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公開番号2025109357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024003190
出願日2024-01-12
発明の名称構造物における残存耐力評価に用いる評価装置、評価方法、生成方法及び学習済モデル
出願人五洋建設株式会社
代理人弁理士法人朝日特許事務所
主分類E01D 22/00 20060101AFI20250717BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】桟橋等の構造物における残存耐力を評価する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】機械学習部12は、杭の劣化程度及び杭に対する外力条件を説明変数とし、杭の損傷状態を目的変数とする教師データを用いた機械学習を行うことで、学習済モデルを生成する。記録部13は、機械学習部12により生成された学習済モデルを記録する。入力部14は、入力項目として、評価対象となる杭の劣化程度及びその杭に対する外力条件を、記録部13に記録されている学習済モデルに入力する。判定部15は、入力部14による学習済モデルへの入力に応じて得られた杭の損傷状態に基づいて、外力条件に応じた外力を与えたときのその杭の供用可否を判定する。出力部16は、入力部14による学習済モデルへの入力に応じて得られた杭の損傷状態に応じた損傷状態データ、及び、桟橋を構成する各杭の供用可否に応じた供用可否データを出力する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
構造物における残存耐力評価に用いる評価装置であって、
構造物の各々の杭における劣化程度と、当該各々の杭に対する外力条件とを説明変数とし、
前記各々の杭に対して前記外力条件に応じた外力を与えたときの当該各々の杭の損傷状態を目的変数とする教師データを用いた機械学習により生成された学習済モデルを記録する記録部と、
入力項目として前記各々の杭のうち評価対象となる杭の劣化程度と、前記杭に対する外力条件とを前記学習済モデルに入力する入力部と、
前記入力部による前記学習済モデルへの入力に応じて得られた前記杭の損傷状態に応じた損傷状態データを出力する出力部と
を備える評価装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記学習済モデルにおける説明変数は、さらに前記各々の杭の劣化位置と当該劣化位置における劣化程度を含み、
前記入力部は、前記入力項目としてさらに評価対象となる杭の劣化位置と当該位置における劣化程度とを前記学習済モデルに入力する請求項1記載の評価装置。
【請求項3】
前記学習済モデルにおける説明変数は、さらに前記各々の杭によって支持された複数の支持部材の劣化度と、当該支持部材に対する外力条件とを含み、
前記学習済モデルにおける目的変数は、前記各々の杭及び当該杭によって支持された複数の支持部材に対して前記外力条件に応じた外力を与えたときの前記各々の杭によって支持された複数の支持部材の損傷状態を含み、
前記入力部は、前記入力項目としてさらに、前記杭によって支持された複数の支持部材の劣化度と当該支持部材に対する外力条件とを前記学習済モデルに入力する請求項1又は2記載の評価装置。
【請求項4】
前記学習済モデルにおける説明変数は、さらに前記各々の杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の劣化度と、当該支持部材及び当該床版に対する外力条件とを含み、
前記学習済モデルにおける目的変数は、前記各々の杭、当該杭によって支持された支持部材及び当該支持部材によって支持された床版に対して前記外力条件に応じた外力を与えたときの前記各々の杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の損傷状態を含み、
前記入力部は、前記入力項目としてさらに、前記杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の劣化度と前記支持部材及び前記床版に対する外力条件を前記学習済モデルに入力する請求項1又は2記載の評価装置。
【請求項5】
前記入力部による前記学習済モデルへの入力に応じて得られた前記杭の損傷状態及び前記杭の配置情報に基づいて、前記外力条件に応じた外力を与えたときの当該杭の供用可否を判定する判定部を備える
請求項1又は2記載の評価装置。
【請求項6】
前記入力部による前記学習済モデルへの入力に応じて得られた、前記杭及び前記杭によって支持された複数の支持部材の損傷状態と前記杭及び前記杭によって支持された複数の支持部材の配置情報とに基づいて、前記外力条件に応じた外力を与えたときの当該杭及び当該支持部材の供用可否を判定する判定部を備える
請求項3記載の評価装置。
【請求項7】
前記出力部により出力された前記杭、前記杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の損傷状態と、前記杭、前記杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の配置情報とに基づいて、前記外力条件に応じた外力を与えたときの当該杭、当該支持部材及び当該床版の供用可否を判定する判定部を備える
請求項4記載の評価装置。
【請求項8】
構造物における残存耐力評価に用いる評価装置であって、
構造物の各々の杭における劣化程度、劣化位置又は当該劣化位置における劣化程度と、前記各々の杭に対する外力条件とを説明変数とし、
前記各々の杭に対して前記外力条件に応じた外力を与えたときの当該各々の杭の供用可否を目的変数とする教師データを用いた機械学習により生成された学習済モデルを記録する記録部と、
入力項目として前記各々の杭のうち評価対象となる杭の劣化程度、劣化位置又は当該劣化位置における劣化程度と、前記杭に対する外力条件とを、前記学習済モデルに入力する入力部と、
