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公開番号2025115049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009361
出願日2024-01-25
発明の名称水系オーバーコート液
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類C09D 167/00 20060101AFI20250730BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】非吸液性の印刷基材への印刷においても、得られるインク塗膜の耐テープ剥離性及び耐爪擦過性に優れる、水系オーバーコート液、前記水系オーバーコート液及びインクを含むインクセット、並びに前記水系オーバーコート液を用いる印刷方法を提供すること。
【解決手段】[1]ポリエステル樹脂、ワックス、水溶性有機溶剤、及び水を含有し、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、50℃以上であり、前記水溶性有機溶剤が、多価アルコール、及び多価アルコールアルキルエーテルを含む、水系オーバーコート液、[2]前記[1]の水系オーバーコート液と、インクとを含む、インクセット、及び[3]インクを用いてインクジェット記録方式により印刷基材に画像を形成する工程1、及び:工程1で形成した画像表面上に、前記[1]の水系オーバーコート液を付与して印刷物を得る工程2を含む、印刷方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
印刷基材上に形成した画像表面上に付与される水系オーバーコート液であって、
ポリエステル樹脂、ワックス、水溶性有機溶剤、及び水を含有し、
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、50℃以上であり、
前記水溶性有機溶剤が、多価アルコール、及び多価アルコールアルキルエーテルを含む、水系オーバーコート液。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記ポリエステル樹脂の数平均分子量が、5,000以上20,000以下である、請求項1に記載の水系オーバーコート液。
【請求項3】
水系オーバーコート液中のポリエステル樹脂の含有量が、12質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項4】
水系オーバーコート液中のワックスの含有量が、1.2質量%以上である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項5】
多価アルコールが、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項6】
水系オーバーコート液中の多価アルコールの含有量が、10質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項7】
多価アルコールアルキルエーテルのSP値が、8.3以上9.8以下である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項8】
多価アルコールアルキルエーテルが、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項9】
水系オーバーコート液中の多価アルコールアルキルエーテルの含有量が、10質量%以下である、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
【請求項10】
ポリエステル樹脂がアルコール成分由来の構成単位とカルボン酸成分由来の構成単位を含有し、前記アルコール成分が脂肪族ジオールを含有し、前記カルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸を含有する、請求項1又は2に記載の水系オーバーコート液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水系オーバーコート液、前記水系オーバーコート液及びインクを含むインクセット、並びに前記水系オーバーコート液を用いる印刷方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式を用いる印刷方法は、微細なノズルからインク液滴を吐出し、直接印刷基材に付着させて、文字や画像が記録された印刷物等を得る方法である。この印刷方法は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、印刷基材として普通紙やラベル紙、合成樹脂などの様々な印刷基材が使用可能なこと等、数多くの利点があるため、普及が著しい。
【0003】
インクジェット記録方式の用途が拡大する中、近年特に成長を続けているラベル・パッケージ分野への展開が求められている。ラベル・パッケージ分野において印刷基材としては、ポリプロピレン(PP)フィルムやポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムのような非吸液性の合成樹脂フィルムが主に用いられる。
【0004】
例えば特許文献1には、印刷画質と耐水摩耗性に優れたインクセット、及び印刷物を提供することを目的として、前処理液(I)とインクジェットインキ(II)とオーバーコート液(III)とを含む水性インキセットであって、前記前処理液(I)が凝集剤(A)を含み、前記インクジェットインキ(II)が、顔料、顔料分散樹脂(B)、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び水を含み、前記オーバーコート液(III)がアクリル樹脂エマルション(C)、ワックス粒子(D)、及び水を含み、前記アクリル樹脂エマルション(C)の酸価が5~65mgKOH/gであり、前記ワックス粒子(D)が、融点80~90℃のカルナバワックス、及び、融点80~90℃のモンタンワックスからなる群から選択される少なくとも1種を含む、水性インキセットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-096217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、得られる印刷物のインク塗膜の塗膜耐久性として、特に耐テープ剥離性や爪先で擦過する際の耐爪擦過性が不足する場合、インク塗膜が非吸液性の印刷基材から剥がれ易く、印刷物の美粧性の低下、及び不正確な情報の掲示を招く恐れがある。そのため、合成樹脂フィルム等の非吸液性の印刷基材へ印刷する際は、インク塗膜の耐テープ剥離性及び爪先で擦過する際の耐爪擦過性の向上が強く求められている。
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、得られるインク塗膜の耐テープ剥離性及び耐爪擦過性が不十分であった。
本発明は、非吸液性の印刷基材への印刷においても、得られるインク塗膜の耐テープ剥離性及び耐爪擦過性に優れる、水系オーバーコート液、前記水系オーバーコート液及びインクを含むインクセット、並びに前記水系オーバーコート液を用いる印刷方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ポリエステル樹脂、ワックス、有機溶剤、及び水を含有する水系オーバーコート液において、前記ポリエステル樹脂が特定のガラス転移温度を有し、且つ前記有機溶剤が特定の有機溶剤を含むことで、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[3]に関する。
[1]印刷基材上に形成した画像表面上に付与される水系オーバーコート液であって、ポリエステル樹脂、ワックス、水溶性有機溶剤、及び水を含有し、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、50℃以上であり、前記水溶性有機溶剤が、多価アルコール、及び多価アルコールアルキルエーテルを含む、水系オーバーコート液。
[2]前記[1]に記載の水系オーバーコート液と、顔料を含有する架橋ポリマー粒子及び顔料を含有しないポリマー粒子を含有するインクとを含む、インクセット。
[3]前記[1]に記載の水系オーバーコート液を用い、下記の工程1及び工程2を含む、印刷方法。
工程1:顔料を含有する架橋ポリマー粒子及び顔料を含有しないポリマー粒子を含有するインクを用いてインクジェット記録方式により印刷基材に画像を形成する工程
工程2:工程1で形成した画像表面上に、前記水系オーバーコート液を付与して印刷物を得る工程
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、非吸液性の印刷基材への印刷においても、得られるインク塗膜の耐テープ剥離性及び耐爪擦過性に優れる、水系オーバーコート液、前記水系オーバーコート液及びインクを含むインクセット、並びに前記水系オーバーコート液を用いる印刷方法を提供できる。また、本発明の水系オーバーコート液によれば、得られるインク塗膜の耐アルコール擦過性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[水系オーバーコート液]
本発明の水系オーバーコート液は、印刷基材上に形成した画像表面上に付与される水系オーバーコート液であって、ポリエステル樹脂、ワックス、水溶性有機溶剤、及び水を含有し、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、50℃以上であり、前記水溶性有機溶剤が、多価アルコール、及び多価アルコールアルキルエーテルを含む。
【0010】
本発明において、水系オーバーコート液の「水系」とは、水系オーバーコート液に含有される媒体中で、水が質量基準で最大割合を占めていることを意味する。
また、本明細書において、低吸液性印刷基材の「非吸液性」とは、低吸液性及び非吸液性を含む概念であり、印刷基材と純水との接触時間100m秒における該印刷基材の吸水量が0g/m
2
以上10g/m
2
以下であることを意味する。前記吸水量は、自動走査吸液計(例えば、熊谷理機工業株式会社製「KM500win」)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下で、純水の接触時間100m秒における転移量を該吸水量として測定することができる。また、「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「印刷物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
(【0011】以降は省略されています)

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