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公開番号2025111861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2024005743
出願日2024-01-18
発明の名称半導体装置
出願人ミネベアパワーデバイス株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類H10D 30/66 20250101AFI20250724BHJP()
要約【課題】RC-IGBTのダイオード領域において、セルサイズが小さく、低電圧印加時の導通状態での電圧が低く、大電流導通後のリカバリー時間が短く、高耐圧な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1は、同一チップ内にIGBT領域2とダイオード領域3とを有し、ダイオード30は、第3のトレンチ13に挟まれた第2導電型の第1の半導体層31および第1の半導体層31よりも不純物濃度が低い第2導電型の第2の半導体層32と、第1導電型の第3の半導体層33と、第1の半導体層31および第2の半導体層32を貫通し第3の半導体層33に達する第4のトレンチ14と、第4のトレンチ14の内部に設けられた第1の電極51とを有し、第4のトレンチ14の側面は、第1の半導体層31と第2の半導体層32とに接しており、少なくとも第4のトレンチ14の底面において、第1の電極51は、第3の半導体層33とショットキー接合している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
同一チップ内にIGBT領域とダイオード領域とを有する半導体装置であって、
前記IGBT領域のIGBTは、内部にゲート電極が設けられた複数の第1のトレンチと、前記第1のトレンチに挟まれた第1導電型のエミッタ層と、前記第1のトレンチに挟まれ前記エミッタ層よりも下層に設けられた第2導電型のボディ層と、前記エミッタ層を貫通し前記ボディ層の途中まで設けられた第2のトレンチと、前記第2のトレンチを介して前記エミッタ層および前記ボディ層に電気的に接続されたエミッタ電極とを有し、
前記ダイオード領域のダイオードは、内部にエミッタ電位が印加されるトレンチ内電極を有する複数の第3のトレンチと、前記第3のトレンチに挟まれた第2導電型の第1の半導体層と、前記第3のトレンチに挟まれ前記第1の半導体層よりも下層に設けられ前記第1の半導体層よりも不純物濃度が低い第2導電型の第2の半導体層と、前記第2の半導体層よりも下層に設けられた第1導電型の第3の半導体層と、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層を貫通し前記第3の半導体層に達する第4のトレンチと、前記エミッタ電極に電気的に接続され前記第1の半導体層よりも上層と前記第4のトレンチの内部とに設けられた第1の電極とを有し、
前記第4のトレンチの側面は、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とに接しており、
少なくとも前記第4のトレンチの底面において、前記第1の電極は、前記第3の半導体層とショットキー接合していることを特徴とする半導体装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記第4のトレンチの側面の一部において、前記第1の電極は、前記第3の半導体層とショットキー接合していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ダイオードの前記第2の半導体層の不純物濃度は、前記IGBTの前記ボディ層の不純物濃度と実質的に同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第4のトレンチの深さは、前記第2のトレンチの深さよりも深く、前記第3のトレンチの深さよりも浅いことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記IGBTは、前記ボディ層よりも下層に設けられた第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層よりも下層に設けられた第2導電型のコレクタ層と、前記コレクタ層に電気的に接続されたコレクタ電極とを有し、
前記ダイオードは、前記第3の半導体層よりも下層に設けられ前記第3の半導体層よりも不純物濃度が高い第1導電型の第4の半導体層と、前記第4の半導体層と前記コレクタ電極とに電気的に接続された第2の電極とを有し、
前記ダイオードの前記第3の半導体層の不純物濃度は、前記IGBTの前記ドリフト層の不純物濃度と実質的に同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記IGBTは、前記ボディ層よりも下層に設けられた第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層よりも下層に設けられた第2導電型のコレクタ層と、前記コレクタ層に電気的に接続されたコレクタ電極と、前記ドリフト層と前記ボディ層との間に設けられ前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い第1導電型のバリア層とを有し、
前記ダイオードは、前記第3の半導体層よりも下層に設けられ前記第3の半導体層よりも不純物濃度が低い第1導電型の第4の半導体層と、前記第4の半導体層よりも下層に設けられ前記第4の半導体層よりも不純物濃度が高い第1導電型の第5の半導体層と、前記第5の半導体層と前記コレクタ電極とに電気的に接続された第2の電極とを有し、
前記ダイオードの前記第3の半導体層の不純物濃度は、前記IGBTの前記バリア層の不純物濃度と実質的に同じであり、
