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公開番号2025110900
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2025006071
出願日2025-01-16
発明の名称木質柱梁の接合構造および接合部材
出願人学校法人近畿大学
代理人個人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20250722BHJP(建築物)
要約【課題】木質柱梁接合構造は、エネルギー吸収ができず、地震などの揺れの後、居住性を確保するには強度が不足する場合が多かった。
【解決手段】上側と下側の木質柱部材と、前記木質柱部材に直交する左右の木質梁部材を接合する接合構造であって、
上側枠部材と下側枠部材が対向する一対の側枠部材に固定され、
前記上側枠部材と前記下側枠部材間に固定される軸力支持部材と、
前記一対の側枠部材に固定された降伏部材を有する枠部材に対して
前記上側と下側の前記木質柱部材がそれぞれ前記上側枠部材と前記下側枠部材に接合され、
前記左右の前記木質梁部材が前記対向する一対の側枠部材に接合された接合構造は、降伏部材のみで振動を受け、変形することでエネルギーを吸収するので、振動経験後の建物も生活可能な状態で残すことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上側と下側の木質柱部材と、前記木質柱部材に直交する左右の木質梁部材を接合する接合構造であって、
上側枠部材と下側枠部材が対向する一対の側枠部材に固定され、
前記上側枠部材と前記下側枠部材間に固定される軸力支持部材と、
前記一対の側枠部材に固定された降伏部材を有する枠部材に対して
前記上側と下側の前記木質柱部材がそれぞれ前記上側枠部材と前記下側枠部材に接合され、
前記左右の前記木質梁部材が前記対向する一対の側枠部材に接合された接合構造。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記軸力支持部材は、
端部がピン接合となり、かつ、鉛直荷重が支持できる上下端とそれ以外で異なった断面形状の一対の部品で構成され、
互いの隙間は前記降伏部材の厚みより広い請求項1に記載された接合構造。
【請求項3】
前記軸力支持部材は、
前記上側枠部材と前記下側枠部材に固定される部分が中央部より曲げ抵抗性能が小さい請求項1に記載された接合構造。
【請求項4】
前記降伏部材は、前記側枠部材と固定される部分より中央の幅が狭いH型である請求項1に記載された接合構造であり、両端を繋ぐ部分を水平方向に設置する。
【請求項5】
前記上側枠部材と前記下側枠部材と前記一対の側枠部材は、前記木質柱および前記木質梁との接合側にドリフトピン用の孔を有する挿入版が形成されている請求項1に記載された接合構造。
【請求項6】
前記上側枠部材と前記下側枠部材と前記一対の側枠部材の少なくとも1カ所に鉄筋またはラージスクリューボルト(LSB)またはグリュードインロッド(GIR)が接合されている請求項1に記載された接合構造。
【請求項7】
前記側枠部材には、前記降伏部材を固定するフランジが形成されており、前記降伏部材は、前記フランジにボルト固定されている請求項1または2の何れかの請求項に記載された接合構造。
【請求項8】
木質構造の柱梁接合部に用いる接合部材であって、
上下の柱に接合される上側枠部材および下側枠部材と、
左右の梁に接合される一対の側枠部材と、
前記上側枠部材と下側枠部材に固定される軸力支持部材と、
前記一対の側部材間に固定される降伏部材を有し、
前記上側枠部材と前記下側枠部材と前記一対の側枠部材は、それぞれ固定され、
前記降伏部材は前記上側枠部材と前記下側枠部材と前記一対の側枠部材より水平抵抗力が大きい接合部材。
【請求項9】
前記軸力支持部材は、
断面がL字の等辺アングルで一方の辺を前記側枠部材に向けた2つの部品、または2つの角型鋼管で構成され、
互いの隙間は前記降伏部材の厚みより広い請求項8に記載された接合部材。
【請求項10】
前記軸力支持部材は、
前記上側枠部材と前記下側枠部材に固定される部分が中央部より曲げ抵抗性能が小さい請求項8に記載された接合部材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は木質構造の柱梁接合部の接合構造および接合部材に係るものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
木質ラーメン構造における柱梁接合部では、スリップ現象が生じてエネルギー吸収が極めて小さく、同じ剛性・耐力の鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて地震時に応答変位が大きくなることが問題点としてあげられる。さらに、終局時に至らない地震荷重または風荷重であっても、スリップのある履歴では塑性化することでスリップ現象が生じて剛性が著しく低下するため、居住性が損なわれる。
【0003】
通し柱による木質ラーメン構造において、GIR(Glued in Rod)、LSB(Lagscrewbolt)、引きボルトなど(これらを接合具と呼ぶ)の軸力抵抗型のモーメント接合部でスリップ現象が生じる主な原因としては、(1)引張側のみに抵抗するボルトの接合方法、(2)柱側面へのめり込み降伏などの木材の塑性変形がある。
【0004】
また、木質部材を用いたラーメン構造の問題点としては、以下の(a)、(b)2点が挙げられる。
(a)木材のせん断強度とせん断剛性は曲げ・圧縮・引張と比べて著しく小さい。そのため接合効率が高い場合では、柱・梁接合部(パネルゾーン)がせん断破壊して、耐力が頭打ちとなる。
(b)靭性能を確保するために、柱や梁のモーメント接合部の引っ張り側の接合具の一部の断面を小さくして引張降伏させて伸び量を確保する方法が一般に用いられており、その部位の存在によって接合部の回転剛性が大幅に低下する。
【0005】
鉄骨造では、H型鋼柱と梁の接合部であるパネルゾーン(ウェブ)に低降伏点鋼を用いてパネルゾーンをせん断降伏させる技術は制振技術としてあるが、圧縮軸力による影響があるため、圧縮軸力の作用するラーメン構造の主要な柱・梁接合部には適用されていない。
【0006】
特許文献1には、鋼板を井型に組み合わせた井型鋼板の上下および左右の鋼板部分に木質柱部材と木質梁部材を接合することで、梁部材のせん断力を井型鋼板を介して柱部材に伝達でき、柱部材のせん断力を井型鋼板を介して梁部材に伝達することを可能にする発明が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、木質部材を用いた場合に低降伏点鋼を用いてエネルギー吸収性を高める方法として、鋼管柱(鋼製部材)に固着された鋼製接合具を介して木製梁(木製部材)が接合される木製部材と鋼製部材との接合構造であって、鋼製接合具は、基端部が鋼管柱に固着される第1部分と、先端部から所定長さにわたって木製梁に接合される第2部分とを有し、少なくとも第1部分の降伏強度が、鋼管柱および木製梁よりも低く形成されている構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2023-174267号公報
特開2021-195842号公報
【非特許文献】
【0009】
木造ラーメンの評価方法・構造設計の手引き, 日本住宅・木材技術センター,2016年度版,2016.3
疲労設計便覧 日本材料学会編:養賢堂,pp.135,1995.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、木質柱部材と木質梁部材のスリップ現象の原因となる「めり込み」を発生させにくい構造としているが、地震による振動のエネルギーを吸収する構造を提供するものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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