型的にはいくつもの次数のトランスポジションを使用する。
様々なトランスポジション次数の複数のトランスポジションを実行するため、従来法は、分析ステージ、合成ステージ又はそれら双方において複数のフィルタバンクを必要とする。典型的には、異なるトランスポジション次数の各々について異なるフィルタバンクが必要である。コア波形コーダが最終的な出力信号のサンプリングレートよりも低いサンプリングレートで動作する場合、典型的には、コア信号を出力信号のサンプリングレートに変換する追加的な要請があり、そのようなコア信号のアップサンプリングは、通常、更に別のフィルタバンクを追加することで行われる。従って、異なるトランスポジション次数の種類の増加と共に、演算処理負担が著しく重くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第98/57436号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施の形態の課題は、異なるトランスポジション次数の種類の増加と共に、演算処理負担が著しく重くなってしまう従来の問題を少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によるシステムは、
信号の低周波成分から該信号の高周波成分を生成するように構成されるシステムであって、
前記信号の前記低周波成分から一群の分析サブバンド信号を提供するように構成される分析フィルタバンクであって、前記一群の分析サブバンド信号は少なくとも2つの分析サブバンド信号を含む、分析フィルタバンクと、
前記一群の分析サブバンド信号から一群の合成サブバンド信号を決定するように構成される非線形処理部であって、前記一群の分析サブバンド信号のうちのk番目の分析サブバンド信号及び(k+1)番目の分析サブバンド信号から、前記一群の合成サブバンド信号のうちのn番目の合成サブバンド信号を決定するように構成され、前記n番目の合成サブバンド信号の位相は、第1の整数位相乗数でスケーリングされたk番目の分析サブバンド信号の位相と、第2の整数位相乗数でスケーリングされた(k+1)番目の分析サブバンド信号の位相との総和として決定され、前記第1及び第2の整数位相乗数は異なる、非線形処理部と、
前記一群の合成サブバンド信号に基づいて、前記信号の高周波成分を生成するように構成される合成フィルタバンクと、
を有するシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
1次の周波数領域(FD)ハーモニックトランスポーザの処理例を示す図。
いくつもの次数を利用したハーモニックトランスポーザの処理例を示す図。
共通する分析フィルタバンクを使用しつつ、いくつもの次数のトランスポジションを利用したハーモニックトランスポーザの従来の処理例を示す図。
共通する合成フィルタバンクを使用しつつ、いくつもの次数のトランスポジションを利用したハーモニックトランスポーザの従来の処理例を示す図。
共通する分析フィルタバンク及び共通する合成フィルタバンクを使用しつつ、いくつもの次数のトランスポジションを利用したハーモニックトランスポーザの処理例を示す図。
図5に示すマルチプルトランスポーザに対するサブバンド信号のマッピング例を示す図。
図5に示すマルチプルトランスポーザに対するサブバンド信号のマッピング例を示す図。
HFRエンハンストオーディオコーデックにおいていくつもの次数のトランスポジションを利用するハーモニックトランスポジションの第1実施形態を示す図。
図6の例においてサブサンプリングを行う例を示す図。
HFRエンハンストオーディオコーデックにおいていくつもの次数のトランスポジションを利用するハーモニックトランスポジションの第2実施形態を示す図。
図8の例においてサブサンプリングを行う例を示す図。
HFRエンハンストオーディオコーデックにおいていくつもの次数のトランスポジションを利用するハーモニックトランスポジションの第3実施形態を示す図。
図10の例においてサブサンプリングを行う例を示す図。
周波数領域の信号に対するハーモニックトランスポジションの影響を示す図。
重複する及び重複しないトランスポジション後の信号を合成する方法を示す図。
重複する及び重複しないトランスポジション後の信号を合成する方法を示す図。
周波数領域の信号にサブサンプリングを追加的に行う場合における次数T=2のハーモニックトランスポジションの影響を示す図。
周波数領域の信号にサブサンプリングを追加的に行う場合における次数T=3のハーモニックトランスポジションの影響を示す図。
周波数領域の信号にサブサンプリングを追加的に行う場合における次数T=Pのハーモニックトランスポジションの影響を示す図(重複しない場合)。
周波数領域の信号にサブサンプリングを追加的に行う場合における次数T=Pのハーモニックトランスポジションの影響を示す図(重複する場合)。
最大にデシメーションする(すなわち、充分にサンプリングする)トランスポーザ構築ブロックのレイアウト例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、分析フィルタバンク群及び合成フィルタバンク群のペアをいくつものハーモニックトランスポーザで共用可能にすることにより、又は1つ以上のハーモニックトランスポーザ及びアップサンプラにより、ハーモニックHFR方法の複雑さを低減する方法を提供する。提案する周波数ドメインのトランスポジションは、分析フィルタバンクからの非線形に修正されたサブバンド信号を、合成フィルタバンクの選択されたサブバンドにマッピングすることを含む。サブバンド信号に関する非線形処理は何倍にも増やす位相乗算を含む。更に本発明はHFRシステムの複雑さを低減するいくつもの形態を提供する。
【0009】
一実施形態として、信号の低周波成分から該信号の高周波成分を生成するシステムが説明される。本システムは、信号の前記低周波成分から、少なくとも2つの分析サブバンド信号を典型的には含む一群の分析サブバンド信号を提供する分析フィルタバンクを有する。合成フィルタバンクはΔfの周波数分解能とL
A
個の分析サブバンドとを有し、L
A
>1であり、分析サブバンドのインデックスkは、k=0,...,L
A-1
である。特に、分析フィルタバンクは、大きさのサンプル及び位相のサンプルを有する一群の複素分析サブバンド信号を提供する。
【0010】
本システムは、あるトランスポジション次数Pを用いて一群の分析サブバンド信号から一群の合成サブバンド信号を決定する非線形処理部を更に有し、一群の合成サブバンド信号は、トランスポジション次数Pから導出された量だけ位相がシフトされた一群の分析サブバンド信号の一部分を典型的には有する。言い換えれば、一群の合成サブバンド信号は、トランスポジション次数Pから導出された量だけ位相がシフトされた一群の分析サブバンド信号の一部分に基づいて決定される。分析サブバンド信号の位相シフトは、分析サブバンド信号の位相サンプルに、トランスポジション因子Pから導出された量を乗算することで行われてもよい。その場合、一群の合成サブバンド信号は一群の分析サブバンド信号の一部又は部分集合に対応し、サブバンドサンプルの位相にはトランスポジション次数から導出された量が乗算されている。特に、トランスポジション次数から導出された量は、トランスポジション次数の分数(fraction)であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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