前記ダイオードの前記第4の半導体層の不純物濃度は、前記IGBTの前記ドリフト層の不純物濃度と実質的に同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記第1導電型はn型であり、前記第2導電型はp型であり、前記第1の電極はアノード電極であることを特徴とする半導体装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
同一チップ内にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードとを内蔵するRC-IGBT(RC:Reverse-Conducting、逆導通IGBT)は、IGBTとダイオードのターミネーション領域を共通化できるため、チップサイズ低減ができるメリットがある。また、IGBTとダイオードが動作するタイミングがそれぞれ異なるため、IGBT領域とダイオード領域とのうち一方で発生した損失による熱が他方に分散され、チップ全体で放熱できるため、熱抵抗が低減できるメリットもある。
【0003】
一方、RC-IGBTは、IGBTとダイオードとを同一チップ内に作り込むため、IGBTとダイオードの同時最適化が難しいという課題がある。
【0004】
ダイオード、もしくはRC-IGBTに内蔵されたダイオードのリカバリー時間を短くする技術としては、例えば特許文献1がある。特許文献1の図1~図3、段落0009~0038には、p+形半導体領域(31)とn-形半導体領域(21)とn+形半導体領域(22)とによりpinダイオードが形成されているとともに、アノード電極である第2電極(11)に接続された接続領域(16)が、p+形半導体領域(31)を貫通してn-形半導体領域(21)に達し、接続領域(16)とn-形半導体領域(21)によってSBD(ショットキーバリアダイオード)が形成され、低電流導通状態ではpinダイオードよりもSBDが優先的に動作することで、pinダイオードに比べて低電圧印加時の電流を増加させ、導通状態での電圧を低減させるとともに、大電流導通状態ではSBDよりもpinダイオードが優先的に動作し、p+形半導体領域(31)のY軸方向における幅、もしくはp+形半導体領域(31)と第2電極(11)との接触面積を小さくすることでアノード側からの正孔注入量を抑制し、リカバリー時間を短くする技術が記載されている。そして、特許文献1の図12には、RC-IGBTに内蔵されたダイオード領域(7D)に、上記した技術を適用したものが記載されている。
【0005】
また、RC-IGBTに内蔵されたダイオードにSBDを形成した他の技術としては、例えば特許文献2がある。特許文献2の図1には、RC-IGBTのダイオード部に設けられたSiエッチ領域(7)(第2のトレンチ)の側壁において、nドリフト層(n-層)(3)との間でショットキーバリアダイオード(10)を形成し、Siエッチ領域(7)の下部において、p+層(16)およびp層(17)が形成され、nドリフト層(n-層)(3)との間でpnダイオードを形成する技術が記載されている。
【0006】
また、RC-IGBTに内蔵されたダイオードにSBDを形成したさらに他の技術としては、例えば特許文献3がある。特許文献3の図35、段落132には、RC-IGBTのダイオード領域(108)において、金属製のピラー電極(142a)が、エミッタ/アノード電極(148)と導通しており、pアノード領域(124)を貫通しており、nバリア領域(122)とショットキー界面(152a)を介してショットキー接合している技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-55079号公報
特開2023-144460号公報
特開2013-48230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の図12に記載の技術では、接続領域(16)の周囲にp+形半導体領域(31)よりも低濃度のp形半導体領域がないため、耐圧保持時(逆バイアスが印加されダイオードがオフの時)に、接続領域(16)の角部で電界が集中し、耐圧低下やリーク電流の増加が懸念される。
【0009】
なお、特許文献1の図11には、RC-IGBTに内蔵されたダイオード領域(7D)に、p+形半導体領域(31)およびIGBT領域(7RI)のIGBTのp形ベース領域(32)の不純物濃度よりも低いp形半導体領域(30)を設け、接続領域(16)の底面と側面とを覆っている技術が記載されている。ここで、特許文献1の図8および段落0064には、n-形半導体領域(21)とp+形半導体領域(31)との間に、低濃度のp形半導体領域(30)が設けられたことにより、半導体装置(4)においては、オフ状態でp形半導体領域(30)とn-形半導体領域(21)との接合部からも空乏層が延び、これにより、オフ状態での耐圧がさらに上昇すること、および、p形半導体領域(30)は、低濃度領域であるため、低電流導通状態での電流の立ち上がりに影響を与えないことから、半導体装置(4)においては、オン電圧が低減することが記載されている。
【0010】
しかしながら、特許文献1の図8、図11の構成では、SBDが形成されていないので、特許文献1には、p形半導体領域(30)は、低濃度領域であるため、低電流導通状態での電流の立ち上がりに影響を与えないと記載されてはいるものの、実際にはpn接合となるので、ショットキー接合に比べれば、立ち上がりのビルトイン電圧が多少なりとも発生してしまい、低電流導通状態での電流の立ち上がりに多少なりとも影響が出てしまうという問題がある。なお、p形半導体領域(30)を低濃度にするほどビルトイン電圧は目立たなくなるが、ビルトイン電圧が目立たないようにp形半導体領域(30)を低濃度にしすぎると、耐圧が出なくなるというトレードオフの問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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