前記入力部による入力に応じて得られた前記杭の供用可否に応じた供用可否データを出力する出力部と
を備える評価装置。
【請求項9】
前記学習済モデルにおける説明変数は、さらに前記各々の杭によって支持された複数の支持部材の劣化度と、当該支持部材に対する外力条件とを含み、
前記入力部は、前記入力項目としてさらに、前記杭によって支持された複数の支持部材の劣化度と、当該支持部材に対する外力条件とを前記学習済モデルに入力する請求項8記載の評価装置。
【請求項10】
前記学習済モデルにおける説明変数は、さらに前記各々の杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の劣化度と、当該支持部材及び当該床版に対する外力条件とを含み、
前記入力部は、前記入力項目としてさらに、前記杭によって支持された複数の支持部材及び当該複数の支持部材によって支持された床版の劣化度と、当該支持部材及び当該床版に対する外力条件とを前記学習済モデルに入力する請求項8記載の評価装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の残存耐力を評価するための技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
各種の港湾構造物の中でも、特に桟橋は塩害に対して厳しい環境に置かれており、より適切な維持管理を行っていかなければならないが、劣化した桟橋の残存耐力評価に関する実績は非常に少ない。
【0003】
このような問題に対しては、照査調査(詳細点検診断)を実施し、その結果に基づいた構造解析を実施しなければ残存耐力を評価できないのが現状である。詳細点検診断の実施時期は、通常点検診断施設であれば、供用期間中の適切な時期に少なくとも1回、また供用期間の延長時のタイミングである(非特許文献1参照)。
【0004】
詳細点検診断を実施しても桟橋の残存耐力を評価するためには、桟橋全体系の構造解析を実施する必要があるが、残存耐力を評価しないことも多い。この場合には、桟橋が現状保有する耐力を把握することができないため、補修や補強を行う場合には定量的な効果を確認することができず、原形復旧を前提として元の保有耐力に戻すこととなり合理的ではない。
【0005】
定期診断のタイミングに関わらず詳細点検診断を実施すれば残存耐力を把握することは可能である。しかし、そのコストが高く、また点検期間も長期に渡るため、特に民間保有の桟橋においては積極的に実施されていないのが現状である。また、点検から残存耐力評価に至るまでの期間が長期になることから、その間に大きな外力(例えば地震力等)が襲来する可能性も高くなる。さらに詳細点検診断を実施したとしても残存耐力を評価しない場合には、先述したように原形復旧を前提として元の保有耐力に戻すことが前提となるため、定量的で効果的な補修補強が実施されず、結果的にコストが高くなってしまうことも考えられ、合理的ではない。
【0006】
以上のことから、より簡易に、早く、安く、残存耐力評価を行う技術が求められている。そこで、非特許文献2では、汎用の構造解析ツールにより桟橋の残存耐力評価を比較的容易に行う手法が提案されている。ただし、これは梁の劣化を対象とした残存耐力評価手法を提案するものであり、杭や床版については対象としていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
(一財)沿岸技術研究センター:港湾の施設の維持管理技術マニュアル(改訂版),沿岸技術ライブラリーNo.49,2018.
宇野州彦,岩波光保:劣化度判定結果を活用した残存耐力評価手法の実桟橋への適用,土木学会論文集 B3(海洋開発),Vol.74,No.2,I_55-I_60,2018.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、桟橋では、梁や床版の上面をトラック等の車両が通行もしくは待機し、それによる積載荷重が発生する。積載物としては、車両のみではなく車両から積み下ろされた荷物や、クレーン等により船舶から荷降ろしされたコンテナをはじめとする輸送品がある。床版が劣化している場合、当該床を支持する支持部材である梁が劣化している場合、また、支持部材である梁を支持する大元の杭が劣化している場合には、設計時に想定されている積載荷重を保持できなくなる可能性があり、その場合は床版に孔があく又は変形するような損傷が発生し、車両や積載物が落下または損傷するといった被害が生じる。
【0009】
劣化した床版により構成される桟橋において、床版単体であれば、劣化度判定結果などにより残存耐力を評価することは可能であると考えられるが、杭、梁を含めた桟橋全体において外力によってどの床版がどの程度損傷するのかを把握することは容易ではない。これは次のような4つの要因が主に挙げられる。
(1)桟橋を構成する梁と床版は数が多いため、全数を把握するためには多大な時間とコストを要する。
(2)床版は梁や杭によって支持され、梁は杭により支持されている(または梁や杭に接続している)ため、梁や杭の劣化状況によっては、床版が健全であっても又は床版に損傷が発生するほどではない劣化があっても、上載荷重などの外力に対して抵抗できない可能性がある。特に梁や杭の劣化や残存耐力評価も考慮したうえで、床版の使用可否を判断する必要がある。
(3)床版に影響を与える外力は主として上載荷重であるが、床版を支持する梁、杭に影響を与える外力は上載荷重以外にも多数存在する。
(4)杭は、梁や、梁経由で床版と接合されていることから、これらの部材を(これらの部材は健全であっても劣化していても)考慮した杭の残存耐力を評価することは容易ではない。
【0010】
本発明は、上述した背景に鑑みてなされたものであり、桟橋や橋梁等の構造物における残存耐力を評価する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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